いう)” の例文
真成なるいうといふものがあるとすれば、それに必要な条件が、かういふところで、現実的に、完全に備はつてゐるのではあるまいか。
クサンチス (新字旧仮名) / アルベール・サマン(著)
能登のとの「ワゲシ」はもつともこれにちかおんいうする鳳(フング)至(シ)の二によつてしめされたのが、いまは「ホーシ」とものがある。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
勘次かんじきはめてせま周圍しうゐいうしてる。しかかれせたちひさな體躯からだは、せま周圍しうゐ反撥はんぱつしてるやうな關係くわんけい自然しぜん成立なりたつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
余はコロボツクルは衣服いふくいうすれどときとしては屋内抔にて之を脱ぐ事有りしならんと想像そうぞうす。以上は口碑にをもきをきての説なり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そのくびからうへが、嚴肅げんしゆく緊張きんちやう極度きよくどやすんじて、何時いつまでつてもかはおそれいうせざるごとくにひとした。さうしてあたまには一ぽんもなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
同時代どうじだい解釋かいしやくくだされたのである、すこしく考古趣味かうこしゆみいうするものは、へんだなとおもはざるをないのであるが、それにはまたそれだけの理由りゆうる。
有力いうりよくなる軍器ぐんきへば、非常ひじやうなる爆發力ばくはつりよくいうする彈丸だんぐわん種類しゆるいかしら、それとも、一種いつしゆ魔力まりよくいうする大砲たいほう發明はつめいであらうか。
内儀のお徳さん娘のおいうさんといふのと三人暮し、近所の子に手習などを教へて、貧しい乍ら氣樂に過して居ります。
かゝなかにも社会しやくわい大勢力だいせいりよくいうする文学者ぶんがくしやどのは平気へいき平三へいざ行詰ゆきづまりしともおもはず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
或はいわれて澎湃ばうはい白沫をばし、或は瀾となり沈静ちんせい深緑しんりよくあらはす、沼田をはつして今日にいたり河幅水量ともはなはだしく减縮げんしゆくせるをおぼえず、果して尚幾多の長程と幾多いくたの険所とをいうする
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
らずらずの間に、私の想像力がたくましうして、無中むちゆういうを生じた処も無いには限らない。しかし大体の上から、私はかう云ふことが出来ると信ずる。私の予想は私を欺かなかつた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼等かれらいはゆる『世界改造せかいかいざう偉業ゐげふ』に參加さんかすべき責任せきにんいうしているんぢやないか。國内政治機關こくないせいぢきくわん改造かいざう要求えうきうする人民じんみんこゑ無視むしするわけくまいぢやないか。どうだいきみきみはサウおもはないんか。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
大運河の両がんの層楼はいづれも昔の建築で大抵は当時の貴族の邸宅だが、今はホテルや又は名も無い富家ふかいうに帰して、碧榭へきしや朱欄さては金泥きんでい画壁ぐわへきを水に映し、階上より色色いろいろの大きな旗をなびかせて
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
あるひいはく、『老莱子らうらいしまた楚人也そひとなりしよ十五へんあらはして道家だうか(一四)ようふ。孔子こうしときおなじうすとふ』と。けだ老子らうしは百いう六十餘歳よさいあるひふ二百餘歳よさいと。みちをさめてじゆやしなへるをもつなり
恁ういふことが出來たら、其はさぞ樂しいことだらう。併しこんなことがはたして僕等に出來るだらうか、少くとも僕等はそんなことを素質そしついうしてゐるだらうか。うして思ひもよらぬことだ。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
世界の空気が、彼女のいうであるやうに
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
不用ふようのものを廉價れんかつて便宜べんぎいうしてゐることなどにうつつて、仕舞しまひその家庭かてい如何いかにも陽氣やうきで、にぎやかな模樣もやうちてつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しか彼等かれらは一ぱういうして矛盾むじゆんした羞耻しうちねんせいせられてえるやうな心情しんじやうからひそか果敢はかないひかりしゆとしてむかつてそゝぐのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わが日本民族にほんみんぞく靈智れいち靈能れいのうつてゐる。炳乎へいこたる獨特どくとく文化ぶんくわいうしてゐる。もとより拓拔氏たくばつし印度人いんどじんやトルコじんではない。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
こと艇尾ていび兩瑞りようたん裝置さうちされたる六枚ろくまいつばさいうする推進螺旋スクリユー不思議ふしぎなる廻轉作用くわいてんさようあづかつてちからあること記臆きおくしてもらはねばならぬ。
瓢簟形ひようたんがたあるひ前方後圓ぜんぱうこうゑん古墳こふんであるとすれば、その山頂さんてう古墳こふん山麓さんろく横穴よこあなと、如何いかなる關係くわんけいいうするであらうか。
是等これらは皆現今用ゐらるるものの例なれど、古代に在ても地方ちはうに由り人種に由つては種々樣々しゆ/″\さま/″\なる住居ぢうきよ有りし事疑ふべからず。コロボックルは如何なる種類しゆるゐの住居をいうせしや。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
くのごと文学者ぶんがくしや身分みぶん不相応ふさうおう勢力せいりよくいうし且つ身分みぶん不相応ふさうおうにのンきなり。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
しか其麽そんなことは勘次かんじくるしめてのさもしいこゝろあるもの挽囘ばんくわいさせるちからいうしてないのみでなく、ほとんどなんひゞきをもかれこゝろつたふるものではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
たとへば山城やましろの「サガラ」はもつともこれにちかおんいうする相(サング)樂(ラー)の二によつてあらはされたのが、いまは「ソーラク」とませてをり
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
わたくし武村兵曹たけむらへいそうじつこゝろいたよ。此時このとき吾等われら一同いちどう沈默ちんもくは、千萬言せんまんげんよりもふか意味ゐみいうしてるのであつた。
水谷氏みづたにしも、余等よらも、彌生式やよひしきついては、意見いけん發表はつぺうせず、またべついうしてらなかつた時代じだいである。
いうしてゐる以上は(又如何いかに高等な翫賞くわんしやう家でもこの誠実な感情を離れて翫賞の出来ないのは無論であるが)誰でも中佐があんな詩を作らずに黙つて閉塞船で死んでれたならと思ふだらう。
艇長の遺書と中佐の詩 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
アイヌ間にそんする口碑こうひに由ればコロボックルは又木製もくせいの皿をもいうせしが如し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
なほ化物ばけものに一の必要條件ひつえうぜうけんは、文化ぶんくわ程度ていど非常ひぜう密接みつせつ關係くわんけいいうすることである。化物ばけもの想像さうざうすることにあらずしてぜうである。はしると化物ばけもの發達はつたつしない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
それが彌生式やよひしきたゞちに結合けつがふされるかいなかは、いま斷言だんげんするあたはずだが、特種とくしゆ貝塚かひづかるとみとめられたうへは、それが彌生式土器やよひしきどきおほ關係くわんけいいうしてるとまではへるのである。
すなはもつと高遠かうゑんなるは神話しんわとなり、もつと卑近ひきんなるはお伽噺とぎばなしとなり、一ぱん學術がくじゆつとく歴史上れきしじやうおいても、またぱん生活上せいくわつじやうおいても、じつ微妙びめうなる關係くわんけいいうしてるのである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)