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彩色
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さいしき
ふりがな文庫
“
彩色
(
さいしき
)” の例文
雲
(
くも
)
ならば、
雲
(
くも
)
に、
美
(
うつく
)
しくも
凄
(
すご
)
くも
寂
(
さび
)
しうも
彩色
(
さいしき
)
されて
描
(
か
)
いてある…
手
(
て
)
を
取合
(
とりあ
)
ふて
睦
(
むつ
)
み
合
(
あ
)
ふて、もの
言
(
い
)
つて、
二人
(
ふたり
)
居
(
ゐ
)
られる
身
(
み
)
ではない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
されば北斎が
彩色
(
さいしき
)
板画の手腕を見んと欲すれば富嶽三十六景、諸国滝巡り、名橋奇覧、
詩歌写真鏡
(
しいかしゃしんきょう
)
の如き錦絵を採らざるべからず。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
前陳の各種を製作するにつき、これに附属する飾り
金物
(
かなもの
)
、塗り、
金箔
(
きんぱく
)
、
消粉
(
けしこな
)
、
彩色
(
さいしき
)
等の
善悪
(
よしあし
)
を見分ける鑑識も必要であります。
幕末維新懐古談:07 彫刻修業のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
しかもみな
彩色
(
さいしき
)
の新版であるから、いわゆる
千紫万紅
(
せんしばんこう
)
の
絢爛
(
けんらん
)
をきわめたもので、眼も
綾
(
あや
)
というのはまったく此の事であった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
土器
(
どき
)
はやはり
日本
(
につぽん
)
の
彌生式
(
やよひしき
)
に
近
(
ちか
)
い
種類
(
しゆるい
)
のものが
普通
(
ふつう
)
でありまして、
時
(
とき
)
には
珍
(
めづら
)
しく、だんだら
模樣
(
もよう
)
に
彩色
(
さいしき
)
した
美
(
うつく
)
しいものが
出
(
で
)
ることもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
▼ もっと見る
やがて出来上った
彩色
(
さいしき
)
された死体は、妙なことに、彼が嘗つてS劇場で見た、サロメの舞台姿に酷似していた。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
艫の方の化粧部屋は
蓆
(
むしろ
)
で張られ、昔ながらの廢れかけた舟舞臺には櫻の造花を隈なくかざし、欄干の三方に垂らした
御簾
(
みす
)
は
彩色
(
さいしき
)
も褪せはてたものではあるが
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
画のうちでは
彩色
(
さいしき
)
を使った
南画
(
なんが
)
が一番面白かった。惜しい事に余の家の
蔵幅
(
ぞうふく
)
にはその南画が少なかった。子供の事だから画の
巧拙
(
こうせつ
)
などは無論分ろうはずはなかった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
話
(
はな
)
して
聞
(
き
)
かしてお
呉
(
く
)
れな』と
愛
(
あい
)
ちやんは
恐
(
おそ
)
る/\
云
(
い
)
つて、『
何故
(
なぜ
)
其麽
(
そんな
)
に
薔薇
(
ばら
)
の
花
(
はな
)
を
彩色
(
さいしき
)
するの?』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ベンヺ あのやうな
冗繁
(
あくど
)
いことは
最早
(
もう
)
流行
(
はや
)
らぬ。
肩飾
(
かたかけ
)
で
目飾
(
めかくし
)
をしたキューピッドに
彩色
(
さいしき
)
した
韃靼形
(
だったんがた
)
の
小弓
(
こゆみ
)
を
持
(
も
)
たせて、
案山子
(
かゞし
)
のやうに、
娘達
(
むすめたち
)
を
追𢌞
(
おひまは
)
さするのは
最早
(
もう
)
陳
(
ふる
)
い。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
あやしき
形
(
なり
)
に紙を切りなして、
胡粉
(
ごふん
)
ぬりくり
彩色
(
さいしき
)
のある田楽みるやう、裏にはりたる
串
(
くし
)
のさまもをかし、一軒ならず二軒ならず、朝日に干して夕日にしまふ手当ことごとしく
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何だか細かい線で
描
(
か
)
いてある
横物
(
よこもの
)
で、打見たところはモヤモヤと煙っているようなばかりだ。
紅
(
あか
)
や緑や青や
種〻
(
いろいろ
)
の
彩色
(
さいしき
)
が使ってあるようだが、図が何だとはサッパリ読めない。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
女権拡張
(
じょけんかくちょう
