)” の例文
新字:
それで他國たこく立派りつぱ堂々だう/\たる小學校せうがくかうきふ其樣そんなすぼらしい學校がくかうぼく子供心こどもごころにもけつして愉快ゆくわい心地こゝちなかつたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『もうないから、萬望どうぞはなして頂戴ちやうだいな』とあいちやんは謙遜けんそんして、『二くちれないわ。屹度きつとそんな井戸ゐどひとくらゐあつてよ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
きツイ先頃はお互にむしの居所のわるい所から言葉たゝかたれども考へ見れば吾儕わしが惡いとかう謝罪あやまつた上からは主は素より舍兄あにのこと心持を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
茲よりては踈大なる錯謬に陷りて、の日月の蝕、旱魃、洪水の災も、人君の政治に關係せりと云ふ妄想を生ずるに至る可し。
尚白箚記 (旧字旧仮名) / 西周(著)
なんゆえ私宅教授したくけふじゆの口がありても錢取道ぜにとるみちかんがへず、下宿屋げしゆくやに、なにるとはれてかんがへることるとおどろかしたるや。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
れは自分じぶんが二十年以上ねんいじやう勤務つとめてゐたのに、れにたいして養老金やうらうきんも、一時金じきんれぬことで、かれれをおもふと殘念ざんねんつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
乳母 またしてもお干渉せっかひやしゃります、さゝ、お就褥やすみなされませ。誓文せいもん明日あす病人びゃうにんにならしゃりませうぞえ、此夜こよひやしゃらぬと。
「えゝてよ」と柱時計はしらどけいると、もう四時よじちかくである。御米およねは「四時よじ五時ごじ六時ろくじ」と時間じかん勘定かんぢやうした。小六ころくだまつてあによめかほてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
困つて了つて、何もないでゐると言ふと、學校を出てから今迄何も爲ないでゐた筈がない、何んな事でも可いから隱さずに言つて見ろと言つた。
硝子窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『お前着物を如何どうなんだよ。此寒いのに、ベラ/\したあはせかなんかで。其樣そん姿なりで此邊を彷徨うろ/\しておくれでないよ、眞實ほんとうに外聞が惡いから。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
『何をようとも、どんな怪事を發見することがあらうとも、舞臺の最上法則、その本然の要求はいつも動作であらう』
神秘的半獣主義 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
もとの學校の友達から然うした外見みつともない事をたと云つたなら、義男は猶厭な思ひがするであらうと思つたからであつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
一體見得坊で、少し片意地な點もあつて、加之に負嫌まけぎらい。經歴といへば、母と一緒に生活の苦勞をたゞけのことで。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あの人はたゞ私が相當な傳道者の妻になるべきだと思ふことだけで私に結婚しろと云つたのです。そんなことは私ようとはしなかつたのですけれど。
けてもいのさ、れは仕方しかたいとあきめるから、おまへなにないでいからたゞ横町よこてうくみだといふで、威張ゐばつてさへれると豪氣がうぎ人氣じんきがつくからね
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そうだとも、そうだとも。こりや一つなんとかせにあなるめえ」そのくせなに一つたことはないのです。たゞ喋舌しやべるばかりです。たくも出來できないんでせう。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
或は遂に久保田君は「生活の改造」を遂げたのかもしれない。さうしてほんたうに久保田君の偉さが、一時の浮薄に打勝つて光を現して來たのかもしれない。
故郷の家と違つて、從兄の家は大きな漁業家で、出入の人も多く、夜なども碌々戸締りをないやうな工合で、好きな時に行きたい所に行かれて非常に自由であつた。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
おかん ほかの事とは譯が違つて、まつたく料簡のにくいことでせうが、わたくし共が打揃つて幾重にもお詫をいたしますから、どうぞ御勘辨なすつて下さいまし。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
並木といへば何でも無いもののやうであるが、實に此も亦人のたことの美しい一つである。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
はじめは、たゞあまりに通過とほりすぎるつもりで、ことともなかつたばかりでい。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「こんなにどつさりあつてよ。わたし今夜から徹夜の決心で縫はうと思ふの。みんな仕上げたら十四五圓頂けるでせう。お醫者さまのお禮ぐらゐおくにに頼まなくたつてわたして見せるわ」
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
「千代坊、何てゐるのけえ、お前は!」
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
掛て振舞ふるまひでも致すやうにたく夫に付金の五六十兩も持參で御出成いでなさるならすみやかに御相談が出來ますと云ひながら目顏めがほで夫れと知らするてい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
