かひこ)” の例文
新字:
主人しゆじん細君さいくん説明せつめいによると、この織屋おりやんでゐるむら燒石やけいしばかりで、こめあはれないから、やむくはゑてかひこふんださうであるが、餘程よほどまづしいところえて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
処が丁度この玉が七つになつた年の春の事で御座いました、何処どこから飛んで来たものか一匹のかひこの蛾が這入はひつて来ましてあばの隅の柱にとまつて卵を沢山に生み付けてきました。
金銀の衣裳 (新字旧仮名) / 夢野久作(著)
大自然だいしぜんの、悠然いうぜんとして、つちみづあたらしくきよ目覺めざむるにたいして、欠伸あくびをし、はならし、ひげき、よだれつて、うよ/\とたなかひこうごめづる有状ありさまは、わる見窄みすぼらしいものであるが
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
付け置かるゝとぞ同じ虫でもかひこの如く人に益し國をとますあればく樹を枯して損を與たふるものありに世はさま/″\なりと獨り歎じて前面むかふを見れば徃來は道惡き爲めに避けてか車の行くを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
かひこかと、人は皆かうべもたげぬ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
かひこみなお玉の母親の心に感じたものか眼もまばゆい金銀の糸を吐いて大きな繭を家中うちぢうにかけてりましたから今まで真暗まつくらなみじめなお玉のいへの中はまるで王様のお住居すまゐの様に光り輝いてりました。
金銀の衣裳 (新字旧仮名) / 夢野久作(著)