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丁寧
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ていねい
ふりがな文庫
“
丁寧
(
ていねい
)” の例文
丁寧
(
ていねい
)
過ぎるほど丁寧な挨拶、天氣のこと、世並のこと、
疝癪
(
せんしやく
)
で歩くのに骨が折れ、思はず手間取つた話などひとわたりあつて、さて
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
所
(
ところ
)
へ
顏
(
かほ
)
の
割
(
わり
)
に
頭
(
あたま
)
の
薄
(
うす
)
くなり
過
(
す
)
ぎた
肥
(
ふと
)
つた
男
(
をとこ
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て、
大變
(
たいへん
)
丁寧
(
ていねい
)
に
挨拶
(
あいさつ
)
をしたので、
宗助
(
そうすけ
)
は
少
(
すこ
)
し
椅子
(
いす
)
の
上
(
うへ
)
で
狼狽
(
あわて
)
た
樣
(
やう
)
に
首
(
くび
)
を
動
(
うご
)
かした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それにもかかわらず、
当
(
とう
)
の名探偵は、いつさめるともなく、
昏々
(
こんこん
)
と眠っている。眠った上にご
丁寧
(
ていねい
)
にも身動きもできず
縛
(
しば
)
られている。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
少年クリストフは、彼女のそばにすわって、さほど
丁寧
(
ていねい
)
でなかった。決してお世辞を言わなかった、お世辞を言うどころではなかった。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その度を通り過ぎると今度は本当に
心
(
しん
)
から軟くなって味が出るのです。
丁寧
(
ていねい
)
にすると何でもその軟くなる
度
(
ど
)
まで煮なければなりません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
彼は、一枚二枚脱いでいって、そいつを
丁寧
(
ていねい
)
に草の上でたたむ。靴の
紐
(
ひも
)
を結び合わせ、それをまた、いつまでもかかってほどく。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
自分
(
じぶん
)
の
気
(
き
)
にいると、さもうれしそうに、それを
丁寧
(
ていねい
)
に
箱
(
はこ
)
の
中
(
なか
)
に
納
(
おさ
)
めました。そして、つぎの
人形
(
にんぎょう
)
の
顔
(
かお
)
を
描
(
か
)
きにかかったのです。
気まぐれの人形師
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
教授は不似合な山高帽子を
丁寧
(
ていねい
)
に取って、
煤
(
すす
)
けきったような鈍重な眼を強度の近眼鏡の後ろから覗かせながら、
含羞
(
はにか
)
むように
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
卯木や久子も奥向きだけでなく、
釜屋
(
かまや
)
から
厨房
(
くりや
)
へまで出て、はたらいていた。——
館
(
やかた
)
じゅうの清掃も今朝は日ごろとちがう
丁寧
(
ていねい
)
さであった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ナターシャは、ゆっくり
丁寧
(
ていねい
)
に長椅子の下からベッドのかげにまで濡雑巾をかけた。どういう仕事をするときでもナターシャはいそがない。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「おおそこもとが郡上氏か、玻璃窓の高名存じておる。碩翁殿よりの紹介状、
丁寧
(
ていねい
)
でかえって痛み入る。くつろぐがよい、ゆっくりしやれ」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私
(
わたくし
)
は
一
(
ひ
)
と
目
(
め
)
見
(
み
)
て、これはきっと
貴
(
とうと
)
い
神
(
かみ
)
さまだとさとり、
丁寧
(
ていねい
)
に
御挨拶
(
ごあいさつ
)
を
致
(
いた
)
しました。それがつまりこの
瀑布
(
たき
)
の
白竜
(
はくりゅう
)
さまなのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
庭
(
には
)
は
卯平
(
うへい
)
が
始終
(
しじゆ
)
草
(
くさ
)
を
挘
(
むし
)
つて
掃除
(
さうぢ
)
してあるのに、
蕎麥
(
そば
)
を
打
(
う
)
つ
前
(
まへ
)
に一
旦
(
たん
)
丁寧
(
ていねい
)
に
箒
(
はうき
)
が
渡
(
