喉頭のど)” の例文
肉体的とも精神的とも分野をつき止めにくいあこがれが、低気圧のうずのように、自分の喉頭のどのうしろのあたりうっして来て、しっきりなしに自分にかわきをおぼえさせた。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
出三郎はかっと頭へ血がのぼり、喉頭のどへ固い玉のような物が詰まるのを感じた。足ががくがくし、眼はかすみでもかかったように、ぼうと視界が(ほんの短い瞬間ではあったが)くらくなった。
艶書 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)