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蔽
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おほ
ふりがな文庫
“
蔽
(
おほ
)” の例文
私の眼は
蔽
(
おほ
)
はれ閉ぢられてあつた。渦卷く闇が私の
周
(
まは
)
りを流れるやうに思はれ、反省が黒い混亂した流れのやうに這入り込んで來た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
吃驚
(
びつくり
)
して、
取
(
と
)
つて、すつと
上
(
うへ
)
へ
引
(
ひ
)
くと、
引
(
ひ
)
かれた
友染
(
いうぜん
)
は、
其
(
そ
)
のまゝ、
仰向
(
あふむ
)
けに、
襟
(
えり
)
の
白
(
しろ
)
さを
蔽
(
おほ
)
ひ
余
(
あま
)
るやうに、がつくりと
席
(
せき
)
に
寝
(
ね
)
た。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
昔
(
むかし
)
はそんなに
樹木
(
じゆもく
)
が
生
(
は
)
えてゐたわけでなく、たいていそれらの
塚
(
つか
)
の
上
(
うへ
)
には、
圓
(
まる
)
い
磧石
(
かはらいし
)
を
載
(
の
)
せて、
全體
(
ぜんたい
)
を
蔽
(
おほ
)
うてをつたものでありました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
院長
(
ゐんちやう
)
の
某
(
なにがし
)
が
媒
(
なかだ
)
ちをしたのだといふ
噂
(
うは
)
さもあつた。
人々
(
ひと/″\
)
はたゞ
彼女
(
かのぢよ
)
も
弱
(
よわ
)
い
女
(
をんな
)
であるといふことのために、
目
(
め
)
を
蔽
(
おほ
)
ひ
耳
(
みゝ
)
を
掩
(
おほ
)
うて
彼女
(
かのぢよ
)
を
許
(
ゆる
)
した。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
伊賀屋源六が大地を這ひ廻る後ろから、六つ七つの提灯は一ぺンに集まつて、駕籠の中を
蔽
(
おほ
)
ふところなく照らし出したのです。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
シェードに
蔽
(
おほ
)
はれた光線が
恰度
(
ちやうど
)
その
額
(
ひたひ
)
のところまで這ひ上り、そこの黄色を吸ひとつて石のやうに白く光らせてゐる。道助はそれを見てゐた。
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
石の橋の上には、刈つた
藺
(
ゐ
)
が並べて干してあつて、それから墓地の柵までの
間
(
あひだ
)
は、笠のやうな
老松
(
らうしよう
)
が両側から
蔽
(
おほ
)
ひかゝつた。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
野原を
蔽
(
おほ
)
うた旗差物が、
俄
(
にはか
)
に波立つたと見てあれば、一度にどつと
鬨
(
とき
)
をつくつて、今にも懸け合はさうずけしきに見えた。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大佐
(
たいさ
)
の
家
(
いへ
)
は、
海面
(
かいめん
)
より
數百尺
(
すひやくしやく
)
高
(
たか
)
き
斷崖
(
だんがい
)
の
上
(
うへ
)
に
建
(
たて
)
られ、
前
(
まへ
)
は
果
(
はて
)
しなき
印度洋
(
インドやう
)
に
面
(
めん
)
し、
後
(
うしろ
)
は
美麗
(
びれい
)
なる
椰子
(
やし
)
の
林
(
はやし
)
に
蔽
(
おほ
)
はれて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
かれらまたその
表衣
(
うはぎ
)
にて
乘馬
(
じようめ
)
を
蔽
(
おほ
)
ふ、これ一枚の皮の下にて二匹の獸の出るなり、あゝ何の忍耐ぞ、
怺
(
こら
)
へてこゝにいたるとは。 一三三—一三五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
今日
(
こんにち
)
ですら
日本全土
(
にほんぜんど
)
の七十パーセントは
樹木
(
じゆもく
)
を
以
(
もつ
)
て
蔽
(
おほ
)
はれてをり、
約
(
やく
)
四十五パーセントは
森林
(
しんりん
)
と
名
(
な
)
づくべきものである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