で、わたくしかたしんじてゐます。來世らいせいいとたならば、其時そのときおほいなる人間にんげん智慧ちゑなるものが、早晩さうばんれを發明はつめいしませう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なににいさんだつて、もうすこ都合つがふければ、うにもうにかたんですけれども、御存ごぞんじのとほりだから實際じつさいむをなかつたんですわ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ロレ ロミオよ、てござれ、てござれよ、こりゃ人目ひとめおそはゞかをとこ。あゝ、そなた憂苦勞うきくらう見込みこまれて、不幸ふしあはせ縁組えんぐみをおやったのぢゃわ。
何卒なにとぞゆるください、陛下へいかよ』二點ツウきはめて謙遜けんそんした調子てうしつて片膝かたひざをつき、『わたしどものりましたことは——』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
みのるのた事は、他から考へると唯安つぽい人困らせに過ぎなかつた。つまりは矢つ張り出なければならなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
故に統一の觀を立つるは哲學家の論究す可き所と、學術の精微を究むるは各科の學術を專攻する者に存する也。
尚白箚記 (旧字旧仮名) / 西周(著)
私の云つたりたりするあらゆることは彼を慰めるか、元氣づけるか、どつちかのやうに思はれた。たのしい意識! 私の心はすつかり生命と光明を得た。
村で螢の名所は二つ、何方どつちようと智惠子が言ひ出すと、子供らは皆舟綱ふなた橋に伴れてつて呉れと強請せがんだ。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そしているまで、あたり次第しだいなんでも御座ござれ、其日そのひるだけのこと一心不亂いつしんふらんなければならぬ。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
さあおまへさん此子このこをもいれてつてくだされ、なにをぐたりとておいでなさる、あつさにでもさわりはしませぬか、さうでなければ一ぱいあびて、さつぱりにつて御膳ごぜんあがれ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お山は二あしあし進寄つて、『何だよ大きな聲で……芝居に行かうと、何に行かうと餘計なお世話ぢやないか。お前に不義理な借金をてありやしまいし。』と言つて奧を窺込のぞきこむと
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
さあ、うまではぢ外聞ぐわいぶんわすれて、げます……次第しだいによつてはまた打明うちあけて、うへに、あらためておたのやうもありませうから、なかの文句もんくたならたとつたかしてください。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
腕を枕にしてゐるからだと氣が付いたが、それでゐて寢返りを打つこともなかった。痺れるだけ痺れさせて置く氣だ。指先から肘にかけて感覺も何もなくなった頃に、由三は辛而やツと眼を啓けた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
同じ思入れをた方が宜いのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
夫ぢやアやつて下さるか如何いかに吾儕われがことをかまて見せようが此姿すがたでは如何どうかう詮方しかたがねへ付ては身姿みなりこせへるだけ金をば五兩貸てくれ。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
で、わたくしはうとおもふのは、貴方あなたわたくしとが思想しさうするもの、相共あひとも思想しさうしたり、議論ぎろんたりするちからるものとみとめてゐるといふことです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こりゃ、しっかりとおやらう! つい最前いまがたまでこひしさにぬるくるしみをてござったその戀人こひゞとのヂュリエットはつゝがない。すれば、それが幸福しあはせ
佐伯さへきでは一旦いつたんあゝしたやうなものゝ、たのんでたら、當分たうぶんうちぐらゐことは、好意上かういじやうてくれまいものでもない。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「誰のた事でもない僕のお蔭だよ。僕があの時どんなに怒つたか覺えてゐるだらう。君がとう/\いふ事を聞かなけりやこんな幸福は來やしないんだ。」
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
「これはお前のまやかしでもなければ、お前の妖術でもない。自然のたことだ。自然が目覺めてたゞその最上のさくを——奇蹟きせきではない——おこなつたのだ。」
眞箇ほんとだ、可厭いやになつちまう、さうだとも、まツたくさ!』『ぼくつたとほりにおよ、卑怯ひけうだね!』つひあいちやんはふたゝ其手そのてばしてモ一くうつかみました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
何有なあに! 知らん顏をしてゐればそれで濟む。豈夫智惠子が言ひはまい。』と彼は少し落着いて來た。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
其他知らざる所の理固より多し。其みづから知の至らざるを以て之を理外と、之を事實に合せざる者なりと言ふは、是理の至らざるに非らずして、我の至らざるなり。
尚白箚記 (旧字旧仮名) / 西周(著)
小言こごとひとつもはれましやうならのやうにつてはらだゝしく、言葉返ことばがへしはつひしかませんかつたけれど、ものはずものべず、隨分ずゐぶん婢女をんなどもにはあたりもして
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
神々かう/″\しいぢやアないか、人間にんげんといふものは何時いつでも此初日出このはつひのでひかりわすれさへなければいのぢや』と老人らうじんかんえぬやうにつてあはしてしづかに禮拜れいはいしました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『其は、お前が、腕もありもしない癖に、妙に私にたてつくぢやないか。だから、私が、もう少し辛抱おつて言つてるのに、お前がなんでもかんでも一本立でやつて見せますつてんで……。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)