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まつばやし
ふりがな文庫
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松林
(
まつばやし
)” の例文
テーブルクロスの
包
(
つつ
)
みのほうは、とちゅうで
透明人間
(
とうめいにんげん
)
の気がかわり、ブランブルハーストをでたところの
松林
(
まつばやし
)
ですててしまったのである。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
広い
松林
(
まつばやし
)
が、庭にとりこんでありまして、そこで気持ちよく遊べました。チロも一緒に遊びました。三人ともチロを大変かわいがりました。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
おじいさんについて、どんなところへ
連
(
つ
)
れていかれるのかと
心配
(
しんぱい
)
しながら
歩
(
ある
)
いてゆくと、はや、せみの
松林
(
まつばやし
)
で
鳴
(
な
)
いている
声
(
こえ
)
が
聞
(
き
)
こえました。
子供の時分の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
先頃
(
せんころ
)
私が
茨窪
(
ばらくぼ
)
の
松林
(
まつばやし
)
を散歩していると、向うから一人の黒い小倉服を着た人間の生徒が、何か大へん考えながらやって来た。
茨海小学校
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
風を
除
(
よ
)
けて、湖の岐入の方へ流れ入ると、出崎の城の
天主閣
(
てんしゅかく
)
が
松林
(
まつばやし
)
の蔭から覗き出した。秀江の村の網手の影が眼界に
浮
(
うか
)
び上って来たのである。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
前方の、放送局の
松林
(
まつばやし
)
あたりに、
可也
(
かなり
)
夥
(
おびただ
)
しい人数が移動している様子だった。演習慣れした少尉の耳には、その雑然たる靴音が、ハッキリと判った。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは、
若竹
(
わかたけ
)
が、あちこちの
空
(
そら
)
に、かぼそく、ういういしい
緑色
(
みどりいろ
)
の
芽
(
め
)
をのばしている
初夏
(
しょか
)
のひるで、
松林
(
まつばやし
)
では
松蝉
(
まつぜみ
)
が、ジイジイジイイと
鳴
(
な
)
いていました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
不審
(
ふしん
)
に
思
(
おも
)
つて
躊躇
(
ちうちよ
)
して
居
(
ゐ
)
ると
突然
(
とつぜん
)
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
對岸
(
たいがん
)
の
松林
(
まつばやし
)
の
陰翳
(
かげ
)
から
白
(
しろ
)
く
光
(
ひか
)
つて
居
(
ゐ
)
る
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
へ
舳
(
へさき
)
が
出
(
で
)
て
船
(
ふね
)
が
現
(
あら
)
はれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「もう
餘程
(
よほど
)
久
(
ひさ
)
しい
事
(
こと
)
でございます。あれは
豐干
(
ぶかん
)
さんが
松林
(
まつばやし
)
の
中
(
なか
)
から
拾
(
ひろ
)
つて
歸
(
かへ
)
られた
捨子
(
すてご
)
でございます。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
松林
(
まつばやし
)
の
中
(
なか
)
に
門
(
もん
)
の
屋根
(
やね
)
を
聳
(
そびや
)
かした
法華寺
(
ほつけでら
)
で、こゝも
盆
(
ぼん
)
の
墓参
(
はかまゐり
)
をするらしい
人
(
ひと
)
が
引
(
ひ
)
きつゞき
出入
(
でいり
)
をしてゐた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
それで三
人
(
にん
)
、
相談
(
さうだん
)
する
樣
(
やう
)
な
顏
(
かほ
)
をして、
一端
(
いつたん
)
松林
(
