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方角
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ほうがく
ふりがな文庫
“
方角
(
ほうがく
)” の例文
と竹童はその手紙を、一
匹
(
ぴき
)
の
小猿
(
こざる
)
にくわえさせて、
鞭
(
むち
)
で僧正谷の
方角
(
ほうがく
)
をさすと、
猿
(
さる
)
は心得たようにいっさんにとんでいく。そのあとで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
は、すぐに
家
(
うち
)
から
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
しました。そして、
子供
(
こども
)
の
走
(
はし
)
っていった
方角
(
ほうがく
)
を
見
(
み
)
ましたが、なんらそれらしい
人影
(
ひとかげ
)
もありません。
真昼のお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
だからアッカには、これですっかり
方角
(
ほうがく
)
がわかったのです。もうこうなれば、だれにも
迷
(
まよ
)
わされるようなことはありません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
たうとう
盲目
(
めくら
)
になつたペンペは、ラランの
姿
(
すがた
)
を
見失
(
みうしな
)
ひ、
方角
(
ほうがく
)
も
何
(
なに
)
もわからなくなつて、あわてはじめたがもう
遅
(
をそ
)
かつた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
遠縁の者はその老人を
伴
(
つ
)
れて葛西の
邸
(
やしき
)
の傍へ往くと、老人はそこここと
方角
(
ほうがく
)
を考えていて、
坂路
(
さかみち
)
の登りぐちへ往って
赤い花
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
わしは
幾百度
(
いくひゃくたび
)
裏切られたろう。しかも今度は、今度はと思って希望をかけないではいられない。きょうもまた
無慈悲
(
むじひ
)
に
方角
(
ほうがく
)
を変えてしまうのかもしれない。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「こう
間
(
ま
)
の悪いことばかり続くというのはどういうもんでしょう。そういうとあなたはすぐ笑ってしまいますけど、家の
方角
(
ほうがく
)
でも悪いのじゃないでしょうか」
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
義家
(
よしいえ
)
はまっくらなお
庭
(
にわ
)
の上につっ
立
(
た
)
って、
魔物
(
まもの
)
の
来
(
く
)
ると
思
(
おも
)
われる
方角
(
ほうがく
)
をきっとにらみつけながら、
弓絃
(
ゆみづる
)
をぴん、ぴん、ぴんと三
度
(
ど
)
まで
鳴
(
な
)
らしました。そして
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それともどこか
方角
(
ほうがく
)
もわからないその天上へ行ったのか、ぼんやりして見分けられませんでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
自分の村でさえ出歩けない者が、
方角
(
ほうがく
)
も分らない東京へ行ってマゴマゴすると思うと心細くなるだろう。東京のいい家では、つい近所へでも若い女一人外へ出しやしないよ。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
こういうしだいで、四人組は、そのあかりのさしている
方角
(
ほうがく
)
にむかって、出かけました。
ブレーメンの町楽隊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
ちよつとしたあてこみの
日
(
ひ
)
で、
私
(
わたし
)
は
公園
(
こうえん
)
の
方
(
ほう
)
へ
商売
(
しょうばい
)
に
行
(
い
)
くつもりだつたんですが、しかたがない、
方角
(
ほうがく
)
ちがいのおやじのところへ、あのランチュウを
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つたというわけでさ
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
右
(
みぎ
)
へ
行
(
い
)
く
白壁町
(
しろかべちょう
)
への
道
(
みち
)
を
左
(
ひだり
)
へ
折
(
お
)
れたために、
狐
(
きつね
)
につままれでもしたように、
方角
(
ほうがく
)
さえも
判
(
わか
)
らなくなった
折
(
おり
)
も
折
(
おり
)
、
彼方
(
かなた
)
の
本多豊前邸
(
ほんだぶぜんてい
)
の
練塀
(
ねりべい
)
の
影
(
かげ
)
から、ひた
走
(
はし
)
りに
走
(
はし
)
ってくる
女
(
おんな
)
の
気配
(
けはい
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
恐
(
おそ
)
る/\
搖籃
(
ゆれかご
)
から
半身
(
はんしん
)
を
現
(
あら
)
はして
下界
(
げかい
)
を
見
(
み
)
ると、
