トップ
>
可恐
>
おそろし
ふりがな文庫
“
可恐
(
おそろし
)” の例文
其
(
それ
)
といふのが、
時節柄
(
じせつがら
)
暑
(
あつ
)
さのため、
可恐
(
おそろし
)
い
悪
(
わる
)
い
病
(
やまひ
)
が
流行
(
はや
)
つて、
先
(
さき
)
に
通
(
とほ
)
つた
辻
(
つじ
)
などといふ
村
(
むら
)
は、から一
面
(
めん
)
に
石灰
(
いしばひ
)
だらけぢやあるまいか。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さしも見えざりし
面
(
おもて
)
の傷の
可恐
(
おそろし
)
きまでに
益
(
ますま
)
す血を
出
(
いだ
)
すに、宮は持たりしハンカチイフを与へて
拭
(
ぬぐ
)
はしめつつ、心も心ならず様子を
窺
(
うかが
)
ひて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もう
可恐
(
おそろし
)
くなりまして、夢中で駈出しましたものですから、御前様に、つい——あの、そして……御前様は、いつ御旅行さきから。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
思へば、人の申候ほど死ぬる事は
可恐
(
おそろし
)
きものに
無御座候
(
ござなくさふらふ
)
。私は今が今
此儘
(
このまま
)
に息引取り候はば、何よりの
仕合
(
しあはせ
)
と
存参
(
ぞんじまゐ
)
らせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
皆さんが実によく、
種々
(
いろいろ
)
な
可恐
(
おそろし
)
いのを御存じです。……
確
(
たしか
)
にお聞きになったり、また現に
逢
(
あ
)
ったり見たりなすっておいでになります。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
何か
可恐
(
おそろし
)
い下心でもあつて、それもやつぱり慾徳
渾成
(
ずく
)
で恩を
被
(
き
)
せるのだらうと、内心ぢやどんなにも無気味に思つてゐられる事だらう、とそれも私は察してゐる。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もう
可恐
(
おそろし
)
く成りまして、夢中で
駈出
(
かけだ
)
しましたものですから、
御前様
(
ごぜんさま
)
に、つい——あの、そして……御前様は、
何時
(
いつ
)
御旅行さきから。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あの中が
皆
(
みんな
)
謡本さ、
可恐
(
おそろし
)
い。……その他一同、
十重二十重
(
とえはたえ
)
に取囲んで、ここを一つ、と節を
突
(
つつ
)
いて、浮かれて謡出すのさえあるんです。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何が
可恐
(
おそろし
)
い? 何が不平だ? 何が苦しい? 己は、
渠等
(
かれら
)
の検べるのより、お前がそこらをまごつく方がどのくらい迷惑か知れんのだ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「御免。」と掛けた声が
可恐
(
おそろし
)
く
厳
(
いかつ
)
い蛮音。
薩摩訛
(
さつまなまり
)
に、あれえ、と云うと、飛上るやら、くるくる舞うやら、ぺたんと坐って動けぬやら。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分
(
じぶん
)
の
家
(
いへ
)
で、と
云
(
い
)
へば
猶更
(
なほさら
)
です……
書
(
か
)
いてある
事柄
(
ことがら
)
が
事柄
(
ことがら
)
だけに、すぐにも
燃
(
も
)
えさしが
火
(
ひ
)
に
成
(
な
)
つて、
天井裏
(
てんじやううら
)
に
拔
(
ぬ
)
けさうで
可恐
(
おそろし
)
い。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その返事を聞く手段であったと見えて、私は二晩、土間の上へ、
可恐
(
おそろし
)
い高い屋根裏に釣った、
駕籠
(
かご
)
の中へ入れて
釣
(
つる
)
されたんです。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いけ強情な、意地の悪い、高慢なねえ、その癖しょなしょなして、どうでしょう、
可恐
(
おそろし
)
い
裾長
(
すそなが
)
で、……
地
(
じ
)
へ引摺るんでございましょうよ。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
段々
(
だん/\
)
村
(
むら
)
が
遠退
(
とほの
)
いて、お
天守
(
てんしゆ
)
が
寂
(
さび
)
しく
成
(
な
)
ると、
可怪
(
あやし
)
可恐
(
おそろし
)
い
事
(
こと
)
が
間々
(
まゝ
)
有
(
あ
)
るで、あの
船
(
ふね
)
も
魔
(
ま
)
ものが
漕
(
こ
)
いで
焼
(
や
)
くと、
今
(
いま
)
お
前様
(
