トップ
>
團扇
>
うちは
ふりがな文庫
“
團扇
(
うちは
)” の例文
新字:
団扇
姿
(
すがた
)
は
婀娜
(
あだ
)
でもお
妾
(
めかけ
)
ではないから、
團扇
(
うちは
)
で
小間使
(
こまづかひ
)
を
指圖
(
さしづ
)
するやうな
行儀
(
ぎやうぎ
)
でない。「
少
(
すこ
)
し
風
(
かぜ
)
過
(
す
)
ぎる
事
(
こと
)
」と、
自分
(
じぶん
)
でらふそくに
灯
(
ひ
)
を
入
(
い
)
れる。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
團扇
(
うちは
)
ばかりは新しいものにかぎる。この節の東京の團扇は粗製に流れて來たかして、一夏の間の使用にすら耐へないのがある。
短夜の頃
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
安瀬戸物か
團扇
(
うちは
)
の繪にしかふさはない山の樣に言はれないでもないが、この沼津に移住して以來、毎日仰いで見てゐると
樹木とその葉:06 四辺の山より富士を仰ぐ記
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
番町
(
ばんちやう
)
の
旦那
(
だんな
)
といふは
口數
(
くちかず
)
少
(
すくな
)
き
人
(
ひと
)
と
見
(
み
)
えて、
時
(
とき
)
たま
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したやうにはた/\と
團扇
(
うちは
)
づかひするか、
卷煙草
(
まきたばこ
)
の
灰
(
はひ
)
を
拂
(
はら
)
つては
又
(
また
)
火
(
ひ
)
をつけて
手
(
て
)
に
持
(
もつ
)
てゐる
位
(
くらゐ
)
なもの
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お葉は
團扇
(
うちは
)
でちよいと打つ眞似をするのです。川柳の『團扇では憎らしいほど叩かれず』と言つた風情です。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「午後三時三十分だしたなア。」と、道臣は大きな銀側時計を
弄
(
いぢ
)
りつゝ言つたが、
軈
(
やが
)
て
居室
(
ゐま
)
へ退いてまた酒を始めた。京子の枕元には、お時が一人
團扇
(
うちは
)
を持つて附いてゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
種々
(
しゆ/″\
)
整
(
とゝの
)
へ江戸錦繪淺草海苔
館林
(
たてばやし
)
團扇
(
うちは
)
其外
田舍
(
ゐなか
)
相應
(
さうおう
)
の品々を
買求
(
かひもと
)
め
荷造
(
にづく
)
りをして町内の
飛脚屋
(
ひきやくや
)
十七屋
(
とをつや
)
より先へ
廻
(
まは
)
し夫より
名主
(
なぬし
)
家主
町代
(
ちやうだい
)
は申に及ばず
懇意
(
こんい
)
の先々へ
暇乞
(
いとまごひ
)
に參りしに何れも
餞別
(
せんべつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
屹度
(
きつと
)
左
(
さ
)
うよ」と
答
(
こた
)
へながら、
暗
(
くら
)
がりで
團扇
(
うちは
)
をはた/\
動
(
うご
)
かした。
宗助
(
そうすけ
)
は
何
(
なに
)
も
云
(
い
)
はずに、
頸
(
くび
)
を
延
(
の
)
ばして、
庇
(
ひさし
)
と
崖
(
がけ
)
の
間
(
あひだ
)
に
細
(
ほそ
)
く
映
(
うつ
)
る
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
を
眺
(
なが
)
めた。
二人
(
ふたり
)
は
其儘
(
そのまゝ
)
しばらく
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
良
(
やゝ
)
あつて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
(
團扇
(
うちは
)
を取る。)このごろは晝間でも藪つ蚊が出て來やあがる。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
門
(
かど
)
、
背戸
(
せど
)
の
清
(
きよ
)
き
流
(
ながれ
)
、
軒
(
のき
)
に
高
(
たか
)
き
二本柳
(
ふたもとやなぎ
)
、——
其
(
そ
)
の
青柳
(
あをやぎ
)
の
葉
(
は
)
の
繁茂
(
しげり
)
——こゝに
彳
(
たゝず
)
み、あの
背戸
(
せど
)
に
團扇
(
うちは
)
を
持
(
も
)
つた、
其
(
そ
)
の
姿
(
すがた
)
が
思
(
おも
)
はれます。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『僕は今度、亞米利加から船中で
團扇
(
うちは
)
で客を
煽
(
あふ
)
ぐ商賣をやつて來た。これはその金の殘りだ。これで一杯飮まうよ。』
樹木とその葉:03 島三題
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
あの
莚
(
むしろ
)
の
上
(
うへ
)
を
御覽
