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忙
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いそが
ふりがな文庫
“
忙
(
いそが
)” の例文
ただ、いままで
知
(
し
)
らなかった
大
(
おお
)
きな
自然
(
しぜん
)
の
中
(
なか
)
で、なにを
見
(
み
)
ても
珍
(
めずら
)
しいので、
忙
(
いそが
)
しそうに
動
(
うご
)
いて、すこしもじっとしていませんでした。
山へ帰ったやまがら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
畦間
(
うねま
)
を
作
(
つく
)
りあげてそれから
自分
(
じぶん
)
も
忙
(
いそが
)
しく
大豆
(
だいづ
)
を
落
(
おと
)
し
初
(
はじ
)
めた。
勘次
(
かんじ
)
は
間懶
(
まだる
)
つこいおつぎの
手
(
て
)
もとを
見
(
み
)
て
其
(
そ
)
の
畝
(
うね
)
をひよつと
覗
(
のぞ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
近來
(
きんらい
)
世界
(
せかい
)
の
文運
(
ぶんうん
)
が
急激
(
きふげき
)
に
進展
(
しんてん
)
したのと、
國際的交渉
(
こくさいてきかうせふ
)
が
忙
(
いそが
)
しくなつたのとで、わが
國
(
くに
)
においても
舊來
(
きうらい
)
の
言語
(
げんご
)
だけでは
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はなくなつた。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
これを羨むのあまりにはただこれを
嫉
(
ねた
)
むのみ。朋輩を嫉み、主人を怨望するに
忙
(
いそが
)
わしければ、なんぞお家のおんためを思うに
遑
(
いとま
)
あらん。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
翌朝
(
よくあさ
)
は女が膳を運んで来たが、
卒
(
いざ
)
となると何となく
気怯
(
きおく
)
れがして、今は
忙
(
いそが
)
しそうだから、昼の
手隙
(
てすき
)
の時にしよう、という気になる。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
男の
部屋
(
へや
)
からひきとってきたおかみさんは、くるくると
忙
(
いそが
)
しげに
働
(
はたら
)
きつづけていたが、心の中では、ずっと男のことを考えつづけていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
そしてそのお絹が
忙
(
いそが
)
しい中で自分を観察してくれたのを感謝すると同時に、自分があの女の生活を余り卑しく考えたのを悔いた。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
岡田は「おい」「おいお兼」をまた二三度繰返した。やがて、「せわしない方ね、あなたは。今朝顔どころじゃないわ、台所が
忙
(
いそが
)
しくって」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いわゆる一山
飛
(
とん
)
で一山来るとも云うべき景にて、眼
忙
(
いそが
)
しく心ひまなく、句も詩もなきも
口惜
(
くちお
)
しく、
淀
(
よど
)
の川下りの弥次よりは遥かに劣れるも
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「ひまなようで、いやに
忙
(
いそが
)
しい」とか、「しまりがないようで、変にきびしい」とか、そういったちぐはぐな気持ちをあらわす言葉だった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
此時
(
このとき
)
、
今
(
いま
)
まで
何
(
なに
)
か
其
(
そ
)
の
備忘録
(
ノートブツク
)
に
忙
(
いそが
)
しさうに
書
(
か
)
いて
居
(
を
)
られた
王樣
(
わうさま
)
が、『
默
(
だま
)
れ!』と
叫
(
さけ
)
んで、やがて
御所持
(
ごしよぢ
)
の
書物
(
しよもつ
)
をお
開
(
ひら
)
きになり
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
枝も撓わわに
生
(
は
)
りたる、
糸瓜
(
へちま
)
の蔓の日も漏さぬまでに這い広がり、蔭涼しそうなるも有り、
車行
(
しゃこう
)
早きだけ、送迎に
忙
(
いそが
)
わし。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
それに今度は、
難治
(
なんち
)
の京都へ移って、所司代の要務をみることになったので、かれは寝るまもない
