をど)” の例文
ところで——番町ばんちやう下六しもろく此邊このへんだからとつて、いし海月くらげをどしたやうな、石燈籠いしどうろうけたやうな小旦那こだんなたちが皆無かいむだとおもはれない。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ロミオ いや/\、滅相めっさうな。足下きみ舞踏靴をどりぐつそこかるいが、わしこゝろそこなまりのやうにおもいによって、をどることはおろか、あるきたうもない。
をどつてうたうてかつしたのど其處そこうりつくつてあるのをればひそかうり西瓜すゐくわぬすんで路傍みちばたくさなかつたかはてゝくのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その男は、離屋の三方に積んだ枯柴かれしばに火をつけて、離屋の四方を廻りながら、氣狂ひのやうにをどり狂つてゐた、——あつしは直ぐ飛込んで來た。
いおちやにほひがするのと、家中いへぢうでみんなはたらいてるので、とうさんもすずめと一しよにそこいらををどつてあるきました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
(神使社頭へ皈る時里正まちしやうやの家に立より酒肴のまうけあり)神使社内へかへりしを見てをどりの行列ぎやうれつくりいだす。
をどりあがるここちして、八八小弟せうていはやくより待ちて今にいたりぬる。ちかひたがはで来り給ふことのうれしさよ。いざ入らせ給へといふめれど、只点頭うなづきて物をもいはである。
仲間なかまにならぬか、仲間なかまにおなり、仲間なかまにおなりよ、仲間なかまにおなり、一しよはいつてをどらんせ。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
決してゴシツク式の怪談のやうに、無暗むやみに血だらけな幽霊が出たり骸骨がいこつをどりを踊つたりしない。殊に輓近ばんきんの心霊学の進歩は、小説の中の幽霊に驚くべき変化を与へたやうです。
近頃の幽霊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
催せしもあり又男女なんによ打交うちまじりてをどるもありいとにぎはしけれども金兵衞はいそぎの用なればかへつて之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やるせなき春のワルツの舞すがたかなしくるほし君のをどれる
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
はづめ、まりよ、とんとんをど
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
んだ死んだ」とをどりつつ
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
落人おちうどへば、をどつた番組ばんぐみなにうしたたぐひかもれぬ。……むらさきはうは、草束くさたばねの島田しまだともえるが、ふつさりした男髷をとこまげつてたから。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼等かれら幾夜いくよをどつて不用ふようしたときには、それが彼等かれらあるいたみちはたほこりまみれながらいたところ抛棄はうきせられて散亂さんらんしてるのをるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それから後見こうけんけてもらうて、覺束無おぼつかなげにれい入場にふぢゃう長白つらねべるのもうれしうい。先方さき如何どうおもはうとも、此方こっち此方こっちで、おも存分ぞんぶんをどりぬいてかへらう。
それをきつかけのやうに、暫くの間坐つたまゝ、顏の筋肉をムヅムヅ動かして居た巴屋の七平は、物にかれたやうに起き上がつて、筋も節もなくをどり始めたのです。
元気げんきすずめは、そんなうた頓着とんちやくなしで、自分じぶんのお宿やども忘わすれたやうにゆきと一しよをどつてあるきます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
でよ、おで、おでよ、おで、さア/\一しよをどらぬか?
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
のみ皿小鉢さらこばちたゝき或はうたひ或はをどりなどして樂みけり却説さても袋井の甚右衞門は此程このほどお芳の逃亡かけおちなせしはてつきり九郎兵衞の所業ならん然すれば不動院などに匿れ居るも知れずと流石さすが商賣柄しやうばいがらだけはやくもかん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
をどり出したる惡玉あくだま
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ふえいたらをどれ、なんでも舶來はくらいもののなへならべること、尖端モダン新語辭典しんごじてんのやうになつたのは最近さいきんで、いつか雜曲ざつきよくみだれてた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
扱帶しごきをどりゑがたびごとたもとともにゆらり/\とれる。をとこすこ亂暴らんばうをんな身體からだにこすりつきながらをどる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
をどりの下地があるらしい身のこなしは輕快ですが、身體を動かす毎にき散らしたらしいなまめかしい體臭と、激しい掛け香の匂ひが、芬々ふんぷんとして隱しやうはありません。
ヂュリ あのかたは、ありゃれ? そのあとからかッしゃる……ありゃをどらなんだひとぢゃ。
すずめはチユウチユウきながら、たけのまはりをよろこんでをどつてあるきました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
でよ、おで、おでよ、おで、さア/\一しよをどらぬか?
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
わらべをどる波斯猫
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
をどれ、をどれ、とをどまはつて、水戸みと大洗節おほあらひぶしれるのが、のこらず、銀座ぎんざのバーからた、大女おほをんな一人藝ひとりげいで。……つた、つた、うたつた、をどつた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大部分は房吉の細工さいくで、内儀のお紺はそれにをどらされたに過ぎないやうな氣がするのです。
やがてさら/\とわた山風やまかぜや、つきかげうりをどる。踊子をどりこ何々なに/\ぞ。南瓜たうなす冬瓜とうがん青瓢あをふくべ白瓜しろうり淺瓜あさうり眞桑瓜まくはうり
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「しめた、八、その二人ををどらせよう」
すなはち、ぐら/\とえて、蝦夷えぞゆき板昆布いたこんぶをかぶつてをどりをどるやうなところを、ひよいとはさんで、はねをばして、あつゝとあわてて、ふツといて、するりと頬張ほゝばる。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たゞそれだけだよ。しかしいまでも不思議ふしぎだよ。」とのことである。——ねこまどのぞいたり、手拭掛てぬぐひかけをどつたり、へツつひかにつたり、ひよいとさいつてたやうである。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なんの、はし欄干らんかんこゑす、えんじゆくしやみをすべいなら、うろこひからし、くもいてをどりをどらう。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いはほ牡丹ぼたんいたゞきをどること、あゐしろ紺青こんじやうと三とう獅子ししるゝがごときをるとせよ。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
屋根やねをはがれたトタンいたと、屋根板やねいたが、がたん、ばり/\と、かけつたり、りみだれたり、ぐる/\と、をどさわぐと、石瓦いしかはらこそばないが、狼藉らうぜきとした罐詰くわんづめのあきがらが、カラカランと
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……切通きりどほしはせきつてくるまたきながした。勿論もちろん相乘あひのりうづいて、ひととともにつてちる、江智勝えちかつ豐國とよくにあたりで、したゝかないきほひつたのが、ありや/\、とくるまうへで、たこをどつてく。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)