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恭
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うや/\
ふりがな文庫
“
恭
(
うや/\
)” の例文
言はれて
内室
(
ないしつ
)
に
入
(
はひ
)
つて見ると
成程
(
なるほど
)
石は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
紫檀
(
したん
)
の
臺
(
だい
)
に
還
(
かへ
)
つて居たので
益々
(
ます/\
)
畏敬
(
ゐけい
)
の
念
(
ねん
)
を
高
(
たか
)
め、
恭
(
うや/\
)
しく老叟を
仰
(
あふ
)
ぎ見ると、老叟
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
一人
(
ひとり
)
の
若
(
わか
)
い
僧
(
そう
)
が
立
(
た
)
ちながら、
紫
(
むらさき
)
の
袱紗
(
ふくさ
)
を
解
(
と
)
いて、
中
(
なか
)
から
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
した
書物
(
しよもつ
)
を、
恭
(
うや/\
)
しく
卓上
(
たくじやう
)
に
置
(
お
)
く
所
(
ところ
)
を
見
(
み
)
た。
又
(
また
)
其
(
その
)
禮拜
(
らいはい
)
して
退
(
しり
)
ぞく
態
(
さま
)
を
見
(
み
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこに
恭
(
うや/\
)
しく
臥
(
ね
)
かしてある死体の、品のよい、
肌理
(
きめ
)
の細かい、のっぺりした顔を想像し、さてその顔の
空洞
(
うつろ
)
になった中央部を想像すると
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そして仏壇の方を目で指した。私は父の意味することをそれと察して、仏壇の前にきちんと坐り、
恭
(
うや/\
)
しく亡き母の位牌に別れの礼拝をした。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
寝そべつて相手方が
恭
(
うや/\
)
しく取上ぐるビールのコツプの泡が唇へ吸ひ込まれるのを人間が慰楽を摂取する器械はうまく出来てゐるなと眺めた。
坊つちやん「遺蹟めぐり」
(新字旧仮名)
/
岡本一平
(著)
▼ もっと見る
と
如何
(
いか
)
なる
企
(
くはだて
)
か、
内證
(
ないしよう
)
の
筈
(
はず
)
と
故
(
わざ
)
と
打明
(
うちあ
)
けて
饒舌
(
しやべ
)
つて、
紅筆
(
べにふで
)
の
戀歌
(
こひうた
)
、
移香
(
うつりが
)
の
芬
(
ぷん
)
とする、
懷紙
(
ふところがみ
)
を
恭
(
うや/\
)
しく
擴
(
ひろ
)
げて
人々
(
ひと/″\
)
へ
思入
(
おもひいれ
)
十分
(
じふぶん
)
で
見
(
み
)
せびらかした。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
明
(
あけ
)
て内より
白木
(
しらき
)
の
箱
(
はこ
)
と
黒塗
(
くろぬり
)
の箱とを取出し伊賀亮が
前
(
まへ
)
へ差出す時に伊賀亮は天一坊に
默禮
(
もくれい
)
し
恭
(
うや/\
)
しく
件
(
くだん
)
の
箱
(
はこ
)
の
紐
(
ひも
)
を
解
(
とき
)
中より
御墨附
(
おんすみつき
)
と御
短刀
(
たんたう
)
とを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
瞻視
(
まなざし
)
の
情
(
なさけ
)
ありげなる、
睫毛
(
まつげ
)
の長く黒き、
肢體
(
したい
)
の
品
(
しな
)
高くすなほなる、我等をして覺えず
恭
(
うや/\
)
しく帽を脱し禮を施さゞること能はざらしめたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「今君は何をさう念入りに考へてゐたのだね」と、医学士は云つて、腹の中では、こん度もきつと丁寧な、
恭
(
うや/\
)
しい返辞をするだらうと予期してゐた。
死
(新字旧仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
彼女は、スキャチャード先生に
恭
(
うや/\
)
しくお辭儀をして、その
縁起
(
えんぎ
)
の惡い道具を差出した。そして彼女は靜かに云ひつけられもしないのに前掛をとつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼は受付へ行つて、チケットを買ふと、
恭
(
うや/\
)
しく女達の前へいつた。そして踊りだした。それは何かエロ
