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絹
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きぬ
ふりがな文庫
“
絹
(
きぬ
)” の例文
『お
絹
(
きぬ
)
さん!』と
僕
(
ぼく
)
は
思
(
おも
)
はず
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げた。お
絹
(
きぬ
)
はにつこり
笑
(
わら
)
つて、さつと
顏
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
めて、
禮
(
れい
)
をした。
人
(
ひと
)
と
車
(
くるま
)
との
間
(
あひだ
)
は
見
(
み
)
る/\
遠
(
とほ
)
ざかつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
袋だけはそまつなごわごわした物を入れてあるくために、
絹
(
きぬ
)
や布以外の多くの材料をつかったのが、今でもまだ
弘
(
ひろ
)
くもちいられている。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
白粉
(
おしろい
)
をつけ、
頬紅
(
ほおべに
)
、
口紅
(
くちべに
)
をつけ、まゆずみを引き、目のふちをくま取り、それからきえちゃんの
芸服
(
げいふく
)
を着せ、
絹
(
きぬ
)
の
三角帽
(
さんかくぼう
)
をかぶせました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
微
(
かす
)
かながら、
絹
(
きぬ
)
を
裂
(
さ
)
くような悲鳴が——多分悲鳴だと思ったのですが——遠く風に送られ何処からか響いたように感じました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
時々彼女は白い
絹
(
きぬ
)
※子
(
ハンケチ
)
で顔を
拭
(
ふ
)
きながら、世慣れた調子で
談
(
はな
)
したり笑ったりした。どうかするとお牧にでも話しかけると同じように話した。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
「不幸続きのあげくがおらの長患いで、とうとうお
絹
(
きぬ
)
を泥の中へ沈めてしまった、それを思うとおらあ——自分の体の治ったのが恨めしいだ」
暗がりの乙松
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そうしてその前には姉のお
絹
(
きぬ
)
が、火鉢の
縁
(
ふち
)
に
肘
(
ひじ
)
をやりながら、今日は
湿布
(
しっぷ
)
を巻いていない、
綺麗
(
きれい
)
な
丸髷
(
まるまげ
)
の襟足をこちらへまともに
露
(
あらわ
)
していた。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それはりっぱな
絹
(
きぬ
)
の
産着
(
うぶぎ
)
で
想像
(
そうぞう
)
したところと、目の前の事実とはこのとおりちがっていた。でもそれがなんだ。
愛情
(
あいじょう
)
は
富
(
とみ
)
よりもはるかに
貴
(
たっと
)
い。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
あなたのおへやへつれていってください。そうして、ふたりでねられるように、あなたのかわいらしい
絹
(
きぬ
)
のベッドをきちんとなおしてください。
カエルの王さま:または鉄のハインリッヒ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
けれども、商人はニコニコしながら手まねきしては、ニールスの気をひこうとするように、美しい
絹
(
きぬ
)
ビロードを、台の上にひろげてみせました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
膚
(
はだ
)
を
蔽
(
おほ
)
うたとも
見
(
み
)
えないで、
美
(
うつくし
)
い
女
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
がはらはらと
黒髮
(
くろかみ
)
を、
矢張
(
やつぱ
)
り、
同
(
おな
)
じ
絹
(
きぬ
)
の
枕
(
まくら
)
にひつたりと
着
(
つ
)
けて、
此方
(
こちら
)
むきに
少
(
すこ
)
し
仰向
(
あをむ
)
けに
成
(
な
)
つて
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
ます。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
髪を長くのばして油をこてこてに塗って
綺麗
(
きれい
)
に分け、青い
絹
(
きぬ
)
のハンカチを首に
捲
(
ま
)
いて、そして
巻煙草
(
まきたばこ
)
をふかしながらよくそこいらをふらついていた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
