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面目
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めんもく
ふりがな文庫
“
面目
(
めんもく
)” の例文
また床次君のやうに自分が偉人らしい
言草
(
いひぐさ
)
も気に喰はぬ、
身
(
み
)
不肖
(
ふせう
)
ながら朝夕南洲翁に
随
(
つ
)
いてゐたから、翁の
面目
(
めんもく
)
はよく知つてゐるが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
按
(
あん
)
ずるに無条件の美人を認めるのは近代人の
面目
(
めんもく
)
に
関
(
かかわ
)
るらしい。だから保吉もこのお嬢さんに「しかし」と云う条件を加えるのである。
お時儀
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もないこと、三彩獅子を
御覧
(
ごろう
)
ぜられて、将軍家の
御感
(
ぎょかん
)
一通
(
ひととお
)
りでなく、殿、御上府のせつは、偉い
面目
(
めんもく
)
をほどこしたそうでござる」
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どういたしまして、私どもは
面目
(
めんもく
)
次第
(
しだい
)
もございません。あなた方の王さまからいただいた
玉
(
たま
)
をとうとう
曇
(
くも
)
らしてしまったのです」
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
子弟を学塾に入れ或は他国に遊学せしむる者ありて、文武の
風儀
(
ふうぎ
)
にわかに
面目
(
めんもく
)
を改め、また先きの算筆のみに
安
(
やす
)
んぜざる者多し。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
滿座の人々感に堪へざるはなく、
中宮
(
ちゆうぐう
)
よりは殊に女房を使に
纏頭
(
ひきでもの
)
の
御衣
(
おんぞ
)
を懸けられければ、二人は
面目
(
めんもく
)
身に餘りて
退
(
まか
)
り出でぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
誰しも感じたり云ったりはするけれど、それを彼の様に
傍若無人
(
ぼうじゃくむじん
)
に実行したものは少いであろう。こういう所にも彼の
面目
(
めんもく
)
が現われていた。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
申し受けて、わが
面目
(
めんもく
)
を立て、また一つには、兄の顔を立てるためには、このさい、なんといたしても邪魔者を除かねばならぬではないかっ
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
白石の思想は一見平凡にも単調にも思えるけれども、自分の
面目
(
めんもく
)
と生活とから生れでていないものは一つもなく、しかもその
範囲
(
はんい
)
においては
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「まあ
何
(
なに
)
から
入
(
はひ
)
つても
同
(
おな
)
じであるが」と
老師
(
らうし
)
は
宗助
(
そうすけ
)
に
向
(
むか
)
つて
云
(
い
)
つた。「
父母
(
ふぼ
)
未生
(
みしやう
)
以前
(
いぜん
)
本來
(
ほんらい
)
の
面目
(
めんもく
)
は
何
(
なん
)
だか、それを
一
(
ひと
)
つ
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
たら
善
(
よ
)
かろう」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今宵
(
こよひ
)
、
家例
(
かれい
)
に
因
(
よ
)
り、
宴會
(
えんくわい
)
を
催
(
もよふ
)
しまして、
日頃
(
ひごろ
)
別懇
(
べっこん
)
の
方々
(
かた/″\
)
を
多勢
(
おほぜい
)
客人
(
まろうど
)
に
招
(
まね
)
きましたが、
貴下
(
こなた
)
が
其
(
その
)
組
(
くみ
)
に
加
(
くは
)
はらせらるゝは一
段
(
だん
)
と
吾家
(
わがや
)
の
面目
(
めんもく
)
にござる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
人込みの中で騒ぎたてては
面目
(
めんもく
)
ないという
理窟
(
りくつ
)
をその時私は胸の中で考えていたのだが、実は振り放すには余りに
惜
(
お
)
しいような気もしていたのだ。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
彼女は或る
甚
(
はなは
)
だ面目ないことを仕でかし、
面目
(
めんもく
)
なさにシオらしく、ドボーンと投身自殺を果したとする。やがていよいよ死の国で、わがC子は
