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乏
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とぼ
ふりがな文庫
“
乏
(
とぼ
)” の例文
じめじめした、いやな
天気
(
てんき
)
がつづきました。
生活力
(
せいかつりょく
)
の
乏
(
とぼ
)
しい
金魚
(
きんぎょ
)
は、みんな
弱
(
よわ
)
って
死
(
し
)
んでしまったけれど、どじょうは
元気
(
げんき
)
でした。
どじょうと金魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この船を
逸
(
のが
)
したら二度と機会は来ないかもしれない。あの荒れた
乏
(
とぼ
)
しい、退屈な、長い長い日が無限につづくことを思えばたまらない。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
余
(
よ
)
に
遇
(
ぐう
)
せしこと
甚
(
はなはだ
)
篤
(
あつし
)
。
小千谷
(
をぢや
)
は
北越
(
ほくゑつ
)
の
一市会
(
いつしくわい
)
、
商家
(
しやうか
)
鱗次
(
りんじ
)
として百物
備
(
そなはら
)
ざることなし。
海
(
うみ
)
を
去
(
さ
)
る事
僅
(
わづか
)
に七里ゆゑに
魚類
(
ぎよるゐ
)
に
乏
(
とぼ
)
しからず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
貧乏
(
びんぼう
)
ながら、こせつかずに
暮
(
くら
)
してゐたことは
乏
(
とぼ
)
しきまゝの
歌
(
うた
)
を
見
(
み
)
て、いかにも
人
(
ひと
)
なつかしい、
善良
(
ぜんりよう
)
なこの
歌人
(
かじん
)
の
性質
(
せいしつ
)
が
思
(
おも
)
はれます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
ローウッドで、時たま集めることが出來た
乏
(
とぼ
)
しい蒐集に比べては、これはまるで娯樂と知識のありあまる收穫を得たやうなものだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
専攻しているのは
光学
(
オプティックス
)
であるが、事務的手腕もあるというので、この方の
人材
(
じんざい
)
乏
(
とぼ
)
しい研究所の会計方面も見ているという働き手であった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ただその信仰の本質が、いかに変化しつつあったかについて、まだ私の説き得ることが甚だ
乏
(
とぼ
)
しいのを
憾
(
うら
)
みとするばかりである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
しかし、山地が多く物産が
乏
(
とぼ
)
しいので、一面には質素で、豪古の風を尊んだ。——また、海に接しているせいか、進取的だった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ましてすん子のごとき、薩摩芋に経験の
乏
(
とぼ
)
しい者は無論
狼狽
(
ろうばい
)
する訳である。すん子はワッと云いながら
口中
(
こうちゅう
)
の芋を食卓の上へ吐き出した。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
景色
(
けしき
)
は
大
(
おほき
)
いが
變化
(
へんくわ
)
に
乏
(
とぼ
)
しいから
初
(
はじ
)
めての
人
(
ひと
)
なら
兔
(
と
)
も
角
(
かく
)
、
自分
(
じぶん
)
は
既
(
すで
)
に
幾度
(
いくたび
)
か
此海
(
このうみ
)
と
此
(
この
)
棧道
(
さんだう
)
に
慣
(
な
)
れて
居
(
ゐ
)
るから
強
(
しひ
)
て
眺
(
なが
)
めたくもない。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
言合
(
いひあ
)
はせたやうに、
一張
(
ひとはり
)
差置
(
さしお
)
いた、
眞
(
しん
)
の
細
(
ほそ
)
い、
乏
(
とぼ
)
しい
提灯
(
ちやうちん
)
に、
頭
(
あたま
)
と
顏
(
かほ
)
をひしと
押着
(
おツつ
)
けた
處
(
ところ
)
は、
人間
(
にんげん
)
唯
(
たゞ
)
髯
(
ひげ
)
のないだけで、
秋
(
あき
)
の
蟲
(
むし
)
と
餘
(
あま
)
りかはりない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ふり仰ぐと、
乏
(
とぼ
)
しい灯の中に、斷たれた綱はダラリと下がつて
大蛇
(
をろち
)