従つて之を地から抜き取る際には、昔から犬を連れて来て犬に縛り附けて置いて、人々は耳を
蔽
(
おほ
)
つて遠くに居り、
然
(
しか
)
る
後
(
のち
)
犬を走らしめたのである。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
彼の女は半白の髪を平らに
撫
(
な
)
でつけ、白いレースで胸を
蔽
(
おほ
)
ひ、恐ろしく大きい出眼を早く動かしながら、三人を一瞬の内に見廻して這入つて来た。
アリア人の孤独
(新字旧仮名)
/
松永延造
(著)
彼は家を出ると、途中でボロ自動車を一台拾つて飛乗つたが、走り出すと両方の
蔽
(
おほ
)
ひの無いことに気がついた。三月の寒い夜風が強く頸や顔に当つた。
ある夜
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
草
(
くさ
)
に
蔽
(
おほ
)
はれた
丘
(
をか
)
の
坂
(
スロープ
)
が
交錯
(
かうさく
)
し合つて
穏
(
おだや
)
かな
幕
(
まく
)
のやうに流れてゐた。
人家
(
じんか
)
はばう/\とした
草
(
くさ
)
のために
見
(
み
)
えなかつた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
醜き人たちは如何に着飾らんともその醜きを
蔽
(
おほ
)
ふ
能
(
あた
)
はざるが如く、彼は如何に飾らざるもその美きを害せざるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
功利と文学との関係は正当には如何に解すべきかは此に論ぜずとするも、単なる勧懲主義、単なる教訓主義は以て文学の真意義を
蔽
(
おほ
)
ひ得べしとするか。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
雖然其の運命は悲慘な幕に
蔽
(
おほ
)
われる。父は、お房が十二の年に世間からはくたばツたと謂はれて首を
縊
(
くゝ
)
ツて死んだ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
見物が
又
(
また
)
騒
(
さわ
)
ぐ。
真黒
(
まつくろ
)
に
塗
(
ぬ
)
りたてた空の
書割
(
かきわり
)
の
中央
(
まんなか
)
を大きく
穿抜
(
くりぬ
)
いてある
円
(
まる
)
い穴に
灯
(
ひ
)
がついて、
雲形
(
くもがた
)
の
蔽
(
おほ
)
ひをば糸で
引上
(
ひきあ
)
げるのが
此方
(
こなた
)
からでも
能
(
よ
)
く見えた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
千登世は兩手を彼の肩にかけたまゝ、亂れ髮に
蔽
(
おほ
)
はれた蒼白い
瓜實顏
(
うりざねがほ
)
を胸のあたりに押當てて、
噦
(
しやく
)
りあげた。「ほんたうに苦勞させるわね。すまない……」
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
雲が天を
蔽
(
おほ
)
ふといふやうなことも
稀
(
まれ
)
でないが、満洲の天は前後左右が唯渺漠としてゐて雷雲が天に充満するなどといふことは、実に容易ならぬことである。
雷談義
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
この作の
表現形式
(
へうげんけいしき
)
や
構圖
(
こうづ
)
の不統一な事を
擧
(
あ
)
げて、作のテエマの
效果
(
エフエクト
)
が
薄
(
うす
)
いと云ひ、私は作の
構圖
(
こうづ
)
や
形式
(
けいしき
)
に對する
缺點
(
けつてん
)
を
蔽
(
おほ
)
ふ丈けに、作の内容が
深
(
ふか
)
い
爲
(
た
)
めに
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
されどいつも雨雲に
蔽
(
おほ
)
はれたるハツバス・ダアダアが面に、
些
(
ちと
)
の日光を見んと願ふものは、先づ草稿を出して閲を請ひ、自在に塗抹せしめずてはかなはず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
やがて雪が降りつもつて、庭中を
蔽
(
おほ
)
うて仕舞つた。
其
(
その
)
小松の緑は真白の雪の中に一層愛らしく美しく見えた。
夢
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
彼は卑しき者より使徒を撰み挙げたまひしのみか、常に
卑賤
(
いやしき
)
ものをあはれみたまひし跡、
蔽
(
おほ
)
ふ可からず。
トルストイ伯
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
