“喉頭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうとう44.4%
のど22.2%
かうとう11.1%
のどくび11.1%
のどもと11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あたかもキーのなくなってる鍵盤けんばんの上では音が出ないように、彼女の言葉の一部は喉頭こうとうからくちびるへ来る途中で消えてしまった。
肉体的とも精神的とも分野をつき止めにくいあこがれが、低気圧のうずのように、自分の喉頭のどのうしろのあたりうっして来て、しっきりなしに自分にかわきをおぼえさせた。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
……えゝ、もつとも、結核けつかくは、喉頭かうとうから、もうときにはしたまでもをかしてたんださうですが。鬼殻焼おにがらやき……意気いきさかんなだけうも悲惨ひさんです。は、はア。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
然るに肩は軽くなるも両手にひさしたうる事能わず。依て亦両手の労を休まんとして両手を前にする時は、ただちに叺を両方より結びたる藁縄に喉頭のどくびおししめて呼吸たえなんとして痛みあり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
彼がじいっと耳を澄ますと、納屋なやむしろ空俵あきたわらを置き換えている気配がした。まもなく、お里が喉頭のどもとに溜った痰を切るために「ウン」と云って、それから、小便をしているのが聞えて来た。
窃む女 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)