わた
)
つたので
見
(
み
)
るから
清潔
(
せいけつ
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
たのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
T君は朝鮮飴一切れを出して遍路にやった。遍路はそれを押しいただき、それを食べるかと思うと、胸に
懸
(
か
)
けてある袋の中に
丁寧
(
ていねい
)
にしまった。
遍路
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
しかも
丁寧
(
ていねい
)
に三八二十四と、九九の声を添えてあるのは、そういう暗記をしていた連中、
即
(
すなわ
)
ちやはり子供らの通弁であった。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
御免なされと
襖
(
ふすま
)
越しのやさしき声に胸ときめき、
為
(
し
)
かけた
欠伸
(
あくび
)
を半分
噛
(
か
)
みて何とも知れぬ返辞をすれば、
唐紙
(
からかみ
)
する/\と開き
丁寧
(
ていねい
)
に
辞義
(
じぎ
)
して
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
と
搜
(
さが
)
す中、
漸
(
やつ
)
とのことで大きな
無花果
(
いちじく
)
の
樹蔭
(
こかげ
)
に
臥
(
ね
)
こんで
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
つけ
出
(
だ
)
し、
親父
(
おやぢ
)
は
恭々
(
うや/\
)
しく
近寄
(
ちかよ
)
つて
丁寧
(
ていねい
)
にお
辭儀
(
じぎ
)
をして
言
(
い
)
ふのには
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
その間、今これを持って来た娘は、かいがいしく兵馬の後ろに廻って、兵馬が一旦、まくし上げておいた
蒲団
(
ふとん
)
を、再び
丁寧
(
ていねい
)
に敷き直した上に
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
金を
路傍
(
ろぼう
)
の
土芥
(
どかい
)
のごとくみなすのはいかにも
欲
(
よく
)
がなく
潔
(
いさぎ
)
よく聞こえるが、また
丁寧
(
ていねい
)
に考えると金は決して
己
(
おの
)
れの物ではない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
紺三郎がエヘンエヘンとせきばらいをしながら幕の横から出て来て
丁寧
(
ていねい
)
にお辞儀をしました。みんなはしんとなりました。
雪渡り
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そして
方々
(
ほうぼう
)
の
家
(
いえ
)
で
毎日
(
まいにち
)
、
毎日
(
まいにち
)
、
六部
(
ろくぶ
)
を
呼
(
よ
)
んで、
丁寧
(
ていねい
)
におもてなしをした上に、お
礼
(
れい
)
をたんと
持
(
も
)
たせて
立
(
た
)
たせてやりました。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
館の裏手へ廻ると坂の上に三十くらいの女と十歳くらいの女の子とが枯枝を拾うていたからこれに
上根岸
(
かみねぎし
)
までの道を聞いたら
丁寧
(
ていねい
)
に教えてくれた。
根岸庵を訪う記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
なお親戚の者が差出した盞も
盃洗
(
はいせん
)
の水で
丁寧
(
ていねい
)
に洗った後でなければ受け取ろうとせず、あとの手は
晒手拭
(
さらしてぬぐい
)
で音のするくらい拭くというありさまに
蛍
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
何時間
(
なんじかん
)
かじっと
坐
(
すわ
)
って
様子
(
ようす
)
を
見
(
み
)
ていましたが、それからあたりを
丁寧
(
ていねい
)
にもう一
遍
(
ぺん
)
見廻
(
みまわ
)
した
後
(
のち
)
やっと
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
って、
今度
(
こんど
)
は
非常
(
ひじょう
)
な
速
(
はや
)
さで
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
しました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そのためだろうか、街角の医者の家を叩くと、
俥夫
(
しゃふ
)
は
寝呆
(
ねぼ
)
けて私がいまだかつて、聞いた事がないほどな
丁寧
(
ていねい
)
な物言いで、いんぎんに小腰を曲めた。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
