決心けつしん)” の例文
幾度いくたび幾通いくつう御文おんふみ拜見はいけんだにせぬれいかばかりにくしと思召おぼしめすらん、はいさば此胸このむね寸斷すんだんになりてつね決心けつしんえうせん覺束おぼつかなさ
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
真理しんりは我と我の家族かぞくより大なり、この決心けつしん実行じつこうあらん教会けうくわいたゞち復興ふくこうはじむべし、れなからん乎、復興はおはりまでつもきたらざるべし。
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
こんなことばもきこえました。そのうちにたうたう一ぴきが、いかにも決心けつしんしたらしく、せなかをまつすぐにしてからはなれて、まんなかのはうすゝました。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
しかしをとこころさずとも、をんなうばこと出來できれば、べつ不足ふそくはないわけです。いや、そのときこころもちでは、出來できるだけをとこころさずに、をんなうばはうと決心けつしんしたのです。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
其處そこ學校がくかうたて決心けつしんかれこゝろわいたのです、諸君しよくんかれ決心けつしんあま露骨むきだしで、單純たんじゆんなことをわらはれるかもれませんが、しかし元來ぐわんらい教育けういくのない一個いつこ百姓ひやくしやうです
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
元來ぐわんらい——歸途きとせんをたよつて東海道とうかいだう大𢌞おほまはりをしようとしたのは、……じつ途中とちう決心けつしん出來できたら、武生たけふりてゆるされないことながら、そこから虎杖いたどりさと
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しか其時期そのじきるべくすみやかこれ決行けつかうせざるをぬと決心けつしんしたのはみぎ事情じじやうによるからであつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
四五日目にちめ一人ひとり二人ふたりもあればいゝはうなので、道子みちこはそのころしきりひとうはさをする浅草公園あさくさこうゑん街娼がいしやうにならうと決心けつしんしたが、どのへんていゝのか見当けんたうがつかないので、様子やうすをさぐりに
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
卯平うへいしばら隱居いんきよ落付おちついてからは一せんづゝでもふところこしらへねばならぬといふ決心けつしんからうながされて、毎日まいにち煙管きせるよこくはへては悠長いうちやうではあるが、しか間斷かんだんなくなはをちより/\とつたり
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれ現在げんざい自分じぶんゆるかぎりの勇氣ゆうきひつさげて、公案こうあんむかはうと決心けつしんした。それがいづれのところかれみちびいて、どんな結果けつくわかれこゝろきたすかは、かれ自身じしんいへどまつたらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
願ふか兩樣の内何共いづれとも決心けつしん致さるべしとのおもむきを申つかはしたるに此方こなたは越前守は公用人こうようにん次右衞門三五郎の紀州表へ出立しゆつたつせし其日より夜終よもすがら行衣ぎやういを着し新菰あらごもの上にて水垢離みづごりとり諸天しよてん善神ぜんしん祈誓きせい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今日となツては、父子爵は最早もはや猶豫ゆうよして居られぬと謂ツて、猛烈もうれついきほひで最後の決心けつしんうながしてゐる。で是等の事情がごツちやになツて、彼の頭にひツかゝり、からまツてはげしい腦神經衰弱なうしんけいすゐじやく惹起ひきおこした。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
但馬守たじまのかみは、決心けつしんしたといふふうで、キッパリとつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
そへてふくろふさけ一段いちだんものすごしおたか決心けつしん眼光まなざしたじろがずおこゝろおくれかさりとては御未練ごみれんなりたかこゝろさきほどもまをとほきはめし覺悟かくごみちひと二人ふたり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ところ或日あるひのこと、やはり學校がくかう歸途かへり庄園しやうゑんかべうへでラクダルを揄揶からかつて少年こどもの中に、なんおもつたかひど感心かんしんしてしま自分じぶん是非ぜひ怠惰屋なまけやにならうと決心けつしんした一人ひとりあつた。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わたしはその咄嗟とつさあひだに、たとひをとこころしても、をんなうばはうと決心けつしんしました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
案じる一すじに十兵衞が一日も早くつまや子に安心させんと思ひつめしきりに翌朝あしたは出立せんとて何といひても止まらねば然らばあすは出立して在所の者に少しも早く安心させるもかるべし然樣さう決心けつしん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宗助そうすけ其間そのあひだに、なんとかして、もつと鷹揚おうやうきて分別ふんべつをしなければならないと決心けつしんだけをした。三朦朧もうろうとしてきこえたやうきこえないやうなうちにぎた。四時よじ、五、六まるらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
また國民こくみんぱん決心けつしんであらねばならぬとかんがへるのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
いまはと決心けつしんほぞかたまりけんツト立上たちあがりしがまた懷中ふところをさしれて一思案ひとしあんアヽこまつたと我知われしらず歎息たんそくことばくちびるをもれて其儘そのまゝはもとのとほ舌打したうちおとつゞけてきこえぬ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つひ失望しつばう落膽らくたんし、今更いまさ世間せけんへも面目めんもくなく、はておもせまつておほいに決心けつしんしてたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わたしうしてもうと決心けつしんしてるのだからそれは折角せつかくだけれどきかれないよとふに、きちなみだつめて、おきやうさん後生ごしやうだから此肩こゝはなしておくんなさい。
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
目元めもと宿やどれるつゆもなく、おもりたる決心けつしんいろもなく、微笑びせうおもてもふるへで、一通いつゝう二通につう八九通はつくつうのこりなく寸斷すんだんをはりて、さかんにもえ炭火すみびなか打込うちこみつ打込うちこみつ
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひとけば決心けつしんゆら/\としていままではなに
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)