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まよなか
ふりがな文庫
“
真夜中
(
まよなか
)” の例文
旧字:
眞夜中
太郎
(
たろう
)
は、もしや、おじいさんが、この
真夜中
(
まよなか
)
に
雪道
(
ゆきみち
)
を
迷
(
まよ
)
って、あちらの
広野
(
ひろの
)
をうろついていなさるのではなかろうかと
心配
(
しんぱい
)
しました。
大きなかに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これがわたしにはきみょうに思えたし、それとともに、売り買いをするのにこんな
真夜中
(
まよなか
)
の時間を
選
(
えら
)
んだということもふしぎであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
こう
独
(
ひと
)
り
言
(
ごと
)
を
言
(
い
)
いながら、その
晩
(
ばん
)
はだいじそうに
茶
(
ちゃ
)
がまをまくら
元
(
もと
)
に
飾
(
かざ
)
って、ぐっすり
寝
(
ね
)
ました。すると
真夜中
(
まよなか
)
すぎになって、どこかで
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そこに、この
真夜中
(
まよなか
)
、水音がしていた。裸体になって
水垢離
(
みずごり
)
をとっている者がある。白い肌がやがて寒烈な泉に身を
浄
(
きよ
)
めて上がってきた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「『偶然にも』などということはどうでもよろしい、ロリー氏。その
真夜中
(
まよなか
)
に乗船した乗客は被告一人だけだったのですな?」
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
▼ もっと見る
しかも
彼是
(
かれこれ
)
真夜中
(
まよなか
)
になると、その早桶のおのづからごろりと転げるといふに至つては、——明治時代の本所はたとひ草原には乏しかつたにもせよ
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
やっと目がさめてみると、もう
真夜中
(
まよなか
)
で、あらしはとうにやんで、お月さまが、窓からかんかん、ヨハンネスのねている所までさし込んでいました。
旅なかま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
どうしてきみが
真夜中
(
まよなか
)
にやってきて、ぼくをつれだしたのか、いまになって、やっとわかったよ。ぼくがあの古い都を
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
それからモー
一
(
ひと
)
つ
申上
(
もうしあ
)
げて
置
(
お
)
きたいのは、あの
願掛
(
がんが
)
け……つまり
念入
(
ねんい
)
りの
祈願
(
きがん
)
でございまして、これは
大
(
たい
)
てい
人
(
ひと
)
の
寝鎮
(
ねしず
)
まった
真夜中
(
まよなか
)
のものと
限
(
かぎ
)
って
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ところがテンバはどうもまだ
真夜中
(
まよなか
)
のようでございます、どこの様子を見ても急に夜が明けそうにありませんと
愚痴
(
ぐち
)
を
溢
(
こぼ
)
して居るです。それはもうそのはずです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
その
真夜中
(
まよなか
)
、時計が
丁度
(
ちょうど
)
十二時をうつと間もなく、今は営業をやめて住む人もなく
化物屋敷
(
ばけものやしき
)
のようになってしまったキャバレー・エトワールの地下室の方角にギーイと
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
真夜中
(
まよなか
)
にごろ/\と雷が鳴った。雨戸の
隙
(
すき
)
から雷が光った。而して
颯
(
ざあ
)
と雨の音がした。起きて雨戸を一枚
繰
(
く
)
って見たら、
最早
(
もう
)
月が出て、沼の水に
螢
(
ほたる
)
の様に星が浮いて居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
おう/\と
声
(
こゑ
)
をかけ
合
(
あ
)
つて
纔
(
わづか
)
に
未
(
ま
)
だ
人種
(
ひとだね
)
の
世
(
よ
)
に
尽
(
つ
)
きぬのを
知
(
し
)
るばかり、八
日
(
か
)
を八百
年
(
ねん
)
と
雨
(
あめ
)
の
中
(
なか
)
に
籠
(
こも
)
ると
九日目
(
こゝのかめ
)
の
真夜中
(
まよなか
)
から
大風
(
たいふう
)
が
吹出
(
ふきだ
)
して
其
(
その
)
風
(
かぜ
)
の
勢
(
いきほひ
)
こゝが
峠
(
たうげ