のやうに土間を這ひ、與三郎がそれを引摺つて片付けようとしてゐるのでした。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これはじつに、都会に猛獣が放たれているような、
戦慄
(
せんりつ
)
すべき想像だが、こういう、早まって退院を許された狂人の犯罪は、その例に
乏
(
とぼ
)
しくない。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
もっとも、私は、怒る時には、本気に怒ってしまいます。私の表情には、怒りと笑いと、二つしか無いようです。意外にも、表情の
乏
(
とぼ
)
しい男ですね。
小さいアルバム
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
乍去
(
さりながら
)
日本人
(
にほんじん
)
從來
(
じゆうらい
)
の
習慣
(
しふくわん
)
でありませうが、
斯樣
(
かやう
)
な
事
(
こと
)
に
極
(
き
)
めて
無頓着
(
むとんちやく
)
が
多
(
おほ
)
い。
責任
(
せきにん
)
を
重
(
おも
)
んずるの
念
(
ねん
)
に
乏
(
とぼ
)
しい。
獨立
(
どくりつ
)
して
物
(
もの
)
を
治
(
をさ
)
めて
行
(
ゆ
)
くといふ
事
(
こと
)
が
少
(
すこ
)
しも
無
(
な
)
い。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
生計を求むるに
忙
(
いそが
)
わしく、子弟の教育を
顧
(
かえりみ
)
るに
遑
(
いとま
)
あらず。故に下等士族は文学その他
高尚
(
こうしょう
)
の教に
乏
(
とぼ
)
しくして
自
(
おのず
)
から
賤
(
いや
)
しき商工の風あり。(貧富を異にす)
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
この法螺貝を残して行きますから、これに
米穀
(
べいこく
)
をたくわえて置けば、いつでも
乏
(
とぼ
)
しくなるような事はありません
中国怪奇小説集:04 捜神後記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
且
(
かつ
)
性來
(
せいらい
)
記憶力
(
きおくりよく
)
に
乏
(
とぼ
)
しき
余
(
よ
)
は、
此等
(
これら
)
の
病症
(
びやうしやう
)
の
爲
(
ため
)
に
益
(
ます/\
)
其
(
その
)
※退
(
げんたい
)
するを
感
(
かん
)
じ、
治療法
(
ちれうはふ
)
に
苦心
(
くしん
)
せる
時
(
とき
)
、
偶
(
たま/\
)
冷水浴
(
れいすゐよく
)
を
爲
(
な
)
して
神
(
かみ
)
に
祷願
(
たうぐわん
)
せば
必
(
かなら
)
ず
功驗
(
こうけん
)
ある
可
(
べ
)
しと
告
(
つ
)
ぐる
人
(
ひと
)
あり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
ずつと晩年は
数奇
(
すき
)
者が依頼する秋成自著の中でも有名な雨月などの
謄写
(
とうしゃ
)
をしてその報酬で
乏
(
とぼ
)
しく暮して居た。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
これは我々が社会を見ても、あるいは各自の友人の
履歴
(
りれき
)
に
徴
(
ちょう
)
しても、必ずその例に
乏
(
とぼ
)
しからざるを感ずる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
糸をとるにしても、製糸工場はしばらくおき、
乏
(
とぼ
)
しい、かなしげな小屋で、
老女
(
としより
)
が鍋で煮ながら繰出してゐるのを見ると、手の指はまつ白にうぢやぢやけてゐた。
桑摘み
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
北向きの片側は窓になっていて、そこから
乏
(
とぼ
)
しいながら明りが入ってはくるのだが、鏡台の上の方にこれまたずらりと、商店街の街灯のように電灯が並んでいる。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
橋際に、小さな夜明しの居酒屋——この辺に、夜鷹を
漁
(
あさ
)
りにくる、
折助
(
おりすけ
)
どもを目当ての、
乏
(
とぼ
)
し気な店だ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
も見ずして我家へ
歸
(
かへ
)
り向ふの始末
斯々
(
かう/\
)
と
咄
(
はな
)
して
汗
(
あせ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ひけり夫婦は聞て先は
安堵
(
あんど
)
此事
一子
(
せがれ
)
に云ん物と思へど未だ暇に
乏
(
とぼ
)
しく咄しもせねば
和郎
(
そなた
)
まづ
一子
(
せがれ
)
に
篤
(
とく
)
と此
由
(