(
ごらん
)
と
言
(
い
)
つて
見
(
み
)
せました。そこではお
釜
(
かま
)
から
出
(
だ
)
したお
茶
(
ちや
)
の
葉
(
は
)
をひろげて
團扇
(
うちは
)
であほいで
居
(
ゐ
)
る
人
(
ひと
)
があります。あの
焙爐
(
ほいろ
)
の
方
(
はう
)
を
御覽
(
ごらん
)
と
言
(
い
)
つて
見
(
み
)
せました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
あきれたものだのと笑つてお前なぞは其我まゝが通るから豪勢さ、此身になつては仕方がないと
團扇
(
うちは
)
を取つて足元をあふぎながら、昔しは花よの言ひなし可笑しく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それは
團扇
(
うちは
)
を二枚合せて、芝居で使ふ紫色の小袖を着せ、風呂敷で拵へた頭をつけた、不思議な人形で、主人夫婦や叔母さんが、これを怪物と見たのは當然のことでした。
銭形平次捕物控:272 飛ぶ若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
聞て幸八は
心得
(
こゝろえ
)
其夜の中に
部屋
(
へや
)
から
撰
(
えらん
)
で呉服屋の六
團扇
(
うちは
)
の源
入墨
(
いれずみ
)
七箱根傳助小僧の吉品川の松
抔
(
など
)
何
(
いづれ
)
も當宿の
腕
(
うで
)
こき六人
體
(
からだ
)
へは
赤合羽
(
あかがつぱ
)
を
羽折
(
はをり
)
各自向ふ
鉢卷
(
はちまき
)
をなし
腰
(
こし
)
に
挾
(
はさみ
)
しは
叺莨入
(
かますたばこいれ
)
手には竹の
息杖
(
いきづゑ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
向
(
むき
)
を
替
(
か
)
へて、
團扇
(
うちは
)
を
提
(
さ
)
げて、すらりと
立
(
た
)
つた。
美人
(
びじん
)
は
庭
(
には
)
を
差覗
(
さしのぞ
)
く……
横顏
(
よこがほ
)
は
尚
(
な
)
ほ、くつきりと、
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
は
艷増
(
つやま
)
したが、
生憎
(
あいにく
)
草
(
くさ
)
は
暗
(
くら
)
かつた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あきれたものだのと
笑
(
わら
)
つてお
前
(
まへ
)
などは
其我
(
そのわが
)
まゝが
通
(
とほ
)
るから
豪勢
(
ごうせい
)
さ、
此身
(
このみ
)
になつては
仕方
(
しかた
)
がないと
團扇
(
うちは
)
を
取
(
と
)
つて
足元
(
あしもと
)
をあふぎながら、
昔
(
むか
)
しは
花
(
はな
)
よの
言
(
い
)
ひなし
可笑
(
をか
)
しく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
黄色い
團扇
(
うちは
)
を額のところに差して、復た町の方へ飛び出して行くといふ風でした。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「あの棒に着物を引つ掛けて、上へ
團扇
(
うちは
)
か何にか差したのを、木戸の外の下水の縁へでも立てて置くと、面喰つた若い娘は、眞つ暗な晩だつたら、背の高い男と見るやうなことはないだらうか」
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
はツと
思
(
おも
)
つたのは、
凄
(
すさま
)
じい
音
(
おと
)
で、はた、と
落
(
おと
)
した
團扇
(
うちは
)
が、カラ/\と
鳴
(
な
)
つて、
廂屋根
(
ひさしやね
)
の
瓦
(
かはら
)
を
辷
(
すべ
)
つて、
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
ちたのである。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
返
(
かへ
)
す
團扇
(
うちは
)
に
思
(
おも
)
ひを
寄
(
よ
)
せし
時
(
とき
)
憎
(
に
)
くからず
打笑
(
うちゑ
)
みし
口元
(
くちもと
)
なんど、
只
(
たゞ
)
眼
(
め
)
の
先
(
さき
)
に
沸
(
わ
)
き
來
(
き
)
たりて、
我
(
わ
)
れ
知
(
し
)
らず
沈思瞑目
(
ちんしめいもく
)
することもあり、さるにても
何人
(
なにびと
)
の
住家
(
すまゐ
)
にや、
人品
(
ひとがら
)
の
高尚
(
けだか
)
かりしは
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御神輿
(
おみこし
)
の
柱
(
はしら
)
の、
飾
(
かざり
)
の
珊瑚
(
さんご
)
が
𤏋
(
ぱつ
)
と
咲
(
さ
)
き、
銀
(
ぎん
)
の
鈴
(
すゞ
)
が
鳴据
(
なりすわ
)
つて、
鳳凰
(
ほうわう
)
の
翼
(
つばさ
)
、
鷄
(
にはとり
)
のとさかが、
颯
(
さつ
)
と
汗
(
あせ
)
ばむと、
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