)
も友愛結婚も時世とやらの産物で大いに結構だが、園絵は、眉を描いたり頬を
彩色
(
さいしき
)
したり、ビックリ箱から今飛び出たような面をして、チャールストンとか何とか称し
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
是製造の始
敷
(
し
)
き
物
(
もの
)
として用ゐたる編み物或は木の葉が偶然此所に印せられしに他ならず。
裝飾
(
そうしよく
)
には
摸樣
(
もやう
)
と
彩色
(
さいしき
)
との二種有り。摸樣は燒く前に施し、彩色は燒きたる
後
(
のち
)
に
施
(
ほどこ
)
せしなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
彼女等は自分達の部屋がすつかり模樣が變り、新しい窓掛、おろし立ての敷物、手の込んだ
彩色
(
さいしき
)
をほどこした瀬戸物の花瓶などで飾られてあるのを見て心から感謝の情を表はした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
吉野
(
よしの
)
の花の盛りの頃を人は説くが、私は
黄
(
き
)
な菜の花が
殆
(
ほと
)
んど広い大和国中を
彩色
(
さいしき
)
する様な、落花後の期を愛するのである、で私が大和めぐりを
為
(
し
)
たのも
丁度
(
ちょうど
)
この菜の花の頃であった。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
到頭我慢が出來なくなつて、小舟で濱町川岸から向う兩國に渡り、手桶に隅田川の水をくみ込んで、嫁の手引で小屋に忍び込み、せめても下品な
彩色
(
さいしき
)
だけでも洗ひ落さうとしました。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
窓のまえに貼ってある二枚のビラの一枚には
彩色
(
さいしき
)
入で、月と、ほととぎすと、駒形堂の屋根が描いてあって、“
柳川
(
やながわ
)
のお出前をいたします”としるしてあり、一枚には、あたり
的
(
まと
)
と
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
たまさかなれば、余りにあこがれ給ひて、其男の形を木像にきざませ、面体なんども常の人形にかはりて、其男に
毫
(
うのけ
)
ほどもちがはず、色艶の
彩色
(
さいしき
)
はいふに及ばず、毛の穴までをうつさせ、耳鼻の穴も
実物と模型
(新字旧仮名)
/
相馬御風
(著)
「だめですよ、まだ
彩色
(
さいしき
)
もしてないし……」
祖母
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
幻惑の
彩色
(
さいしき
)
を
打混
(
うちま
)
ぜて
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
此
(
こ
)
の
物語
(
ものがたり
)
を
聞
(
き
)
き、
此像
(
このざう
)
を
拝
(
はい
)
するにそゞろに
落涙
(
らくるゐ
)
せり。(
略
(
りやく
)
)かく
荒
(
あ
)
れ
果
(
は
)
てたる
小堂
(
せうだう
)
の
雨風
(
あめかぜ
)
をだに
防
(
ふせ
)
ぎかねて、
彩色
(
さいしき
)
も
云々
(
うん/\
)
。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この
土器
(
どき
)
は、
滿洲
(
まんしゆう
)
から
出
(
で
)
る
彩色
(
さいしき
)
の
土器
(
どき
)
とは
違
(
ちが
)
つてゐて、
餘程
(
よほど
)
西
(
にし
)
の
方
(
ほう
)
の
國
(
くに
)
から
出
(
で
)
るものに
似
(
に
)
てゐるところがありますから
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
されば今浮世絵板下絵師として両者の
彩色
(
さいしき
)
を比較すれば広重は北斎の如く苦心する所更になかりしが如し。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一
本
(
ぽん
)
の
大
(
おほ
)
きな
薔薇
(
ばら
)
の
木
(
き
)
が、
殆
(
ほと
)
んど
其花園
(
そのはなぞの
)
の
中央
(
ちゆうわう
)
に
立
(
た
)
つてゐて、
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
が
幾
(
いく
)
つもそれに
咲
(
さ
)
いてゐましたが、
其處
(
そこ
)
には三
人
(
にん
)
の
園丁
(
えんてい
)
が
居
(
ゐ
)
て、
忙
(
いそが
)
はしげにそれを
赤
(
あか
)
く
彩色
(
さいしき
)
してゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
あやしき
形
(
なり
)
に
紙
(
かみ
)
を
切
(
き
)
りなして、
胡粉
(
ごふん
)
ぬりくり
彩色
(
さいしき
)
のある
田樂
(
でんがく
)
みるやう、
裏
(
うら
)
にはりたる
串
(
くし
)
のさまもをかし、一
軒
(
けん
)
ならず二
軒
(
けん
)
