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里
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さと
ふりがな文庫
“
里
(
さと
)” の例文
が、
道行
(
みちゆき
)
にしろ、
喧嘩
(
けんくわ
)
にしろ、
其
(
そ
)
の
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
処
(
ところ
)
が、
遁
(
に
)
げるにも
忍
(
しの
)
んで
出
(
で
)
るにも、
背後
(
うしろ
)
に、
村
(
むら
)
、
里
(
さと
)
、
松並木
(
まつなみき
)
、
畷
(
なはて
)
も
家
(
いへ
)
も
有
(
あ
)
るのではない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「人間には嬉し泣きってものがある。
松王
(
まつおう
)
に泣き笑いがあるように、
壺坂
(
つぼさか
)
の
谷
(
たに
)
の
沢市
(
さわいち
)
とお
里
(
さと
)
に嬉し泣きをさせたら何うだろうと思う」
心のアンテナ
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
三重県の北部から滋賀県の
甲賀
(
こうが
)
地方にかけて、春のはじめに神様を山から、
里
(
さと
)
の方へ御迎え申す作法として、
鉤曳
(
かぎひき
)
という神事がある。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
足下
(
そこ
)
のごとく
虚弱
(
たよわ
)
き人のかく
患
(
うれひ
)
に沈みしは、神仏に祈りて
一四六
心を
収
(
をさ
)
めつべし。
一四七
刀田
(
とだ
)
の
里
(
さと
)
にたふとき
一四八
陰陽師
(
おんやうじ
)
のいます。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
旅
(
たび
)
の
途中
(
とちゅう
)
で、
煙草畑
(
たばこばたけ
)
に葉をつんでいる少女に
会
(
あ
)
った。少女はついこのあいだ、
緋
(
ひ
)
おどし
谷
(
だに
)
から
里
(
さと
)
へ帰ってきた
胡蝶陣
(
こちょうじん
)
のなかのひとり。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「
兄
(
にい
)
さん、もっと、どこかへいってみようじゃありませんか。
里
(
さと
)
の
方
(
ほう
)
へゆかなければ、いいでしょう……。」と、
弟
(
おとうと
)
がいいました。
兄弟のやまばと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは、しろ公を、
例
(
れい
)
の「さっぱ船」にのせ、自分が船をこいで、とうとうおっかさんのお
里
(
さと
)
まで、
入江
(
いりえ
)
を
渡
(
わた
)
ってしまったのです。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
陳者
(
のぶれば
)
、今年三月七日、当村百姓与作後家
篠
(
しの
)
と申す者、
私宅
(
わたくしたく
)
へ参り、同人娘
里
(
さと
)
(当年九歳)大病に付き、検脈致し呉れ候様、懇々頼入り候。
尾形了斎覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
四宮河原
(
しのみやがわら
)
を過ぎれば、
蝉丸
(
せみまる
)
の歌に想いをはせ、
勢多
(
せた
)
の
唐橋
(
からはし
)
、
野路
(
のじ
)
の
里
(
さと
)
を過ぎれば、既に志賀、琵琶湖にも、再び春が訪れていた。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
何事でも目的を達し意を遂げるのばかりを楽しいと思う
中
(
うち
)
は、まだまだ
里
(
さと
)
の料簡である、その道の山深く入った人の事ではない。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
里
(
さと
)
のおみやに何もろた、でんでん太鼓に、などと、でたらめに唄いだして、幸吉も低くそれに和したが、それがいけなかった。
新樹の言葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
しかるにその後神亀四年に新たに戸籍に編入せられ、雑戸を平民とした天平年間に
里
(
さと
)
と立てたものが、所謂
余戸
(
あまべ
)
の里だというのであります。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
何でもその家では、いがみの
権太
(
ごんた
)
こそいないけれども、いまだに
娘
(
むすめ
)
の名をお
里
(
さと
)
と付けて、釣瓶鮨を売っていると云う話がある。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼女が
里
(
さと
)
に出ていた時、「夜も昼も」訪ねくる殿上人をうるさがって、住所を隠したことがあった。その時も則光のみは自由に訪ねて来る。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
今夜はね、
根岸
(
ねぎし
)
の
里
(
さと
)
へ行って来るって
胡魔化
(
ごまか
)
して来たのよ。私だって、たまにはゆっくり
泊
(
とま
)
って見たいもの。——大丈夫よ。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
こゝには
无用
(
むよう
)
の
長舌
(
ちやうぜつ
)
なれど、おもひいだししにまかせてしるせり。さて我が
里
(
さと
)
にて狐を
捕
(
と
)
る
術
(
じゆつ
)
さま/″\あるなかに、手を
懐
(
ふところ
)
にして
捕
(
と
)
る
術
(
じゆつ
)
あり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