左様
(
さう
)
です、人生の不可解が
若
(
も
)
し自殺の原因たるべき価値あるならば、地球は
忽
(
たちま
)
ち自殺者の
屍骸
(
しがい
)
を以て
蔽
(
おほ
)
はれねばなりませんよ、人生の不可解は人間が墓に行く迄
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
驚くべき事は、これと同時に、現在の我が天地を
蔽
(
おほ
)
ひ尽して
儼存
(
げんそん
)
してゐるといふ確実な事実である。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
藥草類
(
やくさうるゐ
)
を
撰
(
え
)
ってをったが、
顏
(
かほ
)
は
痩枯
(
やせが
)
れ、
眉毛
(
まゆげ
)
は
蔽
(
おほ
)
い
被
(
かぶさ
)
り、
鋭
(
するど
)
い
貧
(
ひん
)
に
躯
(
み
)
を
削
(
けづ
)
られて、
殘
(
のこ
)
ったは
骨
(
ほね
)
と
皮
(
かは
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
港灣
(
かうわん
)
に掃除の行はるる時、人夫等の黒き集團は
埠頭
(
ふとう
)
を
蔽
(
おほ
)
ひて、
船舶
(
せんぱく
)
の
傍
(
かたへ
)
に
立騷
(
たちさわ
)
ぐ如く
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
戸外
(
そと
)
には正月の寒い風が吹いてゐて、暗く空が
蔽
(
おほ
)
ひかぶさつてゐるやうな夜だつた。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
其ノ
荊州
(
けいしゆう
)
ヲ破リ、江陵ヲ下リ、流レニ
順
(
したが
)
ツテ東スルヤ、
舳艫
(
じくろ
)
千里、
旌旗
(
せいき
)
空ヲ
蔽
(
おほ
)
フ、酒ヲソソイデ江ニ
臨
(
のぞ
)
ミ、
槊
(
ほこ
)
ヲ横タヘテ詩ヲ賦ス、マコトニ一世ノ雄ナリ、而シテ今
安
(
いづ
)
クニカ在ル哉
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
二人
(
ふたり
)
を
加
(
くは
)
へて
勢
(
いきほ
)
ひづけられた
手
(
て
)
を
敏活
(
びんくわつ
)
に
動
(
うご
)
かして、まだ
暖
(
あたゝ
)
まつて
居
(
ゐ
)
る
蒲團
(
ふとん
)
へそつと
卯平
(
うへい
)
を
横
(
よこた
)
へた。
卯平
(
うへい
)
の
冷
(
つめ
)
たい
身體
(
からだ
)
には、
落葉
(
おちば
)
の
火
(
ひ
)
でおつぎが
焙
(
あぶ
)
つた
褞袍
(
どてら
)
と
夫
(
それ
)
から
餘計
(
よけい
)
な
蒲團
(
ふとん
)
とが
蔽
(
おほ
)
はれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
人間の樹の
中央
(
まんなか
)
につけた
性
(
せい
)
の
果
(
このみ
)
を
蔽
(
おほ
)
ふのは
南洋館
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
海を越え、空を
蔽
(
おほ
)
ひ、とどろ來るもの
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ああ、げに
蔽
(
おほ
)
はれたるわが心かな。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
狂
(
くる
)
ひまつはり、
搦
(
から
)
まつて、
民子
(
たみこ
)
の
膚
(
はだ
)
を
蔽
(
おほ
)
うたのは、
鳥
(
とり
)
ながらも
心
(
こゝろ
)
ありけむ、
民子
(
たみこ
)
の
雪車
(
そり
)
のあとを
慕
(
した
)
うて、
大空
(
おほぞら
)
を
渡
(
わた
)
つて
來
(
き
)
た
雁
(
かり
)
であつた。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
妹のお絹によく似た
細面
(
ほそおもて
)
、化粧崩れを直す
由
(
よし
)
もありませんが、生れ乍らの美しさは、どんな
汚
(
きた
)
な作りをしても、
蔽
(
おほ
)
ふ由もなかつたのでせう。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
砂利と落葉とを踏んで玄関へ来ると、これも
亦
(
また
)
古ぼけた
格子戸
(
かうしど
)
の
外
(
ほか
)
は、壁と云はず
壁板
(
したみ
)
と云はず、
悉
(
ことごと
)