)
といふ
処
(
ところ
)
で
忽
(
たちま
)
ち
泥海
(
どろうみ
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
倉地がその夜はきっと愛子の所にいるに違いないと思った葉子は、病院に泊まるものと
高
(
たか
)
をくくっていた岡が突然
真夜中
(
まよなか
)
に訪れて来たので倉地もさすがにあわてずにはいられまい。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
真夜中
(
まよなか
)
過
(
す
)
ぎれば
帰
(
かへ
)
られぬ。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
果
(
は
)
たして、
真夜中
(
まよなか
)
のこと、ぶつかる
風
(
かぜ
)
のために、
家
(
いえ
)
がぐらぐらと
地震
(
じしん
)
のように
揺
(
ゆ
)
れるのでした。
風
(
かぜ
)
は
東南
(
とうなん
)
から、
吹
(
ふ
)
きつけるのでした。
台風の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
艦
(
ふね
)
の出帆は、それから一時間半の後——
真夜中
(
まよなか
)
に馬関を発して、ここからはもうまっすぐに、大坂の
安治川
(
あじがわ
)
へ向かうという予定なのである。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真夜中
(
まよなか
)
すぎになって、いつものとおり
天子
(
てんし
)
さまがおこりをお
病
(
や
)
みになる
刻限
(
こくげん
)
になりました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
こんな
暗
(
くら
)
い
真夜中
(
まよなか
)
に、死んだ人とふたりきりかと思いますと、たまらないほど恐ろしくなりました。ころがるように
段々
(
だんだん
)
をかけおりて、大いそぎで牛小屋にとんで帰りました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
それにあの
時
(
とき
)
の
空模様
(
そらもよう
)
の
怪
(
あや
)
しさ、
赭黒
(
あかぐろ
)
い
雲
(
くも
)
の
峰
(
みね
)
が、
右
(
みぎ
)
からも
左
(
ひだり
)
からも、もくもくと
群
(
むら
)
がり
出
(
い
)
でて
満天
(
まんてん
)
に
折
(
お
)
り
重
(
かさ
)
なり、
四辺
(
あたり
)
はさながら
真夜中
(
まよなか
)
のような
暗
(
くら
)
さに
鎖
(
とざ
)
されたと
思
(
おも
)
う
間
(
ま
)
もなく
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
……
真夜中
(
まよなか
)
に、
色沢
(
いろつや
)
のわるい、
頬
(
ほゝ
)
の
痩
(
や
)
せた
詩人
(
しじん
)
が
一人
(
ひとり
)
、
目
(
め
)
ばかり
輝
(
かゞや
)
かして
熟
(
じつ
)
と
視
(
み
)
る。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
船の上では、でも、たれも陽気にたのしくうかれて、
真夜中
(
まよなか
)
すぎまでもすごしました。そのなかで、ひいさまは、こころでは、死ぬことをおもいながら、いっしょにわらっておどりました。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
時々、あの
方
(
かた
)
は
真夜中
(
まよなか
)
にお起きになりましてね、御自分のお部屋の中を往ったり来たり、往ったり来たりしてお歩きになるのが、この上のあそこにいる私どもに聞えることがよくありますの。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
すこし廻ったところだから、これから十時、十一時、十二時と、
丁度
(
ちょうど
)
真夜中
(
まよなか
)
までに、三人の話が一とまわりするンじゃ。川波大尉殿、まず君から、なにかソノ
秘話
(
ひわ
)
といったようなものを始め給え
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
灰色
(
はいいろ
)
の
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
た
姉
(
あね
)
は、べつに
姿
(
すがた
)
を
変
(
か
)
える
必要
(
ひつよう
)
もなかったので、ある
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
ももれない
真
(
ま
)
っ
暗
(
くら
)
な
真夜中
(
まよなか
)
に
下界
(
げかい
)
へ
降
(
お
)
りてきたのです。
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