……わたしはあれから
落伍者
(
らくごしゃ
)
です。何をしてみても成り立った事はありません。妻も子供も
里
(
さと
)
に返してしまって今は
一人
(
ひとり
)
でここに放浪しています。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
自分はこの牡丹餅から彼女が今日
墓詣
(
はかまい
)
りのため
里
(
さと
)
へ行ってその帰りがけにここへ寄ったのだと云う事をようやく確めた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
書物讀み弟子二十人計に相成、至極の
繁榮
(
はんえい
)
にて、鳥なき
里
(
さと
)
の
蝙蝠
(
かうもり
)
とやらにて、朝から晝迄は
素讀
(
そどく
)
、夜は講釋
共
(
ども
)
仕而、學者之
鹽梅
(
あんばい
)
にて
獨
(
ひとり
)
笑
(
をか
)
しく御座候。
遺牘
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
此故
(
このゆゑ
)
に
腥
(
なまぐさ
)
き
血
(
ち
)
の
臭
(
にほひ
)
失
(
う
)
せて
白粉
(
おしろい
)
の
香
(
かをり
)
鼻
(
はな
)
を
突
(
つ
)
く
太平
(
たいへい
)
の
御代
(
みよ
)
にては
小説家
(
せうせつか
)
即ち
文学者
(
ぶんがくしや
)
の
数
(
かず
)
次第々々
(
しだい/\
)
に
増加
(
ぞうか
)
し、
鯛
(
たひ
)
は
花
(
はな
)
は
見
(
み
)
ぬ
里
(
さと
)
もあれど、
鯡
(
にしん
)
寄
(
よ
)
る
北海
(
ほつかい
)
の
浜辺
(
はまべ
)
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
夢見
(
ゆめみ
)
の
里
(
さと
)
とも
申
(
もうす
)
べき Nara la Morte にはかりよんの
音
(
おと
)
ならぬ
梵鐘
(
ぼんしょう
)
の声あはれに
坐
(
そぞ
)
ろ
古
(
いにしえ
)
を思はせ候
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
まだこの道は壺坂寺から遠くも
来
(
こ
)
なんだ、それに壺坂寺の深い印象は私に、あのお
里
(
さと
)
というローマンチックな女は、こんな
機
(
はた
)
を織る女では無かったろうか
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
酒折
(
さかをり
)
の
宮
(
みや
)
、
山梨
(
やまなし
)
の
岡
(
をか
)
、
鹽山
(
ゑんざん
)
、
裂石
(
さけいし
)
、さし
手
(
で
)
の
名
(
な
)
も
都人
(
こゝびと
)
の
耳
(
みゝ
)
に
聞
(
き
)
きなれぬは、
小佛
(
こぼとけ
)
さゝ
子
(
ご
)
の
難處
(
なんじよ
)
を
越
(
こ
)
して
猿橋
(
さるはし
)
のながれに
眩
(
めくる
)
めき、
鶴瀬
(
つるせ
)
、
駒飼
(
こまかひ
)
見
(
み
)
るほどの
里
(
さと
)
もなきに
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのことをきいて憤慨したのが、尾張の國愛知郡、
片輪
(
かたわ
)
の
里
(
さと
)
の一女流力者——ちよつとここではさんでおくのは、前の狐女末裔は大女、この正義の女史は小女です。
春宵戯語
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
するとどうしたものか、
気
(
き
)
がせくのと、
道
(
みち
)
が
暗
(
くら
)
いので、よけいあわてて、どこかで
道
(
みち
)
を
間違
(
まちが
)
えたものとみえて、いくら
駆
(
か
)
けても
駆
(
か
)
けても、
里
(
さと
)
の
方
(
ほう
)
へは
降
(
お
)
りられません。
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
日坂は金谷と掛川との
間
(
あいだ
)
の
宿
(
しゅく
)
で、
承久
(
しょうきゅう
)
の
宗行卿
(
むねゆききょう
)
や、
元弘
(
げんこう
)
の
俊基卿
(
としもときょう
)
で名高い
菊川
(
きくがわ
)
の
里
(
さと
)
や、色々の人たちの紀行や和歌で名高い
小夜
(
さよ
)
の
中山
(
なかやま
)
などは、みなこの日坂附近にある。
小夜の中山夜啼石
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
川のこっちは浅草もはずれの橋場通り、向こうは寺島、
隅田
(
すみだ
)
とつづく閑静も閑静な
雛
(
ひな
)
の
里
(
さと
)
です。
右門捕物帖:32 朱彫りの花嫁
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
それのみならず
気違
(
きちが
)
いはその
後
(
ご
)
、
里
(
さと
)
に帰っても里にいず、こじきとなって近村をふれ歩いた。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
地元
(
じもと
)
の
里
(
さと
)
はいうまでもなく、三
里
(
り
)
五
里
(
り
)
の
近郷近在
(
きんごうきんざい
)
からも
大
(
たい
)
へんな
人出
(
ひとで
)
で、あの
狭
(
せま
)
い
海岸
(
かいがん
)
が
身動
(
みうご
)
きのできぬ
有様
(
ありさま
)
じゃ。
往来
(
おうらい
)
には
掛茶屋
(
かけちゃや
)
やら、
屋台店
(
やたいみせ
)
やらが
大分
(
だいぶ
)
できて
居
(
い
)
る……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
聽いて見ると、このお菊といふ嫁は、この五月に下田から嫁に來たばかり、
里
(
さと
)
は豪家で、伊豆屋とは祖先が縁續きで、わけても先代から
懇意
(
こんい
)
