トップ
>
屋敷
>
やしき
ふりがな文庫
“
屋敷
(
やしき
)” の例文
屋敷
(
やしき
)
の
周囲
(
まわり
)
には
広々
(
ひろびろ
)
とした
圃
(
はたけ
)
がありました。そして、そこにはばらの
花
(
はな
)
や、けしの
花
(
はな
)
が、いまを
盛
(
さか
)
りに
咲
(
さ
)
き
乱
(
みだ
)
れているのであります。
けしの圃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
役人共は
突退々々
(
つきのけ/\
)
富右衞門を引立つゝ問屋場へと連れ來り
宿駕籠
(
しゆくかご
)
に
乘
(
のせ
)
て江戸馬喰町四丁目の
郡代
(
ぐんだい
)
屋敷
(
やしき
)
へ引れしは
無殘
(
むざん
)
なることどもなり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
三条
(
さんじょう
)
まで
来
(
く
)
ると、たくさんりっぱなお
屋敷
(
やしき
)
が
立
(
た
)
ち
並
(
なら
)
んだ中に、いちばん目にたってりっぱな
門構
(
もんがま
)
えのお
屋敷
(
やしき
)
がありました。
一寸法師
(
いっすんぼうし
)
は
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
こうしている間に、
博士
(
はくし
)
の
屋敷
(
やしき
)
からにげだした透明人間が、なにをしでかすか知れないと思うと、ケンプ博士は気が気でなかった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
ニールスは、ここはどこですか、ときいてみました。すると、フクロウは、ここはモールバッカというお
屋敷
(
やしき
)
だよ、と答えました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
▼ もっと見る
画面
(
がめん
)
が変ると、こんどは広い
屋敷
(
やしき
)
の庭先きがうつり、スプリングコートを着て帽子をかぶった男の姿が、私の
視野
(
しや
)
をかすめたと見るまに
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
顔丸の丸彦は、野原や山をとびまわることがすきで、家や
屋敷
(
やしき
)
などはなんとも思っていませんでしたから、すぐに答えました。
長彦と丸彦
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
初君が
古跡
(
こせき
)
今
寺泊
(
てらどまり
)
に
在
(
あ
)
り、
里俗
(
りぞく
)
初君
屋敷
(
やしき
)
といふ。
貞享
(
ぢやうきやう
)
元年
釈門万元
(
しやくもんまんげん
)
記
(
しるす
)
といふ初君が哥の
碑
(
いしぶみ
)
ありしが、
断破
(
かけやぶれ
)
しを
享和年間
(
きやうわねんかん
)
里入
(
りじん
)
重修
(
ちようしう
)
して今に
存
(
そん
)
せり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
所
(
ところ
)
が
叔父
(
をぢ
)
の
意見
(
いけん
)
によると、あの
屋敷
(
やしき
)
は
宗助
(
そうすけ
)
が
自分
(
じぶん
)
に
提供
(
ていきよう
)
して
行
(
い
)
つたのだから、たとひ
幾何
(
いくら
)
餘
(
あま
)
らうと、
餘
(
あま
)
つた
分
(
ぶん
)
は
自分
(
じぶん
)
の
所得
(
しよとく
)
と
見傚
(
みな
)
して
差支
(
さしつかへ
)
ない。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
おかあさんは鳩の歌に耳をかたむけて、その言うことばがよくわかっていたのですから、この
屋敷
(
やしき
)
を出て行くにつけても行く先が知れていました。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
と、
更
(
ふ
)
けわたった
菊亭家
(
きくていけ
)
の
裏門
(
うらもん
)
のあたりから、
築土
(
ついじ
)
をこえて、ヒラリと
屋敷
(
やしき
)
のなかへ
忍
(
しの
)
びこんだ三つの人かげがある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
音次郎君の家のひろい
屋敷
(
やしき
)
には、かきや、みかんや、ざくろなど、子どものほしがるくだものの木がたくさんある。
川
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
それどころか、こんな話をすれば、おかみさんは、この人は、もう、伯爵さまのお
屋敷
(
やしき
)
では、だいじにされてはいないんだ、と思うにきまっています。
アンネ・リスベット
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
門はこの家のは
北向
(
きたむ
)
きなれど、通例は東向きなり。右の図にて
厩舎
(
うまや
)
のあるあたりにあるなり。門のことを
城前
(
じょうまえ
)
という。
屋敷
(
やしき
)
のめぐりは畠にて、
囲墻
(
いしょう
)
を設けず。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
源四郎
(
げんしろう
)
はなお
屋敷
(
やしき
