“背水”の読み方と例文
読み方割合
はいすい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、都田川を背水はいすいにしいて、やや、半刻はんときあまりの苦戦をつづけていると、フイに、思いがけぬ方角ほうがくから、ワーッという乱声らんせいがあがった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何もかも素直に投げだして、背水はいすいじんいたらしく見える彼女を思うと、渡瀬はふと奇怪な涙ぐましさをさえ感じた。渡瀬はもとよりおぬいさんを憎んでいるのではない。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「楠木の小細工など、公綱になんするものぞ。臆病者は知らず、勇者には、大河も背水はいすいノ陣になる」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)