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別段
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べつだん
ふりがな文庫
“
別段
(
べつだん
)” の例文
狼群
(
ろうぐん
)
は
鉄砲
(
てっぽう
)
をおそれて日中はあまりでないし、また人間の
姿
(
すがた
)
が見えると、さっさと
逃
(
に
)
げてしまうので、この日は
別段
(
べつだん
)
危険
(
きけん
)
もなかった。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
「自分の家に属してある属領から上って来る物があるからそれで沢山だ。
別段
(
べつだん
)
に法王に御
厄介
(
やっかい
)
をかけてそんなに沢山貰うにも及ばぬ」
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
一体
(
いつたい
)
東海道
(
とうかいだう
)
掛川
(
かけがは
)
の
宿
(
しゆく
)
から
同
(
おなじ
)
汽車
(
きしや
)
に
乗
(
の
)
り
組
(
く
)
んだと
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る、
腰掛
(
こしかけ
)
の
隅
(
すみ
)
に
頭
(
かうべ
)
を
垂
(
た
)
れて、
死灰
(
しくわい
)
の
如
(
ごと
)
く
控
(
ひか
)
へたから
別段
(
べつだん
)
目
(
め
)
にも
留
(
と
)
まらなかつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ウム、
夫
(
それ
)
は
検熱器
(
けんねつき
)
と
云
(
い
)
ふものだ、
是
(
これ
)
が
聴診器
(
ちやうしんき
)
、
是
(
これ
)
が
打診器
(
だしんき
)
と
云
(
い
)
ふものだ。伊「へえー。殿「一つ
診
(
み
)
てやらうか。登「いえ
私
(
わたくし
)
は
別段
(
べつだん
)
何処
(
どこ
)
も。 ...
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小六
(
ころく
)
は
宗助
(
そうすけ
)
が
起
(
お
)
きる
少
(
すこ
)
し
前
(
まへ
)
に、
何處
(
どこ
)
かへ
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つて、
今朝
(
けさ
)
は
顏
(
かほ
)
さへ
見
(
み
)
せなかつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
御米
(
およね
)
に
向
(
むか
)
つて
別段
(
べつだん
)
其
(
その
)
行先
(
ゆくさき
)
を
聞
(
き
)
き
糺
(
たゞ
)
しもしなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
乃
(
そこ
)
で
種々
(
いろ/\
)
押問答
(
おしもんだふ
)
しましたが、
愛
(
あい
)
ちやんの
方
(
はう
)
でも
別段
(
べつだん
)
巧
(
うま
)
い
理屈
(
りくつ
)
も
出
(
で
)
ず、
殊
(
こと
)
に
芋蟲
(
いもむし
)
が
非常
(
ひじよう
)
に
不興
(
ふきよう
)
げに
見
(
み
)
えたので、
愛
(
あい
)
ちやんは
早速
(
さつそく
)
戻
(
もど
)
りかけました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此關係
(
このかんけい
)
は
關東大地震
(
かんとうだいぢしん
)
、
但馬地震
(
たじまぢしん
)
、
丹後地震
(
たんごぢしん
)
に
於
(
おい
)
て、
此頃
(
このごろ
)
證據立
(
しようこだ
)
てられた
所
(
ところ
)
であつて、
別段
(
べつだん
)
な
説明
(
せつめい
)
を
要
(
よう
)
しない
事實
(
じじつ
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
左
(
と
)
に
右
(
かく
)
、
彼
(
かれ
)
は
醫科大學
(
いくわだいがく
)
を
卒業
(
そつげふ
)
して
司祭
(
しさい
)
の
職
(
しよく
)
には
就
(
つ
)
かなかつた。
而
(
さう
)
して
醫者
(
いしや
)
として
身
(
み
)
を
立
(
た
)
つる
初
(
はじ
)
めに
於
(
おい
)
ても、
猶
(
なほ
)
今日
(
こんにち
)
の
如
(
ごと
)
く
別段
(
べつだん
)
宗教家
(
しゆうけうか
)
らしい
所
(
ところ
)
は
少
(
すく
)
なかつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
正九郎は
別段
(
べつだん
)
みたわけではない。だがはじめから空気ポンプがどこにあるか知っていた。さわってみなくてもはれもののあるところがわかるのと同じことである。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
賞
(
しやう
)
して傳吉は領主より
相當
(
さうたう
)
の
恩賞
(
おんしやう
)
あるべき
旨
(
むね
)
別段
(
べつだん
)
遠江守へ仰せ付らるゝ間此旨留守居へ
相心得
(
あひこゝろえ
)
よと申渡す
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
然
(
しか
)
し
從來
(
じゆうらい
)
其麽
(
そんな
)
ことは
滅多
(
めつた
)
になく、
別段
(
べつだん
)
に
認
(
みと
)
むべき
弊害
(
へいがい
)
が
伴
(
ともな
)
ふのでもないのであつた。それで
