“わかば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嫩葉49.2%
若葉46.2%
嫩棄1.5%
嫰葉1.5%
稚葉1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
街路とおりには晩春の午後のが明るくして、町はひっそりとしていた。そこここの塀越しに枝を張っている嫩葉わかばにも風がなかった。
指環 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
たけおは、ぼんやりとまえって、あちらのたか若葉わかばが、大空おおぞらにけむっているのを、こころから、うつくしいとおもって、ながめていました。
花かごとたいこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
蛇は上へ上へと登って、やがて微紅うすあか嫩棄わかばに覆われた梢に姿を隠して往った。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
三度ばかりも湯をつぐうちに、急須の中の嫰葉わかばがすつかりその持味を失つてゐることは、茶好きなもののよく經驗するところである。
短夜の頃 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
雪も消えて、つつじヶ岡おか枝垂桜しだれざくらも咲きはじめ、また校庭の山桜も、ねばっこい褐色かっしょく稚葉わかばと共に重厚な花をひらいて、私たちはそろそろ学年末の試験準備に着手していた頃であった。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)