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絶
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たえ
ふりがな文庫
“
絶
(
たえ
)” の例文
彼女におとずれた幸福は、彼女にはあんまりけばけばしい色彩なので、信実はやっぱり苦労が
絶
(
たえ
)
ないであろうと痛々しかった。
旧聞日本橋:13 お墓のすげかえ
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
我国に大小の川々
幾流
(
いくすぢ
)
もあるなかに、此
渋海川
(
しぶみがは
)
にのみかぎりて
毎年
(
まいねん
)
たがはず此事あるも
奇
(
き
)
とすべし。しかるに天明の
洪水
(
こうずゐ
)
以来此事
絶
(
たえ
)
てなし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
夫切
(
それきり
)
絶
(
たえ
)
て
此落語
(
このらくご
)
と
云
(
い
)
ふものはなかつたのでございます。
夫
(
それ
)
より
降
(
くだ
)
つて
天明
(
てんめい
)
四
年
(
ねん
)
に
至
(
いた
)
り、
落語
(
らくご
)
と
云
(
い
)
ふものが
再興
(
さいこう
)
いたしました。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
立
(
た
)
てゝ
糶
(
せり
)
呉服
(
ごふく
)
の
見
(
み
)
るかげもなかりしが
六間間口
(
ろくけんまぐち
)
に
黒
(
くろ
)
ぬり
土藏
(
どざう
)
時
(
とき
)
のまに
身代
(
しんだい
)
たち
上
(
あが
)
りて
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
二人
(
ふたり
)
の
内
(
うち
)
兄
(
あに
)
は
無論
(
むろん
)
家
(
いへ
)
の
相續
(
あととり
)
弟
(
おとゝ
)
には
母方
(
はゝかた
)
の
絶
(
たえ
)
たる
姓
(
せい
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
当時においては、
醒覚
(
せいかく
)
せる
二人
(
ににん
)
の間に、
此
(
かく
)
の如く婚約が整ったということは、
絶
(
たえ
)
てなくして
僅
(
わずか
)
にあるものといって好かろう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
摺合
(
すりあひ
)
茶屋々々の二階には糸竹の調べ
皷
(
つゞみ
)
太皷
(
たいこ
)
の
音
(
ね
)
絶
(
たえ
)
る事なく
幇間
(
たいこ
)
の
對羽織
(
つゐばおり
)
に
色増君
(
いろますきみ
)
の全盛を
顯
(
あら
)
はし其
繁榮
(
はんえい
)
目を驚せし
浮生
(
ふせい
)
は夢の如く
白駒
(
はくく
)
の
隙
(
ひま
)
あるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
間には口を続けて、よくいらっしゃいました、ようこそおいで、思いがけない、不思議な御方が、不思議だ、不思議だ、と
絶
(
たえ
)
ず
饒舌
(
しゃべ
)
ったのである。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
亭主に向いては
威権
(
いけん
)
甚
(
はなは
)
だ強過れど
爾
(
さ
)
ればとて
恭
(
うやま
)
わざるに
非
(
あら
)
ず、
人附
(
ひとづき
)
も
甚
(
はなは
)
だ好ければ
猥
(
いやら
)
しき振舞は
絶
(
たえ
)
て無く
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
且
(
かつ
)
は
我子
(
わがこ
)
を育てんという気の
張
(
はり
)
あればおのずから弟子にも親切あつく良い
御師匠
(
おししょう
)
様と世に用いられて
爰
(
ここ
)
に
生計
(
くらし
)
の糸道も明き細いながら
炊煙
(
けむり
)
絶
(
たえ
)
せず安らかに日は送れど
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
老いたる方の漕手答へて、舟を停むべきところは、さきに漕ぎ出でしところの外
絶
(
たえ
)
て無ければ、是非とも島を一周せでは叶はずといひつゝ、
艣
(
ろ
)
を
搖
(
うごか
)
す手を急にしたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
亞尼
(
アンニー
)
は
鳥渡
(
ちよつと
)
使
(
つか
)
ひに
出
(
で
)
ました
時
(
とき
)
、
波止塲
(
はとば
)
のほとりで
圖
(
はか
)
らずも、
絶
(
たえ
)
て
久
(
ひさ
)
しき
其
(
その
)
子
(
こ
)
に
出會
(
であ
)
つたのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
少
(
すこ
)
し
丸
(
まる
)
みがかつた
頬
(
ほゝ
)
に
絶
(
たえ
)
ず
微笑
(
びせう
)
を
含
(
ふく
)
んで
勘次
(
かんじ
)
のいふことを
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
たおつたは
何
(
なに
)
か
更
(
さら
)
にいはうとして
一寸
(
ちよつと
)
躊躇
(
ちうちよ
)
しつゝある
容子
(
ようす
)
が
見
(
み
)
えた。
勘次
(
かんじ
)
もおつぎもそれは
知
