“絹物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きぬもの42.9%
おかいこ14.3%
かいこ14.3%
やわらかもの14.3%
シルク14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の考えでは、村で養蚕ようさんができるなら、百姓はその糸をつむいで仕事着にも絹物きぬものの着物を着て行けばいい。何も町の商人から木綿もめん田舎縞いなかじまや帯を買う必要がない。
が、秘密がわかるのと悪計が胸に浮ぶのとはほとんど同時だった。これだけの店の大旦那と立てられて、絹物おかいこぐるみで遊んでくらせる生涯が、走馬燈のように彼の眼前を横ぎった。
あんな縹緻きりょうのいい娘を持ってサ、おれならお絹物かいこぐるみの左団扇ひだりうちわ、なア、気楽に世を渡る算段をするのに、なんぼ男がよくっても、ああして働きのねえ若造にお艶坊をあずけて
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
枕頭まくらもと行燈あんどんの影で、ええ、そのおんなが、二階廻しの手にも投遣なげやらないで、寝巻に着換えましたてまえ結城木綿ゆうきもめんか何か、ごつごつしたのを、絹物やわらかもののように優しく扱って、袖畳そでだたみにしていたのでございます。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どんな絹物シルクでも、この味は出まいと思われるほど、ピッタリと、はち切れそうな身体の線に合って、それがむき出しの肩と、胸についているシイクな桃色のレースの飾りに調和し
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)