“打蔽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うちおお66.7%
うちおほ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……手拭を口にくわえた時、それとはなしに、おもてを人に打蔽うちおおう風情が見えつつ、眉を優しく、ななめだちの横顔、瞳の濡々ぬれぬれと黒目がちなのが、ちらりと樹島に移ったようである。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
力なく引手に手をかけ、もすそを高くい取って、ドンとすと、我ながら、蹴出けだしつまも、ああ、晴がましや、ただ一面に鼠の霧、湯花の臭気においおもてを打って、目をも眉をも打蔽うちおお土蜘蛛つちぐもの巣に異ならず。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……ときなびきかゝるくもいうなるさへ、一てん銀河ぎんが髣髴はうふつとして、しかも、八甲田山かふださん打蔽うちおほふ、陸奥みちのくそらさびしかつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)