)
のすみずみの
木立
(
こだ
)
ちのなか
垣根
(
かきね
)
のもとから、
朽
(
く
)
ち
葉
(
ば
)
やほこりのたぐいをはきだしては、
物置
(
ものお
)
きのまえなる
栗
(
くり
)
の木のもとでそれを
燃
(
も
)
やしている。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
その
空
(
あき
)
屋敷
(
やしき
)
の前を通りかかった者でもなければ、もう噂をいう人もないという時分になってしまいました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「園絵様も琴二郎様も、お二人とも、もうおしらべがついて、お
屋敷
(
やしき
)
へお下げになったのでござりますな」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
おゝ、
戀
(
こひ
)
の
屋敷
(
やしき
)
は
買
(
か
)
うたれど、おのが
住居
(
すまひ
)
にはまだならぬ、
身
(
み
)
は
人
(
ひと
)
に
賣
(
う
)
ったれど、まだ
賞翫
(
しゃうくわん
)
はして
貰
(
もら
)
へぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ちょうどその
頃
(
ころ
)
、その国の
殿
(
との
)
様のお
屋敷
(
やしき
)
につたわっている
家宝
(
かほう
)
の名刀が、だれかのために
盗
(
ぬす
)
まれました。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
新築
(
しんちく
)
の
家
(
いへ
)
を
蹈
(
ふ
)
んで、
屋敷
(
やしき
)
のわるい
魂
(
たましひ
)
を
鎭
(
しづ
)
め
舞
(
ま
)
ふ
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
が、
手
(
て
)
に
捲
(
ま
)
きつけた
玉
(
たま
)
を、
今
(
いま
)
鳴
(
な
)
らしてゐることよ。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
千助
(
せんすけ
)
の
順
(
じゆん
)
に
杯
(
さかづき
)
が
𢌞
(
まは
)
つて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
、
自分
(
じぶん
)
國許
(
くにもと
)
の
事
(
こと
)
に
擬
(
なぞら
)
へて、
仔細
(
しさい
)
あつて、
世
(
よ
)
を
忍
(
しの
)
ぶ
若
(
わか
)
ものが
庄屋
(
しやうや
)
の
屋敷
(
やしき
)
に
奉公
(
ほうこう
)
して、
其
(
そ
)
の
妻
(
つま
)
と
不義
(
ふぎ
)
をする
段
(
だん
)
、
手
(
て
)
に
取
(
と
)
るやうに
饒舌
(
しやべ
)
つて
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
やがて、三人組の
脱走者
(
だっそうしゃ
)
は、とある
屋敷
(
やしき
)
内に来かかりました。門の上に、その家のおんどりがのっていて、ありったけの声をふりしぼって、さけび立てていました。
ブレーメンの町楽隊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
いずこの
大名
(
だいみょう
)
旗本
(
はたもと
)
の
屋敷
(
やしき
)
に、
如何
(
いか
)
なる
騒
(
さわ
)
ぎが
持上
(
もちあが
)
っていようとも、それらのことは、まったく
別
(
べつ
)
の
世界
(
せかい
)
の
出来事
(
できごと
)
のように、
菊之丞
(
きくのじょう
)
の
家
(
うち
)
は、
静
(
しず
)
かにしめやかであった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それは昔の旗本が住んでた
屋敷
(
やしき
)
で、大きな武家風の門があり、庭には
蓮池
(
はすいけ
)
などがあった。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そこの
小川
(
おがわ
)
のそばに自分のお
屋敷
(
やしき
)
があるんですから。そこで
蛙
(
かえる
)
さんは
跳
(
と
)
んで行きます。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
聞けば
此
(
この
)
母親娘が
或
(
ある
)
お
屋敷
(
やしき
)
の
奥向
(
おくむき
)
に
奉公中
(
ほうこうちう
)
臨時
(
りんじ
)
の
頂戴物
(
てうだいもの
)
もある事なればと
不用分
(
ふようぶん
)
の給料を送りくれたる味の忘られず父親のお人よしなるに
附込
(
つけこ
)
みて
飽迄
(
あくまで
)
不法
(
ふはふ
)
を
陳
(
ちん
)
じたるものゝ
由
(
よし
)
に
候
(
そろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
そして落ちたざくろを一つ拾って
噛
(
かじ
)
ったろう、さあ僕はおかしくて笑ったね、そこで僕は、
屋敷
(
やしき
)
の塀に沿って一寸戻ったんだ。それから
俄
(
にわ
)
かに叫んで大工の頭の上をかけ
抜
(
ぬ
)
けたねえ。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
