トップ
>
出入
>
でい
ふりがな文庫
“
出入
(
でい
)” の例文
この
村
(
むら
)
に、もう
一人
(
ひとり
)
金持
(
かねも
)
ちがありました。その
男
(
おとこ
)
は、
村
(
むら
)
のものが、一
方
(
ぽう
)
の
金持
(
かねも
)
ちの
家
(
うち
)
にばかり
出入
(
でい
)
りするのをねたましく
思
(
おも
)
いました。
時計のない村
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夫
(
そ
)
れを
種々
(
さま/″\
)
に
思
(
おも
)
ふて
見
(
み
)
ると
父
(
とゝ
)
さんだとて
私
(
わたし
)
だとて
孫
(
まご
)
なり
子
(
こ
)
なりの
顏
(
かほ
)
の
見
(
み
)
たいは
當然
(
あたりまへ
)
なれど、
餘
(
あんま
)
りうるさく
出入
(
でい
)
りをしてはと
控
(
ひか
)
へられて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたくし
)
は不思議に思った。しかし私は先生を研究する気でその
宅
(
うち
)
へ
出入
(
でい
)
りをするのではなかった。私はただそのままにして打ち過ぎた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
は
其
(
その
)
當時
(
たうじ
)
お
品
(
しな
)
の
家
(
うち
)
へは
隣
(
となり
)
づかりといふので
能
(
よ
)
く
出入
(
でい
)
つた。
一
(
ひと
)
つには
形
(
かたち
)
づくつて
來
(
き
)
たお
品
(
しな
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
たい
所爲
(
せゐ
)
でもあつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
親類というものからも、
出入
(
でい
)
りというものからも、お手柄でございましたという
讃詞
(
さんじ
)
と、張込んだ祝いものがくる。そこで、母の勢力が増して強くなった。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
道子
(
みちこ
)
はアパートに
出入
(
でいり
)
する
仕出屋
(
しだしや
)
の
婆
(
ばあ
)
さんの
勧
(
すゝ
)
めるがまゝ、
戦後
(
せんご
)
浅草
(
あさくさ
)
上野辺
(
うへのへん
)
の
裏町
(
うらまち
)
に
散在
(
さんざい
)
してゐる
怪
(
あや
)
し
気
(
げ
)
な
旅館
(
りよくわん
)
や
料理屋
(
れうりや
)
へ
出入
(
でい
)
りしてお
客
(
きやく
)
を
取
(
と
)
りはじめた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
道理
(
だうり
)
こそ、
出入
(
でい
)
りを
人
(
ひと
)
に
隱
(
かく
)
して
形
(
かたち
)
を
見
(
み
)
せぬと、
一晩
(
あるばん
)
お
媼
(
ば
)
さんが
注進顏
(
ちうしんがほ
)
で、
功
(
てがら
)
らしく
言
(
い
)
つた
事
(
こと
)
を
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。……
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さわぎはだんだん大きくなって、
下宿
(
げしゅく
)
の
人間
(
にんげん
)
はひとり
残
(
のこ
)
らず、そのうえ
出入
(
でい
)
りの
商人
(
しょうにん
)
たちまでがぼくの
部屋
(
へや
)
にはいりこんで、
実験
(
じっけん
)
の
機械
(
きかい
)
や
薬品
(
やくひん
)
をいじりはじめたんだ
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
大親分も好いが、
縄張
(
なはばり
)
が広くなれば
出入
(
でい
)
りも多くなる道理で、人に立てられゝば人の苦労も背負つてやらねばならない。こゝに常陸の国に藤原
玄明
(
はるあき
)
といふ者があつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
中に江戸屋敷へ
出入
(
でい
)
る職人とか申す者の話は、少し心配になりますから、お目を
覚
(
さま
)
してくださいまし
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
千種屋
(
ちぐさや
)
と
出入
(
でい
)
りの
大町人
(
おほちやうにん
)
に
揃
(
そろ
)
ひも
揃
(
そろ
)
つて
出來
(
でき
)
た
病人
(
びやうにん
)
のことを、さま/″\に
考
(
かんが
)
へてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
身元
(
みもと
)
は
長谷部某
(
はせべなにがし
)
と
呼
(
よ
)
ぶ
出入
(
でい
)
りの
徒士
(
かぢ
)
の、たしか二
番目
(
ばんめ
)
の
娘
(
むすめ
)
だったかと
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
土手は南北百六
間
(
けん
)
、三ツの
郭
(
くるわ
)
にわかれ、八
門
(
もん
)
の
石築
(
いしづき
)
に
出入
(
でい
)
りを
守
(
まも
)
られている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼らの言葉で
出入
(
でい
)
りというが、百本二百本の長脇差が、縦横に乱れる喧嘩の場を、
潜
(
くぐ
)
