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足
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そく
ふりがな文庫
“
足
(
そく
)” の例文
何も下品に育つたからとて良人の持てぬ事はあるまい、
殊
(
こと
)
にお前のやうな
別品
(
べつぴん
)
さむではあり、一
足
(
そく
)
とびに
玉
(
たま
)
の
輿
(
こし
)
にも乗れさうなもの
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
藁
(
わら
)
の
小
(
ちひ
)
さな
極
(
きま
)
つた
束
(
たば
)
が一
把
(
は
)
は
大抵
(
たいてい
)
一
錢
(
せん
)
づゝであつた。
其
(
そ
)
の一
把
(
は
)
の
藁
(
わら
)
が
繩
(
なは
)
にすれば二
房半位
(
ばうはんぐらゐ
)
で、
草鞋
(
わらぢ
)
にすれば五
足
(
そく
)
は
仕上
(
しあが
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
のちに
同胞
(
はらから
)
を捜しに出た、山椒大夫一家の討手が、この坂の下の沼の
端
(
はた
)
で、小さい
藁履
(
わらぐつ
)
を一
足
(
そく
)
拾った。それは安寿の
履
(
くつ
)
であった。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
船中の混雑は中々容易ならぬ事で、水夫共は皆
筒袖
(
つつそで
)
の着物は着て居るけれども
穿物
(
はきもの
)
は
草鞋
(
わらじ
)
だ。草鞋が何百何千
足
(
そく
)
も貯えてあったものと見える。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
一
足
(
そく
)
とびに
切
(
き
)
ッ
先
(
さき
)
をかわして、おのれも
脇差
(
わきざし
)
をぬきはらった燕作、
陽
(
ひ
)
にかがやく大刀をふりかざして、ふたたびタタッ——と斬りこんでくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
仏蘭西のアルフオンス・ドオデエがその傑作『サツフオ』で文壇に乗り出して、一
足
(
そく
)
飛びに大家になつた時のことである。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
(『
義楚六帖
(
ぎそろくじょう
)
』にいわく、「『
倶舎
(
くしゃ
)
』に曰く、『
漸死
(
ぜんし
)
には
足
(
そく
)
と
臍
(
さい
)
と
心
(
しん
)
とに、最後に意識滅す。下と人と天は不生なり。断末摩は水等なり』」と)
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
太子
(
たいし
)
のお
徳
(
とく
)
がだんだん
高
(
たか
)
くなるにつれて、いろいろ
不思議
(
ふしぎ
)
な
事
(
こと
)
がありました。ある
時
(
とき
)
甲斐
(
かい
)
の
国
(
くに
)
から四
足
(
そく
)
の
白
(
しろ
)
い、
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
な
小馬
(
こうま
)
を一
匹
(
ぴき
)
朝廷
(
ちょうてい
)
に
献上
(
けんじょう
)
いたしました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
でもそのとき、よく見ますと、入口のところにちっぽけな木靴が一
足
(
そく
)
そろえてあります。おや、おや、小人は木靴まで小さくするほど気をつかっているのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「
女房
(
にょうぼう
)
や、」と
靴屋
(
くつや
)
が
言
(
い
)
った。「
店
(
みせ
)
へ
行
(
い
)
って、一
番
(
ばん
)
上
(
うえ
)
の
棚
(
たな
)
に、
赤靴
(
あかぐつ
)
が一
足
(
そく
)
あるから、あれを
持
(
も
)
って
来
(
き
)
な。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
片手に刀をダラリとさげ、斬っさきが地を撫でんばかり……
足
(
そく
)
を八の字のひらき、体をすこしく及び腰にまげて、若い
豹
(
ひょう
)
のように気をつめて左膳を狙うようす。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
キャラコさんは、縁側の雨戸のそばまで一
足
(
そく
)
とびに飛んで行って、
戸外
(
そと
)
から声を掛けた。
キャラコさん:11 新しき出発
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
舷側
(
げんそく
)
から吐き出される捨て水の音がざあざあと聞こえ出したので、遠い幻想の国から一
足
(
そく
)
飛びに取って返した葉子は、夢ではなく、まがいもなく目の前に立っている船員を見て
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
暫時
(
しばらく
)
して
彼方
(
かなた
)
より、茶色毛の犬の、しかも一
足
(
そく
)
痿
(
な
)
えたるが、
覚束
(
おぼつか
)
なくも歩み来ぬ。
兼
(
かね
)
て和主が物語に、
