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細道
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ほそみち
ふりがな文庫
“
細道
(
ほそみち
)” の例文
暗
(
くら
)
い
晩
(
ばん
)
に、
雪
(
ゆき
)
の
凍
(
こお
)
った、
細道
(
ほそみち
)
を
歩
(
ある
)
いてゆくと、あちらから
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
いて、とぼとぼと
歩
(
ある
)
いてくる
年
(
とし
)
とった
盲目
(
めくら
)
の
女按摩
(
おんなあんま
)
に
出
(
で
)
あいました。
塩を載せた船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鬼ごっこ、子をとろ子とろ、
雛
(
ひな
)
一丁おくれ、
釜鬼
(
かまおに
)
、ここは
何処
(
どこ
)
の
細道
(
ほそみち
)
じゃ、かごめかごめ、
瓢箪
(
ひょうたん
)
ぼっくりこ——そんなことをして遊ぶ。
旧聞日本橋:02 町の構成
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
丘
(
おか
)
はさして高くはないが、
奇岩
(
きがん
)
乱石
(
らんせき
)
の
急勾配
(
きゅうこうばい
)
、いちめんに
生
(
お
)
いしげっている
落葉松
(
からまつ
)
の中を、わずかに、石をたたんだ
細道
(
ほそみち
)
が
稲妻形
(
いなずまがた
)
についている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また、
安永中
(
あんえいちう
)
の
続奥
(
ぞくおく
)
の
細道
(
ほそみち
)
には、——
故将堂女体
(
こしやうだうによたい
)
、
甲胄
(
かつちう
)
を
帯
(
たい
)
したる
姿
(
すがた
)
、いと
珍
(
めづ
)
らし、
古
(
ふる
)
き
像
(
ざう
)
にて、
彩色
(
さいしき
)
の
剥
(
は
)
げて、
下地
(
したぢ
)
なる
胡粉
(
ごふん
)
の
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えたるは。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
茶屋
(
ちやゝ
)
が
裏
(
うら
)
ゆく
土手下
(
どてした
)
の
細道
(
ほそみち
)
に
落
(
おち
)
かゝるやうな三
味
(
み
)
の
音
(
ね
)
を
仰
(
あほ
)
いで
聞
(
き
)
けば、
仲之町藝者
(
なかのてうげいしや
)
が
冴
(
さ
)
えたる
腕
(
うで
)
に、
君
(
きみ
)
が
情
(
なさけ
)
の
假寐
(
かりね
)
の
床
(
とこ
)
にと
何
(
なに
)
ならぬ一ふし
哀
(
あわ
)
れも
深
(
ふか
)
く
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
其角
(
きかく
)
だつて、「
奥
(
おく
)
の
細道
(
ほそみち
)
」の講釈はするだらうが、ハムレツトと来た日にや名を聞いた事もあるまいからね。
南瓜
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「これが
古
(
いにし
)
えの
蔦
(
つた
)
の
細道
(
ほそみち
)
、この石が猫石で、それ猫の形をしていましょう、あれが
神社平
(
じんじゃだいら
)
」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして
細道
(
ほそみち
)
を少し向うへ歩いて行つて、ヒイスの
叢
(
くさむら
)
に身體を投げ出して靜かに横になつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
蕁草
(
いらぐさ
)
に
掩
(
おほ
)
はれたる
細道
(
ほそみち
)
を
行
(
ゆ
)
けば
直
(
す
)
ぐ
別室
(
べつしつ
)
の
入口
(
いりぐち
)
の
戸
(
と
)
で、
戸
(
と
)
を
開
(
ひら
)
けば
玄關
(
げんくわん
)
である。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私達
(
わたくしたち
)
はその
野原
(
のはら
)
を
貫
(
つらぬ
)
く
細道
(
ほそみち
)
をどこまでもどこまでも
先
(
さ
)
きへ
急
(
いそ
)
ぎました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
さてこゝを
去
(
さり
)
て
例
(
れい
)
の
細道
(
ほそみち
)
をたどり、
高
(
たかき
)
にのぼり
低
(
ひくき
)
に
下
(
くだ
)
り、よほどの
途
(
みち
)
をへてやうやく
三倉
(
みくら
)
村にいたれり、こゝには
人家
(
じんか
)
三
軒
(
げん
)
あり、
今朝
(
けさ
)
見玉
(
みたま
)
村より
用意
(
ようい
)
したる
弁当
(
べんたう
)
をひらかばやとあるいへに入りしに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
おのづからなる
細道
(
ほそみち
)
は
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