まつばやし
)
まで
退
(
しりぞ
)
き、
姿
(
すがた
)
が
彼等
(
かれら
)
の
視線
(
しせん
)
から
隱
(
かく
)
れるや
否
(
いな
)
や、それツとばかり
間道
(
かんだう
)
を
逃出
(
にげだ
)
して、
裏
(
うら
)
の
池
(
いけ
)
の
方
(
かた
)
から、
駒岡
(
こまをか
)
の
方
(
かた
)
へ
韋駄天走
(
ゐだてんばし
)
り。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
それからその
向
(
む
)
こうに
青々
(
あおあお
)
と
霞
(
かす
)
んでいる
御所
(
ごしょ
)
の
松林
(
まつばやし
)
をはるかに
拝
(
おが
)
んだに
違
(
ちが
)
いありません。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
石の巻の町に入るすぐ手前の畑に今でも「蛇田」といふ名所がある。「……五十八年の夏
五月
(
さつき
)
、
荒陵
(
あらはか
)
の
松林
(
まつばやし
)
の南の道にあたりて、忽に
二本
(
ふたもと
)
の
櫪木
(
くぬぎ
)
生ひ、路をはさみて末合ひたりき」
大へび小へび
(新字旧仮名)
/
片山広子
(著)
四十男
(
しゞふをとこ
)
の
水呑百姓
(
みづのみひやくしやう
)
と
思
(
おも
)
つたのは、
學校
(
がくかう
)
より十町ばかり
隔
(
へ
)
だつて
居
(
ゐ
)
る
松林
(
まつばやし
)
の
奧
(
おく
)
に
一構
(
ひとかまへ
)
の
宅地
(
たくち
)
を
擁
(
よう
)
し、
米倉
(
べいさう
)
の
三棟
(
みむね
)
を
並
(
なら
)
べて
居
(
ゐ
)
る
百姓
(
ひやくしやう
)
、
池上權藏
(
いけがみごんざう
)
といふ
男
(
をとこ
)
で、
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
の
創立者
(
さうりつしや
)
、
恩人
(
おんじん
)
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
三
月
(
ぐわつ
)
、五
月
(
ぐわつ
)
のお
節句
(
せつく
)
は、
樂
(
たの
)
しい
子供
(
こども
)
のお
祭
(
まつり
)
です。五
月
(
ぐわつ
)
のお
節句
(
せつく
)
には、
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
でも
石
(
いし
)
を
載
(
の
)
せた
板屋根
(
いたやね
)
へ
菖蒲
(
しやうぶ
)
をかけ、
爺
(
ぢい
)
やが
松林
(
まつばやし
)
の
方
(
はう
)
から
採
(
と
)
つて
來
(
く
)
る
笹
(
さゝ
)
の
葉
(
は
)
で
粽
(
ちまき
)
をつくりました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
左手は、
松林
(
まつばやし
)
や
雑木林
(
ぞうきばやし
)
がつづいています。そこには、ひぐらし、みんみん、あぶらぜみなどがにぎやかにないています。右手は青々としたたんぼで、風がわたるたびに青い波がながれます。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
反對
(
はんたい
)
に
落葉樹
(
らくようじゆ
)
や
松林
(
まつばやし
)
などがふえて
來
(
き
)
ました。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
松林
(
まつばやし
)
で、
聞
(
き
)
きなれた
鳥
(
とり
)
の
声
(
こえ
)
がしました。
窓
(
まど
)
をあけると、やまがらやしじゅうからが、
枝
(
えだ
)
から
枝
(
えだ
)
をつたって
鳴
(
な
)
いていました。
おかまの唄
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから毒ヶ森の
麓
(
ふもと
)
の黒い
松林
(
まつばやし
)
の方へ向いて、きつねのしっぽのような茶いろの草の穂をふんで歩いて行きました。
鳥をとるやなぎ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
夜
(
よる
)
の
手
(
て
)
は
對岸
(
たいがん
)
の
松林
(
まつばやし
)
の
陰翳
(
かげ
)
を
其
(
そ
)
の
水
(
みづ
)
に
投
(
な
)
げて、
川幅
(
かわはゞ
)
は
僅
(
わづか
)
に
半分
(
はんぶん