年よりも若い第二十三号はまず
丁寧
(
ていねい
)
に頭を下げ、
蒲団
(
ふとん
)
のない
椅子
(
いす
)
を指さすであろう。それから
憂鬱
(
ゆううつ
)
な微笑を浮かべ、静かにこの話を繰り返すであろう。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と云い乍ら、お祖父さんはトシオの取り落した眼鏡を、拾い上げて
丁寧
(
ていねい
)
にチリを払って、懐へ入れてしまいました。
トシオの見たもの
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「あら、
長
(
ちやう
)
ちやんも
居
(
ゐ
)
たの。学校がお休み………あら、さう。」
其
(
そ
)
れから
付
(
つ
)
けたやうに、ほゝゝほと笑つて、さて
丁寧
(
ていねい
)
に手をついて
御辞儀
(
おじぎ
)
をしながら
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
命にかかわるようなひどい怪我ではありませんように——彼は祈るような気持で
丁寧
(
ていねい
)
に山田の頭を調べた。血は出ていない、骨が砕けている様子もない。
秋空晴れて
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
と、
丁寧
(
ていねい
)
に
挨拶
(
あいさつ
)
する雪之丞の、たわやかな姿を、素浪人は、かっと見開いた、毒々しい目でぐっと
睨
(
ね
)
め下ろした。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
いひ
後
(
おく
)
れては
却
(
かへ
)
つて
出
(
で
)
そびれて
頼
(
たの
)
むにも
頼
(
たの
)
まれぬ
仕誼
(
しぎ
)
にもなることゝ、つか/\と
前
(
まへ
)
へ
出
(
で
)
た。
丁寧
(
ていねい
)
に
腰
(
こし
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お艶は、さっきから何度もしているように、
丁寧
(
ていねい
)
に頭をさげると、ほどよく微笑をほころばせながら、それでも充分の
棘
(
とげ
)
を含んで同じ言葉をくり返した。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
寝台のへりに腰をかけ、彼は背を曲げて
仔細
(
しさい
)
に点検し始めた。点検し終るとひとつひとつ
丁寧
(
ていねい
)
に弾丸をこめた。布片を出して銃身から
銃把
(
じゅうは
)
を何度も拭いた。
日の果て
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
『
何卒
(
どうぞ
)
閣下
(
かくか
)
是
(
これ
)
をお
召
(
め
)
し
下
(
くだ
)
さい。』と、ニキタは
前院長
(
ぜんゐんちやう
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つて
丁寧
(
ていねい
)
に
云
(
い
)
ふた。『
那
(
あれ
)
が
閣下
(
かくか
)
のお
寐臺
(
ねだい
)
で。』と、
彼
(
かれ
)
は
更
(
さら
)
に
新
(
あたら
)
しく
置
(
おか
)
れた
寐臺
(
ねだい
)
の
方
(
はう
)
を
指
(
さ
)
して。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
劇場の人々が彼等に対して
丁寧
(
ていねい
)
な態度や、運転手のそれに対するうやうやしい態度は、彼等が相当に名のある老人、名のある夫人であることを物語っている。
地図にない街
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
「まさか、君は、あたらずさわらずの形式的な
丁寧
(
ていねい
)
さを、あたりまえだと考えているんではないだろうね。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
父は立ち止ったが、急に
踵
(
かかと
)
でくるりと回ると、とって返して行った。そして、垣根越しにジナイーダと
肩
(
かた
)
を
並
(
なら
)
べる辺まで行くと、父は
丁寧
(
ていねい
)
に彼女に
会釈
(
えしゃく
)
をした。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
職工や代表者たちに
丁寧
(
ていねい
)
に挨拶した。何時もの温厚な専務だった。女工と男工の一部が、さすがに動いた。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
その堂の建て方も自分の家よりはよほど
丁寧
(
ていねい
)
で中も綺麗になって居ります。その
仏壇
(
仏堂
)
の
傍
(
かたわ
)
らには特別に経蔵を設けまた仏像の中に経文を備えてあるところもある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