めえさま
)
が
疑
(
うたが
)
はつせえた
通
(
とほ
)
り……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
凄いとも、美しいとも、
床
(
ゆか
)
しいとも、
寂
(
さみ
)
しいとも、心細いとも、
可恐
(
おそろし
)
いとも、また貴いとも、何とも形容が出来ないのです。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
茶碗
(
ちやわん
)
の
三葉
(
みつば
)
は
生煮
(
なまに
)
えらしいから、そつと
片寄
(
かたよ
)
せて、
山葵
(
わさび
)
を
活
(
い
)
きもののやうに
可恐
(
おそろし
)
がるのだから、われながらお
座
(
ざ
)
がさめる。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と緒を手首に、
可恐
(
おそろし
)
い顔は
俯向
(
うつむ
)
けに、ぶらりと膝に飜ったが、鉄で鋳たらしいその
厳
(
おごそか
)
さ。逞ましい
漢
(
おのこ
)
の手にもずしりとする。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
常さんの、三日ばかり学校を休んだのはさる事ながら、民也は、それが夢でなくとも、さまで
可恐
(
おそろし
)
いとも
可怪
(
あやし
)
いとも思わぬ。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
常
(
つね
)
さんの、
三日
(
みつか
)
ばかり
學校
(
がくかう
)
を
休
(
やす
)
んだのは
然
(
さ
)
る
事
(
こと
)
ながら、
民也
(
たみや
)
は、それが
夢
(
ゆめ
)
でなくとも、
然
(
さ
)
まで
可恐
(
おそろし
)
いとも
可怪
(
あやし
)
いとも
思
(
おも
)
はぬ。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
真蒼
(
まっさお
)
な
水底
(
みなそこ
)
へ、黒く
透
(
す
)
いて、底は知れず、
目前
(
めさき
)
へ
押被
(
おっかぶ
)
さった
大巌
(
おおいわ
)
の
肚
(
はら
)
へ、ぴたりと船が
吸寄
(
すいよ
)
せられた。岸は
可恐
(
おそろし
)
く水は深い。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……この
大痘痕
(
おおあばた
)
の
化
(
ばけ
)
ものの顔が一つ天井から
抜出
(
ぬけだ
)
したとなると、
可恐
(
おそろし
)
さのために
一里
(
ひとさと
)
滅びようと言ったありさまなんです。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
否
(
いゝえ
)
、
可厭
(
いや
)
な
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いたんです……そして、
其
(
そ
)
の
晩
(
ばん
)
、
可恐
(
おそろし
)
い、
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
い
坊
(
ばう
)
さんに、
忌々
(
いま/\
)
しい
鉦
(
かね
)
を
叩
(
たゝ
)
かれましたから……」
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
白砂だから濡れても白い。……
鵲
(
かささぎ
)
の橋とも、
白瑪瑙
(
しろめのう
)
の欄干とも、風の
凄
(
すさま
)
じく、真水と潮の戦う中に、夢見たような、——これは
可恐
(
おそろし
)
い誘惑でした。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たゞ
四角
(
よつかど
)
なる
辻
(
つじ
)
の
夜警
(
やけい
)
のあたりに、ちら/\と
燈
(
ひ
)
の
見
(
み
)
えるのも、うら
枯
(
が
)
れつゝも
散殘
(
ちりのこ
)
つた
百日紅
(
ひやくじつこう
)
の
四五輪
(
しごりん
)
に、
可恐
(
おそろし
)
い
夕立雲
(
ゆふだちくも
)
の
崩
(
くづ
)
れかゝつた
状
(
さま
)
である。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
弓が上手で、のちにお城に、もののけがあって、国の
守
(
かみ
)
が
可恐
(
おそろし
)
い
変化
(
へんげ
)
に悩まされた時、自から進んで出て、奥庭の大椿に向っていきなり矢を
番
(
つが
)
えた。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
櫻
(
さくら
)
、
山吹
(
やまぶき
)
、
寺内
(
じない
)
の
蓮
(
はちす
)
の
華
(
はな
)
の
頃
(
ころ
)
も
知
(
し
)
らない。そこで
蛙
(
かはづ
)
を
聞
(
き
)
き、
時鳥
(
ほとゝぎす
)
を
待
(
ま
)
つ
度胸
(
どきよう
)
もない。
暗夜
(
やみよ
)
は
可恐
(
おそろし
)
く、
月夜
(
つきよ
)
は
物
(
もの
)