よし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
諸君のまじめな研究は外国語の知識に
乏
(
とぼ
)
しい私の
羨
(
うら
)
やみかつ
敬服
(
けいふく
)
するところではあるが、諸君はその研究から利益とともにある
禍
(
わざわ
)
いを受けているようなことはないか。
弓町より
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
その地租を課するにもどれだけの大きさの
田地
(
でんち
)
ということが分らぬ。ところでちょっと前にも説明しましたようにチベット人には数学的観念というものは実に
乏
(
とぼ
)
しい。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
子路は元々自分に楽才の
乏
(
とぼ
)
しいことを知っている。そして自らそれを耳と手のせいに帰していた。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
しかし境遇に依って藝術の天地を封ぜられて居る者や、境遇はよくても天性想像力の
乏
(
とぼ
)
しい者は、見す見す堕落をすると知りながら、悪を実行に
齎
(
もたら
)
さずには居られない。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
乏
(
とぼ
)
しい光線の中で、吉良兵曹長の顔は、思わずぎょっとする位、青ざめて見えた。非常な苦痛を押しこらえているような不思議な表情が、彼の顔を
歪
(
ゆが
)
めているようであった。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
固
(
もと
)
より
壁
(
かべ
)
を
塗
(
ぬ
)
る
暇
(
ひま
)
はない。そこらこゝらの
林
(
はやし
)
の
間
(
あひだ
)
に
刈
(
か
)
り
残
(
のこ
)
された
萱
(
かや
)
や
篠
(
しの
)
を
刈
(
か
)
つて
來
(
き
)
て、
乏
(
とぼ
)
しい
藁
(
わら
)
と
交
(
ま
)
ぜて
垣根
(
かきね
)
でも
結
(
ゆ
)
ふやうにそれを
内外
(
うちそと
)
から
裂
(
さ
)
いた
竹
(
たけ
)
を
當
(
あ
)
てゝぎつと
締
(
し
)
めた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
糧
(
かて
)
に
乏
(
とぼ
)
しい村のこどもらが、
都会文明
(
とかいぶんめい
)
と
放恣
(
ほうし
)
な
階級
(
かいきゅう
)
とに
対
(
たい
)
するやむにやまれない
反感
(
はんかん
)
です。
『注文の多い料理店』新刊案内
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
垣
(
かき
)
の
隙
(
ひま
)
があらいとて忍び
音
(
ね
)
を漏らす訳は少しも無之、それを両者相関係するが如く言ひなすは言葉のシヤレと相見え申候。言葉のシヤレが行はるる処にはいつでも趣味
乏
(
とぼ
)
しく候。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
何がそんなに悲しかったか、それは彼自身にもはっきりしない。ただそこに
佇
(
たたず
)
んだまま、
乏
(
とぼ
)
しい虫の
音
(
ね
)
に聞き入っていると、自然と涙が彼の頬へ、冷やかに流れ始めたのである。
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と強く自らを
叱咜
(
しった
)
している弥生は、それでも、これがあの栄三郎のおすまいかと思うと、今にも眼がしらが熱くなってきそうで、そこらにある
乏
(
とぼ
)
しい世帯道具の一つ一つまでが
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この会津地方には一般怪談の如きは
乏
(
とぼ
)
しくない、
殊
(
こと
)
に前年
即
(
すなわ
)
ち明治
廿一
(
にじゅういち
)
年七月十五日には、かの磐梯山が噴火して、
為
(
た
)
めに、そのすぐ下に横たわる
猪苗代湖
(
いなわしろこ
)
に注ぐ、
長瀬川
(
ながせがわ
)
の上流を
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
石川県へ往ったが、懐に金があるから何もせず、見てえ所は見、喰いてえ物は喰い、可なり
放蕩
(
ほうとう
)
も
遣
(
や
)
った所が、
追々
(
おい/\
)
金が
乏
(
とぼ
)
しくなって来たから、商法でも仕ようと思い、
坂府
(
さかふ
)
へ来た所
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
乏
(
とぼ
)
しい
明
(
あか
)
るさの
中
(
なか
)
でもこの
木目
(
もくめ
)
はこの
牌
(
パイ
)
とすぐ
分
(
わか
)
るやうに
努力
(
どりよく
)