ならず、
朝日
(
あさひ
)
に
干
(
ほ
)
して
夕日
(
ゆふひ
)
に
仕舞
(
しま
)
ふ
手當
(
てあて
)
こと/″\しく
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ベシーは、臺所へいつて、美しく
彩色
(
さいしき
)
された陶器の皿に果物入パイを運んで來た。皿の、晝顏や薔薇の蕾に巣くつた
極樂鳥
(
ごくらくてう
)
の模樣はいつも私に熱狂的な感嘆を呼び起したものである。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ところどころに朱く塗った太い円い柱が立っていて、柱には
鳳凰
(
ほうおう
)
や龍や虎のたぐいが金や銀や朱や碧や紫やいろいろの濃い
彩色
(
さいしき
)
を施して、生きたもののようにあざやかに
彫
(
ほ
)
られてあった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
土偶中には
裸体
(
らたい
)
の物有り、
着服
(
ちやくふく
)
の物有り、
素面
(
すめん
)
の物有り、
覆面
(
ふくめん
)
の物有り、
冠
(
かむ
)
り物の在る有り、
無
(
な
)
き有り、
穿
(
は
)
き物の在る有り、
無
(
な
)
き有り、
上衣
(
うわぎ
)
と
股引
(
ももひき
)
とには
赤色
(
あかいろ
)
の
彩色
(
さいしき
)
を施したるも有るなり
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
あの錦襴も織りたては、あれほどのゆかしさも無かったろうに、
彩色
(
さいしき
)
が
褪
(
あ
)
せて、
金糸
(
きんし
)
が沈んで、
華麗
(
はで
)
なところが
滅
(
め
)
り込んで、渋いところがせり出して、あんないい調子になったのだと思う。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは肥後熊本の人で、店は道具商で、
果物
(
くだもの
)
の標本を作っていました。
枇杷
(
びわ
)
、桃、
柿
(
かき
)
などを張り子で拵え、それに実物そっくりの
彩色
(
さいしき
)
をしたものでちょっと盛り籠に入れて置き物などにもなる。
幕末維新懐古談:63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
また、
安永中
(
あんえいちう
)
の
続奥
(
ぞくおく
)
の
細道
(
ほそみち
)
には、——
故将堂女体
(
こしやうだうによたい
)
、
甲胄
(
かつちう
)
を
帯
(
たい
)
したる
姿
(
すがた
)
、いと
珍
(
めづ
)
らし、
古
(
ふる
)
き
像
(
ざう
)
にて、
彩色
(
さいしき
)
の
剥
(
は
)
げて、
下地
(
したぢ
)
なる
胡粉
(
ごふん
)
の
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えたるは。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
また
近年
(
きんねん
)
この
洞穴
(
ほらあな
)
を
發掘
(
はつくつ
)
して、
昔
(
むかし
)
彩色
(
さいしき
)
に
使
(
つか
)
つた
繪具
(
えのぐ
)
も
發見
(
はつけん
)
せられたので、それらは
洞穴
(
ほらあな
)
の
傍
(
そば
)
にある
番人小屋
(
ばんにんごや
)
にある
小
(
ちひ
)
さな
陳列室
(
ちんれつしつ
)
に
竝
(
なら
)
べてありました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
これを浮世絵に見れば鳥居派の
外
(
ほか
)
新
(
あらた
)
に奥村一派の
幽婉
(
ゆうえん
)
なる画風と漆絵の華美なる
彩色
(
さいしき
)
現はれぬ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一番纖細な
栗鼠
(
りす
)
の毛の筆を選んで、想像出來る限りの美しい顏を描いて、フェアファックス夫人が話したブランシュ・イングラムの描寫に從つて、最も
柔
(
やは
)
らかな陰と、最も美しい色で
彩色
(
さいしき
)
せよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
座敷は——こんな
貸家建
(
かしやだて
)
ぢやありません。壁も、床も、皆
彩色
(
さいしき
)
した石を敷いた、
明放
(
あけはな
)
した二階の大広間、
客室
(
きゃくま
)
なんです。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
座敷
(
ざしき
)
は——こんな
貸家建
(
かしやだて
)
ぢやありません。
壁
(
かべ
)
も、
床
(
ゆか
)
も、
皆
(
みな
)
彩色
(
さいしき
)
した
石
(
いし
)
を
敷
(
し
)
いた、
明放
(
あけはな
)
した
二階
(
にかい
)
の
大廣間
(
おほひろま
)
、
客室
(
きやくま
)
なんです。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかし、一口に絵馬とはいうが、
入念
(
じゅねん
)