すごい。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大掃除
(
おほさうぢ
)
の
時
(
とき
)
に、
床板
(
ゆかいた
)
を
剥
(
はが
)
すと、
下
(
した
)
は
水溜
(
みづたまり
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
て、
溢
(
あふ
)
れたのがちよろ/\と
蜘蛛手
(
くもで
)
に
走
(
はし
)
つたのだから
可恐
(
おそろし
)
い。
此
(
こ
)
の
邸
(
やしき
)
……いや
此
(
こ
)
の
座敷
(
ざしき
)
へ
茸
(
きのこ
)
が
出
(
で
)
た。
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其の向うは、
鰐
(
わに
)
の泳ぐ、
可恐
(
おそろし
)
い
大河
(
おおかわ
)
よ。……
水上
(
みなかみ
)
は
幾千里
(
いくせんり
)
だか分らない、
天竺
(
てんじく
)
のね、
流沙河
(
りゅうさがわ
)
の
末
(
すえ
)
だとさ、河幅が三里の上、深さは
何百尋
(
なんびゃくひろ
)
か分りません。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
向
(
むか
)
うは、
鰐
(
わに
)
の
泳
(
およ
)
ぐ、
可恐
(
おそろし
)
い
大河
(
おほかは
)
よ。……
水上
(
みなかみ
)
は
幾千里
(
いくせんり
)
だか
分
(
わか
)
らない、
天竺
(
てんぢく
)
のね、
流沙河
(
りうさがは
)
の
末
(
すゑ
)
だとさ、
河幅
(
かははゞ
)
が三
里
(
り
)
の
上
(
うへ
)
、
深
(
ふか
)
さは
何百尋
(
なんびやくひろ
)
か
分
(
わか
)
りません。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
打込む、それよ、カーンカーンと五寸釘……あの
可恐
(
おそろし
)
い、藁の人形に五寸釘ちゅうは、はあ、その事でござりますかね。(下より神職の手に
伸上
(
のびあが
)
る。)
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何が出ようとこの
真昼間
(
まっぴるま
)
、気にはしないが、もの好きに、どんな
可恐
(
おそろし
)
い事があったと聞くと、女給と顔を見合わせてね、
旦那
(
だんな
)
、殿方には何でもないよ。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
巫女 (取次ぐ)お
女中
(
じょちゅう
)
、
可恐
(
おそろし
)
い事はないぞな、はばかり
多
(
おお
)
や、
畏
(
かしこ
)
けれど、お言葉ぞな、あれへの、おん
前
(
まえ
)
への。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
眞個
(
ほんとう
)
に
言
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
唯今
(
たゞいま
)
も
言
(
い
)
ひましたやうに、
遺失
(
おと
)
すのを、
何
(
なん
)
だつてそんなに
心配
(
しんぱい
)
します。たゞ
人
(
ひと
)
に
知
(
し
)
れるのが
可恐
(
おそろし
)
いんでせう。……
何
(
なに
)
、
私
(
わたし
)
は
構
(
かま
)
はない。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
実は、
此
(
これ
)
は心すべき事だつた。……船につくあやかしは、魔の影も、鬼火も、燃ゆる
燐
(
りん
)
も、
可恐
(
おそろし
)
き星の光も、皆、ものの
尖端
(
せんたん
)
へ来て
掛
(
かか
)
るのが例だと言ふから。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、別に
可恐
(
おそろし
)
い化方はしませぬで。こんな月の良い晩には、庭で
鉢叩
(
はちたた
)
きをして見せる。……
時雨
(
しぐ
)
れた夜さりは、
天保銭
(
てんぽうせん
)
一つ使賃で、豆腐を買いに
行
(
ゆ
)
くと言う。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
有象無象
(
うぞむぞう
)
が現われて、そいつにかかずらうようになると、見た目は天人でも芸は餓鬼だよ。餓鬼も畜生も芸なら好い、が、奈落へ落ちさがるのが
可恐
(
おそろし
)
いんだ。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
希代な事には、わざと胸に手を置いて寝て
可恐
(
おそろし
)
い夢を平気で見ます。勿論夢と知りつつ慰みに試みるんです。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
第一
可恐
(
おそろし
)
いのは、明神の拝殿の
蔀
(
しとみ
)
うち、すぐの
承塵
(
なげし
)
に、いつの昔に奉納したのか
薙刀
(
なぎなた
)
が
一振
(
ひとふり
)