正気
(
しょうき
)
づく。
十年後のラジオ界
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
飛
(
と
)
び/\に
読
(
よ
)
んでゐるうち、一
度
(
ど
)
何
(
なに
)
かで
読
(
よ
)
んだ
覚
(
おぼえ
)
のある
恋愛論
(
れんあいろん
)
に
出会
(
でつくは
)
しなどするのであつたが、ハイカラな
其青年
(
そのせいねん
)
の
面目
(
めんもく
)
が、
目
(
め
)
の
先
(
さき
)
に
見
(
み
)
えるやうである。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
面目
(
めんもく
)
ないけンが、どうやら、そこへもいったらしいて。ばかにりっぱな座敷があってのう、それが、たたみもふすまも天じょうも、みんな黄色かったてや。
和太郎さんと牛
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
と
頻
(
しきり
)
に
面目
(
めんもく
)
ながる
癖
(
くせ
)
に、あは/\
得意
(
とくい
)
らしい
高笑
(
たかわら
)
ひを
行
(
や
)
つた。
家内
(
かない
)
の
無事
(
ぶじ
)
を
祝福
(
しゆくふく
)
する
心
(
こゝろ
)
では、
自分
(
じぶん
)
の
魅
(
み
)
せられたのを、
却
(
かへ
)
つて
幸福
(
かうふく
)
だと
思
(
おも
)
つて
喜
(
よろこ
)
んだんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
(
ひとた
)
び罪を犯しても、かうして悔悟して自殺を為たのは、実に見上げた精神だ。さうなけりや成らん、
天晴
(
あつぱれ
)
だぞ。それでこそ始て人間たるの
面目
(
めんもく
)
が立つのだ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然れども大正年間に及びていはゆる新傾向の称道を見るに至り俳諧も遂に本来の
面目
(
めんもく
)
体裁
(
ていさい
)
を破却せられ漸く有名無実のものとならんとす。これ現代俳句界の
趨勢
(
すうせい
)
なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「つまり、おまえは、やぶれた
洋服
(
ようふく
)
を着た
生徒
(
せいと
)
がいては学校の
面目
(
めんもく
)
にかかわるというのだね。」
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
遂
(
つひ
)
に
失望
(
しつばう
)
落膽
(
らくたん
)
し、
今更
(
いまさ
)
ら
世間
(
せけん
)
へも
面目
(
めんもく
)
なく、
果
(
はて
)
は
思
(
おも
)
ひ
迫
(
せま
)
つて
大
(
おほ
)
いに
決心
(
けつしん
)
して
居
(
ゐ
)
たのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
面目
(
めんもく
)
が崩れ、
爛
(
ただ
)
れ、流れて、
蛆
(
うじ
)
の湧いている顔面がお銀様は好きなのでした。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
貴孃
(
あなた
)
は
齋藤
(
さいとう
)
の
阿關
(
おせき
)
さん、
面目
(
めんもく
)
も
無
(
な
)
い
此樣
(
こん
)
な
姿
(
なり
)
で、
背後
(
うしろ
)
に
目
(
め
)
が
無
(
な
)
ければ
何
(
なん
)
の
氣
(
き
)
もつかずに
居
(
ゐ
)
ました、
夫
(
そ
)
れでも
音聲
(
ものごゑ
)
にも
心
(
こゝろ
)
づくべき
筈
(
はづ
)
なるに、
私
(
わたし
)
は
餘程
(
よつぽど
)
の
鈍
(
どん
)
に
成
(
な
)
りましたと
下
(
した
)
を
向
(
む
)
いて
身
(
み
)
を
恥
(
はぢ
)
れば
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ウン……間違えたと云やあ思い出すが、吾輩に一つ
面目
(
めんもく
)
ない話があるんだ。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しからば本来の
面目
(
めんもく
)
如何
(
いかん
)
という点を、考えずに済ましていたのである。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
申
掛
(
かけ
)
られ
承知
(
しようち
)
せぬとて
刄物三昧
(
はものざんまい
)
致
(
いた
)
しゝに
付
(
つき
)
其
節
(
せつ
)
私
(
わたく
)
し中へ入て
取鎭
(
とりしづ
)
め候へば金三兩呉られ候て
取持
(
とりもち
)
候
樣
(
やう
)
申付られ候へども梅事は
貞節
(
ていせつ
)
の
女
(
をんな
)
ゆゑとても
叶
(
かな
)
はぬ事と
