“粗末:そまつ” の例文
“粗末:そまつ”を含む作品の著者(上位)作品数
小川未明6
宮沢賢治4
海野十三3
岡本かの子2
北大路魯山人2
“粗末:そまつ”を含む作品のジャンル比率
総記 > 団体 > 博物館100.0%
哲学 > 倫理学・道徳 > 人生訓・教訓16.7%
技術・工学 > 家政学・生活科学 > 食品 料理2.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
実際じっさい世間せけんならわしとしてはいかにも表門おもてもんをりっぱにし裏門うらもん粗末そまつにする。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
各々おの/\博物館はくぶつかんにはそれ/″\の特色とくしよくがあり、ものがわりあひに粗末そまつでも
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
舌を焼くような出来たてのものを食べるから、おでんは美味いものと評判になってはいるが、その実、粗末そまつな食物なのだ。
鍋料理の話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
いしつたり、たゝいたりして製作せいさくしたきはめて粗末そまつ器物きぶつをも使つかつてゐたのでありますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
見物人けんぶつにんたちがうつくしくかざってるのにくらべて、人形使にんぎょうつかいの方はひどく粗末そまつななりでした。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
応接室といっても、テーブル椅子いすがあるわけではなく、がらんとした普通の六畳で、粗末そまつな瀬戸火鉢がまんなかに置かれてあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
やがてとうげすと、三、四けんふる粗末そまつうちっていました。
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ことぼくはひつたころ粗末そまつ平屋ひらやで、教室けうしつかずよついつゝしかかつたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
警「粗末そまつにするという事があるか、先方せんぽうの身体も貴様の身体も同じじゃ、それじゃに依って喧嘩口論して、粗暴に人を打擲する事はならん」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まだ傷口がよくくっつきませんから、粗末そまつなおじぎでごめんなさい。」と云いながら、又ゲラゲラゲラッと笑って、これも楽屋へはいって行きました。
しかし、支店みっちゃんの方はうまいにはうまいが、旧式立食形なる軒先のきさきの小店で狭小きょうしょうであり、粗末そまつであり紳士向きではない。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
それは、粗末そまつだけれど、おおきなはちえてある南天なんてんであります。
おじいさんが捨てたら (新字新仮名) / 小川未明(著)
これは寿司屋に調理の理解がないのと、安くして評判をとるために粗末そまつになるからだろう。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
じつに粗末そまつちゃわんでありましたから、殿とのさまにたいしてご無礼ぶれいをしたと、あたまげておわびをもうしあげました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
教会は粗末そまつ漆喰造しっくいづくりで、ところどころ裂罅割ひびわれていました。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
老師はその粗末そまつな黒い法衣の上にたすきをかけ、手伝いに来た近所のおかみさんたち二三人を相手に、自分でも、こまねずみのように台所を走りまわるのだった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
光治こうじは、そのふえをもらってってみますと、たけ真鍮しんちゅうがはまっている粗末そまつふえおもわれました。
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
繰りかえして言うが、私は、決して家を粗末そまつにしていたわけではないのである。
春の盗賊 (新字新仮名) / 太宰治(著)
しかしそれはマアいゝとして、『隱居いんきよ』と『熊公くまこう』とがわからないとは、きみあたま隨分ずゐぶん粗末そまつなブロツクだね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
粗末そまつ點心ごだんながら、只今たゞいま準備中よういちゅうでござる。
「なくなさないと、なんどいいましたか。ものを粗末そまつにするからですよ。」
ボールの行方 (新字新仮名) / 小川未明(著)
何處どこ田舍武士ゐなかぶしかとつたやうな、粗末そまつ姿すがたて、羽二重はぶたへづくめの與力よりきどもは、あつとおどろいた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「まあ、生きておいでなさい。どうにかなりましょう。食事は私が粗末そまつながら運んで来ますから、しばらくこの辺のどこかにしのんでおいでなさい。人に見付からぬように」
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
粗末そまつになんかしないよ。だって、どっかへいってしまうんだもの。」
ボールの行方 (新字新仮名) / 小川未明(著)
話しかけた若い女は、四角い包みを胸にかかえこむようにしながら、おじいさんの、むき出しのまま片腕かたうでにひっかけている粗末そまつなランドセルに、親しいまなざしをおくり、
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
大隅学士ほど、未来を粗末そまつにしない人物も、まず少いであろう。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そしてご自分自身は、粗末そまつなぬのの着物をめし、いやしい船頭のようにじょうずにお姿すがたをお変えになって、かじをにぎって、その船の中に待ち受けておいでになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