味
(
み
)
の露骨な、インチキで荒つぽい踊りであつた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そして急にそれを抱きかゝへる如く
犇
(
ひし
)
と胸に押し当て、接吻し、又それを
恭
(
うや/\
)
しく台の上に置くと手を合はせて拝んだ。勿論彼女は其場に引き立てられた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
それから祭服の複雑な襞の間を捜して、大きいハンカチイフを取り出して、
恭
(
うや/\
)
しく鼻をかんだ。オルガン音階のC音を出したのである。そして唱へ始めた。
祭日
(新字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
大鞆は三筋の髪の毛を
恭
(
うや/\
)
しく紙に包み水引を掛けぬばかりにして警察署に出頭し先ず荻沢警部の控所に入れり
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
此間
(
このあひだ
)
にロミオは
假面
(
かめん
)
のまゝ、
巡禮姿
(
じゅんれいすがた
)
のまゝにてヂュリエットに
近
(
ちか
)
づき、
膝
(
ひざ
)
まづきて
恭
(
うや/\
)
しく
其
(
その
)
手
(
て
)
を
取
(
と
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
彼等
(
かれら
)
が
將
(
まさ
)
にこれを
石盤
(
せきばん
)
に
書
(
か
)
きつけんとした
時
(
とき
)
に、
白兎
(
しろうさぎ
)
は
啄
(
くち
)
を
容
(
い
)
れて、『
不必要
(
ふひつえう
)
で
御座
(
ござ
)
います、
陛下
(
へいか
)
よ、
申
(
まを
)
す
迄
(
まで
)
もなく』と
甚
(
はなは
)
だ
恭
(
うや/\
)
しく、
併
(
しか
)
し
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めて
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
眼も何も
腫
(
は
)
れふさがりさうな顏に、涙の露をたらして、京子はヂツと竹丸の顏に眼を注ぎながら、右の
空手
(
からて
)
で大事な物を握つてゐるやうにして、
恭
(
うや/\
)
しく前に差し出した。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
は、
私
(
わたくし
)
は、
屹度
(
きつと
)
、
軍艦
(
ぐんかん
)
「
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
」の
艦尾
(
かんび
)
の
方
(
かた
)
、八
吋
(
インチ
)
速射砲
(
そくしやほう
)
の
横
(
よこ
)
たはる
邊
(
へん
)
、
若
(
もし
)
くば
水面
(
すいめん
)
高
(
たか
)
き
舷門
(
げんもん
)
のほとりに
立
(
た
)
つて——
恭
(
うや/\
)
しく——
右手
(
めて
)
に
高
(
たか
)
く
兜形
(
ヘルメツトがた
)
の
帽子
(
ぼうし
)
を
揚
(
あ
)
げて、
今
(
いま
)
一度
(
いちど
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と生きたる主人に物云う如く
恭
(
うや/\
)
しく
拝
(
はい
)
を遂げましてから、新幡随院の玄関に掛りまして
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
閭
(
りよ
)
はかう
見當
(
けんたう
)
を
附
(
つ
)
けて
二人
(
ふたり
)
の
傍
(
そば
)
へ
進
(
すゝ
)
み
寄
(
よ
)
つた。そして
袖
(
そで
)
を
掻
(
か
)
き
合
(
あは
)
せて
恭
(
うや/\
)
しく
禮
(
れい
)
をして、「
朝儀大夫
(
てうぎたいふ
)
、
使持節
(
しぢせつ
)
、
台州
(
たいしう
)
の
主簿
(
しゆぼ
)
、
上柱國
(
じやうちゆうこく
)
、
賜緋魚袋
(
しひぎよたい
)
、
閭丘胤
(
りよきういん
)
と
申
(
まを
)
すものでございます」と
名告
(
なの
)
つた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そのフロツクコートといふのが、博士が大学を卒業した当時
拵
(
こしら
)
へたもので、その後長年
箪笥
(
たんす
)
の底に
蔵
(
しま
)
ひ込んで置いたが、博士になつた当座文部省へ出頭する時には、
恭
(
うや/\
)
しくそれを着込んでゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
