風俗ふうぞく)” の例文
それで、天皇てんのう殉死じゆんし風俗ふうぞくはなは人情にんじようにそむいた殘酷ざんこくなことであるから、これはどうしてもやめなければならぬとおかんがへになりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
あえてはえに限らず動植鉱物どうしょくこうぶつに限らず、人間の社会に存するあらゆる思想しそう風俗ふうぞく習慣しゅうかんについても、やはり同じようなことがいわれはしないか。
蛆の効用 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
風俗ふうぞく派手はででない、をんなこのみ濃厚のうこうではない、かみかざりあかいものはすくなく、みなこゝろするともなく、風土ふうどふくしてるのであらう。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
追駈おひかけ昌次郎と途中にて行違ひと成り梅一人河原にまち居たる所雲助風俗ふうぞくの者女を勾引かどはかし來り打叩くをかたはらにて梅は驚き迯出にげいだす所を又其者梅を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
また、この旅のあいだに、スウェーデン各地の伝説でんせつや、おもしろい風俗ふうぞくや、ためになることをたくさんまなびます。
主人あるじ里地さとちの事をもよく知りてはなしわかおきなゆゑ所の風俗ふうぞくをたづねしに、そのものがたりたるあらましをこゝにしるす。
その第十巻の終りに Terminal Essay が附いてゐて、此の物語の起源、亜剌比亜アラビア風俗ふうぞく欧羅巴ヨオロツパに於ける訳本等がくはしく討究たうきうされてゐる。
その柳生谷は、山村とよぶには、どこか人智の光があり、家居かきょ風俗ふうぞくにも整いがあった。といって、町と見るには、戸数が少なくて、浮華な色がちっともない。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うまく言っているぜ。風俗ふうぞく壊乱かいらんだから註文したんだろう? 何うも当てにならない謹厳だと思っていた」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
世界せかい歴史れきし風俗ふうぞく調しらべてるに、何國なにこく何時代なにじだいおいても、化物思想ばけものしさうところけつしていのである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
日本諸地方に石器時代のあとを遺したる人民にして、體格たいかく風俗ふうぞく、日本人とも同じからずアイヌとも同じからずとせば、この人民は何者なりしか、其行衛ゆくゑは如何との二疑問次いで生ずべし。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
仁和賀にわか金棒かなぼう親父おやぢ代理だいりをつとめしより氣位きぐらいゑらくりて、おびこしさきに、返事へんじはなさきにていふものさだめ、にくらしき風俗ふうぞく、あれがかしらでなくばと鳶人足とびにんそく女房にようぼう蔭口かげぐちきこえぬ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
したがつてまた、『地方的ちはうてきまた國家的こくかてき偏見へんけん』からは離脱りだつしてゐるつもりだけれども、日本人にほんじんと、日本語にほんごと、日本にほん風俗ふうぞく自然しぜんとにたいして、まだなりおほくの『愛着あいちやく』をつていることあらそはれない。
権利をことにし、骨肉の縁を異にし、貧富ひんぷを異にし、教育を異にし、理財りざい活計かっけいおもむきを異にし、風俗ふうぞく習慣しゅうかんを異にする者なれば、おのずからまたその栄誉の所在しょざいも異なり、利害の所関しょかんも異ならざるを得ず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
風俗ふうぞくきみ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
さてその農民小屋のうみんごやにはひつてると爐邊ろへんにはまきやされてあつて、その地方ちほう風俗ふうぞくをしたぢいさんがたばこをいぶらしてゐたり
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