な間柄といふことがわかりました。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
飛
(
と
)
ぶ
鳥
(
とり
)
の
明日香
(
あすか
)
の
里
(
さと
)
を
置
(
お
)
きて
去
(
い
)
なば
君
(
きみ
)
が
辺
(
あたり
)
は
見
(
み
)
えずかもあらむ 〔巻一・七八〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
まだ妹のお民が家に
逗留
(
とうりゅう
)
していたので、寿平次は弓の道具を取りかたづけ、的もはずし、やがてそれをさげながら、自分の妻のお
里
(
さと
)
や妹のいる方へ行って一緒になろうとした。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ほら、神田なのよ、お
里
(
さと
)
は、……。近頃、旦那さんとは、ろくに口も
利
(
き
)
かないのよ。
五月晴れ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「父上にはご老耄と見えます。先年、紀州貝塚で風摩の
里
(
さと
)
カマリに逢い、叔父御やら甥やら、生きながら焼き殺されたことをお忘れですか。敵といっても、これ以上のものはないはず」
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
周子が自分の
里
(
さと
)
などへ帰つて、Hに自分の名を云はせて母親などを感心させたりする光景を私は想像した。そしてHが称ふ
音
(
おん
)
が、滑稽に響いて皆が笑ふであらうことを想つて恥を感じたのだ。
秋・二日の話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
余の得し所これに
止
(
とど
)
まらず、余は天国と縁を結べり、余は天国ちょう親戚を得たり、余もまた
何日
(
いつ
)
かこの涙の
里
(
さと
)
を去り、余の
勤務
(
つとめ
)
を終えてのち永き眠に就かん時、余は無知の異郷に赴くにあらざれば
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
「この人が北園竜子に使われていたお
里
(
さと
)
さんというのです」
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お
里
(
さと
)
の知れた少しの涙でしめされるな。強くなれ。
〔蒼冷と純黒〕
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「お
里
(
さと
)
さん、
御馳走
(
ごっそ
)
だすぜ、さアお
出
(
い
)
でやす。」
火
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
目
(
め
)
あかしの
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
む
里
(
さと
)
の
霜夜
(
しもよ
)
かな
荷風翁の発句
(旧字旧仮名)
/
伊庭心猿
(著)
幾年
(
いくとせ
)
を生きよ、
里
(
さと
)
の子。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
うまれの
里
(
さと
)
へ初見舞。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あきわの
里
(
さと
)
に
霜
(
しも
)
やおく
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
正月
元日
(
ぐわんじつ
)
、
里
(
さと
)
ずまひ
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ふる
里
(
さと
)
をはる/″\
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
里
(
さと
)
こひし。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
村
(
むら
)
から
里
(
さと
)
へ
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
「
山
(
やま
)
に
食
(
た
)
べるものがなかったから、
里
(
さと
)
へいって
鶏
(
にわとり
)
でも
捕
(
と
)
ってこようと
思
(
おも
)
うのだ。」と、きつねはめんどうくさそうにいいました。
ものぐさなきつね
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
とお母さんが
窘
(
たしな
)
めた。芳夫さんは
里
(
さと
)
の
惣領息子
(
そうりょうむすこ
)
だ。学生時代から家へは
能
(
よ
)
くやって来るので、殊に遠慮のない間柄になっている。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
……
煙
(
けむり
)
の
遠
(
とほ
)
いのは
人
(
ひと
)
かと
見
(
み
)
ゆる、
山
(
やま
)
の
魂
(
たましひ
)
かと
見
(
み
)
ゆる、
峰
(
みね
)
の
妾
(
おもひもの
)
かと
見
(
み
)
ゆる、
狩
(
か
)
り
暮
(
く
)
らし
夕霧
(
ゆふぎり
)
に
薄
(
うす
)
く
成
(
な
)
り
行
(
ゆ
)
く、
里
(
さと
)
の
美女
(
たをやめ
)
の
影
(
かげ
)
かとも
視
(
なが
)
めらるゝ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“里”の解説
里(り)は、尺貫法における長さの単位である。現在の中国では500 m、日本では約3927.2727 m = 約3.9 km、朝鮮では約400 mに相当する。
(出典:Wikipedia)
里
常用漢字
小2
部首:⾥
7画
“里”を含む語句
巴里
露里
郷里
村里
遊里
遠里
首里
巴里人
満洲里
故里
日暮里
里人
万里
半里
加里
柳里恭
七里
大里
五里霧中
歇私的里
...