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築
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きづ
ふりがな文庫
“
築
(
きづ
)” の例文
その日東海坊は火伏せの行を
修
(
しゆう
)
して、火事早い江戸の町人を救ふと觸れさせ、人家に遠い道灌山を選んで、火行の
壇
(
だん
)
を
築
(
きづ
)
かせました。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
道に沿ふて高い石垣を
築
(
きづ
)
き、其の上へ城のやうに白壁の塀を
𢌞
(
めぐ
)
らした家もあつた。
邸風
(
やしきふう
)
の
忍返
(
しのびがへ
)
しが
棘々
(
とげ/\
)
と
長屋門
(
ながやもん
)
の横に突き出てゐた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
其に、どれも此も、此頃急にはやり出した
築土垣
(
つきひぢがき
)
を
築
(
きづ
)
きまはしまして。何となく、以前とはすつかり変つた処に参つた気が致します。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
つまり
河流
(
かりゆう
)
と
上汐
(
あげしほ
)
とが
河口
(
かこう
)
で
暫時
(
ざんじ
)
戰
(
たゝか
)
つて、
遂
(
つひ
)
に
上汐
(
あげしほ
)
が
勝
(
かち
)
を
占
(
し
)
め、
海水
(
かいすい
)
の
壁
(
かべ
)
を
築
(
きづ
)
きながらそれが
上流
(
じようりゆう
)
に
向
(
むか
)
つて
勢
(
いきほひ
)
よく
進行
(
しんこう
)
するのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
關館と
大木
(
おほき
)
と兩方から土手を
築
(
きづ
)
き出して、まん中に橋を
架
(
か
)
けた處まで來ると、馬の
肌
(
はだ
)
よりも黒い若い衆が一人裸で
馬
(
うま
)
を洗つてゐた。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
▼ もっと見る
第十代
(
だいじゆうだい
)
崇神天皇
(
すじんてんのう
)
と、
次
(
つ
)
ぎの
垂仁天皇
(
すいにんてんのう
)
の
頃
(
ころ
)
から、
前
(
まへ
)
が
角
(
かく
)
で
後
(
うしろ
)
の
圓
(
まる
)
い
前方後圓
(
ぜんぽうこうえん
)
の
立派
(
りつぱ
)
な
車塚
(
くるまづか
)
が、
築
(
きづ
)
かれるようになつたことは
疑
(
うたが
)
ひありません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
金銀
(
きんぎん
)
珠玉
(
しゆぎよく
)
巧
(
たくみ
)
を
極
(
きは
)
め、
喬木
(
けうぼく
)
高樓
(
かうろう
)
は
家々
(
かゝ
)
に
築
(
きづ
)
き、
花林曲池
(
くわりんきよくち
)
は
戸々
(
こゝ
)
に
穿
(
うが
)
つ。さるほどに
桃李
(
たうり
)
夏
(
なつ
)
緑
(
みどり
)
にして
竹柏
(
ちくはく
)
冬
(
ふゆ
)
青
(
あを
)
く、
霧
(
きり
)
芳
(
かんば
)
しく
風
(
かぜ
)
薫
(
かを
)
る。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其子
(
そのこ
)
曰
(
いは
)
く、「
築
(
きづ
)
かずんば
且
(
まさ
)
に
盜
(
たう
)
有
(
あ
)
らんとす」と。
其
(
その
)
鄰人
(
りんじん
)
の
父
(
ちち
)
も
亦
(
また
)
云
(
い
)
ふ。
暮
(
くれ
)
にして
果
(
はた
)
して
大
(
おほい
)
に
其財
(
そのざい
)
を
亡
(
うしな
)
ふ。
其家
(
そのいへ
)
甚
(
はなは
)
だ
其
(
そ
)
の
子
(
こ
)
を
(一〇一)
知
(
ち
)
として、
鄰人
(
りんじん
)
の
父
(
ちち
)
を
疑
(
うたが
)
へり。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
コレハ/\よく作られたと
賞揚
(
しやうやう
)
一
番
(
ばん
)
、その
後
(
あと
)
で
新詩
(
しんし
)
を
一律
(
いちりつ
)
また
贈
(
おく
)
られては、
再
(
ふたゝ
)
び胸に山を
築
(
きづ
)
く、こゝは
大
(
おほき
)
に
考
(
かんが
)
へもの、
面
(
まのあた
)
り
捧
(
さゝ
)
げずに遠く
紙上
(
しじやう
)
で
吹聴
(
ふいちやう
)
せば、先生
髯
(
ひげ
)
を
握
(
にぎ
)
りながら
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
工事
(
こうじ
)
の
場所
(
ばしよ
)
は
霞
(
かすみ
)
ヶ
浦
(
うら
)
に
近
(
ちか
)
い
低地
(
ていち
)
で、
洪水
(
こうずゐ
)
が一
旦
(
たん
)
岸
(
きし
)
の
草
(
くさ
)
を
沒
(
ぼつ
)
すと
湖水
(
こすゐ
)
は
擴大
(
くわくだい
)
して
川
(
かは
)
と
一
(
ひと
)
つに
只
(
