“いが”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イガ
語句割合
50.4%
21.4%
伊賀14.5%
1.7%
毬彙1.7%
渭河0.9%
不正0.9%
0.9%
栗毬0.9%
0.9%
0.9%
毛毬0.9%
毬殻0.9%
0.9%
爭論0.9%
鋳替0.9%
0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このネオン横丁で、毎日のようにいがみ合っているのは、うちの人と女坂の旦那なんです。いつだかも、脅迫状なんかよこしましてね
ネオン横丁殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
子ガニに加勢をしたのは、臼と、トチの実と、ベゴウシの糞と、クリのいがであった。それらがサルの家にいって待伏せしていた。
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)
この菊池半助も、前身は伊賀いが野武士のぶしであったが、わけあって徳川家とくがわけに見いだされ、いまでは忍術組にんじゅつぐみ組頭くみがしらをつとめている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中腰になつてお夏を睨めた繁は、何と思つたか、犬に襲はれた猫のする様に、唇を尖らして一声『フウー』といがんだ。多分平生自分の家として居る場所を、他人に占領された憤怒を洩したのであらう。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
栗の毬彙いががはじけて、樺色の実が路の上に落ちている処もありました。
死人の手 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
観主かんず観主かんず院司いんじもおらんか。勅使は早や渭河いがの河口へお着きになるぞ。なぜ出迎えん。一山の用意はとどこおりなかろうな」——と。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
渭河いがのお船には、李俊、張順の二名に、手下三百名をつけて、お帰りの日まで、守らせておいてありますから」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そんな不正いがんだ金は番頭さんが取上げるさかい、キリキリここへ出せ出せ。
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
苧だまきを栗のたれはないがむすび日はへぬれども止まぬ雨かも
長塚節歌集:1 上 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
塩原へ行く道を通っただけの記憶でも、那須は栗の沢山あるところだと思いました。小さな、一尺二、三寸の木のたけで、ほんの芽えなのに青い栗毬いがをつけていたことを思い出します。
平塚明子(らいてう) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
それはすきに寄りかかる癖があるからで、それでまた左の肩を別段にそびやかして歩み、体格が総じていがんで見える。ひざのあたりを格別にひろげるのは、刈り入れの時、体躯からだのすわる身がまえの癖である。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
栗のいがが又、大きく口をく頃に成りますと、毎朝私達は裏の方へ馳附かけつけて行つたものです。そして風に落された栗を拾はうとして、樹の下を探し𢌞つたものです。
彼はまた毛毬いがのない栗の新種をも生み出すことに成功したが、それも小鳥のために食べられがちなので、たうとうその仕事を思ひ止まらなければならなくなつたといふことだ。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
この山の名を知ったのは小学校の何級であったか忘れたが、何でも暗射地図で甲州の北境に栗の毬殻いがに似た大きな山の符号があって、それが金峰山だと教えられたのが最初である。
金峰山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
なに矢張やツぱりみち同一おんなじいたにもたのにもかはりはない、旧道きうだう此方こちら相違さうゐはないから心遣こゝろやりにもなんにもならず、もとよりれツきとした図面づめんといふて、ゑがいてあるみちたゞくりいがうへあかすぢ引張ひつぱつてあるばかり。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
復活祭前イースターまへ新調胴衣したておろしたとうて、ある裁縫師したてやつかひ、あたらしいくつふるひもけをったとうて、誰某たれやらとも爭論いがうた。それでゐておれ鬪爭けんくわをすまいぞと異見いけんめいたことを被言おしゃるのか?
「八年まえ、庚辰年かのえたつどしの九月三日のことでした、ええ」と与平は語った、「その年の六月に新しく銀が鋳替いがえになって、銭相場の上り下りがひどく、私の店などもかなり大きな損をしたものですが、 ...
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
顔をればいがみ合う事にしていた母子ゆえ、折合が付いてみれば、はなしも無く、文三の影口も今は道尽いいつくす、——家内が何時いつからと無く湿ッて来た。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)