他
(
かれ
)
はその毛茶色にて、右の前足痿えしと
聞
(
きき
)
しかば。
必定
(
ひつじょう
)
これなんめりと思ひ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
すると、そこには、はき
古
(
ふる
)
した、ぼろぼろに
破
(
やぶ
)
れた
長
(
なが
)
ぐつが一
足
(
そく
)
捨
(
す
)
ててありました。
長ぐつの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ズックのくつは、ちんぼつしかけたボートのようにへしつぶれて、先のほうから指がのぞいている。これがあとにもさきにも
貧
(
まず
)
しいかれのただ一まいの着物、ただ一
足
(
そく
)
のくつだった。
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
驚いて目をポッチリ明き、いたいげな声で悲鳴を揚げながら、四
足
(
そく
)
を張って
藻掻
(
もが
)
く
中
(
うち
)
に、頭から何かで包まれたようで、真暗になる。窮屈で
息気
(
いき
)
が
塞
(
つま
)
りそうだから、出ようとするが、出られない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
(さあ、
其
(
それ
)
では
御案内
(
ごあんない
)
申
(
まを
)
しませう、どれ、
丁度
(
ちやうど
)
私
(
わたし
)
も
米
(
こめ
)
を
磨
(
と
)
ぎに
参
(
まゐ
)
ります。)と
件
(
くだん
)
の
桶
(
をけ
)
を
小脇
(
こわき
)
に
抱
(
かゝ
)
へて、
椽側
(
えんがは
)
から、
藁草履
(
わらぞうり
)
を
穿
(
は
)
いて
出
(
で
)
たが、
屈
(
かゞ
)
んで
板椽
(
いたえん
)
の
下
(
した
)
を
覗
(
のぞ
)
いて、
引出
(
ひきだ
)
したのは一
足
(
そく
)
の
古下駄
(
ふるげた
)
で
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
稀薄
(
きはく
)
で、
清浄
(
せいじょう
)
で、
殆
(
ほと
)
んど
有
(
あ
)
るか
無
(
な
)
きかの、
光
(
ひかり
)
の
凝塊
(
かたまり
)
と
申上
(
もうしあ
)
げてよいようなお
形態
(
からだ
)
をお
有
(
も
)
ち
遊
(
あそ
)
ばされた
高
(
たか
)
い
神様
(
かみさま
)
が、一
足
(
そく
)
跳
(
と
)
びに
濃
(
こ
)
く
鈍
(
にぶ
)
い
物質
(
ぶっしつ
)
の
世界
(
せかい
)
へ、その
御分霊
(
ごぶんれい
)
を
植
(
う
)
え
附
(
つ
)
けることは
到底
(
とうてい
)
できませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
耶蘇降誕祭
(
クリスマス
)
の
度毎
(
たんび
)
に
私
(
わたし
)
は
新
(
あた
)
らしい
長靴
(
ながぐつ
)
を一
足
(
そく
)
づつ
買
(
か
)
つてやらう
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
何
(
なに
)
も
下品
(
げひん
)
に
育
(
そだ
)
つたからとて
良人
(
おつと
)
の
持
(
も
)
てぬ
事
(
こと
)
はあるまい、
殊
(
こと
)
にお
前
(
まへ
)
のやうな
別品
(
べつぴん
)
さむではあり、一
足
(
そく
)
とびに
玉
(
たま
)
の
輿
(
こし
)
にも
乘
(
の
)
れさうなもの
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一
房
(
ばう
)
の
繩
(
なは
)
が七
錢
(
せん
)
五
毛
(
まう
)
で一
足
(
そく
)
の
草鞋
(
わらぢ
)
が一
錢
(
せん
)
五
厘
(
りん
)
といふ
相場
(
さうば
)
だからどつちにしても一
日
(
にち
)
熱心
(
ねつしん
)
に
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かせば
彼
(
かれ
)
は六七
錢
(
せん
)
の
儲
(
まうけ
)
を
獲
(
え
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
たちまち、
真紅金繍
(
しんくきんしゅう
)
の燃ゆるごとき魏の王旗を中心に、
龍鳳
(
りゅうほう
)
の旗を立て列ね、一
鼓
(
こ
)
六
足
(
そく
)
、堂々とあなたから迫ってくるもの——いうまでもなく魏の大軍だった。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
髑髏
(
どくろ
)
の紋が、夜目にもハッキリ浮かんで、帯のゆるんだ裾前から、女物の派手な下着をだらりと見せた丹下左膳、
足
(
そく
)
を割って、何かを踏まえているのは、これこそは
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
俺
(
おれ
)
は、やりかけてきた
仕事
(
しごと
)
がたくさんあるのだから、そんなことはしていられない。
今夜
(
こんや
)
は、わらじを五
足
(
そく
)
造
(
つく
)
らなければならないし、あすの
朝
(
あさ
)
は、三
斗
(
と
)
ばかり
米
(
こめ
)
をつかなければならん。」
おおかみをだましたおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ア
痛
(
つ
)
ッ……」と足を押さえながら、お綱が身を泳がせるやいな、一
足
(
そく
)
跳
(
と
)
びに寄ってきた編笠の侍は
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同時に、皆はパッと
足
(
そく
)
を開き、腰の一刀の柄に手をかけて、居合の構え——これには何者かの深い魂胆があるに相違ないと思うから、ビックリ箱をあけるような緊張だ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼
(
かれ
)
は五
足
(
そく
)
づつを
一
(
ひと
)
つに
束
(
たば
)
ねた
草鞋
(
わらぢ
)
とそれから
繩
(
なは
)
が
一荷物
(
ひとにもつ
)
に
成
(
な
)
ると
大風呂敷
(
おほぶろしき
)
で
脊負
(
しよ
)
つて
出
(
で
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
容貌
(
きりよう
)
のわるい
妻
(
つま
)
を
持
(
も
)
つぐらゐ
我慢
(
がまん
)
もなる
筈
(
はづ
)
、
水呑
(
みづの
)
みの
小作
(
こさく
)
が
子
(
こ
)
として一
足
(
そく
)
飛
(
とび
)
のお
大盡
(
だいじん
)
なればと、やがては
實家
(
じつか
)
をさへ
洗
(
あえあ
)
はれて、
人
(
ひと
)
の
口
(
くち
)
さがなし
伯父
(
そぢ
)
伯母
(
おば
)
一つになつて
嘲
(
あざけ
)
るやうな
口調
(
くてう
)
を
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
司馬懿
(
しばい
)
は、降兵を収め、味方をととのえ、一日にして勝ちを制し、一
鼓
(
こ
)
六
足
(
そく
)
、堂々と新城へ入った。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遊佐銀二郎、一歩下がって羽織の
紐
(
ひも
)
に手をかけた。
足
(
そく
)
のひらきがもう居合腰にはまっている。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
松野
(
まつの
)
は
答
(
こた
)
へぬ、
秋雨
(
あきさめ
)
はれて
後
(
のち
)
一日
今日
(
けふ
)
はと
俄
(
にはか
)
に
思
(
おも
)
ひ
立
(
たち
)
て、
糸子
(
いとこ
)
例
(
れい
)
の
飾
(
かざ
)
りなき
粧
(
よそ
)
ほひに
身支度
(
みじたく
)
はやく
終
(
をは
)
りて、
松野
(
まつの
)
が
來
(
く
)
る
間
(
ま
)
まち
遠
(
どほ
)
しく
雪三
(
せつざう
)
がもと
我
(
わ
)
れより
誘
(
さそ
)
いぬ、と
見
(
み
)
れば
玄關
(
げんくわん
)
に
見馴
(
みな
)
れぬ
沓
(
くつ
)
一
足
(
そく
)
あり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ほとんど一
足
(
そく
)
跳
(
と
)
びに、もとのところへひッ返してきた
龍太郎
(
りゅうたろう
)
が、と見れば、小船は
舫綱
(
もやい
)
をとかれて、湖水のあなたにただようているばかりで、
伊那丸
(
いなまる
)
のすがたは見えない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
足
(
そく
)
もひらかず、からだも動かさずに、突如、刀で指さすように横にはらった源三郎の剣を、峰丹波、受けるには受けた。が、胴ッ腹で受けた。これじゃア受けたことにならない。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
竹童のからだを横わきに引っかかえるや
否
(
いな
)
、小山の
降
(
お
)
り
口
(
ぐち
)
へむかって、一
足
(
そく
)
とびに逃げだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱い
盔
(
かぶと
)
、朱地
金襴
(
きんらん
)
の
戦袍
(
せんぽう
)
、
朱柄
(
あかえ
)
の槍、朱い
幟旗
(
しき
)
を揃えて、
八卦
(
はっけ
)
の
吉瑞
(
きちずい
)
にかたどって陣列を立て、その中央に、大将曹操をかこんで、一
鼓
(
こ
)
六
足
(
そく
)
、大地を踏み鳴らして入城した。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして一
足
(
そく
)
跳
(
と
)
びに疾走してきながら、編笠をそこへ叩きつけ、意気
軒昂
(
けんこう
)
な眉をあげて
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、鼻高々、鞭をあげて、いいつけられもしないのに一
鼓
(
こ
)
六
足
(
そく
)
の指揮をした。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“足”の解説
足(あし、foot)は、くるぶし以下接地部の身体の一部である。
(出典:Wikipedia)
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
“足”を含む語句
足下
跛足
洗足
御足
足音
発足
足拵
一足飛
一足
足掻
満足
百足
急足
四足
足手纏
足代
足拍子
日足
足趾
跣足
...