『
私
(
わたし
)
は
些
(
ちつ
)
とも
知
(
し
)
りませんでした』と
丁寧
(
ていねい
)
に
云
(
い
)
つて、
愛
(
あい
)
ちやんは
談話
(
はなし
)
の
乘勢
(
はず
)
んで
來
(
き
)
たのを
大層
(
たいそう
)
喜
(
よろこ
)
びました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
伴「そのお嬢様が
振袖
(
ふりそで
)
を着て髪を島田に
結上
(
ゆいあ
)
げ、
極
(
ごく
)
人柄のいゝ女中が
丁寧
(
ていねい
)
に、
己
(
おれ
)
のような者に両手をついて、
痩
(
やせ
)
ッこけた
何
(
なん
)
だか淋しい顔で、伴藏さんあなた……」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すると奥さんはたいへん
丁寧
(
ていねい
)
にお嬢さんに向い、「佐保子や、お前坂本さんにダンスをお願いしなさい」と言われたので、ぼくは
一遍
(
いっぺん
)
に
冷汗三斗
(
れいかんさんと
)
の思いがしました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
一枚だけ残して雨戸も閉め、
散乱
(
ちらか
)
つた物を
丁寧
(
ていねい
)
に片寄せて、寝具も布き、
蚊帳
(
かや
)
も吊つた。不図静子は
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それから、そのあとで
丁寧
(
ていねい
)
に手を洗ったのであったが、それとても平生よりイクラカ念入りに洗った位の事で、左右の
掌
(
てのひら
)
には何の
汚染
(
よごれ
)
も残っていなかったように思う。
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そういう時、妻はわざわざ私の所へやって来て、『
遅
(
おそ
)
くなりますから、お先へ休ませて
戴
(
いただ
)
きます』と言う、
丁寧
(
ていねい
)
に三つ指をついてお辞儀をし、それから自分の
寝床
(
ねどこ
)
へ入る。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
『
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
ります。』と、
玄竹
(
げんちく
)
は
盃
(
さかづき
)
を
盃洗
(
はいせん
)
の
水
(
みづ
)
で
洗
(
あら
)
ひ、
懷紙
(
くわいし
)
を
出
(
だ
)
して、
丁寧
(
ていねい
)
に
拭
(
ふ
)
いた
上
(
うへ
)
、
但馬守
(
たじまのかみ
)
に
捧
(
さゝ
)
げた。それを
受
(
う
)
けて、
波々
(
なみ/\
)
と
注
(
つ
)
がせたのを、ぐつと
飮
(
の
)
み
乾
(
ほ
)
した
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
古墳
(
こふん
)
をやたらに
掘
(
ほ
)
つたりすることは
惡
(
わる
)
いことでありますが、
何
(
なに
)
かの
拍子
(
ひようし
)
に
壞
(
こは
)
れたりして、
中
(
なか
)
から
物
(
もの
)
が
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
には
大切
(
たいせつ
)
にこれを
保存
(
ほぞん
)
し、
丁寧
(
ていねい
)
にこれを
調
(
しら
)
べなくてはなりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
そして幾たびも
手拭
(
てぬぐい
)
をしぼってわたす。それをうけとって
丁寧
(
ていねい
)
に顔や
頸筋
(
くびすじ
)
、耳のなかなどに残った夜の粘りをとったのち最後に両手を、指を一本ずつ克明にふいて手拭をかえす。
胆石
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
何の珍しき事もなけれど朝から夜までの普通の出来事を
丁寧
(
ていねい
)
に書き現したるためにその人の境遇の詳細に知らるるが面白きなり。殊に小学校の先生といふがなほ面白く感ぜらる。
明治卅三年十月十五日記事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「ちょっと伺います、西洞までは未だ何里ありましょうか。」と
丁寧
(
ていねい
)
に訊くと、ちょっと立留ったがそのまま棒立ちになって、一行には目もくれず、何処か遠くの方を見入って
木曽御嶽の両面
(新字新仮名)
/
吉江喬松
(著)
“丁寧”の意味
《名詞・形容動詞》
丁寧(ていねい)
細かなところまで気を配り、入念にすること、さま。
言動が礼儀正しく、配慮が行き届いていること、さま。
話し手が聞き手に敬意をあらわす文法。
(出典:Wiktionary)
丁
常用漢字
小3
部首:⼀
2画
寧
常用漢字
中学
部首:⼧
14画
“丁”で始まる語句
丁度
丁
丁稚
丁子
丁字
丁髷
丁抹
丁々
丁重
丁卯