大沼公園にも粗末そまつな料理屋が二三軒水際みぎわに立って居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
人命に限りあればとて、命を粗末そまつにしていとは限らず。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そして、粗末そまつながらも、夜食をふるまってくれたのである。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
粗末そまつなるはこへすべり入り、ひめぐる。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「三台の辻馬車つじばしゃで越していらっしゃいました」と、うやうやしくさらを差出しながら、侍僕頭がしたり顔に、——「自家用の車はお持ちでありませんし、家具もごくお粗末そまつで」
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
茶代をやらないと粗末そまつに取り扱われると聞いていた。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まことに粗末そまつちゃわんをおつけもうしまして、もうしわけはありません。いつであったか、まちましたときに、安物やすものってまいりましたのでございます。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
階段は上になるほど狭くなり、そして粗末そまつになった。もうジュウタンなんか見られなかった。板ばりに塵埃じんあいや木の葉がたまり放しであった。だがそこにも落とし穴が二つも仕掛けてあった。
時計屋敷の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
粗末そまつきれ下衣したぎしかてゐないで、あしにはなにかず、落着おちついてゐて、べつおどろいたふうく、こちらを見上みあげた。
「あなたが先日あの方にあげた品ですね、あれをあの方は、こんな粗末そまつなものをもらったって何にもなりゃしないって蔭口かげぐちってましたよ。」などとげる第三者があるとします。
先ほどの粗末そまつな下人の装束しょうぞくで、何やらおさがたい血気が身内にみなぎっている様子ようすである。舞台の右方に立ち、遠くから小野おのむらじをきっと凝視みつめる。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
その夜から、新吉もきえちゃんもわか姉さんもみんなばつを受けました。お小使いは一銭いっせんももらえなくなるし、三度の食事は二度になりました。それも、犬が食べるような粗末そまつな食事でした。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
これこそ真の処女である! 着ている衣裳は粗末そまつながらそれに何んのわずらいもされず玲瓏れいろうと澄み切ったその容貌は、愛と威厳と美との女神、吉祥天女きっしょうてんにょさながらである。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
平次と八五郎は小左衞門の案内で、問題の二階へ行つて見ました。驚く粗末そまつな建築で、小屋に毛の生えたものに過ぎない上に、夥しいガラクタ道具が一杯に散亂して、本當に足の踏みばもありません。
まことに粗末そまつなものであった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
下宿の建築が粗末そまつなんだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日々ひび得意先を回る魚屋さかなや八百屋やおや豆腐屋とうふやの人々の中に裏門を通用する際、かく粗末そまつなる木戸きどをくぐらすは我々を侮辱ぶじょくするなりといきどおる民主主義の人もあるまい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
死んだ父親と母親の着物、自分たちの着物、布団四、五枚、それから粗末そまつな二つ三つの家具、そういう物を二人は順々じゅんじゅんに売って、とうとう一枚の布団ぶとんしかのこらないようになってしまいました。
神様の布団 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
ゴーシュはその粗末そまつはこみたいなセロをかかえてかべの方へ向いて口をまげてぼろぼろなみだをこぼしましたが、気をとり直してじぶんだけたったひとりいまやったところをはじめからしずかにもいちど弾きはじめました。
セロ弾きのゴーシュ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
——脊中せなかの、病気びょうき子供こどもが、あか帽子ぼうしをほしがったので、あわれな母親ははおやは、もらいあつめたかねで、まちにいって粗末そまつあか帽子ぼうしって、それを子供こどもあたまにかぶせてやりました。
奥さまと女乞食 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは大へん小さくて、地理学者や探険家たんけんかならばちょっと標本ひょうほんって行けそうなものではありましたがまだまったくあたらしく黄いろと赤のペンキさえられていかにも異様いように思われ、その前には、粗末そまつながら一本のはたも立っていました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼がひそかに一挺いっちょうの三味線を手に入れようとして主家から給される時々の手あてや使い先でもら祝儀しゅうぎなどを貯金し出したのは十四歳のくれであって翌年の夏ようよう粗末そまつな稽古三味線を買い求めると番頭に見咎みとがめられぬようにさおどうとを別々に天井裏てんじょううら寝部屋ねべやへ持ち込み
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
熱がなかなかさがらなくて、そのうちに全身が紫色にれて来て、これもあなたのようないいお方を粗末そまつにした罰で、当然の報いだとあきらめて、もう死ぬのを静かに待っていたら、腫れた皮膚が破れて青い水がどっさり出て、すっとからだが軽くなり、けさ鏡を覗いてみたら、あたしの顔は、すっかり変って、こんな綺麗な顔になっているので嬉しくて、病気も何も忘れてしまい、寝床から飛び出て、さっそく家の中のお掃除などはじめていたら、あなたのお帰りでしょう? あたしは、うれしいわ。
竹青 (新字新仮名) / 太宰治(著)