“まり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マリ
語句割合
47.5%
40.9%
2.5%
1.4%
1.4%
1.4%
1.1%
摩利0.7%
ゴム0.4%
0.4%
満里0.4%
球形0.4%
0.4%
茉利0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鞍上あんじょうひとなく、鞍下あんかに馬なく、青葉ゆらぐ台町馬場の芝草燃ゆる大馬場を、投げ出された黒白取り取りのまりのように駈け出しました。
その姿ぜんたいが、こちらの眼にはほとんど十倍の大きさにみえ、思わず眼をつむりながら(夢中で)地面の上をまりのように転げた。
日日平安 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そうして雑草を踏みしだいて駈け廻ったり、ゴムまりをはるばると投げ上げたりする輝かしい遊びからも彼はすっかり遠ざかってしまった。
青草 (新字新仮名) / 十一谷義三郎(著)
茶を煮て、檜折ひおりのうえに、伏兎餅ふともちまりとをのせて奥へ運んでゆくと
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この言葉を聞くなり、山本医師の身体はゴムまりのように椅子いすから跳ね上がった。そうして、何か言おうとしてもただ唇だけが波打つだけで、言葉はのどの奥につかえで出てこなかった。
愚人の毒 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
芝生の上へ広く四隅に人を配置して、一人がまりを投げると、それを一人が棒で受け飛ばしたり、手で受けとめたりして、その度毎に一種異様な声を張り上げて
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これやこのナイルの河のならはしか我に尻向け河馬はまりする
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
さては邪見な七蔵しちぞうめ、何事したるかと彼此あちこちさがして大きなるふしの抜けたる所よりのぞけば、鬼か、悪魔か、言語同断、当世の摩利まり夫人とさえこの珠運が尊く思いし女を、取って抑えて何者の仕業ぞ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
よく見るとそれは怪球の表面がゴムまり毯のようにすべすべしていないで、まるでうろこかさねたように、小さい鉄片らしいものにおおわれ、それが息をするようにピクピク動くと
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あはれよと見ればまりしぬ
一点鐘 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
「隠居さんが蒙世もうぜっていう俳号を持ってるが、あれはモーゼのことさ、死んだ女隠居はこのうちへ来てから満里まりと名を変えたそうだが、これは紛れもなくマリアさ」
おごそかな渇き (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
白くくびれてるふしぎな球形まり幻像いめいぢよ。
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
それでこれから里に下って、永く一村の鎮守としてまりられようと思う。急いでわれを負うて山を降りて行け、そうして必ず後を見返ってはならぬといわれました。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「では、波斯匿王はしのくおうきさいの宮であった、茉利まり夫人の事でも申すと見える。」
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ここにその隼人に詔りたまはく、「今日大臣とおやうきの酒を飮まむとす」と詔りたまひて、共に飮む時に、おもを隱す大まり一七にそのたてまつれる酒を盛りき。ここに王子みこまづ飮みたまひて、隼人後に飮む。
とたんに女の体がまりのように躍って、右手が男の頬をはっしと打った。異様な火のひらめきに刺戟され、その夜の就寝前、女の激しい妬情が、発作的によみがえったのである。男の眼は光った。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)