存
(
ぞん
)
じ私しは申
譯
(
わけ
)
なきにより
宿
(
やど
)
へ
迯歸
(
にげかへ
)
り候と
具
(
つぶさ
)
に申
立
(
たつ
)
る
廉々
(
かど/\
)
粂之進
(
くめのしん
)
は
面目
(
めんもく
)
青
(
あを
)
くなり
赤
(
あか
)
くなりしが
差俯向
(
さしうつむき
)
て
控
(
ひか
)
へ
居
(
ゐ
)
るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
もし
項羽
(
こうう
)
に英雄の器があれば、垢を含んでも、烏江を渡るです。そうして
捲土重来
(
けんどちょうらい
)
するです。
面目
(
めんもく
)
なぞをかまっている場合じゃありません。
英雄の器
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
自ら掲げて自己の
面目
(
めんもく
)
としている例の一丈八尺の大軍旗の文字は、信玄の頭上にはためいて、しきりと何事か、暗示しているかのよう思われた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
佐藤氏は
面目
(
めんもく
)
なささうな表情をして、子供のやうな内田氏の顔を見た。内田氏は内田氏で
極
(
きま
)
り悪さうにもぢ/\しながら
例
(
いつも
)
の
慇懃
(
いんぎん
)
な
口風
(
くちぶり
)
で言つた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
夫
(
そ
)
れから
後
(
のち
)
は塾中にエレキトルの説が全く
面目
(
めんもく
)
を
新
(
あらた
)
にして、当時の日本国中最上の点に達して居たと申して
憚
(
はばか
)
りません。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
孤立しても世は渡ってみせるという我慢か、又はこれが現代社会に本来の
面目
(
めんもく
)
だと云う悟りか、
何方
(
どっち
)
かに帰着する。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
警視庁の無能が、新聞の論説となり、投書の機関銃となり、総監をはじめ各部長の
面目
(
めんもく
)
はまるつぶれだった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
打見
(
うちみ
)
れば
面目
(
めんもく
)
爽
(
さはやか
)
に、
稍傲
(
ややおご
)
れる色有れど
峻
(
さかし
)
くはあらず、しかも今陶々然として酒興を発し、春の日長の
野辺
(
のべ
)
を
辿
(
たど
)
るらんやうに、西筋の横町をこの大路に
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
らんとす。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
脇坂山城守が
面目
(
めんもく
)
をつぶしたことは言うまでもない。間もなく退官して
隠居
(
いんきょ
)
の身となっている。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
さもなくば、
此
(
この
)
怖
(
おそろ
)
しい
懷劒
(
くわいけん
)
を
難儀
(
なんぎ
)
の
瀬戸際
(
せどぎは
)
の
行司
(
ぎゃうじ
)
にして、
年
(
とし
)
の
功
(
こう
)
も
智慧
(
ちえ
)
の
力
(
ちから
)
も
如何
(
どう
)
とも
能
(
よ
)
うせぬ
女一人
(
をんなひとり
)
の
面目
(
めんもく
)
を
今
(
いま
)
こゝで
裁決
(
とりさば
)
かす、
見
(
み
)
て
下
(
くだ
)
され。さ、
早
(
はや
)
う
何
(
なん
)
となと
言
(
い
)
うて
下
(
くだ
)
され。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「えゝ/\、
困
(
こま
)
つたな、これは。
名
(
な
)
を
言
(
い
)
へなら、
言
(
い
)
ふだけれど、
改
(
あらたま
)
つては
面目
(
めんもく
)
ねえ。」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それに対して
心持
(
こゝろもち
)
よく洗ひざらした料理屋
橋本
(
はしもと
)
の
板塀
(
いたべい
)
のために
突然
(
とつぜん
)
面目
(
めんもく
)
を
一変
(
いつぺん
)
させた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
音楽を専門にやっているぼくらがあの
金沓鍛冶
(
かなぐつかじ
)
だの砂糖屋の
丁稚
(
でっち
)
なんかの寄り集りに負けてしまったらいったいわれわれの
面目
(
めんもく
)
はどうなるんだ。おいゴーシュ君。君には困るんだがなあ。
セロ弾きのゴーシュ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
