“かひこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
47.1%
29.4%
卵子5.9%
5.9%
蚕児5.9%
飼蚕5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その白いほつそりとした指先が、中の灯の明りを受けて、どうかすると、上簇じやうぞく中のかひこのやうにほの紅く桜色に透き通つて見えた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
処が丁度この玉が七つになつた年の春の事で御座いました、何処どこから飛んで来たものか一匹のかひこの蛾が這入はひつて来ましてあばの隅の柱にとまつて卵を沢山に生み付けてきました。
金銀の衣裳 (新字旧仮名) / 夢野久作(著)
かきあつめむすぶうきの。風吹けば風にゆられ。波立てば波にゆられて。しまらくも安からなくに。そこにして卵子かひこは生りぬ。あはれその栖を。
長塚節歌集:1 上 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大后の幸でませる故は、奴理能美がへる蟲、一度はふ蟲になり、一度はかひこになり、一度は飛ぶ鳥になりて、三くさかはあやしき蟲二七あり。
彼等が胆に針を与へて秘密の痛みに堪ざらしめよ、彼等が眼前めさきに彼等が生したる多数おほくの奢侈の子孫を殺して、玩物の念を嗟歎の灰の河に埋めよ、彼等は蚕児かひこの家を奪ひぬ汝等彼等の家を奪へや
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
さみだれや飼蚕かひこわづらふ桑の畑
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)