慾
(
よく
)
につりこまれて、
草芝
(
くさしば
)
の上へあらたまり、おとといの
真夜中
(
まよなか
)
、
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
が
手策
(
てだて
)
をつくして
従僧
(
じゅうそう
)
ふたりを
殺
(
あや
)
め、ひとりの
主僧
(
しゅそう
)
をいけどってきて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真夜中
(
まよなか
)
ごろのことでした。
灰色
(
はいいろ
)
ネズミたちは、あちこちさがしまわったすえに、とうとう地下室に通じている
穴
(
あな
)
を見つけたのです。それは
壁
(
かべ
)
のかなり上のほうについていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
では、
汽車
(
きしや
)
の
中
(
なか
)
に
一人
(
ひとり
)
踞
(
つくば
)
つて、
真夜中
(
まよなか
)
の
雨
(
あめ
)
の
下
(
した
)
に、
鍋
(
なべ
)
で
饂飩
(
うどん
)
を
煮
(
に
)
る
形
(
かたち
)
は
何
(
なん
)
だ? ……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
風も無い、死んだように
寂
(
さび
)
しい
真夜中
(
まよなか
)
だった。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ランプの
火
(
ひ
)
はうす
暗
(
ぐら
)
く、
家
(
うち
)
の
中
(
なか
)
を
照
(
て
)
らしました。まだ、
夜
(
よ
)
は
明
(
あ
)
けなかったのです。しかし、
真夜中
(
まよなか
)
を
過
(
す
)
ぎていたことだけは、たしかでした。
大きなかに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もう
真夜中
(
まよなか
)
であろう、風はないほうだがかなり
高波
(
たかなみ
)
。パッと、
舳
(
みよし
)
にくだける
潮
(
うしお
)
の花にもうもうたる
霧
(
きり
)
が立ってゆく。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
背中
(
せなか
)
に、むつとして、いきれたやうな
可厭
(
いや
)
な
声
(
こゑ
)
。
此
(
これ
)
は、と
視
(
み
)
ると、すれ
違
(
ちが
)
つて、
通
(
とほ
)
り
状
(
ざま
)
に
振向
(
ふりむ
)
いたのは、
真夜中
(
まよなか
)
の
雨
(
あめ
)
に
饂飩
(
うどん
)
を
食
(
く
)
つた、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
の一
筋
(
すぢ
)
ならびの、
唇
(
くちびる
)
の
爛
(
たゞ
)
れたあの
順礼
(
じゆんれい
)
である。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
真夜中
(
まよなか
)
ごろ、
子供
(
こども
)
は、あらしの
叫
(
さけ
)
びで
目
(
め
)
をさましたのです。
小舎
(
こや
)
が、ぐらぐらと
動
(
うご
)
いて、ブリキのはがれる
音
(
おと
)
がしていました。
縛られたあひる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
悶
(
もだ
)
えもいたずらに、三日とたち四日もすでに
真夜中
(
まよなか
)
に近い頃——。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
町方
(
まちかた
)
、
里近
(
さとちか
)
の
川
(
かは
)
は、
真夜中
(
まよなか
)
に
成
(
な
)
ると
流
(
ながれ
)
の
音
(
おと
)
が
留
(
や
)
むと
言
(
い
)
ふが
反対
(
あべこべ
)
ぢやな。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
息子
(
むすこ
)
は、あたりが、すでに
眠静
(
ねしず
)
まった
真夜中
(
まよなか
)
ごろ、
一人
(
ひとり
)
広場
(
ひろば
)
にやってきますと、はたしてさびしい
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
が、
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
をば
照
(
て
)
らしていました。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「だって」と、雲長はまた笑い、「これから楼桑村へゆけば、
真夜中
(
まよなか
)
を過ぎてしまう。初めての家を訪問するのに、あまり礼を知らぬことに当ろう。なにも、明日でも明後日でもよいではないか。 ...