普通
(
ふつう
)
どの
家
(
うち
)
でも
彼等
(
かれら
)
が
滿足
(
まんぞく
)
を
買
(
か
)
ひ
得
(
う
)
る
分量
(
ぶんりやう
)
を
前以
(
まへもつ
)
て
用意
(
ようい
)
して
居
(
ゐ
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
お
職業
(
しよくげふ
)
はと
問
(
と
)
へば、いえ
別段
(
べつだん
)
これといふ
物
(
もの
)
も
御座
(
ござ
)
りませぬとて
至極
(
しごく
)
曖昧
(
あいまい
)
の
答
(
こた
)
へなり、
御人數
(
ごにんず
)
はと
聞
(
き
)
かれて、
其何
(
そのなん
)
だか
四五人
(
しごにん
)
の
事
(
こと
)
も
御座
(
ござ
)
りますし、
七八人
(
しちはちにん
)
にもなりますし
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
例
(
たと
)
へば
日本
(
にほん
)
は
小島國
(
せうたうごく
)
であつて、
氣候
(
きこう
)
温和
(
をんわ
)
、
山水
(
さんすゐ
)
も
概
(
がい
)
して
平凡
(
へいぼん
)
で
別段
(
べつだん
)
高嶽峻嶺
(
かうがくしゆんれい
)
深山幽澤
(
しんざんゆうたく
)
といふものもない。
凡
(
すべ
)
てのものが
小規模
(
せうきも
)
である。その
我邦
(
わがくに
)
に
雄大
(
ゆうだい
)
な
化物
(
ばけもの
)
のあらう
筈
(
はず
)
はない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
女子教育上
(
ぢよしけういくじやう
)
の
意見
(
いけん
)
としては
別段
(
べつだん
)
に
申上
(
まをしあげ
)
ることも
御在
(
ござ
)
ませんが、
唯
(
た
)
だ
私
(
わたくし
)
が一
昨年
(
さくねん
)
の
春
(
はる
)
此
(
こ
)
の
女子英學塾
(
ぢよしえいがくじゆく
)
を
開
(
ひら
)
いてから
以來
(
いらい
)
、
種々
(
いろ/\
)
今日
(
こんにち
)
の
女子
(
ぢよし
)
即
(
すなは
)
ち
女學生
(
ぢよがくせい
)
に
就
(
つい
)
て
經驗
(
けいけん
)
した
事
(
こと
)
がありますから
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
別段
(
べつだん
)
さうするやうに
言
(
い
)
ひつけた
譯
(
わけ
)
ではなかつたけれど、
自然
(
しぜん
)
自然
(
しぜん
)
に
母
(
はゝ
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
を
會得
(
ゑとく
)
して
來
(
き
)
た
娘
(
むすめ
)
の
君子
(
きみこ
)
は、十三になつた
今年頃
(
ことしごろ
)
から、一
人前
(
にんまへ
)
の
仕事
(
しごと
)
にたづさはるのを
樂
(
たの
)
しむものゝやうに
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
文福
(
ぶんぶく
)
茶
(
ちゃ
)
がまもそれなりくたびれて
寝込
(
ねこ
)
んででもしまったのか、それからは
別段
(
べつだん
)
手足
(
てあし
)
が
生
(
は
)
えて
踊
(
おど
)
り
出
(
だ
)
すというようなこともなく、このお
寺
(
てら
)
の
宝物
(
ほうもつ
)
になって、
今日
(
こんにち
)
まで
伝
(
つた
)
わっているそうです。
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「さればにて
候
(
さふらふ
)
、
別段
(
べつだん
)
是
(
これ
)
と
申
(
まを
)
して
君
(
きみ
)
に
勸
(
すゝ
)
め
奉
(
たてまつ
)
るほどのものも
候
(
さふら
)
はねど
不圖
(
ふと
)
思附
(
おもひつ
)
きたるは
飼鳥
(
かひどり
)
に
候
(
さふらふ
)
、
彼
(
あれ
)
を
遊
(
あそ
)
ばして
御覽候
(
ごらんさふら
)
へ」といふ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
他
(
ほか
)
に
別段
(
べつだん
)
用事
(
ようじ
)
もなかつたので、
大方
(
おほかた
)
終
(
しま
)
ひには
何
(
なに
)
か
良
(
い
)
い
事
(
こと
)
を
話
(
はな
)
して
呉
(
く
)
れるだらうと
思
(
おも
)
つて
悠然
(
ゆつくり
)
待
(
ま
)
つてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
坂井
(
さかゐ
)
から
取
(
と
)
つて
來
(
き
)
た
品
(
しな
)
が、
御米
(
およね
)
の
嗜好
(
しかう
)
に
合
(
あ
)
つたので、
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りに
細君
(
さいくん
)
を
喜
(
よろこ
)
ばせて
遣
(
や
)
つた
自覺
(
じかく
)
があるばかりだつたから、
別段
(
べつだん
)
そこには
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
かなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
が
恁
(
か
)
くするのは、
別段
(
べつだん
)
同情
(
どうじやう
)
からでもなく、と
云
(
い
)
つて、
或
(
あ
)
る
情誼
(
じやうぎ
)
からするのでもなく、
唯
(
たゞ
)
右
(
みぎ
)
の
隣
(
となり
)