に
揉
(
も
)
む
状
(
さま
)
は
團扇
(
うちは
)
の
風
(
かぜ
)
、
手
(
て
)
の
波
(
なみ
)
に、ゆら/\と
乘
(
の
)
つて
搖
(
ゆ
)
れ
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
洗
(
あら
)
ひ
髮
(
がみ
)
の
束髮
(
そくはつ
)
に
薔薇
(
ばら
)
の
花
(
はな
)
の
飾
(
かざ
)
りもなき
湯上
(
ゆあが
)
りの
單衣
(
ゆかた
)
でたち、
素顏
(
すがほ
)
うつくしき
夏
(
なつ
)
の
富士
(
ふじ
)
の
額
(
ひたひ
)
つき
眼
(
め
)
に
殘
(
のこ
)
りて、
世
(
よ
)
は
荻
(
をぎ
)
の
葉
(
は
)
に
秋風
(
あきかぜ
)
ふけど
螢
(
ほたる
)
を
招
(
ま
)
ねきし
塗柄
(
ぬりゑ
)
の
團扇
(
うちは
)
、
面影
(
おもかげ
)
はなれぬ
貴公子
(
きこうし
)
あり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
敷居
(
しきゐ
)
に、
其
(
そ
)
の
袖
(
そで
)
も
帶
(
おび
)
も
靡
(
なび
)
くと、ひら/\と
團扇
(
うちは
)
が
動
(
うご
)
いて、やゝ
花
(
はな
)
やかな、そして
清
(
すゞ
)
しい
聲
(
こゑ
)
して
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
障子
(
しやうじ
)
を
透
(
す
)
かして、
疊
(
たゝみ
)
凡
(
およ
)
そ
半疊
(
はんでふ
)
ばかりの
細長
(
ほそなが
)
い
七輪
(
しちりん
)
に、
五
(
いつ
)
つづゝ
刺
(
さ
)
した
眞白
(
まつしろ
)
な
串團子
(
くしだんご
)
を、
大福帳
(
だいふくちやう
)
が
權化
(
ごんげ
)
した
算盤
(
そろばん
)
の
如
(
ごと
)
くずらりと
並
(
なら
)
べて、
眞赤
(
まつか
)
な
火
(
ひ
)
を、
四角
(
しかく
)
な
團扇
(
うちは
)
で、ばた/\ばた
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人
(
ひと
)
を
見
(
み
)
ると、
顏
(
かほ
)
を
曲
(
ま
)
げて、
肩
(
かた
)
を
斜
(
はすつ
)
かひにしながら、
一息
(
ひといき
)
、ばた/\、ばツと
團扇
(
うちは
)
を
拍
(
たゝ
)
く。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すとんきような
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
し、
螇蚸
(
ばつた
)
壓
(
おさ
)
へたり、と
云
(
い
)
ふ
手
(
て
)
つきで、
團扇
(
うちは
)
を
挾
(
はさ
)
んで、
仰向
(
あふむ
)
いた。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
以前
(
いぜん
)
は、
此
(
こ
)
の
邊
(
へん
)
の
樣子
(
やうす
)
もこんなでは
無
(
な
)
かつた。
恁
(
か
)
う
涼風
(
すゞかぜ
)
の
立
(
た
)
つ
時分
(
じぶん
)
でも、
團扇
(
うちは
)
を
片手
(
かたて
)
に、
手拭
(
てぬぐひ
)
を
提
(
さ
)
げなどして、
派手
(
はで
)
な
浴衣
(
ゆかた
)
が、もつと
川上
(
かはかみ
)
あたりまで、
岸
(
きし
)
をちらほら
徜徉
(
ぶら
)
ついたものである。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
太鼓腹
(
たいこばら
)
を
突出
(
つきだ
)
して、でれりとして、
團扇
(
うちは
)
で
雛妓
(
おしやく
)
に
煽
(
あふ
)
がせて
居
(
ゐ
)
るやうなのではない。
片膚脱
(
かたはだぬ
)
ぎで
日置流
(
へぎりう
)
の
弓
(
ゆみ
)
を
引
(
ひ
)
く。
獅子寺
(
ししでら
)
の
大弓場
(
だいきうば
)
で
先生
(
せんせい
)
と
懇意
(
こんい
)
だから、
從
(
したが
)
つて
弟子
(
でし
)
たちに
帳面
(
ちやうめん
)
が
利
(
き
)
いた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ふと
思出
(
おもひだ
)
したれば、
鄰國
(
りんごく
)
富山
(
とやま
)
にて、
團扇
(
うちは
)
を
賣
(
う
)
る
珍
(
めづら
)
しき
呼聲
(
よびごゑ
)
を、こゝに
記
(
しる
)
す。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
團扇
(
うちは
)
やア、
大團扇
(
おほうちは
)
。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
團扇
(
うちは
)
やあ。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
團
部首:⼞
14画
扇
常用漢字
中学
部首:⼾
10画
“團扇”で始まる語句
團扇草書輕内史