解雇かいこ)” の例文
ごらんなさい。今月はちょうど六万四千七百六十九匹の職工が解雇かいこされましたから、それだけ肉の値段も下がったわけですよ。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
が、そのうち中村は、何でも工場の機械か何かを盗み売ったとかいうので、会社から解雇かいこされた。
世間に対しては、とつぜんヤリウス様がこの土地を去られたことを告げ、雇人やといにんも全部解雇かいこし一人のこらずこの土地にとどまることを許さなかった。そのために私は相当な金を使った。
時計屋敷の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
去年は月に十日ずつきまった作男を入れたが、美的百姓と真物ほんものの百姓とはりが合わぬ所から半歳足らずで解雇かいこしてしまい、時々近所の人を傭ったり、毎日仕事に来る片眼のおかみを使って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
解雇かいこされた奴等の脅迫よりは、桝本職工長の眼玉がこわいさ
従ってまた職工の解雇かいこされるのも四五万匹を下らないそうです。そのくせまだこの国では毎朝新聞を読んでいても、一度も罷業ひぎょうという字に出会いません。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)