築墻ついじ)” の例文
折柄おりから四時頃の事とて日影も大分かたぶいた塩梅、立駢たちならんだ樹立の影は古廟こびょう築墻ついじまだらに染めて、不忍しのばずの池水は大魚のうろこかなぞのようにきらめく。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「はい。昔の築墻ついじでございます。これで千年からたっています」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その時に思いがけなく、築墻ついじの蔭から
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)