“かいこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カイコ
語句割合
55.2%
掻込17.7%
解雇5.2%
蚕児5.2%
回顧4.2%
養蚕3.1%
飼蚕2.1%
飼蠶2.1%
懐古1.0%
1.0%
絹布1.0%
絹物1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
羊の御厄介になったり、かいこの御世話になったり、綿畠の御情おなさけさえ受けるに至っては贅沢ぜいたくは無能の結果だと断言しても好いくらいだ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
若者の一人いちにんは猟銃を携えていた。ある者は棒を持っていた。ある者は竹槍を掻込かいこんでいた。巡査はけんつかを握って立った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
が、そのうち中村は、何でも工場の機械か何かを盗み売ったとかいうので、会社から解雇かいこされた。
彼らは蚕児かいこの家を奪いぬ汝ら彼らの家を奪えや、彼らは蚕児の知恵を笑いぬ汝ら彼らの知恵を讃せよ、すべて彼らの巧みとおもえる知恵を讃せよ、大とおもえるこころを讃せよ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
大きなひろい意味の言葉を用うるときはしばしばみずかあざむくことがある。わが輩はとくに職業を選定せんとする青年に自己の動機を回顧かいこせんことをすすむ。先人の言にいわ
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
養蚕かいこから、養鶏にわとりから何から何まで、今の後家さんのお八代さんが、たった一人で算盤そろばんはじかっしゃるので、身代しんだいは太るばかり……何十万か、何百万かわからぬと申しますが、えらいもので御座います。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
村では、飼蚕かいこの取り込みの中で菖蒲しょうぶの節句を迎え、一年に一度のちまきなぞを祝ったばかりのころであった。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
赤岩村のわびしい郷士、くわを片手に、飼蠶かいこと共に起臥おきふししている土侍じゃが、おもとたちの御先祖様はといえば、足利あしかがの世の頃まで、今も昔のままに居るこの辺り一帯をとりでとして
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「甲賀……」じっと見つめている虚無僧の胸に、懐古かいこの念が清水のようにいてきた。「甲賀といえば、甲賀組の発祥地はっしょうち、いうまでもなくお千絵殿の祖先のさとじゃ……」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちゃん!」庄太郎が、にやにやして、「いいものが手に入ったぜ。さあ、これからおいらの家は、金持ちになる。おいらなんか、おかいこぐるみで、あっはっはっは——。」
梶棒とつては、気が利ねど、てうと半との、賽の目の、運が向いたら、一夜の隙に、お絹布かいこ着せて、奥様に、劣らぬ生活くらしさせてみる。えお園さん、どうしたもの。沈黙だまつてゐるは死にたいか。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
あんな縹緻きりょうのいい娘を持ってサ、おれならお絹物かいこぐるみの左団扇ひだりうちわ、なア、気楽に世を渡る算段をするのに、なんぼ男がよくっても、ああして働きのねえ若造にお艶坊をあずけて
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あたまかいこができ、二つの目に稻種いねだねができ、二つの耳にアワができ、鼻にアズキができ、またあいだにムギができ、尻にマメが出來ました。カムムスビの命が、これをお取りになつて種となさいました。