戦後その身の
閑
(
かん
)
なるがために
所謂
(
いわゆる
)
脾肉
(
ひにく
)
の
嘆
(
たん
)
に
堪
(
た
)
えず、
折柄
(
おりから
)
渡来
(
とらい
)
したる日本人に対し、もしも日本政府にて
余
(
よ
)
を
雇入
(
やといい
)
れ
彼
(
か
)
の
若年寄
(
わかどしより
)
の
屋敷
(
やしき
)
のごとき
邸宅
(
ていたく
)
に居るを得せしめなば
別
(
べつ
)
に
金
(
かね
)
は望まず
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
池上權藏
(
いけがみごんざう
)
は
此日
(
このひ
)
から
生
(
うま
)
れ
更
(
かは
)
りました、
元
(
もと
)
より
強健
(
きやうけん
)
な
體躯
(
からだ
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
て
元氣
(
げんき
)
も
盛
(
さかん
)
な
男
(
をとこ
)
ではありましたが、
放蕩
(
はうたう
)
に
放蕩
(
はうたう
)
を
重
(
かさ
)
ねて
親讓
(
おやゆづり
)
の
田地
(
でんち
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
消
(
き
)
えて
無
(
な
)
くなり、
家
(
いへ
)
、
屋敷
(
やしき
)
まで
人手
(
ひとで
)
に
渡
(
わた
)
りかけたので
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
屋敷
(
やしき
)
が
兩方
(
りやうはう
)
に
跨
(
また
)
がつて
居
(
ゐ
)
るといふ
柄
(
がら
)
ではない。
汗
(
あせ
)
だらけの
浴衣掛
(
ゆかたが
)
けである。が、
實際
(
じつさい
)
余
(
よ
)
は
此時
(
このとき
)
、四十一
番地
(
ばんち
)
に
住
(
じう
)
し、
角力
(
すまふ
)
の
土俵
(
どへう
)
を
築
(
きづ
)
いたので、四十
番地
(
ばんち
)
をも
借
(
か
)
りて
居
(
ゐ
)
たのだ。
大分
(
だいぶ
)
茶番氣
(
ちやばんげ
)
がさして
來
(
き
)
た。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「すこし
遠
(
とお
)
いけど、
人
(
ひと
)
の
住
(
す
)
んでいない
荒
(
あ
)
れた
屋敷
(
やしき
)
で、
大
(
おお
)
きなくりの
木
(
き
)
があるの。
学校
(
がっこう
)
の
帰
(
かえ
)
りに、
松野
(
まつの
)
さんがつれていってくれたのよ。」
夕雲
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
宰相殿
(
さいしょうどの
)
はなおなおおおこりになって、
一寸法師
(
いっすんぼうし
)
にいいつけて、お
姫
(
ひめ
)
さまをお
屋敷
(
やしき
)
から
追
(
お
)
い
出
(
だ
)
して、どこか
遠
(
とお
)
い
所
(
ところ
)
へ
捨
(
す
)
てさせました。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
時計屋
(
とけいや
)
がどんどん歩いて、グリーソン
屋敷
(
やしき
)
のかどまできたとき、のんきな顔で
馬車
(
ばしゃ
)
を走らせてくるホールにばったりと出あった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
加
(
くはへ
)
候由私しは數年の出入
屋敷
(
やしき
)
の事故先一旦の
難儀
(
なんぎ
)
を
救
(
すく
)
ふ心に候へども
斯
(
かく
)
御尋ねの上は
包
(
つゝ
)
まず申上るにより御役人樣方の
御慈悲
(
おじひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
屋敷
(
やしき
)
も売らないですみました。借りたお金もはらうことができました。兄弟のせわになった人たちも、みな助かりました。
長彦と丸彦
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ところで、
貴族
(
きぞく
)
のお
屋敷
(
やしき
)
にいるニワトリともなれば、こうまんちきで、ひとから、からかわれでもすると、たいへんです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
初君が
古跡
(
こせき
)
今
寺泊
(
てらどまり
)
に
在
(
あ
)
り、
里俗
(
りぞく
)
初君
屋敷
(
やしき
)
といふ。
貞享
(
ぢやうきやう
)
元年
釈門万元
(
しやくもんまんげん
)
記
(
しるす
)
といふ初君が哥の
碑
(
いしぶみ
)
ありしが、
断破
(
かけやぶれ
)
しを
享和年間
(
きやうわねんかん
)
里入
(
りじん
)
重修
(
ちようしう
)
して今に
存
(
そん
)
せり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
どれもこれも
弟
(
てい
)
たりがたく
兄
(
けい
)
たりがたき
腕白顔
(
わんぱくがお
)
だ。さだめし、
屋敷
(
やしき
)
へかえったのちには、
母者人
(
ははじゃびと
)
からお
小言
(
こごと
)