忍びやかに庭を歩く人の足音、普通の人には聞こえないが、そこはお
絹
(
きぬ
)
忍び衆である。早くも牢内から聞き
咎
(
とが
)
めた。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
芝地
(
しばち
)
のまん中には、赤や黄や白の薄い
絹
(
きぬ
)
の
衣
(
ころも
)
を着、
百合
(
ゆり
)
の花の
冠
(
かんむり
)
をかぶった、一人の女が立っていました。そして王子を見て、
微笑
(
ほほえ
)
んで手招きしました。
お月様の唄
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
海驢
(
あじか
)
の皮八枚を敷き、その上に
絹
(
きぬ
)
の敷物を八枚敷いて、御案内申し上げ、澤山の獻上物を具えて御馳走して、やがてその女トヨタマ姫を差し上げました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
また税関のある地方からは
珊瑚珠
(
さんごじゅ
)
、宝石、布類、
羅紗
(
らしゃ
)
、
絹
(
きぬ
)
及び
乾葡萄
(
ほしぶどう
)
、
乾桃
(
ほしもも
)
、
乾棗
(
ほしなつめ
)
類、また地方によっては皮あるいは
宝鹿
(
ほうろく
)
の
血角
(
けっかく
)
を納めるところもある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
絹
(
きぬ
)
はいくら
裁
(
た
)
っても
裁
(
た
)
っても
減
(
へ
)
りません。
釣
(
つ
)
り
鐘
(
がね
)
はたたくと
近江
(
おうみ
)
の
国中
(
くにじゅう
)
に
聞
(
き
)
こえるほどの
高
(
たか
)
い
音
(
おと
)
をたてました。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
これらの事に
付
(
つき
)
て
熟思
(
つら/\おもふ
)
に、
絹
(
きぬ
)
を
織
(
おる
)
には
蚕
(
かひこ
)
の
糸
(
いと
)
ゆゑ
阳熱
(
やうねつ
)
を
好
(
このみ
)
、
布
(
ぬの
)
を織には
麻
(
あさ
)
の糸ゆゑ
阴冷
(
いんれい
)
を
好
(
この
)
む。さて
絹
(
きぬ
)
は寒に用ひて
温
(
あたゝか
)
ならしめ、布は
暑
(
しよ
)
に用て
冷
(
ひやゝ
)
かならしむ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
四番
(
よばん
)
めの
大伴
(
おほとも
)
の
大納言
(
だいなごん
)
は、
家來
(
けらい
)
どもを
集
(
あつ
)
めて
嚴命
(
げんめい
)
を
下
(
くだ
)
し、
必
(
かなら
)
ず
龍
(
たつ
)
の
首
(
くび
)
の
玉
(
たま
)
を
取
(
と
)
つて
來
(
こ
)
いといつて、
邸内
(
やしきうち
)
にある
絹
(
きぬ
)
、
綿
(
わた
)
、
錢
(
ぜに
)
のありたけを
出
(
だ
)
して
路用
(
ろよう
)
にさせました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
「
降
(
ふ
)
らなければ、
私
(
わたくし
)
一寸
(
ちよつと
)
出
(
で
)
て
来
(
き
)
やうかしら」と窓の所で立つた儘云ふ。三四郎は帰つてくれといふ意味に解釈した。
光
(
ひか
)
る
絹
(
きぬ
)
を着換たのも自分の
為
(
ため
)
ではなかつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あしたは克巳が町に帰るといふ日のひるさがりには、三人で
盥
(
たらひ
)
をかついで裏山の
絹
(
きぬ
)
池にいきました。
疣
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
それが
絹
(
きぬ
)
ハンケチを首に巻いて
二重𢌞
(
にぢゆうまはし
)
の下から
大島紬
(
おほしまつむぎ
)
の
羽織
(
はおり
)
を見せ、いやに香水を
匂
(
にほ
)
はせながら
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
古めかしい木彫の
菩薩像
(
ぼさつぞう
)
の、夢の様なエロティクに見入っていた時、うしろに、忍ばせた足音と、
幽
(
かす
)
かな
絹
(
きぬ
)
ずれの音がして、誰かが私の方へ近づいて来るのが感じられた。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
男の子はまるで
絹
(
きぬ
)
で
包
(
つつ
)
んだ
苹果
(
りんご
)
のような顔いろをしてジョバンニの見る方を見ているのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
さいくどりは、皇帝のお
寝台
(
ねだい
)
ちかく、
絹
(
きぬ
)
