疑問ぎもん)” の例文
土偶どぐうの用は信仰上しんこうじやう關係くわんけい有りと假定するも、尚ほ實在じつざいの人の形をあらはしたる物か、想像上そうぞうじやうの神の形を示したる物かとの疑問ぎもん有らん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
この疑問ぎもんがすすんで、竹童ちくどうもいつのころからか、じぶんの父は何人なんぴとか、自分の母はたれなのかと、人知れずしきりに思うようになっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、せいうへ共通きようつうといふことが、たして、思想しさう感情かんじやう共通きようつうといふことよりも、重大ぢうだい影響えいきやうがあるかどうか疑問ぎもんである。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
たいコスモポリタンといふ言葉ことば正確せいかく意義いぎはどういふのだらう。わたしには疑問ぎもんおこつた。そこで『井上ゐのうへ英和辭典えいわじてん』をいてると、うある。
なぜという疑問ぎもんを解くには、拙斎入道がいったように、助左衛門を探しあてて、話を聞くよりほかに方法がない。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それから瓢簟山ひようたんやま頂上てうじやうおいて、埴輪土偶はにわどぐうを二發見はつけんした關係くわんけいから、四ヶしよ隆起りうきせる山頂さんてうもつて、古墳こふんではいかといふ疑問ぎもんしやうじ、その隆起りうきせる山頂さんてう
もしまた医学いがく目的もくてきくすりもって、苦痛くつううすらげるものとすなれば、自然しぜんここに一つの疑問ぎもんしょうじてる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かりに家庭の事情を打破ツて、結婚したとしてからが、お房が美術家の妻として、また子爵ししやく家の夫人ふじんとして品位ひんゐを保ツて行かれるかどうかといふことが疑問ぎもんである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
もしそこに火災かさいおこおそれが絶對ぜつたいになかつたならば、この問題もんだい解決かいけつ一點いつてん疑問ぎもんおこらないであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
あのにぎつたほか、あのむねいだいたほかむねのあつたことを想像さうぞうして、心臓しんざう鼓動こどうも一とまり、呼吸いきふさがつたやうにおぼえた。同時どうじ色々いろ/\疑問ぎもんむねおこつた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
思慮しりよふか大佐たいさすら小首こくびかたむけたほどで、わたくしむねには、始終しじういてはなれぬ疑問ぎもんであつたので、いま機會きくわい
よしこの原石器げんせつき疑問ぎもんがあるにしても、そのぎにならべてあるこぶしのようなかたちをしたいしになると、たれても(第二十一圖だいにじゆういちず左下ひだりした)かう根元ねもとふとつてさきとがつたいしばかりが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
どうしてくまなぞがはいりこんだものか、そんな疑問ぎもんをいだくよゆうもなく、自分は、ランプを持った手を、ぐいと、くまの方にさしだして、一歩いっぽしりぞいて身がまえた。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
それからは洪積層こうせきそう旧天王キーデンノー安山集塊岩あんざんしゅうかいがんおかつづきのにもかぶさっているかがいちばんの疑問ぎもんだったけれどもぼくたちは集塊岩のいくつもの露頭ろとうを丘の頂部ちょうぶ近くで見附みつけた。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あいちやんは自分じぶんまた、三にん園丁えんていのやうに平伏ひれふさなければならないかうかは疑問ぎもんでしたが、かつ行列ぎやうれつ出逢であつた場合ばあひ、かうした規則きそくのあることをきませんでした
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
坑道こうどうの屋根の下の空き地が、自由にからだのはたらけるだけ広かろうかとわたしはあやぶんでいた。これは疑問ぎもんであった。少し泳いでみて、そっと行けば行かれることがわかった。
こゝまでますと最後さいご寒帶林かんたいりん上部じようぶはどうなつてるかといふ疑問ぎもんるでせう。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
郷里の家やしきは人手にわたってあとは紡績ぼうせき工場がたっている。もしいまでもあんな大きな家に住んで昔のままにいばっているとすれば、五人のお孫さんがこんなに優良かどうかはなはだ疑問ぎもんだ。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