君が結婚しようとする雪江さんは、僕もまんざら知らぬ仲ではないから、君たちの永遠の幸福を祈ってやまぬ僕は、こゝに君に向って
恭
(
うや/\
)
しく恋愛曲線を捧げ、以て微意を表したいと思うのである。
恋愛曲線
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
が、父はと見ると、しずかにその屍骸に近寄って、まず
恭
(
うや/\
)
しく礼拝してから、傍に置いてある
莚
(
むしろ
)
の上にすわるのであった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
此處
(
こゝ
)
がその、
甚
(
ひど
)
く
仲
(
なか
)
の
町
(
ちやう
)
式
(
しき
)
で
面白
(
おもしろ
)
いのは、
女房
(
かみさん
)
が、「
何
(
なに
)
かのお
禁呪
(
まじなひ
)
になるんだらう。」と
言
(
い
)
つた。
因
(
そこ
)
で、その
娘
(
むすめ
)
が、
恭
(
うや/\
)
しくお
盆
(
ぼん
)
に
載
(
の
)
せて、その
釜敷
(
かましき
)
を
持
(
も
)
つて
出
(
で
)
る。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
友の
擧動
(
ふるまひ
)
、その言語、一つとして不興のしるしならぬはなし。我も快からねば程なく暇乞して還りぬ。別るゝときは友の
恭
(
うや/\
)
しさ常に倍して、その冷なる手は我が温なる手を握りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
兵曹
(
へいそう
)
と
私
(
わたくし
)
とは、
恭
(
うや/\
)
しく
敬禮
(
けいれい
)
を
施
(
ほどこ
)
しつゝ、ふと、
其人
(
そのひと
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めたが、あゝ、
此
(
この
)
艦長
(
かんちやう
)
の
眼元
(
めもと
)
——
其
(
その
)
口元
(
くちもと
)
——
私
(
わたくし
)
が
甞
(
かつ
)
て
記臆
(
きおく
)
せし、
誰人
(
たれ
)
かの
懷
(
なつ
)
かしい
顏
(
かほ
)
に、よくも/\
似
(
に
)
て
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
と
思
(
おも
)
つたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
小三郎は何を思いましたか不図起き上り、旅荷を引寄せ、合切嚢の中から取り出して、大野惣兵衞の冠った頭巾と、
傍
(
かたわら
)
には
國俊
(
くにとし
)
の木剣造りの小脇差を置きまして、小さい位牌を
恭
(
うや/\
)
しく飾り
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「さア
旦
(
だん
)
さん、一つお
喫
(
あが
)
りやしとくれやす。」と
恭
(
うや/\
)
しく盃を進めた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
も
連
(
つ
)
れ行かんと
誘引
(
さそひ
)
ければ千太郎は
恭
(
うや/\
)
しく兩手をつき
據
(
よんど
)
ころなき用事も
有
(
あれ
)
ば勝手が間敷は候得共今日は
御免
(
ごめん
)
有れと云ひければ大勢は
酒機嫌
(
さかきげん
)
にて聞入ず殊に五兵衞の
吝嗇
(
りんしよく
)
を
平生
(
へいぜい
)
憎
(
にく
)
みける故
態
(
わざ
)
と千太郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
河内介はその問いには答えずに、再び懐を探ったかと思うと、今度も同じような
金襴
(
きんらん
)
の袋に包んだ小型の
壺
(
つぼ
)
を取り出して、それを
恭
(
うや/\
)
しく夫人の前に捧げた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と
紅筆
(
べにふで
)
の
戀歌
(
こひか
)
、
移香
(
うつりが
)
の
芬
(
ぷん
)
とする
懷紙
(
くわいし
)
を
恭
(
うや/\
)
しく
擴
(
ひろ
)
げて、
人々
(
ひと/″\
)
へ
思入
(
おもひいれ
)
十分
(
じふぶん
)
に
見
(
み
)
せびらかした。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
我に勸めて歌はせし男
恭
(
うや/\
)
しく媼の前に
磕頭
(
ぬかづ
)
きて、さてはフルヰアの君は此わかうどを見給ひしことあるか、又その歌を聞き給ひしことあるかと問ひぬ。媼。そは汝の知らぬ事なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
何
(
なに
)
か
艦長
(
かんちやう
)
の
命
(