今
(
いま
)
は
何處
(
いづこ
)
の
空
(
そら
)
に
吹流
(
ふきなが
)
されたものやら、
西
(
にし
)
も
東
(
ひがし
)
も
方角
(
ほうがく
)
さへ
分
(
わか
)
らぬ
程
(
ほど
)
だが、
身
(
み
)
は
矢張
(
やはり
)
渺々
(
べう/\
)
たる
大海原
(
おほうなばら
)
の
天空
(
てんくう
)
に
飛揚
(
ひやう
)
して
居
(
を
)
るのであつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
帰り道が同じ
四谷
(
よつや
)
の
方角
(
ほうがく
)
なので、六十人いる
朋輩
(
ほうばい
)
の中では一番心安くなっている。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
細君が
指輪
(
ゆびわ
)
をなくしたので、此頃勝手元の
手伝
(
てつだ
)
いに来る
隣字
(
となりあざ
)
のお
鈴
(
すず
)
に頼み、
吉
(
きち
)
さんに見てもらったら、
母家
(
おもや
)
の
乾
(
いぬい
)
の
方角
(
ほうがく
)
高い処にのって居る、
三日
(
みっか
)
稲荷様
(
いなりさま
)
を信心すると出て来る、と云うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
天柱
(
てんちう
)
くだけ
地維
(
ちい
)
かくるかと
思
(
おも
)
はるゝ
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
こゑ
)
のどよめき、
中之町
(
なかのちやう
)
の
通
(
とほ
)
りは
俄
(
にわか
)
に
方角
(
ほうがく
)
の
替
(
かは
)
りしやうに
思
(
おも
)
はれて、
角町
(
すみちやう
)
京町
(
きやうまち
)
處々
(
ところ/″\
)
のはね
橋
(
ばし
)
より、さつさ
押
(
お
)
せ/\と
猪牙
(
ちよき
)
がゝつた
言葉
(
ことば
)
に
人波
(
ひとなみ
)
を
分
(
わ
)
くる
群
(
むれ
)
もあり
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そして、都田川を
背水
(
はいすい
)
にしいて、やや、
半刻
(
はんとき
)
あまりの苦戦をつづけていると、フイに、思いがけぬ
方角
(
ほうがく
)
から、ワーッという
乱声
(
らんせい
)
があがった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
はじめて、こんなに
高
(
たか
)
く
空
(
そら
)
へ
上
(
あ
)
がった
風船球
(
ふうせんだま
)
は、どこが
町
(
まち
)
だやら、
港
(
みなと
)
だやら、その
方角
(
ほうがく
)
がわかりませんので、ただ、あてもなく
飛
(
と
)
んでいました。
風船球の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
といって、そのまま
小船
(
こぶね
)
にとび
乗
(
の
)
って、さぎの
飛
(
と
)
んで行った
方角
(
ほうがく
)
に
向
(
む
)
かってどこまでもこいで行きました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
成経 (突然
沖
(
おき
)
を見て叫ぶ)いよいよきまった。あの船はもうこの島に必ず来る。あすこまで来たからにはもうだいじょうぶだ。いつも
方角
(
ほうがく
)
をかえるのはもっとずっと遠くの
沖
(
おき
)
だから。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「と
仰
(
おっ
)
しゃいましても、どっちへお
出
(
で
)
かけか、
方角
(
ほうがく
)
も
判
(
わか
)
りゃァいたしやせん」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
と
言放
(
いひはな
)
つて、
英風
(
えいふう
)
颯々
(
さつ/\
)
、
逆浪
(
げきらう
)
岩
(
いわ
)
に
碎
(
くだ
)
くる
海邊
(
かいへん
)
の、
唯
(
と
)
ある
方角
(
ほうがく
)
を
眺
(
なが
)
めた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いきどおろしい、竹童の心は
湯
(
ゆ
)
のごとく
沸
(
たぎ
)
りたって、こう
叫
(
さけ
)
びながら
方角
(
ほうがく
)
もさだめず、
裏宮
(
うらみや
)
のお
堂
(
どう
)
を
巡
(
めぐ
)
り、いましも、
斎院
(
さいいん
)
の前まであるいてきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小鳥
(
ことり
)
は、あらしに
吹
(
ふ
)
かれて、つい
思
(
おも
)
わぬ
方角
(
ほうがく
)
に
飛
(
と
)
んでいって
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
へ
出
(
で
)
てしまい、わずかに一つの
大
(
おお
)
きな
火
(
ひ
)
を
見
(
み
)
つけて、そこへ
飛
(
と
)
んでいって、やっと
小さな金色の翼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こういうが
早
(
はや
)
いか、
和尚
(
おしょう
)
さんはもうまた
元
(
もと
)
の
狐
(
