“陳者”の読み方と例文
読み方割合
のぶれば100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分を生んだ父は、「拜啓陳者のぶれば」に初まつて「早々頓首」に終るのが、古今を通じて動かすべからざる書翰文の定形だと信じてゐる。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
陳者のぶれば、今年三月七日、当村百姓与作後家しのと申す者、私宅わたくしたくへ参り、同人娘さと(当年九歳)大病に付き、検脈致し呉れ候様、懇々頼入り候。
尾形了斎覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
役人溜りでは、夜詰よづめの同心がちょうど手紙を書きだしたところで、巻紙まきがみに「拝啓はいけい陳者のぶれば……」と書きかけ、そのすずりの水もまだ乾いていない……
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)