って来た奴に相違ない。それも一回や二回ではない。幾度となく潜って来た奴だ。それは自然と様子で知れる。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
三
人
(
にん
)
ともに、
老人
(
ろうじん
)
の
家
(
うち
)
へ
時々
(
ときどき
)
出入
(
でい
)
りしているという
事実
(
じじつ
)
がある。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
一郎の
出入
(
でい
)
りをとめているのを、知らないわけじゃなかろう。
喪服
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
あるとき、
出入
(
でい
)
りの
商人
(
しょうにん
)
がきて、いいました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
「
出入
(
でい
)
りの商人もすこしは出入りしたね」
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
自
(
みづか
)
ら探し求めて
出入
(
でい
)
りする
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それは、
方々
(
ほうぼう
)
の
人
(
ひと
)
の
出入
(
でい
)
りするところへいって、いろいろの
人
(
ひと
)
に、おまえさんの
兄
(
にい
)
さんの
話
(
はなし
)
をして
聞
(
き
)
いてみなければ、わかりっこはないよ。
生きた人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
或
(
あ
)
る
口
(
くち
)
の
惡
(
わ
)
るきお
人
(
ひと
)
これを
聞
(
き
)
きて、
扨
(
さて
)
もひねくれし
女
(
おんな
)
かな、
今
(
いま
)
もし
學士
(
がくし
)
が
世
(
よ
)
にありて
札幌
(
さつぽろ
)
にもゆかず
以前
(
いぜん
)
の
通
(
とほ
)
り
生
(
なま
)
やさしく
出入
(
でい
)
りをなさば
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
逃出
(
にげだ
)
すと
言
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
に、わが
家
(
や
)
への
出入
(
でい
)
りにも、
硝子
(
がらす
)
、
瀬戸
(
せと
)
ものの
缺片
(
かけら
)
、
折釘
(
をれくぎ
)
で
怪我
(
けが
)
をしない
注意
(
ちうい
)
であつた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
先生と奥さんの間に起った
波瀾
(
はらん
)
が、大したものでない事はこれでも
解
(
わか
)
った。それがまた
滅多
(
めった
)
に起る現象でなかった事も、その後絶えず
出入
(
でい
)
りをして来た私にはほぼ推察ができた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
預
(
あづ
)
けた
預
(
あづ
)
からないの
争
(
あらそ
)
ひになつた
処
(
ところ
)
が、
出入
(
でい
)
りの
車力
(
しやりき
)
や
仕事師
(
しごとし
)
が
多勢
(
おほぜい
)
集
(
あつま
)
つて
来
(
き
)
て、
此奴
(
こいつ
)
は
騙取
(
かたり
)
に
違
(
ちが
)
ひないと
云
(
い
)
ふので、ポカ/\
殴
(
なぐ
)
つて
表
(
おもて
)
へ
突出
(
つきだ
)
したが、
証拠
(
しようこ
)
がないから
表向訴
(
おもてむきうつた
)
へることが
出来
(
でき
)
ない。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
汽車でも電車でも
出入
(
でい
)
りの不便な貧しい場末の町に引込んで秋雨を聴きつつ老い行く心はどんなであろう……何の気なしに思いつくと、自分は今までは唯淋しいとばかり見ていた場末の町の心持に
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
此処
(
ここ
)
へ
出入
(
でい
)
りする
人人
(
ひとびと
)
は
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
港
(
みなと
)
の
方
(
ほう
)
では、
出入
(
でい
)
りする
船
(
ふね
)
の
笛
(
ふえ
)
の
音
(
おと
)
が、
鈍
(
にぶ
)
く
聞
(
き
)
こえていました。
明
(
あか
)
るい、あめ
色
(
いろ
)
の
空
(
そら
)
に、
黒
(
くろ
)
い
煙
(
けむり
)
の
跡
(
あと
)
がわずかに
漂
(
ただよ
)
っている。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
前
(
まへ
)
の
父
(
とゝ
)
さんは
馬
(
うま
)
だねへと
言
(
い
)
はれて、
名
(
な
)
のりや
愁
(
つ
)
らき
子心
(
こゞころ
)
にも
顏
(
かほ
)
あからめるしほらしさ、
出入
(
でい
)
りの
貸座敷
(
いゑ
)
の
祕藏息子
(
ひざうむすこ
)
寮住居
(
りようずまひ
)
に
華族
(
くわぞく
)
さまを
氣取
(
きど
)
りて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
牛込築土前
(
うしごめつくどまへ
)
の、
此
(
こ
)
の
大勝棟梁
(
だいかつとうりやう
)
のうちへ
出入
(
でい
)
りをする、
一寸
(
ちよつと
)
使
(
つか
)
へる、
岩次
(
いはじ
)
と
云
(
い
)
つて、
女房持
(
にようばうもち
)
、