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其
(
そ
)
の
術
(
て
)
で
行
(
ゆ
)
かねば、
業
(
わざ
)
を
変
(
か
)
へて、
何処
(
どこ
)
とも
知
(
し
)
らず、
真夜中
(
まよなか
)
にアハヽアハヽ
笑
(
わら
)
ひをる、
吃驚
(
びつくり
)
すると
鮒
(
ふな
)
が
消
(
き
)
える、——
此方
(
こつち
)
も
自棄腹
(
やけばら
)
の
胴
(
どう
)
を
極
(
き
)
めて、
少々
(
せう/\
)
脇
(
わき
)
の
下
(
した
)
を
擽
(
くすぐ
)
られても、
堪
(
こら
)
へて
静
(
じつ
)
として
畚
(
びく
)
を
守
(
まも
)
れば
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なぜというに、
星
(
ほし
)
の
声
(
こえ
)
は、それはそれはかすかなものであったからであります。ちょうど
真夜中
(
まよなか
)
の一
時
(
じ
)
から、二
時
(
じ
)
ごろにかけてでありました。
ある夜の星たちの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
真夜中
(
まよなか
)
だったが、主殿助は、すぐ本丸へ出かけて行った。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真夜中
(
まよなか
)
ごろでした。
秀吉
(
ひできち
)
はふと
目
(
め
)
をさますと、
兄
(
あに
)
をおこさないようにそっと
床
(
とこ
)
からぬけだして、
犬小屋
(
いぬごや
)
へいってみました。
ペスときょうだい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あなたは、どこからおいでなされました。この
真夜中
(
まよなか
)
に
家
(
いえ
)
ちがいじゃありませんか。」と、
母親
(
ははおや
)
は
驚
(
おどろ
)
いた
顔
(
かお
)
つきで、
男
(
おとこ
)
をながめながらいいました。
ろうそくと貝がら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ある
寒
(
さむ
)
い
晩
(
ばん
)
のこと、
私
(
わたし
)
は、
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
で、
眠
(
ねむ
)
れずに
目
(
め
)
をさましていました。すると、
真夜中
(
まよなか
)
ごろのこと、すさまじい
音
(
おと
)
がして、
星
(
ほし
)
が、
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
ちました。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
じつは
私
(
わたし
)
たちもあの
船
(
ふね
)
を
見
(
み
)
ておかしな
船
(
ふね
)
だと
思
(
おも
)
っていたのです。なんでも
昨夜
(
さくや
)
、
真夜中
(
まよなか
)
ごろ、どこからか
石炭
(
せきたん
)
を
運
(
はこ
)
んできて、
積
(
つ
)
み
込
(
こ
)
んだようなけはいでした。
カラカラ鳴る海
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
寒
(
さむ
)
い、
暗
(
くら
)
い、
晩
(
ばん
)
であります。
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
が、さびしく
聞
(
き
)
かれました。ちょうど、
真夜中
(
まよなか
)
ごろでありましょう。
少女がこなかったら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
家内
(
かない
)
の
人
(
ひと
)
たちが
寝静
(
ねしず
)
まってしまった
真夜中
(
まよなか
)
ごろ、
独
(
ひと
)
り
起
(
お
)
きて、チャン、チャンと
機
(
はた
)
を
織
(
お
)
っていました。
はまねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
真夜中
(
まよなか
)
ごろでありました。トン、トン、と、だれか
戸
(
と
)
をたたくものがありました。
年寄
(
としよ
)
りのものですから
耳
(
みみ
)
さとく、その
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
きつけて、だれだろうと
思
(
おも
)
いました。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
昼
(
ひる
)
から、
夜
(
よる
)
となく、つづいた
避難
(
ひなん
)
する
人
(
ひと
)
たちの
群
(
む
)
れも、さすがに、
真夜中
(
まよなか
)
になると、いずれも、どこかに
宿
(
やど
)
るものとみえて、
往来
(
おうらい
)
がちょっとの
間
(
あいだ
)
はとだえるのでした。
子供と馬の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから
後
(
のち
)
、
彼
(
かれ
)
は、たびたび
真夜中
(
まよなか
)
ごろに、この
車
(
くるま
)
の
音
(
おと
)
を
床
(
とこ
)
の
中
(
なか
)
で
聞
(
き
)
いたことがありましたが、いつも、それは、
人間
(
にんげん
)
とは
思
(
おも
)
われないような、
怖
(
おそ
)
ろしい
姿
(
すがた
)
をしたものが
少女がこなかったら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どうして
牛女
(
うしおんな
)
が、どこからきたものかと、みんなは
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
いました。
人々
(
ひとびと
)
はその
後
(
のち
)
もたびたび
真夜中
(
まよなか
)
に、
牛女
(
うしおんな
)
がさびしそうに
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
を
歩
(
ある
)
いている
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
たのでありました。
牛女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“真夜中”の解説
真夜中(まよなか、en: midnight)とは、夜の中間点である。正子(しょうし)、子夜(しや)、「24時」(24時間制や30時制など)、(夜/夜中の/深夜)「0時」、「12時」(12時間制)ともいう。
(出典:Wikipedia)
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“真夜”で始まる語句
真夜半
真夜