)
に
蹙
(
せば
)
められて
見
(
み
)
える。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず、一
時
(
じ
)
、
松林
(
まつばやし
)
の
方
(
かた
)
に
退却
(
たいきやく
)
したが、
如何
(
どう
)
も
掘
(
ほ
)
りたくて
耐
(
た
)
えられぬ。それで
余
(
よ
)
と
玄子
(
げんし
)
とは
松林
(
まつばやし
)
に
待
(
ま
)
ち、
望生
(
ぼうせい
)
一
人
(
にん
)
を
遣
(
や
)
つて『いくらか
出
(
だ
)
すから、
掘
(
ほ
)
らして
呉
(
く
)
れ』と
申込
(
まをしこ
)
ましたのである。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
まだそこだけは
明
(
あか
)
るく、あわただしく
松林
(
まつばやし
)
の
頭
(
あたま
)
を
越
(
こ
)
えて、
海
(
うみ
)
の
方
(
ほう
)
へ
雲
(
くも
)
の
駆
(
か
)
けてゆくのがながめられたのでした。
空晴れて
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
海が
岬
(
みさき
)
で見えなくなった。
松林
(
まつばやし
)
だ。また見える。
次
(
つぎ
)
は
浅虫
(
あさむし
)
だ。石を
載
(
の
)
せた
屋根
(
やね
)
も見える。何て
愉快
(
ゆかい
)
だろう。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そして、
広々
(
ひろびろ
)
とした
海原
(
うなばら
)
と、
青
(
あお
)
い
松林
(
まつばやし
)
と、いつにかわらぬ
富士山
(
ふじさん
)
があるばかりでした。
若者
(
わかもの
)
は、その
後
(
ご
)
、
長
(
なが
)
い一
生
(
しょう
)
を
正
(
ただ
)
しく、
楽
(
たの
)
しく
送
(
おく
)
ることができました。
羽衣物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ぼくらは
松林
(
まつばやし
)
の中だの
萱
(
かや
)
の中で何べんもほかの班に出会った。みんなぼくらの地図をのぞきたがった。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それから、
停留場
(
ていりゅうじょう
)
ごとに、
人
(
ひと
)
が
乗
(
の
)
ったり、
降
(
お
)
りたりしました。
松林
(
まつばやし
)
にさしかかるころは、
馬
(
うま
)
も、はやつかれたのか、
黒
(
くろ
)
くあせがにじんで、あえいでいました。
しらかばの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ぼくらは、
蝉
(
せみ
)
が雨のように鳴いているいつもの
松林
(
まつばやし
)
を通って、それから、
祭
(
まつり
)
のときの
瓦斯
(
ガス
)
のような
匂
(
におい
)
のむっとする、ねむの
河原
(
かわら
)
を
急
(
いそ
)
いで
抜
(
ぬ
)
けて、いつものさいかち
淵
(
ぶち
)
に行った。
さいかち淵
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そして、
裏
(
うら
)
の
松林
(
まつばやし
)
にせみの
鳴
(
な
)
いている、
我
(
わ
)
が
家
(
や
)
が
近
(
ちか
)
づくと
急
(
きゅう
)
になつかしくなって、
駈
(
か
)
け
出
(
だ
)
したものでした。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
獅子鼻
(
ししはな
)
の上の
松林
(
まつばやし
)
には今夜も梟の群が集まりました。今夜は穂吉が来ていました。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
おまえは、この
青々
(
あおあお
)
とした
松林
(
まつばやし
)
と
清
(
きよ
)
い
谷川
(
たにがわ
)
の
流
(
なが
)
れよりほかに
見
(
み
)
てはならない。もし、わたしのいうことを
守
(
まも
)
れば、おまえはいつまでも
若
(
わか
)
く、
美
(
うつく
)
しいと
申
(
もう
)
しました。
ふるさとの林の歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
汽車は
闇
(
やみ
)
のなかをどんどん北へ走って行く。