の
彩色
(
さいしき
)
、塗柄の
蒔絵
(
まきえ
)
に唐草さえある。もっとも年数のほども分らず、
納
(
おさめ
)
ぬしの文字などは見分けがつかない。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
嫁
(
よめ
)
の
姿
(
すがた
)
で
彩色
(
さいしき
)
しては、
前後左右
(
ぜんごさいう
)
、
額縁
(
がくぶち
)
のやうな
形
(
かたち
)
で、
附添
(
つきそ
)
つて、
木
(
き
)
を
刻
(
きざ
)
んで
拵
(
こしら
)
へたものが、
恁
(
か
)
う
行
(
い
)
くものか、と
自
(
みづ
)
から
彫刻家
(
てうこくか
)
であるのを
嘲
(
あざ
)
ける
了見
(
れうけん
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
学士先生の若夫人と色男の画師さんは、こうなると、
緋鹿子
(
ひがのこ
)
の
扱帯
(
しごき
)
も
藁
(
わら
)
すべで、
彩色
(
さいしき
)
をした
海鼠
(
なまこ
)
のように、雪にしらけて、ぐったりとなったのでございます。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ト
荒果
(
あれは
)
てたが、書院づくりの、
床
(
とこ
)
の
傍
(
わき
)
に、あり/\と
彩色
(
さいしき
)
の残つた絵の
袋戸
(
ふくろど
)
の入つた棚の上に、
呀
(
やあ
)
! 壁を
突通
(
つきとお
)
して
紺青
(
こんじょう
)
の
浪
(
なみ
)
あつて月の輝く如き、表紙の
揃
(
そろ
)
つた
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
衣服
(
きもの
)
は
白無垢
(
しろむく
)
に、
水浅黄
(
みづあさぎ
)
の
襟
(
ゑり
)
を
重
(
かさ
)
ねて、
袖口
(
そでくち
)
と
褄
(
つま
)
はづれは、
矢張
(
やつぱり
)
白
(
しろ
)
に
常夏
(
とこなつ
)
の
花
(
はな
)
を
散
(
ち
)
らした
長襦袢
(
ながじゆばん
)
らしく
出来
(
でき
)
て
居
(
ゐ
)
て……
其
(
それ
)
が
上
(
うへ
)
から
着
(
き
)
せたのではない。
木彫
(
きぼり
)
に
彩色
(
さいしき
)
を
為
(
し
)
たんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
坐中の貴婦人方には礼を失する罪を
免
(
まぬか
)
れざれども、予をして
忌憚
(
きたん
)
なく
謂
(
い
)
わしめば、元来、淑徳、貞操、温良、憐愛、
仁恕
(
じんじょ
)
等あらゆる真善美の文字を以て
彩色
(
さいしき
)
すべき女性と謂うなる曲線が
黒壁
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
庭
(
には
)
の
池
(
いけ
)
の
鯉
(
こひ
)
を、
大小
(
だいせう
)
計
(
はか
)
つてねらひにくるが、
仕
(
し
)
かけさへすれば、すぐにかゝる。また、
同國
(
どうこく
)
で、
特産
(
とくさん
)
として
諸國
(
しよこく
)
に
貨
(
くわ
)
する、
鮎釣
(
あゆつり
)
の、あの
蚊針
(
かばり
)
は、すごいほど
彩色
(
さいしき
)
を
巧
(
たくみ
)
に
昆蟲
(
こんちう
)
を
模
(
も
)
して
造
(
つく
)
る。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彩色
(
さいしき
)
した影のごとくに
浮
(
うか
)
んだので、ああ、このままここへ寝るかも知れない。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
親仁
(
おやじ
)
が大
目金
(
めがね
)
を懸けて
磨桶
(
とぎおけ
)
を控え、剃刀の刃を合せている図、目金と玉と桶の水、
切物
(
きれもの
)
の刃を
真蒼
(
まっさお
)
に塗って、あとは薄墨でぼかした
彩色
(
さいしき
)
、これならば高尾の二代目三代目時分の
禿
(
かむろ
)
が
使
(
つかい
)
に来ても
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……いかにや、年ふる
雨露
(
あめつゆ
)
に、
彩色
(
さいしき
)
のかすかになったのが、
木地
(
きじ
)
の
胡粉
(
ごふん
)
を、かえってゆかしく
顕
(
あら
)
わして、
萌黄
(
もえぎ
)
に
群青
(
ぐんじょう
)
の影を添え、葉をかさねて、
白緑碧藍
(
はくりょくへきらん
)
の花をいだく。さながら
瑠璃
(
るり
)
の牡丹である。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“彩色”の意味
《名詞》
彩 色(さいしき、さいしょく)
色を付けること。
(出典:Wiktionary)
彩
常用漢字
中学
部首:⼺
11画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“彩色”で始まる語句
彩色硝子
彩色摺
彩色画
彩色絵
彩色板刻
彩色中
彩色圖
彩色石版