のふとんの上に、すわることにきまりました。この鳥に贈られて来た黄金と宝石が、のこらず、鳥のまわりにならべ立てられました。
小夜啼鳥
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
横山町の米屋——といっても、金貸の方で名高い万両分限、
越後屋佐兵衛
(
えちごやさへえ
)
の跡取り娘お
絹
(
きぬ
)
、弁天とも小町とも、いろいろの
綽名
(
あだな
)
で呼ばれる、
界隈
(
かいわい
)
切っての美人だったのです。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのとき、一ぴきのとんぼが、ここへ
飛
(
と
)
んできました。とんぼは、
広
(
ひろ
)
い
世界
(
せかい
)
へ
生
(
う
)
まれ
出
(
で
)
てから、まだ
間
(
ま
)
がありません。うすい
絹
(
きぬ
)
のように
輝
(
かがや
)
きのある
羽
(
はね
)
をひらめかしていました。
春の真昼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
はてな、やっぱり誰もいないのかしら? ……と思っていると、家の中でごく
密
(
ひそ
)
やかに袋戸棚でも
開
(
あ
)
けたような
辷
(
すべ
)
り
音
(
ね
)
がした。そして柔らかい
絹
(
きぬ
)
ずれが窓の近くへ寄ってきた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
羽織
(
はをり
)
の
袂
(
たもと
)
も
泥
(
どろ
)
に
成
(
な
)
りて
見
(
み
)
にくかりしを、
居
(
ゐ
)
あはせたる
美登利
(
みどり
)
みかねて
我
(
わ
)
が
紅
(
くれない
)
の
絹
(
きぬ
)
はんけちを
取出
(
とりいだ
)
し、これにてお
拭
(
ふ
)
きなされと
介抱
(
かいほう
)
をなしけるに、
友達
(
ともだち
)
の
中
(
なか
)
なる
嫉妬
(
やきもち
)
や
見
(
み
)
つけて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
名も
絹
(
きぬ
)
とあらためて、立派なおかみさんになって居た。夫妻
共稼
(
ともかせ
)
ぎで中々
忙
(
せわ
)
しいと云った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その頭の上でゆれている
絹
(
きぬ
)
のようなうす毛を、じっと見つめているうちに私は涙がこみあげてきた。人間の
判断
(
はんだん
)
では及びもつかないような
意志
(
いし
)
が、この奇蹟をつくりあげたのである。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
他の二人も老人らしく
似
(
に
)
つこらしい打扮だが、一人の
濃
(
こ
)
い
褐色
(
かっしょく
)
の
土耳古帽子
(
トルコぼうし
)
に黒い
絹
(
きぬ
)
の
総糸
(
ふさいと
)
が長く
垂
(
た
)
れているのはちょっと人目を
側立
(
そばだ
)
たせたし、また他の一人の
鍔無
(
つばな
)
しの平たい毛織帽子に
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
よそほひし京の子すゑて
絹
(
きぬ
)
のべて絵の具とく夜を春の雨ふる
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
お
絹
(
きぬ
)
は楽屋へはいって水色の
𧘕𧘔
(
かみしも
)
をぬいだ。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
鏽銀
(
しやうぎん
)
の
鐘
(
かね
)
よりは
一条
(
ひとすぢ
)
の
絹
(
きぬ
)
薄青
(
うすあを
)
く
下
(
さが
)
りて
光
(
ひか
)
る。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「助けて、助けて!」と
絹
(
きぬ
)
をさく
悲鳴
(
ひめい
)
!
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
絹
(
きぬ
)
の
柔軟
(
しな
)
したうすい
膜
(
かわ
)
つけて
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
慎太郎
(
しんたろう
)
がふと眼をさますと、もう窓の戸の隙間も薄白くなった二階には、姉のお
絹
(
きぬ
)
と
賢造
(
けんぞう
)
とが何か小声に話していた。彼はすぐに飛び起きた。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
白いフランネルの上着にたいそうしなやかな
麻
(
あさ
)
の服を重ね、白い
絹
(
きぬ
)
でふちを取って、美しい白の
縫箔
(
ぬいはく
)
をしたカシミアの外とうを着ていました。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
しからば
矢張
(
やはり
)
失戀
(
しつれん
)
であらう!