かかっている。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
懐中ものまで
剥取
(
はぎと
)
られた上、
親船
(
おやぶね
)
、
端舟
(
はしけ
)
も、
斧
(
おの
)
で、ばら/\に
摧
(
くだ
)
かれて、
帆綱
(
ほづな
)
、
帆柱
(
ほばしら
)
、離れた釘は、
可忌
(
いまわし
)
い
禁厭
(
まじない
)
、
可恐
(
おそろし
)
い
呪詛
(
のろい
)
の用に、
皆
(
みんな
)
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つたんです。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
老人、唯今の心地を申さば、炎天に
頭
(
こうべ
)
を
曝
(
さら
)
し、
可恐
(
おそろし
)
い雲を一方の空に
視
(
み
)
て、果てしもない、この野原を、足を
焦
(
こが
)
し、手を焼いて、
徘徊
(
さまよ
)
い
歩行
(
ある
)
くと同然でござる。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
判然
(
はっきり
)
言え、判然、ちゃんと口上をもって
吐
(
ぬ
)
かせ。うん、番頭に、番頭に、番頭に、何だ、
金子
(
かね
)
を払え?……黙れ! 沙汰過ぎた青二才、)と
可恐
(
おそろし
)
い顔になった。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
明治七年七月七日、大雨の降続いたその七日七晩めに、町のもう一つの大河が
可恐
(
おそろし
)
い洪水した。七の数が
累
(
かさ
)
なって、
人死
(
ひとじに
)
も
夥多
(
おびただ
)
しかった。伝説じみるが事実である。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
尤
(
もつと
)
も
引續
(
ひきつゞ
)
いた
可恐
(
おそろし
)
さから、
些
(
ち
)
と
上
(
うは
)
ずつては
居
(
ゐ
)
るのだけれど、
鼠
(
ねずみ
)
も
妖
(
えう
)
に
近
(
ちか
)
いのでないと、
恁
(
か
)
う
吹消
(
ふきけ
)
したやうには
引
(
ひ
)
けさうもないと
言
(
い
)
ふので、
薄氣味
(
うすきみ
)
を
惡
(
わる
)
がるのである。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
はじめは首だけ浮いたのですが、礫を避けるはずみに飛んで浮くのが見えた時は
可恐
(
おそろし
)
い
兀斑
(
はげまだら
)
の大鼠で。
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御殿
(
ごてん
)
づくりでかしづいた、が、
其
(
そ
)
の
姫君
(
ひめぎみ
)
は
可恐
(
おそろし
)
い
蚤
(
のみ
)
嫌
(
ぎら
)
ひで、
唯
(
たゞ
)
一
匹
(
ぴき
)
にも、
夜
(
よる
)
も
晝
(
ひる
)
も
悲鳴
(
ひめい
)
を
上
(
あ
)
げる。
其
(
そ
)
の
悲
(
かな
)
しさに、
別室
(
べつしつ
)
の
閨
(
ねや
)
を
造
(
つく
)
つて
防
(
ふせ
)
いだけれども、
防
(
ふせ
)
ぎ
切
(
き
)
れない。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そこへ、あの連中は行ったんだろうか、沼には変った……何か、
可恐
(
おそろし
)
い、
可怪
(
あやし
)
い事でもあるのかね。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それが
可恐
(
おそろし
)
さに、「女が来たら、俥が見えたら、」と、お滝といいます……あのお茶っぴいに、見張を頼んで、まさか、女郎、とはいえませんから、そこは附景気に
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「臆病だね、……鎧は君、
可恐
(
おそろし
)
いものが出たって、あれを着て向って
行
(
ゆ
)
けるんだぜ、向って、」
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
臆病
(
おくびやう
)
だね、……
鎧
(
よろひ
)
は
君
(
きみ
)
、
可恐
(
おそろし
)
いものが
出
(
で
)
たつて、あれを
着
(
き
)
て
向
(
むか
)
つて
行
(
ゆ
)
けるんだぜ、
向
(
むか
)
つて、」
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
當時
(
たうじ
)
のもの
可恐
(
おそろし
)
さは、われ
等
(
ら
)
の
乘漾
(
のりたゞよ
)
ふ
地
(
ち
)
の
底
(
そこ
)
から、
火焔
(
くわえん
)
を
噴
(
は
)
くかと
疑
(
うたが
)
はれたほどである。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
恐
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“可恐”で始まる語句
可恐々々