“かきこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
掻込83.3%
書越16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この村の何某なにがし、秋の末つ方、夕暮の事なるが、落葉を拾いに裏山に上り、岨道そばみち俯向うつむいて掻込かきこみいると、フト目の前に太くおおいなる脚、向脛むこうずねのあたりスクスクと毛の生えたるが、ぬいとあり。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夕飯の時に母から「お前はもう大きくなったからお松は今年きりで今日家へ帰ったのだよ、正月には年頭に早く来るからね」と云われて自分は平気な風に汁掛飯を音立てて掻込かきこんでいたそうである。
守の家 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
わたしの家から移植うつしうえた秋海棠の花西瓜の色に咲きたる由書越かきこされた手紙の文言を思出してはなお更我慢がならず耳門くぐりの戸に手をかけるとすらすらと明いたのみならず、内にはいればこれはいかに
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)