盛岡
(
もりおか
)
の上のそらがまだぼうっと明るく
濁
(
にご
)
って見える。黒い
藪
(
やぶ
)
だの
松林
(
まつばやし
)
だのぐんぐん
窓
(
まど
)
を通って行く。
北上
(
きたかみ
)
山地の上のへりが時々かすかに見える。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
村
(
むら
)
に
近
(
ちか
)
い、
山
(
やま
)
の
松林
(
まつばやし
)
には、しきりにせみが
鳴
(
な
)
いていました。
信吉
(
しんきち
)
は、
池
(
いけ
)
のほとりに
立
(
た
)
って、
紫色
(
むらさきいろ
)
の
水草
(
みずくさ
)
の
花
(
はな
)
が、ぽっかりと
水
(
みず
)
に
浮
(
う
)
いて、
咲
(
さ
)
いているのをながめていました。
銀河の下の町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
獅子鼻の上の
松林
(
まつばやし
)
は、もちろんもちろん、まっ黒でしたがそれでも林の中に入って行きますと、その
脚
(
あし
)
の長い松の木の高い
梢
(
こずえ
)
が、一本一本空の
天
(
あま
)
の
川
(
がわ
)
や、星座にすかし出されて見えていました。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
若
(
わか
)
い
時分
(
じぶん
)
には、やはり、いま、ほかの
若
(
わか
)
いからすのように、
元気
(
げんき
)
よく
高
(
たか
)
い
嶺
(
みね
)
の
頂
(
いただき
)
を
飛
(
と
)
んで、
目
(
め
)
の
下
(
した
)
に、
谷
(
たに
)
や
松林
(
まつばやし
)
や、また
村
(
むら
)
などをながめて、あるときは、もっと
山奥
(
やまおく
)
へ、あるときは
一本のかきの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
権兵衛茶屋のわきから
蕎麦
(
そば
)
ばたけや
松林
(
まつばやし
)
を通って、煙山の野原に出ましたら、向うには毒ヶ森や
南晶山
(
なんしょうざん
)
が、たいへん暗くそびえ、その上を雲がぎらぎら光って、
処々
(
ところどころ
)
には
竜
(
りゅう
)
の形の黒雲もあって
鳥をとるやなぎ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ついに、ぼくは、ある
日
(
ひ
)
のこと、ほこりをあびながら、
白
(
しろ
)
くかわいた
街道
(
かいどう
)
を
歩
(
ある
)
いていった。
港町
(
みなとまち
)
へいけば、おばさんにあえると
思
(
おも
)
ったのだ。いつしか
夕日
(
ゆうひ
)
は
松林
(
まつばやし
)
の
中
(
なか
)
にしずみかけた。
はたらく二少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そこの
松林
(
まつばやし
)
の中から黒い
畑
(
はたけ
)
が一
枚
(
まい
)
出てきます。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
松林
(
まつばやし
)
の
中
(
なか
)
に、
万
(
まん
)
は、
母親
(
ははおや
)
と
並
(
なら
)
べて
葬
(
ほうむ
)
られました。その
土色
(
つちいろ
)
のまだ
新
(
あたら
)
しい
墓
(
はか
)
の
前
(
まえ
)
には、
日
(
ひ
)
ごとに、だれがあげるものか、いつもいきいきとした
野草
(
のぐさ
)
の
花
(
はな
)
や、
山草
(
やまぐさ
)
が
手向
(
たむ
)
けられていました。
万の死
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
広
(
ひろ
)
いすそ
野
(
の
)
のふちを、
青黒
(
あおぐろ
)
い
色
(
いろ
)
の
海
(
うみ
)
が、うねりをあげ、そして、もやのかかる
松林
(
まつばやし
)
や、
白
(
しろ
)
い
砂
(
すな
)
の
浜辺
(
はまべ
)
は、
浮
(
う
)
き
織
(
お
)
りの
模様
(
もよう
)
のように
見
(
み
)
えるので、さすがに
天女
(
てんにょ
)
も、しばらくはわれを
忘
(
わす
)
れて
羽衣物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
松
常用漢字
小4
部首:⽊
8画
林
常用漢字
小1
部首:⽊
8画
“松林”で始まる語句
松林蝙也
松林亭伯圓
松林甲子雄