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若葉
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わかば
ふりがな文庫
“
若葉
(
わかば
)” の例文
君が
御名
(
みな
)
得
(
え
)
し
祐
(
さち
)
の井の、
井
(
ゐど
)
のほとりの
常磐木
(
ときはぎ
)
や、
落葉木
(
らくえふぼく
)
の
若葉
(
わかば
)
して、
青葉
(
あをば
)
となりて、
落葉
(
おちば
)
して、
年
(
とし
)
また年と
空宮
(
くうきう
)
に年は
遷
(
うつ
)
りぬ
四十五
(
しじふいつ
)
。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
たけおは、ぼんやりと
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
って、あちらの
高
(
たか
)
い
木
(
き
)
の
若葉
(
わかば
)
が、
大空
(
おおぞら
)
にけむっているのを、
心
(
こころ
)
から、
美
(
うつく
)
しいと
思
(
おも
)
って、ながめていました。
花かごとたいこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これで
木
(
き
)
の
若葉
(
わかば
)
の
美
(
うつく
)
しい
色
(
いろ
)
や、
新緑
(
しんりよく
)
の
緑色
(
みどりいろ
)
のこともおわかりになつたと
思
(
おも
)
ひますから、
次
(
つ
)
ぎには
樹木
(
じゆもく
)
の
生活
(
せいかつ
)
について
少
(
すこ
)
しお
話
(
はなし
)
をしませう。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
しんたのむねを
下
(
お
)
りたところに、かたがわには
椿
(
つばき
)
の
木
(
き
)
がありました。
今
(
いま
)
花
(
はな
)
は
散
(
ち
)
って、
浅緑
(
あさみどり
)
の
柔
(
やわ
)
らかい
若葉
(
わかば
)
になっていました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
木ぎが、ふたたびみずみずしい
若葉
(
わかば
)
をつけはじめたころのことでした。あるとき、この国の王さまが、森で
狩
(
か
)
りをして、シカを
追
(
お
)
っていきました。
マリアの子ども
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
「後添えでいらっしゃる、若殿様とは
継
(
まま
)
しい仲だが、至ってお
睦
(
むつ
)
まじい。奥方には今年十九になる
若葉
(
わかば
)
様という、それはそれは綺麗なお嬢様がある」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さて、
若葉
(
わかば
)
、
青葉
(
あをば
)
、
雲
(
くも
)
いろ/\の
山々
(
やま/\
)
、
雪
(
ゆき
)
を
被
(
かつ
)
いだ
吾妻嶽
(
あづまだけ
)
を
見渡
(
みわた
)
して、
一路
(
いちろ
)
長
(
なが
)
く、
然
(
しか
)
も
凸凹
(
でこぼこ
)
、ぐら/\とする
温泉
(
ゆ
)
の
路
(
みち
)
を、
此
(
こ
)
の
親仁
(
おやぢ
)
が
挽
(
ひ
)
くのだから、
途中
(
みち
)
すがら
面白
(
おもしろ
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引連
(
ひきつれ
)
出
(
いで
)
はしたれど
騷
(
さわが
)
しき所は素より好まねば
王子
(
わうじ
)
邊
(
あたり
)
へ立越て
楓
(
かへで
)
の
若葉
(
わかば
)
若緑
(
わかみどり
)
を
眺
(
ながめ
)
んにも又上野より
日暮
(
ひぐらし
)
里などへ掛る時は
渠
(
かれ
)
醉人の多くして
風雅
(
ふうが
)
を妨げ
面白
(
おもしろ
)
からねば音羽通を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
事
(
こと
)
は
冬
(
ふゆ
)
の
下
(
した
)
から
春
(
はる
)
が
頭
(
あたま
)
を
擡
(
もた
)
げる
時分
(
じぶん
)
に
始
(
はじ
)
まつて、
散
(
ち
)
り
盡
(
つく
)
した
櫻
(
さくら
)
の
花
(
はな
)
が
若葉
(
わかば
)
に
色
(
いろ
)
を
易
(
か
)
へる
頃
(
ころ
)
に
終
(
をは
)
つた。
凡
(
すべ
)
てが
生死
(
しやうし
)
の
戰
(
たゝかひ
)
であつた。
青竹
(
あをだけ
)
を
炙
(
あぶ
)
つて
油
(
あぶら
)
を
絞
(
しぼ
)
る
程
(
ほど
)
の
苦
(
くる
)
しみであつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
若葉
(
わかば
)
がふっくらとしげった木々のあいだに、大きなわら屋根が見え、それから
米倉
(
こめぐら
)
の白い
壁
(
かべ
)
が見えてきました。その白い壁は朝の日をうけて、あたたかそうに
光
(
ひか
)
っていました。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
谷中
(
やなか
)
から
上野
(
うえの
)
へ
抜
(
ぬ
)
ける、
寛永寺
(
かんえいじ
)
の
土塀
(
どべい