第六囘だいろくくわいいたりてはじめて、殺人さつじん大罪だいざいなるかいなかの疑問ぎもん飮食店いんしよくてん談柄だんぺいより引起ひきおこし、つい一刹那いつせつなうかいださしめて、この大學生だいがくせいなんあだもなき高利貸こうりかし虐殺ぎやくさつするにいたる。だいくわいその綿密めんみつなる記事きじなり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
爾來じらい地震ぢしん記事きじは、かなり詳細せうさい文献ぶんけんあらはれてをり、その慘害さんがいじやう想像さうざうされるが、これを建築發達史けんちくはつたつしからて、地震ぢしんのために如何いかなる程度ていどにおいて、構造上こうざうぜう考慮かうりよくはへられたかは疑問ぎもんである。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
そのことが、みんなの、疑問ぎもんとなりました。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
疑問ぎもん空襲くうしゅう
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ふたりは矢来やらいのきわをはなれながら、それとなく気をつけたが、いつのまにか疑問ぎもんの三名は忽然こつねんとかげをして、あたりのどこにも見えなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山頂さんてうのが主墳しゆふんで、山麓さんろくのが殉死者じゆんししやはうむつたのではるまいかといふ、うした疑問ぎもんをもしやうぜられるのである。
彼等かれらてんぷらをあいするやうに「しるこ」をもかならず——あいするかどうかは多少たしよう疑問ぎもんはあるにもせよ、かくおうはすすめて價値かちのあることだけはたしかであらう。
しるこ (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
もしまた醫學いがく目的もくてきくすりもつて、苦痛くつううすらげるものとすなれば、自然しぜんこゝに一つの疑問ぎもんしやうじてる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
 大博士に疑問ぎもんをいだく。噴火がかりしょくをはがれ、その火山ばい土壌どじょうたがやす。部下ぶかみなしたがう。
最初さいしよは、たくさんの貝殼かひがらは、はたしてむかしひとがそのにくつてすてたものか、どうかゞ疑問ぎもんとせられたのでありましたが、ある學者がくしや綿密めんみつ調査ちようさした結果けつか、すてゝあるそれらの貝殼かひがら
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
こういうみじめな、あわれっぽい疑問ぎもんを心の中でくり返しくり返しするうちに、わたしは暗い空の上にかがやいている星を見た。そよとの風もなかった。どこもかしこもしんとしていた。
この疑問ぎもんわたしなどにも兎角とかくおこりやすい疑問ぎもんである。歌舞伎俳優かぶきはいゆう近代的きんだいてきになるにしたがつて、以前いぜんのやうな荘重典雅そうてうてんが風貌ふうぼうがなくなつて、そこいらのわかしうたいしたちがひがなくなるとおなじことである。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
日出雄少年ひでをせうねん特更ことさら子供心こどもごゝろ愉快ゆくわい愉快ゆくわいたまらない、丁度ちやうど牧塲まきばあそ小羊こひつじのやうに其處此處そここゝとなくんであるいて、折々をり/\わたくしそばはしつてては甲板かんぱんうへ裝置さうちされた樣々さま/″\船具せんぐについて疑問ぎもんおこ
そのあいだに、いま申した疑問ぎもんてんをとうほうでもじゅうぶんに取り調しらべておくから、それまで待てと申すのだ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たるれい想像さうぞうぎるので、加瀬貝塚かせかひづか疑問ぎもんをして、一そうつよからしめる論證ろんしようとするにはらぬけれども、一おう參考さんかうとするには充分じうぶんだらうとおもうのである。
つまり、料理れうりとか裁縫さいほうとか、育兒いくじとかといふ書物以外しよもついぐわいに——婦人ふじん實生活じつせいくわつなかつとめる役割やくわりくわんした書物以外しよもついぐわいに、婦人ふじんにのみようのある書物しよもつがあるかどうかといふこと疑問ぎもんである。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わたしは心の中でたびたびこの疑問ぎもんをくり返してみた。
蠻勇ばんゆうちからもつて、地中ちちう秘密ひみつあばき、學術上がくじゆつじやう疑問ぎもん解决かいけつあたへねば、まぬのである。
疑問ぎもんうえ疑問ぎもんかさなつたのである。
疑問ぎもんいよ/\疑問ぎもん