きつね
)
の
姿
(
すがた
)
になって、しっぽを
振
(
ふ
)
りながら、
悪右衛門
(
あくうえもん
)
たちが
帰
(
かえ
)
っていった
方角
(
ほうがく
)
とは
違
(
ちが
)
った
向
(
む
)
こうの
森
(
もり
)
の中の
道
(
みち
)
へ
入
(
はい
)
っていきました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
後檣縱帆架
(
ガーフ
)
に
飜
(
ひるがへ
)
る
旗
(
はた
)
は、まだ
朦乎
(
ぼんやり
)
として、
何國
(
いづこ
)
の
軍艦
(
ぐんかん
)
とも
分
(
わか
)
らぬが、
今
(
いま
)
や、
團々
(
だん/\
)
たる
黒煙
(
こくゑん
)
を
吐
(
は
)
きつゝ、
波
(
なみ
)
を
蹴立
(
けた
)
てゝ
吾
(
わ
)
が
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
の
飛揚
(
ひやう
)
せる
方角
(
ほうがく
)
へ
進航
(
しんかう
)
して
來
(
く
)
るのであつた。
此時
(
このとき
)
私
(
わたくし
)
は
急
(
きふ
)
に
一策
(
いつさく
)
を
案
(
あん
)
じた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しかし、
道
(
みち
)
は、
遠
(
とお
)
く、ひとり
歩
(
ある
)
いたのでは、
方角
(
ほうがく
)
すらも、よくわからないのであります。
彼女
(
かのじょ
)
はただわずかに、
川
(
かわ
)
に
添
(
そ
)
うて
歩
(
ある
)
いてきたことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しました。
海ぼたる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鉢
(
はち
)
かつぎはそれをあお
向
(
む
)
いて
見
(
み
)
ながら、いつも
拝
(
おが
)
んでいる
長谷
(
はせ
)
の
観音
(
かんのん
)
さまの
方角
(
ほうがく
)
に
向
(
む
)
かって、どうぞわたしたちの
身
(
み
)
の上をお
守
(
まも
)
り
下
(
くだ
)
さいましと、
心
(
こころ
)
の中でいって手を
合
(
あ
)
わせました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
彼女は、蛍籠を抱いて、教えられた
方角
(
ほうがく
)
を、星あかりの道に求めて行った。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
近所
(
きんじょ
)
の
子供
(
こども
)
なら、
自分
(
じぶん
)
の
家
(
うち
)
の
方角
(
ほうがく
)
を
知
(
し
)
っていそうなものだがと、おじいさんは、いろいろに
考
(
かんが
)
えました。
雪の上のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こうひとりごとをいいながら、浦島はじぶんの家の
方角
(
ほうがく
)
へあるき出しました。ところが、そことおもうあたりには草やあしがぼうぼうとしげって、家なぞはかげもかたちもありません。
浦島太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
もし
父親
(
ちちおや
)
が、こんな
嵐
(
あらし
)
の
強
(
つよ
)
い
晩
(
ばん
)
に、
海
(
うみ
)
をこいで
帰
(
こえ
)
ってこられたなら、
方角
(
ほうがく
)
もわからないので、どんなにか
難儀
(
なんぎ
)
をなされるだろうと、こう
考
(
かんが
)
えると、
娘
(
むすめ
)
はもはや
ろうそくと貝がら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
学校
(
がっこう
)
の
休
(
やす
)
みを
待
(
ま
)
って、
心
(
こころ
)
の
引
(
ひ
)
かれるまま、うぐいすのきた
方角
(
ほうがく
)
へ
出
(
で
)
かけてみました。
道
(
みち
)
ばたの
畑
(
はたけ
)
には、
梅
(
うめ
)
の
木
(
き
)
があり、
桜
(
さくら
)
の
木
(
き
)
があり、また
松
(
まつ
)
の
若木
(
わかぎ
)
がありました。
春はよみがえる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
は、おりおり
雲間
(
くもま
)
から
顔
(
かお
)
を
出
(
だ
)
して、
下
(
した
)
の
世界
(
せかい
)
を
照
(
て
)
らしましたけれど、その
光
(
ひかり
)
を
頼
(
たよ
)
りに
歩
(
ある
)
いてゆくには、あたりが
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
で、
方角
(
ほうがく
)
すらわからなかったのであります。
春になる前夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
少年
(
しょうねん
)
は
思
(
おも
)
わず、
故郷
(
こきょう
)
の
方
(
ほう
)
を
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
りました。
青空
(
あおぞら
)
遠
(
とお
)
く
雲
(
くも
)
は
流
(
なが
)
れていて、もとよりその
方角
(