たゞ
)
白々
(
しら/″\
)
と
氾濫
(
はんらん
)
するのを、
人工
(
じんこう
)
で
築
(
きづ
)
かれた
堤防
(
ていばう
)
が
僅
(
わづか
)
に
湖水
(
こすゐ
)
と
川
(
かは
)
とを
區別
(
くべつ
)
するあたりである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
こは車の大道を去るべき知らせなり。我は道の傍に
築
(
きづ
)
きたる壇に上りぬ。脚下には人の頭波立てり。今やコルソオの競馬始らんとするなれば、兵士は人を
攘
(
はら
)
はんことに力を
竭
(
つく
)
せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
高塚
(
たかつか
)
よりも
横穴
(
よこあな
)
の
方
(
はう
)
が、
時代
(
じだい
)
に
於
(
おい
)
て
若
(
わか
)
いと
考
(
かんが
)
へられ
居
(
を
)
るので、
高塚
(
たかつか
)
は
高塚
(
たかつか
)
で
或時代
(
あるじだい
)
に
築
(
きづ
)
かれ、
横穴
(
よこあな
)
は
横穴
(
よこあな
)
で
其後
(
そののち
)
に
造
(
つく
)
られると、
斯
(
か
)
う
大概
(
たいがい
)
考
(
かんが
)
へられて
居
(
ゐ
)
たのであるが、それを
坪井博士
(
つぼゐはかせ
)
は
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
二つの死骸は美吉屋夫婦と共に
高原溜
(
たかはらたまり
)
へ送られた。道筋には見物人の山を
築
(
きづ
)
いた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
幕府
砲臺
(
はうだい
)
を神奈川に
築
(
きづ
)
き、外人の來り觀るを許さず、木戸公
役徒
(
えきと
)
に雜り、自ら
畚
(
ふご
)
を
荷
(
にな
)
うて之を觀る。茶店の
老嫗
(
らうをう
)
あり、公の常人に非ざるを知り、善く之を遇す。公志を得るに及んで、厚く之に報ゆ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
おう、
国境
(
こくきやう
)
を
越
(
こ
)
えて
腕
(
うで
)
を
結
(
むす
)
び×
(24)
の
防塞
(
ぼうさい
)
を
築
(
きづ
)
くその
日
(
ひ
)
はいつ。
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
幾萬年人
生
(
あ
)
れ繼ぎて
築
(
きづ
)
きてしバベルの塔の崩れむ日はも
和歌でない歌
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
きし
方
(
かた
)
の
悔
(
くい
)
をもて
築
(
きづ
)
きたる此
小舍
(
こや
)
は
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
ひと
夜
(
よ
)
さに
嵐
(
あらし
)
来
(
きた
)
りて
築
(
きづ
)
きたる
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
折角
築
(
きづ
)
き上げた大身代を、
甥
(
をひ
)
や養女や、赤の他人に、
熊鷹
(
くまたか
)
に
餌
(
ゑさ
)
を
奪
(
うば
)
はれるやうに滅茶々々にされて了ふのが心外でたまらなかつたのです。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
世間の氏々の上は大方もう、
石城
(
しき
)
など
築
(
きづ
)
き
廻
(
まは
)
して、大門小門を繋ぐと謂つた要害と、装飾とに興味を失ひかけて居るのに、何とした自分だ。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
それには
遠方
(
えんぽう
)
より
土
(
つち
)
を
次第
(
しだい
)
につんで
傾斜
(
けいしや
)
した
坂道
(
さかみち
)
を
築
(
きづ
)
き
上
(
あ
)
げ、それへ
石
(
いし
)
を
押
(
お
)
し
上
(
あ
)
げてこれを
縱
(
たて
)
に
落
(
おと
)
し
立
(
た
)
て、それからその
上
(
うへ
)
に
横石
(
よこいし
)
を
載
(
の
)
せたもので
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
廊下
(
らうか
)
を
二曲
(
ふたまが
)
り、
又
(
また
)
半
(
なか
)
ばにして、
椽続
(
えんつゞ
)
きの
広間
(
ひろま
)
に、
線香
(
せんかう
)
の
煙
(
けむり
)
の
中
(
なか
)
に、
白
(
しろ
)
い
壇
(
だん
)
が
高
(
たか
)
く
築
(
きづ
)
かれて
居
(
ゐ
)
た。
袖
(
そで
)
と
袖
(
そで
)
と
重
(
かさ
)
ねたのは、
二側
(
ふたかは
)
に
居余
(
ゐあま
)
る、いづれも
声
(
こゑ
)
なき
紳士
(
しんし
)
淑女
(
しゆくぢよ
)
であつた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
屋敷
(
やしき
)
が
兩方
(
りやうはう
)
に
跨
(
また
)
がつて