く
蔦
(
つた
)
に
蔽
(
おほ
)
はれてゐる。
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかして月天の運行が、たえず
渚
(
なぎさ
)
をば、
蔽
(
おほ
)
ふてはまた
露
(
あら
)
はす如く、命運フィオレンツァをあしらふがゆゑに 八二—八四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
暁天に近い信濃の国は一めんの雪で
蔽
(
おほ
)
はれ、それを烈風が時々通過ぎて、吹雪の渦を起させてゐるのであつた。
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
人の
気勢
(
けはひ
)
に驚きて宮の振仰ぐ時、貫一は既にその
傍
(
かたはら
)
に在り。彼は
慌
(
あわ
)
てて
思頽
(
おもひくづを
)
るる
気色
(
けしき
)
を
蔽
(
おほ
)
はんとしたるが如し。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
顔の丸い、髪の
前額
(
ひたひ
)
を
蔽
(
おほ
)
つた二十一二の青年で、これは村でも有数の富豪の息子であるといふ事であつた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
彼はそれを腰に廻し、貧しい子供の上着をもつて、生ける子にするが如くその背を
蔽
(
おほ
)
うてやつた。
嘘をつく日
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
この大きい
絵看板
(
ゑかんばん
)
を
蔽
(
おほ
)
ふ
屋根形
(
やねがた
)
の
軒
(
のき
)
には、
花車
(
だし
)
につけるやうな
造
(
つく
)
り
花
(
ばな
)
が美しく飾りつけてあつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
私は自分の感情を
蔽
(
おほ
)
ひ隱さねばならぬことも、望みを握り潰さねばならぬことも、あの方が大して私に氣を留めてゐる筈のないことを忘れてはならぬことも知つてゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
われは覺えず
肌
(
はだへ
)
に
粟
(
あは
)
生ぜり、われもアヌンチヤタが色に迷ひし一人なれども、その
才
(
ざえ
)
の高く情の優しかりしをば、わが戀愛に
蔽
(
おほ
)
はれたりし心すら、猶能く認め得たりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
えい、ものものしや、
我
(
わ
)
が
神聖
(
しんせい
)
なる
甲板
(
かんぱん
)
は、
如何
(
いか
)
でか
汝等
(
なんぢら
)
如
(
ごと
)
き
汚
(
けが
)
れたる
海賊
(
かいぞく
)
の
血汐
(
ちしほ
)
に
染
(
そ
)
むべきぞ。と
我
(
わ
)
が
艦
(
かん
)
ます/\
奮
(
ふる
)
ふ。
硝煙
(
せうゑん
)
は
暗
(
くら
)
く
海
(
うみ
)
を
蔽
(
おほ
)
ひ、
萬雷
(
ばんらい
)
一時
(
いちじ
)
に
落
(
お
)
つるに
異
(
ことな
)
らず。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
私はハンカチーフで
鼻腔
(
びかう
)
を
蔽
(
おほ
)
ひながら松風の
喧囂
(
けんがう
)
に心を囚へられてゐると、偶然、あの
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
... 僕は全く
欺
(
あざむ
)
かれて居ました——」吾妻はハンケチもて眼を
蔽
(
おほ
)
ひつ「僕が諸君の
罵詈
(
ばり
)
攻撃をさへ甘んじて敬愛尊信した彼は——諸君、——売節漢であつた、
疑
(
うたがひ
)
もなき
間諜
(
かんてふ
)
であつた」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
夫
(
そ
)
れ真に神を見て信ずるものの信念は、宇宙の中心より
挺出
(
ていしゆつ
)
して三世十方を
蔽
(
おほ
)
ふ人生の大樹なる乎。
生命
(
いのち
)
の枝葉永遠に繁り栄えて、
劫火
(
ごふくわ
)
も之れを
燬
(
や
)
く能はず、劫風も之れを
僵
(
たふ
)
す能はず。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
蔽
常用漢字
中学
部首:⾋
15画
“蔽”を含む語句
日蔽
蔽被
蔽膝
隠蔽
蔽布
立蔽
打蔽
蔽重
蔽包
掩蔽
遮蔽
蔽物
掩蔽物
言路壅蔽
蔽覆
覆蔽
蔽蓋
蔽隠
隱蔽
遮蔽膜
...