)
に
沿
(
そ
)
った一
筋道
(
すじみち
)
、
光琳
(
こうりん
)
の
絵
(
え
)
のような
桜
(
さくら
)
の
若葉
(
わかば
)
が、
道
(
みち
)
に
敷
(
し
)
かれたまん
中
(
なか
)
に
佇
(
たたず
)
んだ、
若旦那
(
わかだんな
)
徳太郎
(
とくたろう
)
とおせんの
兄
(
あに
)
の千
吉
(
きち
)
とは、
折
(
おり
)
からの
夕陽
(
ゆうひ
)
を
浴
(
あ
)
びて
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
女中は矢張眼を伏せたまゝ、『千本桜』の
若葉
(
わかば
)
の
内侍
(
ないじ
)
のやうに上品に口をつぼめて
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
御相
(
みさう
)
いとどしたしみやすきなつかしき
若葉
(
わかば
)
木
立
(
だち
)
の
中
(
なか
)
の
盧遮那仏
(
るしやなぶつ
)
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
港をよろふ山の
若葉
(
わかば
)
に光さしあはれ静かなるこのゆく春や
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
枇杷
(
びは
)
の
若葉
(
わかば
)
をたべたので
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
若葉
(
わかば
)
かがやくかげにこそ
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
地
(
ち
)
には
若葉
(
わかば
)
の
神飾
(
かみかざ
)
り
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
かけて
見
(
み
)
つ
又
(
また
)
ときつ
思案
(
しあん
)
にもつるゝ
撚糸
(
よりいと
)
の
八重
(
やへ
)
が
歎
(
なげ
)
きは
又
(
また
)
異
(
こと
)
なり
茂
(
しげ
)
る
若葉
(
わかば
)
の
妨
(
さまた
)
げと
仰
(
おほ
)
せられしは
我
(
わ
)
が
事
(
こと
)
ならずや
闇
(
くら
)
き
迷
(
まよ
)
ひと
歎
(
たん
)
じ
給
(
たま
)
へど
夫
(
そ
)
れ
悟
(
さと
)
りたればこその
御取持
(
おとりも
)
ちなれ
思
(
おも
)
ひ
合
(
あ
)
ふ
中
(
なか
)
のお
兩方
(
ふたかた
)
に
我
(
わ
)
が
生涯
(
しやうがい
)
の
望
(
のぞ
)
みも
頼
(
たの
)
みも
御讓
(
おゆづ
)
り申して
思
(
おも
)
ひ
置
(
お
)
くこと
些少
(
いさゝか
)
なきを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
がコバルト
色
(
いろ
)
に
光
(
ひか
)
って、
太陽
(
たいよう
)
がにこやかに、
東
(
ひがし
)
のいきいきとした
若葉
(
わかば
)
の
森
(
もり
)
にさえ
微笑
(
ほほえ
)
めば、おじいさんは、かならずやってきました。
からすの唄うたい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
やまざくらのように
緑色
(
みどりいろ
)
の
若葉
(
わかば
)
をもつもの、
生
(
い
)
け
垣
(
がき
)
に
多
(
おほ
)
いかなめもちのように
紅色
(
べにいろ
)
のうつくしい
若芽
(
わかめ
)
をもつものもあり
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
代助は縁側へ出て、
庭
(
には
)
から
先
(
さき
)
にはびこる一面の青いものを見た。花はいつしか散つて、今は
新芽
(
しんめ
)
若葉
(
わかば
)
の初期である。はなやかな
緑
(
みどり
)
がぱつと
顔
(
かほ
)
に吹き付けた様な心持ちがした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
わけても
若葉
(
わかば
)
樣は、母上樣の潔白のため一日一刻も早く、その
呪
(
のろひ
)
の願文を書いた惡戯者を搜し出し、父上樣の御怒りも
宥
(
なだ
)
めて上げたいと、葬式の仕度もせぬおむづかりやうぢや。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
若葉
(
わかば
)
の
陰
(
かげ
)
を
岸
(
きし
)
づたひに、
上流
(
じやうりう
)
の
一本橋
(
いつぽんばし
)
の
方
(
はう
)
からすた/\と
跣足
(
はだし
)
で
來
(
き
)
た。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
仁左衛門さん
宅
(
とこ
)
の
大欅
(
おおけやき
)
が春の空を
摩
(
な
)
でて
淡褐色
(
たんかっしょく
)
に煙りそめる。雑木林の
楢
(
なら
)
が逸早く、
櫟
(
くぬぎ
)
はやゝ晩れて、芽を
吐
(
ふ
)
きそめる。
貯蔵
(
かこい
)
の
里芋
(
さといも
)
も芽を吐くので、里芋を植えねばならぬ。月の終は、
若葉
(
わかば
)
の
盛季
(
さかり
)
だ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
わが
故郷
(
ふるさと
)
は、
楠樹
(
くすのき
)
の
若葉
(
わかば