居
(
ゐ
)
るといふ
柄
(
がら
)
ではない。
汗
(
あせ
)
だらけの
浴衣掛
(
ゆかたが
)
けである。が、
實際
(
じつさい
)
余
(
よ
)
は
此時
(
このとき
)
、四十一
番地
(
ばんち
)
に
住
(
じう
)
し、
角力
(
すまふ
)
の
土俵
(
どへう
)
を
築
(
きづ
)
いたので、四十
番地
(
ばんち
)
をも
借
(
か
)
りて
居
(
ゐ
)
たのだ。
大分
(
だいぶ
)
茶番氣
(
ちやばんげ
)
がさして
來
(
き
)
た。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
青石
(
あをいし
)
築
(
きづ
)
く墓ならで
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
小石川水道端に、質屋渡世で二萬兩の大身代を
築
(
きづ
)
き上げた田代屋又左衞門、年は取つて居るが、昔は二本差だつたさうで恐ろしいきかん氣。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
吹雪
(
ふゞき
)
の
中
(
なか
)
の、
雪道
(
ゆきみち
)
に、
白
(
しろ
)
く
續
(
つゞ
)
いた
其
(
そ
)
の
宮
(
みや
)
を、さながら
峰
(
みね
)
に
築
(
きづ
)
いたやうに、
高
(
たか
)
く
朦朧
(
もうろう
)
と
仰
(
あふ
)
ぎました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
また
日本
(
につぽん
)
は
島國
(
しまぐに
)
であつて、
外國人
(
がいこくじん
)
から
攻
(
せ
)
められるといふ
心配
(
しんぱい
)
もありませんでしたから、
城
(
しろ
)
を
築
(
きづ
)
く
必要
(
ひつよう
)
も
少
(
すくな
)
くなかつたので、さうした
種類
(
しゆるい
)
の
遺蹟
(
いせき
)
もたくさんはありません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
山谷から
三輪
(
みのわ
)
に通ずる八丁の土手は、諸大名に命じて
築
(
きづ
)
かせた荒川の水
除
(
よ
)
けで、これを日本堤と言つたのには、いろ/\の江戸人らしい傳説や附會があります。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
敦賀
(
つるが
)
で
悚毛
(
おぞけ
)
の
立
(
た
)
つほど
煩
(
わづら
)
はしいのは
宿引
(
やどひき
)
の
悪弊
(
あくへい
)
で、
其日
(
そのひ
)
も
期
(
き
)
したる
如
(
ごと
)
く、
汽車
(
きしや
)
を
下
(
お
)
りると
停車場
(
ステーシヨン
)
の
出口
(
でぐち
)
から
町端
(
まちはな
)
へかけて
招
(
まね
)
きの
提灯
(
ちやうちん
)
、
印傘
(
しるしかさ
)
の
堤
(
つゝみ
)
を
築
(
きづ
)
き、
潜抜
(
くゞりぬ
)
ける
隙
(
すき
)
もあらなく
旅人
(
たびびと
)
を
取囲
(
とりかこ
)
んで
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
斯う平次に疊み込んで來られると、折角ガラツ八の
築
(
きづ
)
き上げた疑ひが、
甚
(
はなは
)
だ怪しいものになります。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
唸
(
うな
)
りました。いろ/\な證據を
築
(
きづ
)
き上げて、次第に曲者の外形が
纒
(
まと
)
まつて來る樣子です。
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
新城を
築
(
きづ
)
くことは嚴禁同樣、修復、改造にも、恐ろしく神經を尖らせ、程度次第では、繪圖面を引いて公儀の許しを受けなければ、
謀叛
(
むほん
)
同樣に
見做
(
みな
)
される場合もあつたのです。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は殘る
隈
(
くま
)
なく手を廻して、さて一人になつて靜かに考へました。かう相手の素姓が分らないと、幾通りも可能の假定を
築
(
きづ
)
き上げて、下手人の姿を描き出す外はありません。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
王朝時代に
東
(
あづま
)
に下つた、
業平朝臣
(
なりひらあそん
)
の
裔
(
すゑ
)
だとも言ひ、染井村に土着して、代々豪士として勢威を振ひ、太田
道灌
(
だうくわん
)
が江戸に
築
(
きづ
)
いた頃は、それに仕官して軍功を樹てましたが、徳川家康入府の際には
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は、自分の
築
(
きづ
)
き上げた疑ひを、自分から、又
突
(
つ
)
き
崩
(
くづ
)
して居ります。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
築
常用漢字
小5
部首:⽵
16画
“築”を含む語句
建築
築地
築土
築造
築墻
築上
築土垣
建築物
築地塀
新築
杵築
築泥
築港
修築
築出
築庭
築洲
築立
築地垣
築垣
...