“菩薩像”の読み方と例文
読み方割合
ぼさつぞう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしながら、此のうら若い少女の細っそりとしたすがたをなすっていられる菩薩像ぼさつぞうは、おもえば、ずいぶん数奇すきなる運命をもたれたもうたものだ。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
考えることも、読むことも、書くことも、全く不可能であった。薄暗い部屋の隅に立っている、木彫りの菩薩像ぼさつぞうさえが、ややともすれば、悩ましい聯想れんそうたねとなった。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
荒田老は、平木中佐の所論の絶対の肯定者こうていしゃとして、怪奇かいき魔像まぞうのように動かなかったし、大河無門は、その絶対の否定者として、清澄せいちょう菩薩像ぼさつぞうのように動かなかったのである。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)