ほうがく
)
すらたしかでなかったが、
曇
(
くも
)
り
日
(
び
)
がつづき、
冷
(
つめ
)
たい
雪
(
ゆき
)
が
降
(
ふ
)
っていることと
思
(
おも
)
われました。
薬売りの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
みんなは、
島
(
しま
)
から
旅
(
たび
)
へと
出
(
で
)
かけました。べつべつに、
自分
(
じぶん
)
たちの
気
(
き
)
の
向
(
む
)
いた
方
(
ほう
)
へ、あるものは
東
(
ひがし
)
へ、あるものは
西
(
にし
)
へというふうに、
思
(
おも
)
い
思
(
おも
)
いの
方角
(
ほうがく
)
を
指
(
さ
)
して
出
(
で
)
かけたのであります。
花咲く島の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
清
(
せい
)
ちゃんか、あっちへ
逃
(
に
)
げていったようだ。」と、ちがった
方角
(
ほうがく
)
を
指
(
ゆび
)
さしました。
仲よしがけんかした話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると、まちがいなくお
姫
(
ひめ
)
さまでありました。
小鳥
(
ことり
)
はすぐに、お
姫
(
ひめ
)
さまが
国
(
くに
)
へ
帰
(
かえ
)
りたいと
思
(
おも
)
っても、その
方角
(
ほうがく
)
も、また
道
(
みち
)
もわからなくて、
困
(
こま
)
っていられるのを
察
(
さっ
)
したのでありました。
お姫さまと乞食の女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
方角
(
ほうがく
)
には、
淡
(
あわ
)
く
白
(
しろ
)
い
銀河
(
ぎんが
)
が
流
(
なが
)
れて、
円
(
まる
)
く
地平
(
ちへい
)
へ
没
(
ぼっ
)
していたのであります。
銀河の下の町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
空
(
そら
)
には、
雲
(
くも
)
が
乱
(
みだ
)
れていました。
方角
(
ほうがく
)
もわからなくなってしまいました。
小鳥
(
ことり
)
は、ただ
飛
(
と
)
んでゆきさえすれば、そのうちに
林
(
はやし
)
が
見
(
み
)
えるだろう。また、
山
(
やま
)
か、
野原
(
のはら
)
に
出
(
で
)
られるだろうと
思
(
おも
)
っていました。
小さな金色の翼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
若者
(
わかもの
)
は、
厚
(
あつ
)
く
礼
(
れい
)
をのべて、
教
(
おし
)
えられた
方角
(
ほうがく
)
へ、
町
(
まち
)
を
指
(
さ
)
してゆくべく、ふたたび、あらしの
吹
(
ふ
)
きすさむ
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
へ
出
(
で
)
て、
去
(
さ
)
ったのであります。その
後
(
あと
)
を、しばらく
主人
(
しゅじん
)
は、だまって
見送
(
おく
)
っていました。
般若の面
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
許
(
ゆる
)
されたのか、
風
(
かぜ
)
が
変
(
か
)
わって、
英吉
(
えいきち
)
の
船
(
ふね
)
をいままでとは
反対
(
はんたい
)
の
方角
(
ほうがく
)
に
吹
(
ふ
)
きつけると、
逆巻
(
さかま
)
く
波
(
なみ
)
は、つぎからつぎへと、
船
(
ふね
)
をほんろうして、ちょうど
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
をもてあそぶようでありましたが、
船
(
ふね
)
は
海の踊り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おじさんは、ちがった
方角
(
ほうがく
)
から、
姿
(
すがた
)
をあらわして、もどってきました。
赤土へくる子供たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ちょうは、じっとして、
終日
(
しゅうじつ
)
、その
花
(
はな
)
の
上
(
うえ
)
に
止
(
と
)
まっていました。もとの
野原
(
のはら
)
へ
帰
(
かえ
)
ろうと
思
(
おも
)
っても、いまは
方角
(
ほうがく
)
すらわからないばかりか、
遠
(
とお
)
くて、
傷
(
きず
)
ついた
身
(
み
)
には、それすらできないことでありました。
ちょうと怒濤
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“方角”の意味
《名詞》
方角(ほうがく)
方向。向き。ニュアンスとしては、対象が多少遠方にある場合用いる。
方位。
(出典:Wiktionary)
“方角(
方位
)”の解説
方位(ほうい)とは、ある地点における水平面内の方向を、基準となる一定の方向との関係で表した物。または、基準となるべき幾つかの方向に付けた名称である。方角(ほうがく)もほぼ同義である。
(出典:Wikipedia)
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
角
常用漢字
小2
部首:⾓
7画
“方角”で始まる語句
方角位
方角目蒐