“立駢”の読み方と例文
読み方割合
たちなら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
折柄おりから四時頃の事とて日影も大分かたぶいた塩梅、立駢たちならんだ樹立の影は古廟こびょう築墻ついじまだらに染めて、不忍しのばずの池水は大魚のうろこかなぞのようにきらめく。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
鉱山の方へ搬ばれてゆく、味噌みそ醤油しょうゆなどを荷造した荷馬が、町に幾頭となく立駢たちならんで、時雨しぐれのふる中を、尾をたれて白い息を吹いているような朝が幾日となく続いた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
近いうちに家が建つことになっているその原には、きりの木やアカシヤなどが、昼でも涼しい蔭を作っていた。夏草が菁々せいせい生繁おいしげって、崖のうえには新しい家が立駢たちならんでいた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)