)” の例文
少年しょうねんは、いつものように、せいいっぱいのこえしてうたったのです。やがて、うたいわると、それをっていたように、はたから
街の幸福 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、袖子そでこはまだようや高等小学こうとうしょうがくの一学年がくねんわるかわらないぐらいの年頃としごろであった。彼女かのじょとてもなにかなしにはいられなかった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
けれども、三つの段々のある土地の話は、これですっかりわったわけではありません。もう一つ言っておきたいことがあります。
あの母子おやこやいばから、どうしたはずみかで逃げおせたことは確実と見ていい。沢庵はこころのうちで、先刻さっきから大きな欣びを胸へ拾っていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早くそれをやしてしまって、別にまた小遣銭をかせぎため、そして自分を待っているあの錦紗を買いに……と思うともう胸が弾み出していた。
錦紗 (新字新仮名) / 犬田卯(著)
奉修の事へて帰るさ、行脚あんぎゃついでに此のあたりに立ちまはり給ひしが、此の仔細を聞き及ばれて不憫ふびんの事とやおぼされけむ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
信濃国しなののくに八ヶ岳、立科山たてしなやまとの谿合たにあいに、尼僧寺院があると聞き、訪ねて行ったのもそのためだ。隠れわそうためだった
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
日は永くても、仕事はえない。夜はみじかくてもおち/\眠ることが出来ぬ。何処どこの娘も赤い眼をして居る。何処のかみさんも、半病人はんびょうにんあおい顔をして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
臨終の席につらなった縁者の人々は、見るに見兼みかねて力一杯に押えようとするけれど、なかなか手にえなかった。そして鐘のしずむと共に病人の脈も絶えた。
白い光と上野の鐘 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
そうしないと始末にえないから、やむをえず外圧的に皆さんを圧迫しているのである。これも一種の約束で、そうしないと教育上に困難であるからである。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あァ秋蚕がえると帰ってくるつもり。こりゃまァ話ばかりしててもどもなんね。お前まァ着物でもいだいよ。お……婆やも帰った、うちでも帰ったようだ」
紅黄録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
活人画中の一人になぞらえるにしても、柚子なら、もっと立派にやりわすだろう、美しさも優しさも段ちがいだと、池田の胸にムラムラと口惜しさがこみあげてきた。
春雪 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
掃除そうじわって、いよいよだい二十かい常会じょうかいひらこうとしていると、きこりのようなおとこひとが、かおながい、みみおおきいじいさんを乳母車うばぐるまにのせて、尼寺あまでら境内けいだいにはいってた。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
不味まずそうに取揃とりそろえられた昼食ひるめしえると、かれ両手りょうてむねんでかんがえながら室内しつないあるはじめる。そのうちに四る。五る、なおかれかんがえながらあるいている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
殊に蚊は大きい方はまだ始末がええが、小さい方と来たらいよいよ始末にえないものである。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
しかし、実質的には一層始末にえないものになるかも知れん。実は、学校として、そのことで、これまで五年生に強圧を加えなかったのも、そうなるのを恐れたからなんだ。
次郎物語:03 第三部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それよりまた何年なんねんちましたか、わたくし統一とういつ修行しゅぎょうえて、戸外おもてて、四辺あたり景色けしきながめてりますと、わたくし守護霊しゅごれい……このとき指導役しどうやくのおじいさんでなく、わたくし守護霊しゅごれいから
だからおまえの実験じっけんは、このきれぎれの考えのはじめからわりすべてにわたるようでなければいけない。それがむずかしいことなのだ。けれども、もちろんそのときだけのでもいいのだ。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
社会の表面に活動せざる無業むぎょうの人、または公人こうじんとしての義務をへて隠退せる老人等の生活に興味を移さんとす。墻壁しょうへきによりて車馬往来の街路と隔離したる庭園の花鳥かちょうを見て憂苦の情を忘れんとす。
矢立のちび筆 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「いけないいけない、ず君の説をえ給え!」
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「もう、ちっとがまんをおし、じきわりますからね。そうしたら、はいって、ごはんのしたくをします。」と、母親ははおやは、こたえました。
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、そのことばのわらないうちに、もうここにはいられないぞ、とさとったニールスは、ポンとゆかの上にとびおりるが早いか、いちもくさんにかけだしました。
その三日目は私の課業がひるえる楽な日であった。私は先生に向かってこういった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二人ふたり旅行りょこうえてかえってたのは十一がつまちにはもう深雪みゆき真白まっしろつもっていた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あだかも袖子そでこ子供こども最早もはやわりをげたかのように——いつまでもそうとうさんの人形娘にんぎょうむすめではいないような、あるけたが、とうとうとうさんのまえへやってたかのように。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私はそれが更に山本氏のお作、「窓」までも一気に読みえました。