めい
)
を
聽
(
き
)
かんとて、
姿勢
(
しせい
)
を
正
(
たゞ
)
して
立
(
た
)
てる三四
名
(
めい
)
の
水兵
(
すいへい
)
は、
先刻
(
せんこく
)
より
熱心
(
ねつしん
)
に
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
の
顏
(
かほ
)
を
見詰
(
みつ
)
めて
居
(
を
)
つたが、
其
(
その
)
中
(
うち
)
の
一名
(
いちめい
)
、
一歩
(
いつぽ
)
進
(
すゝ
)
み
出
(
い
)
でゝ、
恭
(
うや/\
)
しく
虎髯大尉
(
こぜんたいゐ
)
と
艦長
(
かんちやう
)
とに
向
(
むか
)
ひ、
意味
(
いみ
)
あり
氣
(
げ
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
小さな
如来
(
にょらい
)
を安置した佛壇の中に「江東院正岫因公大禅定門」と記した
位牌
(
いはい
)
がある、それぞ
正
(
まさ
)
しく三成の法名であったから、源太夫
乃
(
すなわ
)
ち
起
(
た
)
ってその前に至り、
恭
(
うや/\
)
しく香を
拈
(
ねん
)
じて礼を
作
(
な
)
した。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
洋杖
(
ステツキ
)
と
紙入
(
かみいれ
)
と、
蟇口
(
がまぐち
)
と
煙草入
(
たばこいれ
)
を、
外套
(
ぐわいたう
)
の
下
(
した
)
に
一所
(
いつしよ
)
に
確乎
(
しつか
)
と
壓
(
おさ
)
へながら、
恭
(
うや/\
)
しく
切符
(
きつぷ
)
と
急行劵
(
きふかうけん
)
を
二枚
(
にまい
)
持
(
も
)
つて、
餘
(
あま
)
りの
人混雜
(
ひとごみ
)
、あとじさりに
成
(
な
)
つたる
形
(
かたち
)
は、
我
(
われ
)
ながら、
扨
(
さ
)
て
箔
(
はく
)
のついたおのぼりさん。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「弾正殿の大切な物が計らずも我等の手に入りましたが、これは定めし御入用と存じますからお返し申します」とでも云って、鼻を
恭
(
うや/\
)
しく三宝に載せて、軍使が出張って来るのではないか。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「むき
蟹
(
がに
)
。」「
殼附
(
からつき
)
。」などと
銀座
(
ぎんざ
)
のはち
卷
(
まき
)
で
旨
(
うま
)
がる
處
(
どころ
)
か、ヤタ
一
(
いち
)
でも
越前蟹
(
ゑちぜんがに
)
(
大蟹
(
おほがに
)
)を
誂
(
あつら
)
へる……わづか
十年
(
じふねん
)
ばかり
前
(
まへ
)
までは、
曾席
(
くわいせき
)
の
膳
(
ぜん
)
に
恭
(
うや/\
)
しく
袴
(
はかま
)
つきで
罷出
(
まかりで
)
たのを、
今
(
いま
)
から
見
(
み
)
れば、
嘘
(
うそ
)
のやうだ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此の雪の白を
如何
(
いか
)
ように
過
(
すご
)
しておられますか、今夜は大方なみ/\ならず冷えることゝ存じますが、………と云うような言葉を述べ、何やら
衣筥
(
ころもばこ
)
に収めたものを
恭
(
うや/\
)
しく捧げながら運び入れた。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
店頭
(
みせさき
)
へ、
恭
(
うや/\
)
しく
彳
(
たゝず
)
んで、
四邊
(
あたり
)
を
見
(
み
)
ながら、せまつた
聲
(
こゑ
)
で
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
後生大事にその品物を袂のかげに抱えながら、我が家へ逃げ帰った平中は、一と間のうちに閉じ籠ってあたりに誰もいないのを確かめてから、先ずそれを
恭
(
うや/\
)
しく座敷にすえて、とみこうみした。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
恭
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“恭”を含む語句
柳里恭
恭敬
恭助
恭々
恭順
恭一
允恭天皇
恭忠
恭々敷
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恭倹
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恭〻
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巧言令色足恭
孔恭
魯恭王
史文恭
光恭
...