“気忙”のいろいろな読み方と例文
旧字:氣忙
読み方割合
きぜわ81.1%
きぜは9.4%
きぜ7.5%
せわ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分が今催促されて参入する気忙きぜわしさに、思慮分別のいとまも無く、よしよし、さらば此の石帯を貸さんほどにく疾く主人あるじかたにもて行け
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
誰も彼もが気忙きぜはしさうに動いてゐるなかへ、ひよつくりと帰つて来た鶲は、持前の人の好さから人家の垣根近くに紛れ込んで
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
髪をくしけづり、粉白粉こなおしろいもつけて、また、急いで食堂へ戻つたが、網戸をたたく白い蛾の気忙きぜはしい羽音だけで、広い食堂は森閑しんかんとしてゐる。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
「むむ、これはナカナカうまい」と森彦は吸物の出来をめて、気忙せわしなく吸った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)