であろう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さて、古いお
屋敷
(
やしき
)
がありました。お屋敷の人たちは、もう、カタツムリを食べなくなっていました。カタツムリは、すっかり死にたえてしまったのです。
幸福な一家
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
元二
(
げんじ
)
の
順
(
じゆん
)
に
杯
(
さかづき
)
も
𢌞
(
まは
)
つて
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
、
自分
(
じぶん
)
國許
(
くにもと
)
の
事
(
こと
)
に
懲
(
こ
)
りて
仔細
(
しさい
)
あつて、
世
(
よ
)
を
忍
(
しの
)
ぶ
若
(
わか
)
ものが
庄屋
(
しやうや
)
の
屋敷
(
やしき
)
に
奉公
(
ほうこう
)
して、
其
(
そ
)
の
妻
(
つま
)
と
不義
(
ふぎ
)
をする、なかだちは、
婦
(
をんな
)
が
寵愛
(
ちようあい
)
の
猫
(
ねこ
)
で
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
源四郎
(
げんしろう
)
の家では、
屋敷
(
やしき
)
の
掃除
(
そうじ
)
もあらかたかたづいたらしい。
長屋門
(
ながやもん
)
のまえにある、せんだんの木に二、三
羽
(
ば
)
のシギが
実
(
み
)
を
食
(
く
)
いこぼしつつ、しきりにキイキイと
鳴
(
な
)
く。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
道から十メートルばかりはいったところに、太郎左衛門の
屋敷
(
やしき
)
の門がある。
光蓮寺
(
こうれんじ
)
の山門をすこし小さくしたような、さびた金具などのついた古めかしい門である。
嘘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
屋敷
(
やしき
)
まわりの大きな杉林はきりはらわれ、
米倉
(
こめぐら
)
はとりこわされ、馬もいないうまやと、屋根に草がぼうぼうにはえた
納屋
(
なや
)
があるきりの、
貧乏
(
びんぼう
)
な
百姓
(
ひゃくしょう
)
となっていました。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
ここは士族
屋敷
(
やしき
)
で下宿屋などのある町ではないから、もっと
賑
(
にぎ
)
やかな方へ引き返そうかとも思ったが、ふといい事を考え付いた。おれが敬愛するうらなり君はこの町内に住んでいる。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
にげだしてきたこの三びきのものたちは、やがて、とある
屋敷
(
やしき
)
のそばをとおりかかりました。すると、門の上に一
羽
(
わ
)
のオンドリがとまっていて、ありったけの声でさけびたてていました。
ブレーメンの音楽師
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
だからこの
二首
(
にしゆ
)
のお
歌
(
うた
)
も、
實
(
じつ
)
は
後世
(
こうせい
)
のもので、なんだか、へんな
暗示
(
あんじ
)
を
感
(
かん
)
じさせるところからして、しぜん、
畝傍山
(
うねびやま
)
・さゐ
川
(
かは
)
——さゐ
川
(
かは
)
は、いすけより
媛
(
ひめ
)
のお
屋敷
(
やしき
)
のあつた
所
(
ところ
)
——などいふ
地名
(
ちめい
)
から
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
今も
屋敷
(
やしき
)
の周囲には堀ありて水を通ず。刀剣馬具あまたあり。当主は安倍
与右衛門
(
よえもん
)
、今も村にては二三等の
物持
(
ものも
)
ちにて、村会議員なり。安倍の子孫はこのほかにも多し。盛岡の
安倍館
(
あべだて
)
の附近にもあり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
『
屋敷
(
やしき
)
は
兩方
(
りやうはう
)
に
跨
(
また
)
がつて
居
(
ゐ
)
る』
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
善
(
ぜん
)
ちゃん、
君
(
きみ
)
なら、とれるよ。
地主
(
じぬし
)
さんの
屋敷
(
やしき
)
のすぎの
木
(
き
)
に、からすが
巣
(
す
)
を
造
(
つく
)
ったのだ。
下
(
した
)
からも、よく
見
(
み
)
える。いって
捕
(
と
)
ろうや。」
高い木と子供の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それからまたある
時
(
とき
)
、
義家
(
よしいえ
)
はいつものとおり
宗任
(
むねとう
)
を
一人
(
ひとり
)
お
供
(
とも
)
につれて、
大臣
(
だいじん
)
の
藤原頼通
(
ふじわらのよりみち
)
という人のお
屋敷
(
やしき
)
へよばれて行ったことがありました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
“屋敷”で始まる語句
屋敷町
屋敷内
屋敷跡
屋敷田畝
屋敷方
屋敷住居
屋敷下
屋敷人
屋敷外
屋敷女