忙
(
いそが
)
しさに追われながら、一面得意でもあった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金があればあるで
忙
(
いそが
)
しからう。金がなければないで忙しからう。清閑を得られる得られないは、金の
有無
(
うむ
)
よりも、
寧
(
むし
)
ろ各自の心境の問題だと思ふ。
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私たちは
忙
(
いそが
)
しく
靴
(
くつ
)
やずぼんを
脱
(
ぬ
)
ぎ、その
冷
(
つめ
)
たい少し
濁
(
にご
)
った水へ
次
(
つぎ
)
から次と
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
みました。
全
(
まった
)
くその水の濁りようときたら
素敵
(
すてき
)
に
高尚
(
こうしょう
)
なもんでした。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
人手を借りず、夫婦だけで店を切り廻したので、夜の十時から十二時頃までの一番たてこむ時間は眼のまわるほど
忙
(
いそが
)
しく、小便に立つ暇もなかった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
その人は
髭
(
ひげ
)
を
貯
(
たくわ
)
えて、洋服を着けたるより、
渠
(
かれ
)
はかく言いしなるべし。官吏?は吸い
窮
(
つ
)
めたる巻煙草を車の外に投げ
棄
(
す
)
て、次いで
忙
(
いそが
)
わしく
唾
(
つば
)
吐きぬ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その日の
正客
(
しょうきゃく
)
は島田先生で、お
相客
(
あいきゃく
)
も五六人ほどございました、女中たちはなかなか
忙
(
いそが
)
しそうだから、わたしのことゆえ、台所の方までも出向いて
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「親分さん、お早う御座います。日本橋のお店で雜用を致して居りますが、今日は向島の寮が
忙
(
いそが
)
しいから、彼方へ行つて見てくれといふお話しで——」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「人間が身体だけで空中へ飛び出すなんて、
莫迦
(
ばか
)
も休み休み言えよ。こっちは
忙
(
いそが
)
しいのだから、そんな面白い話は
紙芝居
(
かみしばい
)
のおじさんに話をしてやれよ」
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それじゃ御父さん
恁
(
こ
)
うしましょう。私も長いあいだ世話になった家ですから、これから
忙
(
いそが
)
しくなろうと云うところを
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
私は直ちに準備に
忙
(
いそが
)
しかつた。二週間は
瞬
(
またゝ
)
く間にたつてしまつた。私は、たいして大きな衣裳箪笥は持たなかつた。けれども、それで十分
間
(
ま
)
に合つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
店の
忙
(
いそが
)
しいときや、
面倒
(
めんどう
)
なときに、家のものは飯を
握
(
にぎ
)
り飯にしたり、または紙に
載
(
の
)
せて店先から
与
(
あた
)
えようとした。
みちのく
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
教えようぞ
忙
(
いそが
)
しい合間を見つつ春琴の
許
(
もと
)
へ飛んで行った片羽鳥は稽古をつけながらも気が気でなかったであろうし春琴もまた同じ思いになやんだであろう
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
長庵と改めて
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
當
(
あて
)
は無れど
忙
(
いそが
)
し
振
(
ぶり
)
に
歩行
(
あるき
)
廻りければ相應に
病家
(
びやうか
)
も出來たるにぞ長庵今は己れ
名醫
(
めいい
)
にでも成し心にて
辯舌
(
べんぜつ
)
奸計
(
かんけい
)
を以て
富家
(
ふうか
)
より金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
幻花子
(
げんくわし
)
も
新聞
(
しんぶん
)
の
方
(
はう
)
が
忙
(
いそが
)
しいので、
滅多
(
めつた
)
に
來
(
こ
)
ず。
自分
(
じぶん
)
一人
(
ひとり
)
で
時々
(
とき/″\
)
掘
(
ほ
)
り
始
(
はじ
)
めの
處
(
ところ
)
へ
立
(
た
)
つては、
往事