にゐるグロモフと
云
(
い
)
ふ
人
(
ひと
)
に
習
(
なら
)
つて、
自然
(
しぜん
)
其眞似
(
そのまね
)
をするので
有
(
あ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
催
(
もよほ
)
し
講中
(
かうちう
)
の内にて
紺屋
(
こんや
)
五郎兵衞
蒔繪師
(
まきゑし
)
三右衞門米屋六兵衞
呉服屋
(
ごふくや
)
又兵衞の四
人
(
にん
)
を跡へ止め
別段
(
べつだん
)
に
酒肴
(
しゆかう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その翌三月十日頃までは書物はこの国の図書館長が買い集めてくれますから、私は
別段
(
べつだん
)
用事もない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
此
(
こ
)
の二つの
外
(
ほか
)
には
別段
(
べつだん
)
此
(
こ
)
れというて
數
(
かぞ
)
へる
程
(
ほど
)
他人
(
たにん
)
の
記憶
(
きおく
)
にも
残
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
なかつた。それでも
彼
(
かれ
)
の
大
(
おほ
)
きな
躰躯
(
からだ
)
と
性來
(
せいらい
)
の
器用
(
きよう
)
とは
主人
(
しゆじん
)
をして
比較的
(
ひかくてき
)
餘計
(
よけい
)
な
給料
(
きふれう
)
を
惜
(
をし
)
ませなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それで
神々
(
かみ/\
)
の
内
(
うち
)
で
別段
(
べつだん
)
異樣
(
いやう
)
な
相
(
さう
)
をしたものはない。
猿田彦命
(
さるたひこのみこと
)
が
鼻
(
はな
)
が
高
(
たか
)
いとか、
天鈿目命
(
あまのうづめのみこと
)
が
顏
(
かほ
)
がをかしかつたといふ
位
(
くらゐ
)
のものである。
又
(
また
)
化物思想
(
ばけものしさう
)
を
具體的
(
ぐたいてき
)
に
現
(
あら
)
はした
繪
(
ゑ
)
も
餘
(
あま
)
り
多
(
おほ
)
くはない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
『あァ、
此處
(
こゝ
)
に
玉
(
たま
)
ちやんが
居
(
ゐ
)
れば
可
(
い
)
いにねえ!』と
別段
(
べつだん
)
誰
(
だれ
)
に
云
(
い
)
ふともなく
愛
(
あい
)
ちやんが
聲高
(
こわだか
)
に
云
(
い
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
とにかく、
彼
(
かれ
)
は
医科大学
(
いかだいがく
)
を
卒業
(
そつぎょう
)
して
司祭
(
しさい
)
の
職
(
しょく
)
には
就
(
つ
)
かなかった。そうして
医者
(
いしゃ
)
として
身
(
み
)
を
立
(
た
)
つる
初
(
はじ
)
めにおいても、なお
今日
(
こんにち
)
の
如
(
ごと
)
く
別段
(
べつだん
)
宗教家
(
しゅうきょうか
)
らしい
所
(
ところ
)
は
少
(
すく
)
なかった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
汽車
(
きしや
)
に
乘
(
の
)
ると
短
(
みじ
)
かい
道中
(
だうちゆう
)
でも
氣
(
き
)
の
所爲
(
せゐ
)
か
疲
(
つか
)
れるね。
留守中
(
るすちゆう
)
に
別段
(
べつだん
)
變
(
かは
)
つた
事
(
こと
)
はなかつたかい」と
聞
(
き
)
いた。
實際
(
じつさい
)
彼
(
かれ
)
は
短
(
みじ
)
かい
汽車
(
きしや
)
旅行
(
りよかう
)
にさへ
堪
(
た
)
へかねる
顏付
(
かほつき
)
をしてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其方儀
吟味
(
ぎんみ
)
致し候處
別段
(
べつだん
)
の
惡事
(
あくじ
)
無之とは申ながら不行屆の儀も有之候故主人方にて
遠慮
(
ゑんりよ
)
申付る
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
飮
(
の
)
みたけりや
飮
(
の
)
むが
善
(
い
)
いといふのみで
別段
(
べつだん
)
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
みていつてくれるのでもない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼
(
かれ
)
がかくするのは、
別段
(
べつだん
)
同情
(
どうじょう
)
からでもなく、と
云
(
い
)
って、
或
(
あ
)
る
情誼
(
じょうぎ
)
からするのでもなく、ただ
右
(
みぎ
)
の
隣
(
となり
)
にいるグロモフと
云
(
い
)
う
人
(
ひと
)
に
習
(
なら
)
って、
自然
(
しぜん
)
その
真似
(
まね
)
をするのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
“別段”の意味
《名詞》
別段(べつだん)
他と異なること。いつもと違うこと。格別。特段。
《形容動詞》
別 段(べつだん)
(打ち消しを伴って)とりわけ。格別。特に。別に。
(出典:Wiktionary)
別
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
段
常用漢字
小6
部首:⽎
9画
“別”で始まる語句
別
別嬪
別離
別荘
別墅
別棟
別懇
別々
別人
別品