“築泥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ついじ66.7%
ついぢ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そのわっぱはな、わしがひるごろ鐘楼から見ておると、築泥ついじの外を通って南へ急いだ。かよわい代りには身が軽い。もう大分の道を行ったじゃろ」
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
道の右手には破れかかった築泥ついじがあった。なかをのぞくと、何かの堂跡でもあるらしく、ただ八重やえむぐらが繁っている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
我足の尼寺の築泥ついぢの外に通ふこと愈〻繁く、我情の迫ること愈〻切に、われはこの通路かよひぢの行末いかになるべきかをあやぶまざること能はざるに至りぬ。
くづれた築泥ついぢがちの道などは好きで何度も歩いたが、私はそこを通りながら思ひがけず伊勢物語の一節などをなつかしく思ひ出すやうな氣分にさせられるやうなことはあつても
黒髪山 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)