おのづからなる
細道
(
ほそみち
)
は
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
寺の
夜
(
よ
)
あけの
細道
(
ほそみち
)
に。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
尋ねけるに二三年以前
相果
(
あひはて
)
娘お節は
親類
(
しんるゐ
)
へ引取れし由
故
(
ゆゑ
)
偖々
(
さて/\
)
變り果たる浮世かなと
呟
(
つぶや
)
きながら
鞠子
(
まりこ
)
の
宿
(
しゆく
)
も
越
(
こえ
)
宇都谷
峠
(
たうげ
)
に
懸
(
かゝ
)
りしに
蔦
(
つた
)
の
細道
(
ほそみち
)
時雨
(
しぐれ
)
來て心
細
(
ほそ
)
くも
現
(
うつゝ
)
にも夢にも人に逢ぬ
日
(
ひ
)
と
辿
(
たど
)
り/\て岡部より
早
(
はや
)
藤枝
(
ふぢえだ
)
に來りし頃
跡
(
あと
)
になり先になり
怪
(
あや
)
し
氣
(
げ
)
なる者二三人付
添
(
そひ
)
來れば
故譯
(
わざ
)
と
相良街道
(
さがらかいだう
)
へは
這入
(
はひら
)
ず既に瀬戸川迄來りし時日は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そして
町
(
まち
)
を
離
(
はな
)
れて、
野原
(
のはら
)
の
細道
(
ほそみち
)
をたどる
時分
(
じぶん
)
にはまた、
彼
(
か
)
のよい
音色
(
ねいろ
)
が、いろいろの
物音
(
ものおと
)
の
間
(
あいだ
)
をくぐり
抜
(
ぬ
)
けてくるように、
遠
(
とお
)
く
町
(
まち
)
の
方
(
ほう
)
から
聞
(
き
)
こえてきました。
青い時計台
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
喟然
(
きぜん
)
として
私
(
わたし
)
は
歎
(
たん
)
じた。
人間
(
にんげん
)
は
斯
(
そ
)
の
徳
(
とく
)
による。むかし、
路次裏
(
ろじうら
)
のいかさま
宗匠
(
そうしやう
)
が、
芭蕉
(
ばせを
)
の
奧
(
おく
)
の
細道
(
ほそみち
)
の
眞似
(
まね
)
をして、
南部
(
なんぶ
)
のおそれ
山
(
やま
)
で、おほかみにおどされた
話
(
はなし
)
がある。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
左樣
(
さやう
)
ならとて
頭
(
かしら
)
を
下
(
さげ
)
げるに、あれ
美
(
み
)
いちやんの
現金
(
げんきん
)
な、
最
(
も
)
うお
送
(
おく
)
りは
入
(
い
)
りませぬとかえ、そんなら
私
(
わたし
)
は
京町
(
きやうまち
)
で
買物
(
かいもの
)
しましよ、とちよこ/\
走
(
ばし
)
りに
長屋
(
ながや
)
の
細道
(
ほそみち
)
へ
驅
(
か
)
け
込
(
こ
)
むに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と、ほかの
雑兵
(
ぞうひょう
)
には目もくれないで、まっしぐらに、武者走り(
城壁
(
じょうへき
)
の
細道
(
ほそみち
)
)をかけぬけた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蕁草
(
いらぐさ
)
に
掩
(
おお
)
われたる
細道
(
ほそみち
)
を
行
(
ゆ
)
けば
直
(
す
)
ぐ
別室
(
べっしつ
)
の
入口
(
いりぐち
)
の
戸
(
と
)
で、
戸
(
と
)
を
開
(
ひら
)
けば
玄関
(
げんかん
)
である。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
おのづからなる
細道
(
ほそみち
)
は
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
武
(
たけ
)
ちゃんと
健
(
けん
)
ちゃんがペスをつれて、
草
(
くさ
)
いきれのする
細道
(
ほそみち
)
を、
川
(
かわ
)
の
方
(
ほう
)
からきかかると、からのリヤカーを
走
(
はし
)
らせて、
通
(
とお
)
り
過
(
す
)
ぎようとする、
秀吉
(
ひできち
)
に
出
(
で
)
あいました。
さか立ち小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二階
(
にかい
)
が、また
二階
(
にかい
)
が
見
(
み
)
える。
黒
(
くろ
)
い
柱
(
はしら
)
に、
煤
(
すゝ
)
け
行燈
(
あんどん
)
。
木賃
(
きちん
)
御泊宿
(
おとまりやど
)
——
内湯
(
うちゆ
)
あり——と、
雨
(
あま
)
ざらしに
成
(
な
)
つたのを、
恁
(
か
)
う……
見
(
み
)
ると、
今
(
いま
)
めかしき
事
(
こと
)
ながら、
芭蕉
(
ばせを
)
が
奧
(
おく
)
の
細道
(
ほそみち
)
に……
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
齒
(
は
)
ぐろ
溝
(
どぶ
)
の
角
(
かど
)
より
曲
(
まが
)
りて、いつも
行
(
ゆ
)
くなる
細道
(
ほそみち
)
をたどれば、
運
(
うん
)
わるう
大黒
(
だいこく
)
やの
前