小兒
(
こども
)
の
二人
(
ふたり
)
あるのが
居
(
ゐ
)
た。
飮
(
の
)
む、
買
(
か
)
ふ、
摶
(
ぶ
)
つ、
道樂
(
だうらく
)
は
少
(
すこし
)
もないが、たゞ
性來
(
しやうらい
)
の
釣好
(
つりず
)
きであつた。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
だんだんこの
港
(
みなと
)
に、
船
(
ふね
)
がたくさんはいってきて、
方々
(
ほうぼう
)
の
人々
(
ひとびと
)
が
出入
(
でい
)
りするようになりますと、
町
(
まち
)
もにぎやかになりますかわり、
暮
(
く
)
らしづらくなりますよ。
船でついた町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此方
(
こちら
)
から
強請
(
ねだつ
)
た
譯
(
わけ
)
ではなけれど
支度
(
したく
)
まで
先方
(
さき
)
で
調
(
とゝの
)
へて
謂
(
い
)
はゞ
御前
(
おまへ
)
は
戀女房
(
こひによぼう
)
、
私
(
わたし
)
や
父樣
(
とゝさん
)
が
遠慮
(
ゑんりよ
)
して
左
(
さ
)
のみは
出入
(
でい
)
りをせぬといふも
勇
(
いさむ
)
さんの
身分
(
みぶん
)
を
恐
(
おそ
)
れてゞは
無
(
な
)
い
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
唇
(
くちびる
)
を
白
(
しろ
)
く
附着
(
くツつ
)
いて、
出入
(
でい
)
りを
附狙
(
つけねら
)
つて
居
(
ゐ
)
たとの
事
(
こと
)
。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
森
(
もり
)
は、ある
大
(
おお
)
きな
屋敷
(
やしき
)
の一
部
(
ぶ
)
になっていたのです。
破
(
やぶ
)
れた
垣根
(
かきね
)
からは、
犬
(
いぬ
)
ばかりでなく、
近所
(
きんじょ
)
に
住
(
す
)
む
人間
(
にんげん
)
の
子供
(
こども
)
たちも、ときどき、
出入
(
でい
)
りをしました。
森の中の犬ころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
位
(
くらゐ
)
の
宜
(
い
)
い
方々
(
かた/″\
)
や
御
(
ご
)
身分
(
みぶん
)
のある
奧樣
(
おくさま
)
がたとの
御交際
(
おつきあひ
)
もして、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
原田
(
はらだ
)
の
妻
(
つま
)
と
名告
(
なのつ
)
て
通
(
とほ
)
るには
氣骨
(
きぼね
)
の
折
(
を
)
れる
事
(
こと
)
もあらう、
女子
(
をんな
)
どもの
使
(
つか
)
ひやう
出入
(
でい
)
りの
者
(
もの
)
の
行渡
(
ゆきわた
)
り
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ある
日
(
ひ
)
のこと、
古
(
ふる
)
くから、この
病院
(
びょういん
)
へ
出入
(
でい
)
りして、
炊事婦
(
すいじふ
)
や
看護婦
(
かんごふ
)
と、
顔見知
(
かおみし
)
りという
老婆
(
ろうば
)
が、ふいに、お
竹
(
たけ
)
のもとへやってきて、
前
(
まえ
)
に
約束
(
やくそく
)
があるのだから
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
八つ
口
(
くち
)
をふさぎて
大人
(
おとな
)
の
姿
(
すがた
)
にこしらへられしより二十二の
今日
(
けふ
)
までに、
下宿屋住居
(
げしゆくやずまゐ
)
を
半分
(
はんぶん
)
と
見
(
み
)
つもりても
出入
(
でい
)
り三
年
(
ねん
)
はたしかに
世話
(
せわ
)
をうけ、
伯父
(
おぢ
)
の
勝義
(
かつよし
)
が
性質
(
せいしつ
)
の
氣
(
き
)
むづかしい
處
(
ところ
)
から
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
毎日
(
まいにち
)
のように、
勝手
(
かって
)
もとへご
用
(
よう
)
を
聞
(
き
)
きにくる、
出入
(
でい
)
りの
商人
(
しょうにん
)
が
暑中伺
(
しょちゅううかが
)
いに
持
(
も
)
ってきたのであって、だれが
描
(
か
)
いたのかしれないが、
若
(
わか
)
い
女
(
おんな
)
の
人
(
ひと
)
が、
晩方
(
ばんがた
)
の
町
(
まち
)
を
歩
(
ある
)
いている
絵
(
え
)
が
描
(
か
)
いてありました。
遠方の母
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あんまり、あんたは
虫
(
むし
)
がよすぎる、この
金
(
かね
)
の
出入
(
でい
)
りのせわしい
暮
(
く
)
れに、
自分
(
じぶん
)
の
不注意
(
ふちゅうい
)
から
金
(
かね
)
をなくしたといって、また
貸
(
か
)
せというのは。こちらもいそがしいので、いちいちたのみをきいていられない。
万の死
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“出入”の意味
《名詞》
出 入(しゅつにゅう)
出ることと入ること。
出すことと入れること。
(出典:Wiktionary)
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“出入”で始まる語句
出入口
出入場
出入先
出入司
出入帳
出入事
出入境
出入留
出入邸
出入商人