“ついじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
築地54.2%
築土36.1%
築泥4.2%
築墻2.8%
土墻1.4%
磚𤗼1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
塔と伽藍がらん築地ついじと、その奥に佇立ちょりつする諸々もろもろのみ仏が私を否応いやおうなしに招くのだ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
南の簀子すのこへ出て、すこし爪さき立ち気味にしてみると、築地ついじごしに岡本ノ宮のあたりが、まるで手にとるやうに見渡される。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
一方の法月弦之丞は、御霊廟みたまやのわきの築土ついじをヒラリと越えて、もうとっくに、芝の山内を駈け抜けていたのである。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それにそこは川を隔ててすぐ山の木の繁みの見えるところで、家のまわりを取りめぐらした築土ついじの外は田畑が多かった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
道がだんだん郊外の淋しい所へはいって行くと、石の多いでこぼこ道の左右に、破れかかった築泥ついじが続いている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「そのわっぱはな、わしがひるごろ鐘楼から見ておると、築泥ついじの外を通って南へ急いだ。かよわい代りには身が軽い。もう大分の道を行ったじゃろ」
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その時に思いがけなく、築墻ついじの蔭から、
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
折柄おりから四時頃の事とて日影も大分かたぶいた塩梅、立駢たちならんだ樹立の影は古廟こびょう築墻ついじまだらに染めて、不忍しのばずの池水は大魚のうろこかなぞのようにきらめく。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
坂路を隔てて仏蘭西人アリベーと呼びしものの邸址やしきあと、今は岩崎家の別墅べっしょとなり、短葉松植ゑつらねし土墻ついじは城塞めきたる石塀となりぬ。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
南無三なむさんしてやられしと思ひしかども今更追ふても及びもせずと、雉子を咬へて磚𤗼ついじをば、越え行く猫の後姿、打ち見やりつつ茫然ぼうぜんと、噬み合ふくちいたままなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)