(
し
)
らなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
また仏国の
君
(
くん
)
に土国人の宗教に
与
(
あず
)
かるの権利ありとは、土国の君も
絶
(
たえ
)
て想像せざりしところなり。わが先官「レ、マルキス、デ、ボンネ」氏、このことの建言中に云えることあり。
「ヒリモア」万国公法の内宗教を論ずる章(撮要)
(新字新仮名)
/
ロバート・フィリモア
(著)
然るに肩は軽くなるも両手に
久
(
ひさし
)
く
耐
(
たう
)
る事能わず。依て亦両手の労を休まんとして両手を前にする時は、
直
(
ただち
)
に叺を両方より結びたる藁縄に
喉頭
(
のどくび
)
を
押
(
おし
)
しめて呼吸
絶
(
たえ
)
なんとして痛みあり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
勿論
(
もちろん
)
議論はする、いろ/\の事に
就
(
つい
)
て互に論じ合うと云うことはあっても、決して喧嘩をするような事は
絶
(
たえ
)
てない事で、
殊
(
こと
)
に私は性質として朋友と本気になって争うたことはない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
一、夜ややふけて、よその笑ひ声も
絶
(
たえ
)
る頃、月はまだ出でぬに歩む路明らかならず、白髭あたり森影黒く交番所の燈のちらつくも静なるおもむきを添ふる折ふし
五位鷺
(
ごいさぎ
)
などの鳴きたる。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
元より強弱敵しがたく、無残や肉裂け皮破れて、悲鳴の
中
(
うち
)
に息
絶
(
たえ
)
たる。その
死骸
(
なきがら
)
を
嘴
(
くち
)
に
咬
(
くわ
)
へ、あと白雪を
蹴立
(
けたて
)
つつ、虎は
洞
(
ほら
)
へと帰り行く。あとには流るる
鮮血
(
ちしお
)
のみ、雪に紅梅の花を散らせり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
とありて、之より月水の
絶
(
たえ
)
たることを説けり。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
拍子木
(
ひょうしぎ
)
も
絶
(
たえ
)
て御堀の蛙かな 一箭
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
付る其許の巧み甚だ以て
言語
(
ごんご
)
に
絶
(
たえ
)
たり此儀辯解ありやサア如何に返答致されよと
高聲
(
かうせい
)
に申されたる有樣
威權
(
ゐげん
)
鋭
(
するど
)
ければ主税之助はハツと言て生膽を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
保は英語を
操
(
つか
)
い英文を読むことを志しているのに、学校の現状を見れば、所望に
愜
(
かな
)
う科目は
絶
(
たえ
)
てなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
やがて
国許
(
くにもと
)
へ立帰る侍が、大路の棟の鬼瓦を
視
(
なが
)
めて、
故郷
(
さと
)
に残いて、月日を過ごいた、女房の顔を
思出
(
おもいい
)
で、
絶
(
たえ
)
て久しい
可懐
(
なつかし
)
さに、あの鬼瓦がその顔に瓜二つじゃと申しての
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
命
(
いのち
)
續
(
つゞ
)
きがたく、つぐべき
力
(
ちから
)
絶
(
たえ
)
ては、或は一日乃至五日、既に法華經
讀誦
(
どくしよう
)
の音も絶へぬべし。
止觀
(
しくわん
)
の
窻
(
まど
)
の前には草しげりなん。かくの如く候に、いかにして思ひ寄らせ給ひぬならん。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
伊達政宗卿
(
だてまさむねきやう
)
の御哥に「さゝずとも
誰
(
たれ
)
かは
越
(
こえ
)
ん
関
(
せき
)
の
戸
(
と
)
も
降
(
ふり
)
うづめたる
雪
(
ゆき
)
の夕
暮
(
ぐれ
)
」又「なか/\につゞらをりなる
道
(
みち
)
絶
(
たえ
)
て雪に
隣
(
となり
)
のちかき山里」此君は御名たかき
哥仙
(
かせん
)
にておはしまししゆゑ
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
婦人
(
をんな
)
の
身
(
み
)
はかなしと
思
(
おも
)
もひ
絶
(
たえ
)
て、
松野
(
まつの
)
が
忠節
(
ちうせつ
)
の
心
(
こゝろ
)
より、
我
(
われ
)
大事
(
だいじ
)
と
思
(
お
)
もふあまりに
樣々
(
さま/″\
)
の
苦勞
(
くらう
)
心痛
(
しんつう
)
、
大方
(
おほかた
)
ならぬ
志
(
こゝろざし
)
は
知
(
し
)
るものから、
夫
(
それ
)
すら
空
(
そら
)
ふく
風
(
かぜ
)
と
聞
(
き
)
きて、
耳
(
みゝ
)
にだに
止
(
と
)
めんとせざりし
身
(
み
)
が
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
誠に恐ろしい山で、
樹
(
き
)
は
生茂
(
おいしげ
)
り、熊笹が地を
掩
(
おお
)
うている、道なき所を踏分け/\段々
下
(
お
)
りて来たところが、人家は
絶
(
たえ
)
てなし、雨は降ってくる、困ったことだと思い、暫く考えたが
路
(
みち
)
は知らず