唯
(
たヾ
)
死
(
し
)
ねかしと
身
(
み
)
を
捨
(
すて
)
ものにして、
部屋
(
へや
)
より
外
(
そと
)
に
足
(
あし
)
も
出
(
だ
)
さず、
一心
(
いつしん
)
悔
(
くや
)
み
初
(
そ
)
めては
何方
(
いづかた
)
に
訴
(
うつた
)
ふべき、
先祖
(
せんぞ
)
の
耻辱
(
ちじよく
)
家系
(
かけい
)
の
汚
(
けが
)
れ、
兄君
(
あにぎみ
)
に
面目
(
めんもく
)
なく
人目
(
ひとめ
)
はずかしく、
我心
(
わがこヽろ
)
我
(
わ
)
れを
責
(
せ
)
めて
夜
(
よ
)
も
寐
(
ね
)
ず
晝
(
ひる
)
も
寐
(
ね
)
ず
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いや、その高等科ですら、授業料が尋常科と同じく四十銭でなかったなら、そして、高等科にもやらないという
面目
(
めんもく
)
上のことさえなかったなら私はもっと
夙
(
はや
)
く学校をやめさせられていたのである。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「
面目
(
めんもく
)
しでえもねえ」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いづれも「
家
(
いへ
)
」に生命を感じた
古
(
いにし
)
へびとの
面目
(
めんもく
)
を見るやうである。かう云ふ感情は我我の中にもとうの昔に死んでしまつた。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
すなわち今の事態を
維持
(
いじ
)
して、門閥の
妄想
(
もうそう
)
を払い、上士は下士に対して
恰
(
あたか
)
も格式りきみの
長座
(
ちょうざ
)
を
為
(
な
)
さず、昔年のりきみは家を護り
面目
(
めんもく
)
を保つの
楯
(
たて
)
となり
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
毒口
(
どくぐち
)
たたいて、
秘図
(
ひず
)
をふところにしまいかえした八風斎、やおら、伊那丸のまえをさがろうとすると、
面目
(
めんもく
)
なげにうつむいていた
忍剣
(
にんけん
)
と
小文治
(
こぶんじ
)
が、左右から立って
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余り立派で、貫一は恥入つた! 宮、俺は
面目
(
めんもく
)
無い! これまでの精神とは知らずに
見殺
(
みごろし
)
に為たのは残念だつた! 俺が
過
(
あやまり
)
だ! 宮、赦してくれよ!
可
(
い
)
いか、宮、可いか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「はい……」人夫頭は
面目
(
めんもく
)
なささうに頭へ手をやつた。「何だつて申しますと、
此奴
(
こいつ
)
の拵へるお料理は、どうもお
腹
(
なか
)
に
持堪
(
もちこた
)
へがなくつて、直ぐ腹が空いちまふもんですからね。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「この上、金の奴に一分間でも余計に生きていられては、
余
(
よ
)
の
面目
(
めんもく
)
にかかわる」
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
達し
面目
(
めんもく
)
この上なき旨申述ぶる中にも万一先生よりわが学歴その他の事につきて親しく問はるることあらば何と答へんかなぞ
宛
(
さなが
)
ら警察署へ鑑札受けに行きし芸者の如く独り胸のみ痛めけるが
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
父母未生
(
ふぼみしょう
)
以前
(
いぜん
)
本来
(
ほんらい
)
の
面目
(
めんもく
)
は
何
(
なん
)
だか、それを一つ考えて見たら
善
(
よ
)
かろう」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは治修の事を処する
面目
(
めんもく
)
の一端を語っているから、大略を
下
(
しも
)
に抜き書して見よう。
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一は
退
(
しりぞ
)
いて権威いよいよ強く一は転じて全くその
面目
(
めんもく
)
を失ふ。
一夕
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
“面目”の意味
《名詞》
(めんぼく、めんもく)世間から受ける評価。体面。名誉。
(めんぼく、めんもく)物事の様子。様相。
(めんもく)(古)顔つき。
(出典:Wiktionary)
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“面目”で始まる語句
面目玉
面目次第
面目無
面目無気
面目至極
面目不過之