僕
(
ぼく
)
はお
絹
(
きぬ
)
を
自分
(
じぶん
)
の
物
(
もの
)
、
自分
(
じぶん
)
のみを
愛
(
あい
)
すべき
人
(
ひと
)
と、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
思込
(
おもひこ
)
んで
居
(
ゐ
)
たのであらう。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
これから、ここへいらっしゃるたびに、
絹
(
きぬ
)
ひもを一本ずつもってきてください。それで、はしごをあみますわ。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
怪鳥は
絹
(
きぬ
)
をさくようなさけび声をあげるし、恐竜もまただしぬけのしょうとつにびっくりしたと見え、巨体をゆすると、ざんぶりと海水の中へ身を投げた。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
服紗は
絹
(
きぬ
)
の美しい小さなもの、一方にはそまつな
大風呂敷
(
おおぶろしき
)
もあって、物を包むだけにしか使わぬが、服紗には物を包む以外のいろいろの使いみちがあった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
黒繻子
(
くろじゆす
)
の
襟
(
えり
)
のかゝつた
縞
(
しま
)
の
小袖
(
こそで
)
に、
些
(
ちつ
)
とすき
切
(
ぎ
)
れのあるばかり、
空色
(
そらいろ
)
の
絹
(
きぬ
)
のおなじ
襟
(
えり
)
のかゝつた
筒袖
(
こひぐち
)
を、
帶
(
おび
)
も
見
(
み
)
えないくらゐ
引合
(
ひきあは
)
せて、
細
(
ほつそ
)
りと
着
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
ました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると、空を流れる
雲
(
くも
)
、
絹
(
きぬ
)
のようにつややかなブナの
幹
(
みき
)
、
細
(
こま
)
かく入りくんだ枝、ブナの落ち葉をおおっているシモ、こうしたすべてのものがさっと赤くなりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
お新もすこし疲れたらしく、白足袋
穿
(
は
)
いた足なぞを投出し、顔へは薄い
絹
(
きぬ
)
※子
(
ハンケチ
)
をかけていた。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
三四郎には此
一言
(
いちげん
)
が非常に嬉しく聞えた。女は
光
(
ひか
)
る
絹
(
きぬ
)
を
着
(
き
)
てゐる。
先刻
(
さつき
)
から
大分
(
だいぶ
)
待
(
ま
)
たしたところを以て見ると、応接
間
(
ま
)
へ
出
(
で
)
る
為
(
ため
)
にわざわざ奇麗なのに着換へたのかも知れない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
カイロ
男爵
(
だんしゃく
)
だって早く
上等
(
じょうとう
)
の
絹
(
きぬ
)
のフロックを
着
(
き
)
て明るいとこへ
飛
(
と
)
びだすがいいでしょう。
イーハトーボ農学校の春
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
するとどこからともなくいい
香
(
かお
)
りが、すうすうと
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
へ
流
(
なが
)
れてきました。そして
静
(
しず
)
かな
松風
(
まつかぜ
)
の
音
(
おと
)
にまじって、さらさらと
薄
(
うす
)
い
絹
(
きぬ
)
のすれ
合
(
あ
)
うような
音
(
おと
)
が、
耳
(
みみ
)
のはたで
聞
(
き
)
こえました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
すると、なにかやわらかなものが、忍剣の
頬
(
ほお
)
をなでてははなれ、なでてははなれするので、かれはうるさそうにそれを手でつかんだ時、はじめて赤い
絹
(
きぬ
)
の
細帯
(
ほそおび
)
であったことを知った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“絹”の意味
《名詞》
(きぬ) 蚕の繭から取った繊維。
(きぬ) 絹糸で織った織物。絹織物。
(出典:Wiktionary)
“絹”の解説
絹(きぬ, en: Silk)は、カイコの繭からとった動物繊維である。カイコが体内で作り出すたんぱく質・フィブロインを主成分とするが、1個の繭から約800 - 1,200mとれるため、天然繊維の中では唯一の長繊維(フィラメント糸)である。独特の光沢と滑らかな質感を持ち、古来、衣類の材料(絹織物)などとして珍重されてきた。
(出典:Wikipedia)
絹
常用漢字
小6
部首:⽷
13画
“絹”を含む語句
絹布
絹帽
素絹
絹物
紅絹
甲斐絹
白絹
生絹
絹糸
絹縮
絵絹
絹紬
絹手巾
絹帽子
画絹
絹地
薄絹
鼠甲斐絹
絹紐
絹漉
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