(
むかし
)
を
追懷
(
つひくわい
)
すると、
其時
(
そのとき
)
の
情景
(
じやうけい
)
が
眼前
(
がんぜん
)
に
彷彿
(
ほうふつ
)
として
見
(
み
)
えるのである。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
忙
(
いそが
)
はしげに短く発したる声にはあらざりき。本人は戸口にありし数人と共に梯子を登りたり。第一の梯子を登り終りし時、二人の声を聞き分くることを得たり。
病院横町の殺人犯
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
目も鼻も口もいつしよにして笑つたが、ばたりと雜巾を縁に落すと、
四這
(
よつんばひ
)
になつて、小田原蒲鉾の足を
忙
(
いそが
)
しく動かしながら、するすると遠くへ行つてしまつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
きょうも、君が一日を絵に暮らしていた間に、君の家では家じゅうで
忙
(
いそが
)
しく働いていたのに違いないのだ。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
その間には「○○酒保事務所」「○○組人夫事務取扱所」など看板新しく人影の
忙
(
せわ
)
しく出入りするあれば、そこの店先にては
忙
(
いそが
)
わしくラムネ
瓶
(
びん
)
を大箱に詰め込み
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
仕立
(
したて
)
かけの
縫物
(
ぬひもの
)
に
針
(
はり
)
どめして
立
(
た
)
つは
年頃
(
としごろ
)
二十餘
(
はたちあま
)
りの
意氣
(
いき
)
な
女
(
をんな
)
、
多
(
おほ
)
い
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
忙
(
いそが
)
しい
折
(
をり
)
からとて
結
(
むす
)
び
髮
(
がみ
)
にして、
少
(
すこ
)
し
長
(
なが
)
めな
八丈
(
はちぢやう
)
の
前
(
まへ
)
だれ、お
召
(
めし
)
の
臺
(
だい
)
なしな
半天
(
はんてん
)
を
着
(
き
)
て
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこで
忙
(
いそが
)
はしくランプを手に持つて、前房へ見に出た。床の上には血まぶれになつた指が落ちてゐた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
屋根
(
やね
)
の低い
片側町
(
かたかはまち
)
の
人家
(
じんか
)
は
丁度
(
ちやうど
)
後
(
うしろ
)
から深い
溝
(
どぶ
)
の
方
(
はう
)
へと
押詰
(
おしつ
)
められたやうな気がするので、
大方
(
おほかた
)
其
(
そ
)
のためであらう、
其
(
そ
)
れ
程
(
ほど
)
に混雑もせぬ
往来
(
わうらい
)
がいつも
妙
(
めう
)
に
忙
(
いそが
)
しく見え
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
わたしは自分の名誉を
賭
(
か
)
けたる今夜の冒険について、あまり多く考える
暇
(
ひま
)
を持たないほどに
忙
(
いそが
)
しく働いた。わたしは
甚
(
はなは
)
だ遅くなってから、ただひとりで夕飯を食った。
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
画家は
忙
(
いそが
)
わしく
一
(
ひと
)
はけ
二
(
ふた
)
はけ払いて、ブラシを投げ捨て、
大股
(
おおまた
)
に、二三歩にて戸の処に
行
(
ゆ
)
き、呼ぶ。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
この隙を見て、市郎は
忙
(
いそが
)
わしく
燐寸
(
まっち
)
を
擦
(
す
)
った。蝋燭の火の
揺
(
ゆら
)
めく影を
便宜
(
たより
)
にして、
先
(
ま
)
ず
此
(
こ
)
の怪物の正体を見定めようとする時に、一人の男がぬッと
其
(
そ
)
の
眼前
(
めさき
)
へ現われた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
うるさいね、シューラ、今お前なんかに
構
(
かま
)
ってる
暇
(
ひま
)
はないんだよ。ママは
忙
(
いそが
)
しいんですから。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
しらも
黒
(
くろ
)
もありァしねえ。それが
為
(
ため
)
に、
忙
(
いそが
)
しい
時
(
とき
)
にゃ、
夜
(
よ
)
ッぴて
鍋
(
なべ
)
をかけッ
放
(
はな
)
しにしとくから、こっちこそいい
面
(
つら
)
の
皮
(
かわ
)