)
仄
(
ほの
)
かに
香
(
か
)
ににほひ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
罪
(
つみ
)
つくりなれ
我
(
われ
)
ゆゑに
人
(
ひと
)
二人
(
ふたり
)
まで
同
(
おな
)
じ
思
(
おも
)
ひにくるしむ
共
(
とも
)
いざやしら
樫
(
がき
)
の
若葉
(
わかば
)
の
露
(
つゆ
)
かぜに
散
(
ち
)
る
夕
(
ゆふ
)
ぐれの
散歩
(
さんぽ
)
がてら
梨本
(
なしもと
)
の
娘
(
むすめ
)
病氣
(
びやうき
)
にて
別莊
(
べつそう
)
に
出養生
(
でやうじやう
)
とや
見舞
(
みまひ
)
てやらんとて
柴
(
しば
)
の
戸
(
と
)
おとづれしにお
八重
(
やへ
)
はじめて
對面
(
たひめん
)
したり
逢
(
あ
)
はゞ
云
(
い
)
はんの
千言百言
(
ちこともゝこと
)
うさもつらさも
胸
(
むね
)
に
呑
(
の
)
みて
恩
(
おん
)
とも
言
(
い
)
はず
義理
(
ぎり
)
とも
言
(
い
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「また、
来年
(
らいねん
)
の
若葉
(
わかば
)
のころには、きっときますから、どうぞ、みなさんお
達者
(
たっしゃ
)
でいてください。」といったのでありました。
縛られたあひる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
春
(
はる
)
の
若葉
(
わかば
)
や
新緑
(
しんりよく
)
の
森
(
もり
)
の
美
(
うつく
)
しさとともに、
夏
(
なつ
)
の
濃緑
(
こみどり
)
がすんだ
後
(
のち
)
の
秋
(
あき
)
の
林
(
はやし
)
の
紅葉
(
もみぢ
)
の
景色
(
けしき
)
も、いづれ
劣
(
おと
)
らぬ
自然
(
しぜん
)
の
誇
(
ほこ
)
りです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「だが、可哀想だよ、一層氣の毒なのはあの
若葉
(
わかば
)
とかいふ娘さ」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ある
山
(
やま
)
に一
本
(
ぽん
)
のかえでの
木
(
き
)
がありました。もう
長
(
なが
)
いことその
山
(
やま
)
に
生
(
は
)
えていました。
春
(
はる
)
になると、
美
(
うつく
)
しい
若葉
(
わかば
)
を
出
(
だ
)
し、
秋
(
あき
)
になるとみごとに
紅葉
(
こうよう
)
しました。
葉と幹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
崖
(
がけ
)
からたれさがった
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
に、
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
照
(
て
)
らして、
若葉
(
わかば
)
の
面
(
おもて
)
が
流
(
なが
)
れるように、てらてらとしていました。
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ある
家
(
いえ
)
の
門
(
もん
)
のところに、
大
(
おお
)
きなしいの
木
(
き
)
がありました。すずめが、その
枝
(
えだ
)
の
中
(
なか
)
に
巣
(
す
)
を
造
(
つく
)
っていました。さわやかな
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いて、きらきらと
若葉
(
わかば
)
は
波
(
なみ
)
だてていました。
木の上と下の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
春
(
はる
)
びよりの、あたたかな
日
(
ひ
)
でした。
畑
(
はたけ
)
の
中
(
なか
)
の
古墳
(
こふん
)
のかたわらには、一
本
(
ぽん
)
のかきの
木
(
き
)
がありましたが、
小枝
(
こえだ
)
にのびた、つやつやしい
若葉
(
わかば
)
は、
風
(
かぜ
)
にふかれて
光
(
ひか
)
っていました。
うずめられた鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そこには、
鋭
(
するど
)
い
無数
(
むすう
)
の
刺
(
とげ
)
があって、
外
(
そと
)
からの
敵
(
てき
)
を
守
(
まも
)
ってくれるであろうし、そのやわらかな
若葉
(
わかば
)
は
卵
(
たまご
)
が
孵化
(
ふか
)
して
幼虫
(
ようちゅう
)
となったときの
食物
(
しょくもつ
)
となるであろうと
考
(
かんが
)
えたからでした。
冬のちょう
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
若葉
(
わかば
)
のけむるような
林
(
はやし
)
を、
波
(
なみ
)
だて、ふいてきた
風
(
かぜ
)
が
心は大空を泳ぐ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
若
常用漢字
小6
部首:⾋
8画
葉
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
“若葉”で始まる語句
若葉宿
若葉町