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
絶
(
たえ
)
て
久
(
ひさ
)
しき
顏
(
かほ
)
と
顏
(
かほ
)
とは
艦長室
(
かんちやうしつ
)
の
美
(
うる
)
はしき
長倚子
(
ながゐす
)
に
倚
(
よ
)
つて
向
(
むか
)
ひ
合
(
あ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
掴
(
つか
)
んで十兵衞が其の儘息は
絶
(
たえ
)
にけり長庵刀の血を
拭
(
ぬぐ
)
ひて
鞘
(
さや
)
に納め
懷中
(
くわいちう
)
の
胴卷
(
どうまき
)
を取だし四十二兩は
福
(
ふく
)
の
神
(
かみ
)
弟
(
おとゝ
)
の身には
死神
(
しにがみ
)
と
己
(
おの
)
れが
胴
(
どう
)
にしつかり
括
(
くゝ
)
り雨も
止
(
やま
)
ぬに
傘
(
からかさ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
近習医に任ぜられてからは、
詰所
(
つめしょ
)
に
出入
(
いでいり
)
するに、
朝
(
あした
)
には人に先んじて
往
(
ゆ
)
き、
夕
(
ゆうべ
)
には人に後れて
反
(
かえ
)
った。そして公退後には士庶の病人に接して、
絶
(
たえ
)
て
倦
(
う
)
む色がなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
冷凍
(
こお
)
っていた五臓に若々しい血を
湧返
(
わきか
)
えらせ、
絶
(
たえ
)
ず
傍
(
かたわ
)
らから烈しい火を燃しつけた。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
祝義のやうになりて大に
流行
(
はやり
)
しゆゑ、
壻
(
むこ
)
に
恨
(
うらみ
)
ある者事を水祝ひによせてさま/″\の
狼籍
(
らうぜき
)
をなす人もまゝありて、人の
死亡
(
しばう
)
にもおよびし事しば/\なりしゆゑ、正徳の頃
国禁
(
こくきん
)
ありて事
絶
(
たえ
)
たり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
何
(
なに
)
を
厭
(
いと
)
ふてか三
郎
(
らう
)
かき
絶
(
たえ
)
て
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
せず
疑念
(
ぎねん
)
は
重
(
かさ
)
なる
五月雨
(
さみだれ
)
のくも
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
学校では、女の子は別な教場で教えることになっていて、一しょに遊ぶことも
絶
(
たえ
)
て無い。若し物でも言うと、すぐに友達仲間で
嘲弄
(
ちょうろう
)
する。そこで女の友達というものはなかった。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
翫具
(
ぐわんぐ
)
には用うる所さま/″\あるべし。源内死して奇術
絶
(
たえ
)
たりしに
件
(
くだん
)
の両人いでゝ火浣布の
機術
(
きじゆつ
)
再
(
ふたゝび
)
世にいでしに、
嗚呼
(
あゝ
)
可惜
(
をしむべし
)
、此両人も術をつたへずして
没
(
ぼつ
)
したれば火浣布ふたゝび世に
絶
(
たえ
)
たり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ともあれ
勘藏
(
かんざう
)
といふものある
以上
(
いじやう
)
なまなかの
事
(
こと
)
言出
(
いひだ
)
して
疑
(
うたが
)
ひの
種
(
たね
)
になるまじとも
言
(
い
)
ひ
難
(
がた
)
しお
爲
(
ため
)
にならぬばかりかは
彼
(
か
)
の
人
(
ひと
)
との
逢瀬
(
あふせ
)
のはしあやなく
絶
(
たえ
)
もせば
何
(
なに
)
かせん
然
(
さ
)
るべき
途
(
みち
)
のなからずやと
惑
(
まど
)
ふは
心
(
こゝろ
)
つゝむ
色目
(
いろめ
)
に
何
(
なに
)
ごとも
顯
(
あら
)
はれねど
出嫌
(
でぎら
)
ひと
聞
(
きこ
)
えしお
高
(
たか
)
昨日
(
きのふ
)
は
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
の
師匠
(
ししやう
)
のもとへ
今日
(
けふ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
翫具
(
ぐわんぐ
)
には用うる所さま/″\あるべし。源内死して奇術
絶
(
たえ
)
たりしに
件
(
くだん
)
の両人いでゝ火浣布の
機術
(
きじゆつ
)
再
(
ふたゝび
)
世にいでしに、
嗚呼
(
あゝ
)
可惜
(
をしむべし
)
、此両人も術をつたへずして
没
(
ぼつ
)
したれば火浣布ふたゝび世に
絶
(
たえ
)
たり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ここは山のかいにて、公道を
距
(
さ
)
ること遠ければ、人げすくなく、東京の客などは
絶
(
たえ
)
て見えず、僅に越後などより来りて
浴
(
よく
)
する病人あるのみ。
宿
(
やど
)
とすべき家を問うにふじえやというが
善
(
よ
)
しという。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
絶
常用漢字
小5
部首:⽷
12画
“絶”を含む語句
絶頂
拒絶
謝絶
絶壁
絶入
中絶
絶間
杜絶
絶望
絶対
断絶
途絶
絶叫
気絶
絶巓
根絶
息絶
絶世
絶滅
絶息
...