するのだと
言
(
い
)
ふ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
乏
(
とぼ
)
しい中から村の出金、教会としての中央への義務寄金も心ばかりはしました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
乏
(
とぼ
)
しきに耐える精神などがなんで美徳であるものか。必要は発明の母と言う。
続堕落論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
通商貿易
(
つうしょうぼうえき
)
の
利益
(
りえき
)
など最初より期するところに非ざりしに、おいおい日本の
様子
(
ようす
)
を見れば
案外
(
あんがい
)
開
(
ひら
)
けたる国にして
生糸
(
きいと
)
その他の
物産
(
ぶっさん
)
に
乏
(
とぼ
)
しからず、
随
(
したがっ
)
て案外にも外国品を
需用
(
じゅよう
)
するの力あるにぞ
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
ぼろに身を包み、こちこちの板の上に横たわり、
袋
(
ふくろ
)
を
枕代
(
まくらがわ
)
りにした老婆は、苦しみもがきながら息を引取った。彼女の一生は、その日その日の
乏
(
とぼ
)
しい暮しに、あくせく追われ通しで過ぎたのだ。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
伏して念う、某、
殺青
(
さつせい
)
を骨となし、
染素
(
せんそ
)
を
胎
(
たい
)
と成し
墳壟
(
ふんろう
)
に埋蔵せらる、
是
(
こ
)
れ
誰
(
たれ
)
か
俑
(
よう
)
を作って用うる。面目機発、人に比するに
体
(
たい
)
を具えて
微
(
び
)
なり。既に
名字
(
めいじ
)
の称ありて、
精霊
(
しょうりょう
)
の異に
乏
(
とぼ
)
しかるべけんや。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
擂鉢に白き
蓮
(
はちす
)
をひとつ浮けて貧しき朝や
乏
(
とぼ
)
し
飯
(
めし
)
食
(
く
)
ふ
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
世にその例が
乏
(
とぼ
)
しくないのであります。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
吉右衛門は、
乏
(
とぼ
)
しい顔で笑った。
あなたも私も
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
余
(
よ
)
に
遇
(
ぐう
)
せしこと
甚
(
はなはだ
)
篤
(
あつし
)
。
小千谷
(
をぢや
)
は
北越
(
ほくゑつ
)
の
一市会
(
いつしくわい
)
、
商家
(
しやうか
)
鱗次
(
りんじ
)
として百物
備
(
そなはら
)
ざることなし。
海
(
うみ
)
を
去
(
さ
)
る事
僅
(
わづか
)
に七里ゆゑに
魚類
(
ぎよるゐ
)
に
乏
(
とぼ
)
しからず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ことに寒月君や、東風君のような経験の
乏
(
とぼ
)
しい青年諸君は、よく僕らの云う事を聞いてだまされないようにしなくっちゃいけない
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
天性の美貌と
果実
(
くだもの
)
を思わすような皮膚の
処女色
(
しょじょしょく
)
は、いかにも新鮮でみずみずしいが、まだなにか女の甘美なにおいには
乏
(
とぼ
)
しい。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二階は臺所と同じ大きさの寢室で、
樅材
(
もみざい
)
の寢臺と、小さな、とは云へ
乏
(
とぼ
)
しい私の着物を
容
(
い
)
れるには廣すぎる箪笥がついてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼女
(
かのじょ
)
らの、この
町
(
まち
)
を
去
(
さ
)
ってしまうということは、
楽
(
たの
)
しみと
色彩
(
しきさい
)
に
乏
(
とぼ
)
しいこのあたりの
人々
(
ひとびと
)
に、なんとなくさびしいことに
感
(
かん
)
じられたのであります。
初夏の空で笑う女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
乏
常用漢字
中学
部首:⼃
5画
“乏”を含む語句
貧乏
貧乏徳利
貧乏人
欠乏
窮乏
貧乏動
缺乏
貧乏世帶
貧乏籤
貧乏神
貧乏臭
闕乏
貧乏揺
貧乏世帯
貧乏搖
貧乏鬮
貧乏村
貧乏摺
貧乏䰗
引越貧乏
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