東京とうきやうへば淺草あさくさのやうなところだと、かねいて大須おほす觀音くわんおんまうでて、表門おもてもんからかへればいのを、風俗ふうぞく視察しさつのためだ、とうらへまはつたのが過失あやまちで。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こえぬと見えせいたか面體めんてい柔和にうわにて眉毛まゆげ鼻筋はなすぢ通りて齒並はならそろいやみなき天晴の美男にして婦人ふじんすく風俗ふうぞくなり衣類は黒七子くろなゝこの小袖にたちばな紋所もんどころつけ同じ羽折はをり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此秋山にはいにしへ風俗ふうぞくおのづからのこれりときゝしゆゑ一度はたづねばやとおもひりしに、此地をよくしりたる案内者あんないしやたりしゆゑ、偶然ふとおもひたち案内あなひをしへにまかせ
むかし支那しなにおいて塞外さくぐわい鮮卑族せんひぞくの一しゆなる拓拔氏たくばつし中國ちうごく侵入しんにふし、黄河流域こうかりうゐき全部ぜんぶ占領せんれうしてくにせうしたが、漢民族かんみんぞく文化ぶんくわ溺惑できわくして、みづか自國じこく風俗ふうぞく慣習くわんしふをあらため、胡語こごきん
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
『四かいいへとする』ほどのひろ心持こゝろもちもない。國語こくご風俗ふうぞく人種じんしゆとの關係上くわんけいじやう世界せかいらゆる國民こくみんらゆる人種じんしゆたいして、『一視同仁しどうじん』といふほどの、まつたおなしたしみをかんるとはへない。
これは、ガチョウのせなかに乗ってスウェーデンじゅうを飛びまわる少年の冒険物語ぼうけんものがたりですが、その旅のあいだに、各地の伝説でんせつや、おもしろい風俗ふうぞくや、ためになるお話をたくさん聞かせてくれます。
茶屋ちやゝ棧橋ざんばしとんと沙汰さたして、まわどほ此處こゝからあげまする、あつらもの仕事しごとやさんとこのあたりにはふぞかし、一たい風俗ふうぞくよそとかはりて女子おなご後帶うしろおびきちんとせしひとすくなく、がらをこのみて巾廣はゞひろ卷帶まきおび
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かように三種さんしゆならかたによつて、私共わたしども見物人けんぶつにんはスエーデンの風俗ふうぞく習慣しゆうかん特質とくしつ十分じゆうぶんにいろ/\の方面ほうめんから研究けんきゆうすることが出來できるようになつてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
... がらん/\とけてくのは、號外がうぐわいではなささうだが、なんだい。」ばあさんが「あれは、ナアモ、藝妓衆げいこしゆ線香せんかうらせでナアモ。」そろ/\風俗ふうぞく視察しさつにおよんで
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
奉行所へ呼出され昌次郎夫婦ふうふの者古郷を出でて何所なにどころしのび居んと内々探索たんさくのため昌次郎梅二人の年齡ねんれいより風俗を大岡殿ちく問糺とひたゞされしに就き一同は昌次郎梅が風俗ふうぞく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
老女に土地とち風俗ふうぞくなどたづねしが心かよはざればさらにわからず、物をとらせてやがて立さりけり。
わがくに固有こいう風俗ふうぞくとして家名かめい尊重そんちやうする關係上くわんけいじやう當然たうぜん苗字めうじさきにしあとにし、苗字めうじとを連合れんがふして一つの固有名こいうめいかたちづくり、これをもつ個人こじん名稱めいしやうとしたので、苗字めうじさきにするといふことに
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
おなじく二日ふつかまちひて、初湯はつゆんである風俗ふうぞく以前いぜんありたり、いまもあるべし。たとへば、本町ほんちやう風呂屋ふろやぢや、いた、がわいた、とのぐあひなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
按察使あぜちの大納言資賢すけかた和琴わごんを鳴らし、その子右馬頭資時うまのかみすけとき風俗ふうぞく催馬楽さいばらを歌い、四位の侍従盛定もりさだは拍子をとりながら今様いまようを歌うなど、和気藹々あいあいのうちに得意の芸が披露されていた。
味噌みそ小買こがひをするは、しちをおくほど恥辱ちじよくだと風俗ふうぞくなりしはずなり。豆府とうふつて半挺はんちやう小半挺こはんちやうとてる。菎蒻こんにやく豆府屋とうふやにつきものとたまふべし。おなじなか菎蒻こんにやくキツトあり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其はうぢやよ、一月ひとつきも前ぢやわいの、何ともつひぞ見たことのない、みやこ風俗ふうぞくの、わかい美しい嬢様が、たっ一人ひとり景色を見い/\、此の野へござつてわしとこへ休ましやつたが、此の奥にの
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)