なんだ。——この
壁
(
かべ
)
ンところ
鼻
(
はな
)
を
当
(
あ
)
てて
臭
(
か
)
いで
見
(
み
)
ねえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
とある小枝に寥しくして
忙
(
いそが
)
しき小さき
白粉色
(
おしろいいろ
)
の蜘蛛のおこなひよ。その糸の色なき戦慄……
春の暗示
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
心神定まらず、送迎
忙
(
いそが
)
はしき際の事とて、方角
道程
(
みちのり
)
よくも辨へねど、山に入ること
太
(
はなは
)
だ深きにはあらずと思はれぬ。わがその何れの地なるを知りしは、年あまた過ぎての事なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
いかに
忙
(
いそが
)
しい人といえどもかの実行の範囲内にあると思うし、また
希
(
こいねが
)
わくは一年に一回ぐらい一週間なり十日間なりほとんど俗事を忘るるごとき
境涯
(
きょうがい
)
に入ることができるならば
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
小さなエプロンをつけた給仕女達が卓から卓へ
忙
(
いそが
)
しく動き出した。客がそろそろたてこんで来たのだ。どういう嬉しいことがあるのか笑いこけながら
麦酒
(
ビール
)
を飲んでいる帝大生が居る。
風宴
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
幾らませてゐても、まだ十五の頭に
白丈長
(
しろたけなが
)
をかけた島田は重さうであつた。怒つてゐた父の顏色はだん/\和らいで來て、灰を見る眼よりも、お駒の頸筋を覗く眼の方が
忙
(
いそが
)
しくなつた。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
多年の
抱負
(
ほうふ
)
の実現に
生々
(
いきいき
)
と
忙
(
いそが
)
しげな孔子の顔を見るのも、さすがに
嬉
(
うれ
)
しい。孔子の目にも、弟子の一人としてではなく一個の実行力ある政治家としての子路の姿が
頼
(
たの
)
もしいものに映った。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
女は
忙
(
いそが
)
しそうに片付け物をしているのに、男は構わずに寝部屋へ這入った。寝部屋の中だけは男もざっと様子を
見廻
(
みまわ
)
した。随分広くて気持ちが好い。明るい緑色の形紙で壁が張ってある。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
見るからいかにも有難そうな
風采
(
ふうさい
)
です。私はそのラマにいわゆるサッキャア派が他の宗派と異って居る点を尋ねようと思い、いろいろ話を仕掛けますと今日は
忙
(
いそが
)
しいから明日来いという。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
これから僕ひとりきりで思う存分に
愛玩
(
あいがん
)
しようという気持は(
何故
(
なぜ
)
なら村の人々はいま夏場の用意に
忙
(
いそが
)
しくて、そんな花なぞを見てはいられませんから)何ともいえずに
爽
(
さわ
)
やかで幸福です。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「あなた今、お
忙
(
いそが
)
しくって?」と、彼女は、わたしから眼を放さずに言った。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
俺を先輩だとして敬意を表してくれる好意はいつでも感謝して居るんだが、それで又いつでも遅刻する。
忙
(
いそが
)
しさうな真似をしてわざと遅れるのではないが、俺は朝が遅い。ただそれ丈である。
畜生道
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
風体
(
ふうてい
)
によりて
夫々
(
それ/″\
)
の身の上を
推測
(
おしはか
)
るに、
例
(
れい
)
の
織
(
お
)
るが
如
(
ごと
)
くなれば
心
(
こゝろ
)
甚
(
はなは
)
だ
忙
(
いそが
)
はしけれど
南無
(
なむ
)
や
大慈
(
たいじ
)
大悲
(
たいひ
)
のこれ
程
(
ほど
)
なる
消遣
(
なぐさみ
)
のありとは
覚
(
おぼ
)
えず
無縁
(
むえん
)
も
有縁
(
うえん
)
の物語を作り
得
(
え
)
て
独
(
ひと
)
り
窃
(
ひそか
)
にほゝゑまれたる事に
候
(
そろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
忙
常用漢字
中学
部首:⼼
6画
“忙”を含む語句
急忙
慌忙
忙々
心忙
気忙
多忙
忙殺
怱忙
繁忙
大忙
息忙
忙敷
連忙
匆忙
御忙
匇忙
忙裏
御多忙
小忙
忙込
...