(
まへ
)
まで
來
(
き
)
し
時
(
とき
)
、さつと
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
大黒傘
(
だいこくがさ
)
の
上
(
うへ
)
を
抓
(
つか
)
みて、
宙
(
ちう
)
へ
引
(
ひき
)
あげるかと
疑
(
うたが
)
ふばかり
烈
(
はげ
)
しく
吹
(
ふ
)
けば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いつぞやこの原の
細道
(
ほそみち
)
で、
足軽
(
あしがる
)
がになっていくのを
竹童
(
ちくどう
)
がチラと見かけた、あの
高札
(
こうさつ
)
が打ってあるのだ。——といつの
間
(
ま
)
にか、その
立札
(
たてふだ
)
と
獄門
(
ごくもん
)
の前へ、三ツの
人影
(
ひとかげ
)
が近づいている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて、
男
(
おとこ
)
は、それをふろしきに
包
(
つつ
)
みました。そして、これをかかえて
家
(
いえ
)
から
出
(
で
)
かけました。
野
(
の
)
らの
間
(
あいだ
)
の
細道
(
ほそみち
)
を
通
(
とお
)
りますと、もうみんながせっせと
働
(
はたら
)
いています。
天下一品
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
元禄
(
げんろく
)
の
頃
(
ころ
)
の
陸奥千鳥
(
むつちどり
)
には——
木川村
(
きがわむら
)
入口
(
いりぐち
)
に
鐙摺
(
あぶみずり
)
の
岩
(
いは
)
あり、
一騎立
(
いつきだち
)
の
細道
(
ほそみち
)
なり、
少
(
すこ
)
し
行
(
ゆ
)
きて
右
(
みぎ
)
の
方
(
かた
)
に
寺
(
てら
)
あり、
小高
(
こだか
)
き
所
(
ところ
)
、
堂
(
だう
)
一宇
(
いちう
)
、
次信
(
つぎのぶ
)
、
忠信
(
たゞのぶ
)
の
両妻
(
りやうさい
)
、
軍立
(
いくさだち
)
の
姿
(
すがた
)
にて
相双
(
あひなら
)
び
立
(
た
)
つ。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
細道
(
ほそみち
)
を
二人
(
ふたり
)
の
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
といっしょに、さびしい、
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
の
聞
(
き
)
こえる
山
(
やま
)
のすその
方
(
ほう
)
へと
指
(
さ
)
してゆきました。
島の暮れ方の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
……はる/″\
奥
(
おく
)
の
細道
(
ほそみち
)
とさへ
言
(
い
)
ふ。
奥州路
(
おうしうぢ
)
などは
分
(
わ
)
けて
水
(
みづ
)
が
悪
(
わる
)
いに
違
(
ちが
)
ひない。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
紳士
(
しんし
)
は、めったに
人
(
ひと
)
の
通
(
とお
)
らない、
青田
(
あおた
)
の
中
(
なか
)
の
細道
(
ほそみち
)
を
歩
(
ある
)
いて、
右
(
みぎ
)
を
見
(
み
)
たり、
左
(
ひだり
)
を
見
(
み
)
たりしながら、ときどき、
立
(
た
)
ち
止
(
ど
)
まっては、くつの
先
(
さき
)
で
石塊
(
いしころ
)
を
転
(
ころ
)
がしたりしていました。
銀河の下の町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
露地
(
ろぢ
)
の
細道
(
ほそみち
)
、
駒下駄
(
こまげた
)
で——
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ある
日
(
ひ
)
のこと、
一人
(
ひとり
)
の
旅人
(
たびびと
)
が、
野中
(
のなか
)
の
細道
(
ほそみち
)
を
歩
(
ある
)
いてきました。その
日
(
ひ
)
は、ことのほか
暑
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
でした。
旅人
(
たびびと
)
は
野
(
の
)
に
立
(
た
)
っている
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
を
見
(
み
)
ますと、
思
(
おも
)
わず
立
(
た
)
ち
止
(
ど
)
まりました。
曠野
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
子
(
こ
)
どもは、かなしみをこらえて、
田
(
た
)
んぼの
細道
(
ほそみち
)
を、わが
家
(
や
)
の
方
(
ほう
)
へもどりました。
風七題
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
細
常用漢字
小2
部首:⽷
11画
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
“細”で始まる語句
細
細々
細君
細工
細面
細作
細引
細流
細紐
細長