所感 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
所詮は、逃げわせられぬものと、観念したらしいのである。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
本日ほんじつ常会じょうかい、これでわりッ。」
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「このつぎから、教室きょうしつへこんなものをってはいったらゆるさないぞ。」と、時間じかんわったときに、先生せんせいは、小山こやまにおっしゃいました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
見ているほかの動物たちは、このダンスがわったときには、ほっとしました。
はなわったとき、子供こどもらは、そのしてから、これをふくろなかれて、そのうえに「アネモネ」といて、しまっておきました。
花と人の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おまえさんは、わたしのうちへきませんか。」と、おじょうさまは、おどりがえると、むすめにあってはなされました。むすめはおじょうさまにかって
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これで、とにかく、ひとまず事件じけんわってしまったので、六年生ねんせい二人ふたりも、あちらへろうとしました。すると、突然とつぜん青木あおき
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
仕事しごとをしているあいだは、いぬのことをわすれていましたが、その仕事しごとわってかえみちにさしかかると、あさいぬのことが、おもされて
犬と古洋傘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こういいわると、ヒ、ヒン! という軍馬ぐんばのいななきごえがしました。つづいて、ブーン、ブーンと、飛行機ひこうきのようなうなりおとがします。
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
わると、兵隊へいたいさんたちは、をパチパチとたたいてくれました。拍手はくしゅはそのへやからばかりでなく、へやのそとほうからもこったのです。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まん正直しょうじきな、うらおもてのない人間にんげんとして、むら人々ひとびとからあいされていました。小学校しょうがっこうえると、じきに役場やくば小使こづかいとしてやとわれました。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、晩方ばんがたになると、それらのからすは、一にちはたらきをえて、きれいなれつつくり、ひがしから、西にしへとかえっていくのでした。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのうちに、うえのほうの子供こどもたちは、六ねん修業しゅぎょうえて、学校がっこうからてゆきました。そして、また、おさな子供こどもたちが、あたらしくはいってきました。
学校の桜の木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふゆわりごろから、はるのはじめにかけては、よく雨風あめかぜのつづくことがあります。こうしてやまゆきけるのでした。
翼の破れたからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、父親ちちおやが、うたいわったときに、あちらからも、こちらからも、おあし二人ふたりまえちたのであります。義坊よしぼうひろうのに夢中むちゅうでありました。
青い草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
勇蔵ゆうぞうは、品物しなもの配達はいたつわると、かるくなったリヤカーをさらにいきおいよくはしらせて、まちり、はらっぱへとました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
まだ、みずうみうえ鉛色なまりいろけきらぬ、さむあさかれは、ついに首垂うなだれたまま自然しぜんとの闘争とうそうの一しょうわることになりました。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
戦争せんそうわるころは、品物しなもの不足ふそくしていて、だれでも、すばしっこく、ひとのほしがるしなうごかしたものは、あそんでいても、おおもうけができたのだ。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
修行しゅぎょうわってかえったら、そのときは、みなさんのために、ちからいっぱいはたらきます……と、彼女かのじょは、こころちかったのでした。
汽車は走る (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれど、このみなといて、この父親ちちおやっている、ふね航海こうかいわるのでありません。さらに、いくつかのみなとらなければならなかったのでした。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
絵紙えがみはなかったけれど、はなし上手じょうずで、がしてみんなは感心かんしんしてきいていました。おはなしわると、おじさんは、あめをけてくれました。
夏の晩方あった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
としちゃんは、はやくおうちかえって、おかあさんのおかおたいとおもいました。学校がっこうわると、いそいでおうちかえりました。
さびしいお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、旅人たびびとは、ちいさなくにけて、そのくに兵士へいしはみなごろしになって、戦争せんそうわったということをげました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
「キャラメルなら、ほしくないや。」と、真坊しんぼうは、にやりとわらいました。そして、体操たいそうわって、かえるときです。どこからてきたか和尚おしょうさまが
真坊と和尚さま (新字新仮名) / 小川未明(著)